「──さて、みなさん、コロシアムから出ていってください」
フーのその言葉に観客はざわめき、司会も困惑してる。対して寧音は楽しそうである。
「ふ、フー様!?」
「あはは!、そうだねぇ、司会さん、ここは言うこと聞いた方がいいよ」
「わ、わかりましたネネさん、皆さん!、試合は映像で見れるので出てください!」
司会と寧音の先導のもと、数分でここは私達二人だけになった。
「さて、始めようか、カゲトラ」
フーは両手を合わせる、そして、
「
地面から巨大な木が生え、私を押し上げる。
「おぉぉぉ!?」
「な、なんだあれはぁぁぁ!、コロシアムを飲み込むほどの、巨大な木が生えたぞぉ!」
「あはは!、ヤバイねぇ、彼女既にAランク騎士に相当してるわね」
外の人達も驚いてるな、さっきからだったが、それにしても高いな、高層ビル並みにあるぞ。
「さぁ、やりましょうか」
「──あぁ、思う存分にね」
私達は大樹の中での闘いが始まった、フーが指を弾くと、木々の四方八方から木の槍が発射される、さっそくヤバイがこれくらい鍛練の時よりかは軽いな。私は全て防いでみせる。
「さすが、口だけではないみたいだね、じゃあこうだ」
今度は木々から人形がでてくる、その手には今も発射されている木の槍を手にしてる、わぁおここまで同じか。
「
れ」
木の兵達が一斉に襲いかかる、まぁこれくらいなら、私は刀に光を纏わせる、それで兵達を焼き切った、そのまま兵は燃えて、消し炭になる。そのまま私は矢を防ぎながら木を蹴っていって、刀がフーを切り裂いた。
「──やるね、でも足りない」
切られたはずの傷は急速に塞がっていく、これは面倒だな、なら連続で。
「よく届いたね、ここまで来れたのはジジイが初だよ、ならばこうだ」
フーは木の中に埋まっていき、姿を隠した、なにそれ。
「本当に多芸だね」
「あはは、でしょ?」
いつの間にか、私がいた枝の上にフーがいる、自由に木の中を移動できるのか。
「ふふ、思う存分やれて楽しいね、これが本気の闘いかぁ、じゃあ今度はこれでどうかな。
フーは植物の大きな竜を作る、その口から膨大な緑の魔力が集まっている。
「こーれはヤバイ、ならこっちもこれで」
私も刀に光を収束させる。前のやつより何倍もの魔力を使って。
「
「
私とフーの全力の
「「はぁぁぁぁぁ!!」」
そして、2つの力はピークを達して、爆発が起きる。
「──がっは!?、はは、キツいね、私と拮抗できるやつはお前が初めてだよ、フー」
ヤバイな、少し意識とんでいたようだ、フーのほうも再生はしてるが、息をきらしており、限界は近い感じだ、まぁ私も結構ヤバイ。
「──
フーは枝に手を突き刺すと、そこからとてつもない魔力を感じる剣が引き抜かれる。
「私も貴女も魔力もカラカラでしょう、なら近接戦闘で決めようか」
「……いいね、こっちもこれでやろうじゃないか」
私も刀に光を纏わせる。
「「──勝負!」」
私とフーの全力の攻防が始まった、あの剣、私の光を受けても燃えやしない、かなり特別なものなのだろう、フーは木々も利用して、攻撃してくる、しかし前よりは激しくなく、少し面倒な程度だ。
それから何時間、いやまだ数分しか経っていないだろう、それほど濃密な時間、戦闘をしている。
「──これで、最後だ」
「ええ、最後にしましょう」
私と、フーは駆けていき、お互いの攻撃が交差する。
「──」
「──」
先に膝をついたのは私、だが。
「──見事」
血を吐き、フーはそのまま地面に落ちていく、それを私はキャッチして、足がビキビキと音がしたが着地する、それと同じくらいに、大樹が朽ちていき、消えた。
「……はは、どうせなら勝ちたかったけど、なんだろうね、満足……してしまった」
「私もだ、またやろうな、フー!」
私が屈託のない笑顔を向けると、フーは顔を赤らめる。
「……ふふ、そうね、また……やりましょ──」
フーは少し笑い、それだけ言うと、気絶した。
「試合終了!、勝者!カゲトラ!」
「──はぁ、私も……これは流石に──」
その声を最後に、私も意識を手放した。
○
──目を覚ますと、そこは病室だった。
「……そうか、気絶してしまっていたのか」
私は病院服から、横のかごにあった私服に着替えて、病室から出る。
「か、カゲトラさん!?、もう出て大丈夫なんですか?」
コロシアムの向かおうとすると、ドクターらしき人に呼び止められる。
「無論だ、それよりまだエーデルワイスとワンロンの試合は始まっていないな?」
「あ、はい、今は大樹の掃除が終わったところです」
「そうか、じゃあ早いところいかないとな」
エーデルワイスとワンロン、これだけは逃せないと、私の勘が五月蝿いほど言ってるからな。