流星の配信者 作:メテオG
さっき確認したらUAが1話の倍以上延びてました…。いや、どういうことなの…??しかも評価バーがオレンジでぐんと伸びてるんですよ!!!!
まさかと思い日間ランキングに飛び込むと居ました、この作品が。71位でした。
皆様本当にありがとうございます…!!流星のロックマン、どうしてもマイナーだから伸びないと思ってました…これからも皆様の期待に添えるよう頑張ります。
あと今回流星のロックマンを知らないと分からない場面があるやもしれません、申し訳ない。勿論今後の話で説明とか入れますが、もし待てなかったら流星のロックマン2を買ってプレイしてください。やったらなんとなく分かるかと思います。
また前書きが長くなりました、では本編をどうぞ。
「はい、今日はロックマンの料理配信だよー」
《マジでやるのか(絶句)》《その左手じゃ何も出来ないのでは…??》《ノイズの料理配信とかじゃなくて良かった》《わこつ》《というか台所汚いな》《ロックマンも普通の暮らしなんだな…》
彼が立花響と小日向未来の目の前から姿を消して1日が経った。逃げた後の彼は何事もなかった様な顔をして今日も今日とて配信を開始している。今日はどうやら、昨日の配信で言ってた通り料理配信の様だった。当然ロックマンの姿である。ウォーロックはあり得ないものを見る顔をしていた。
「うるさいぞ君たち。食材はロックの顔で押さえればいいだろ」
《悪魔か???》《相棒の顔をなんだと思っているのか》《お前左手の表情をよく見ろよ》《ロック(仮)がかわいそうだろ!》《で何作るの?》《というか料理出来んのか》
「出来るに決まってるでしょ。というわけで今回はカレーを作ってくよ。材料は目の前に置いてあるから」
視聴者が思っていたよりも手際よく、彼は調理の準備を終えて調理を始めていく。やはり二年も一人暮らしをしているとある程度の自炊は出来るらしい、つまらない、なんてコメントも度々見える中。あっという間に調理行程の半分を終わらせた。後は煮込むだけである。彼はやりきった、という顔だが、ウォーロックは半比例して疲れきった顔である。
「これで僕の二週間分くらいの食事です」
《どうりで量が多いと》《二週間カレーとか食生活狂っとんのか》《そいや今日はノイズ狩らないの?》《一人暮らし特有のそれで笑う》《そりゃそんな大きい鍋なら二週間はあるだろう》《草》
「カレー三昧は楽しいぞ。…あとノイズ狩りはノイズが出てないのでやらないよ。というかそもそもノイズが出ない事に越したことはないからね。僕としてはいつももう二度と現れるなと思ってるし」
《ホントか?》《何も信じられない》《調理中に効率の良いノイズの倒し方を語っていた人物とは思えない発言》《嘘はよくないぞ》《今さらだけど今のロックマンて料理してる青タイツの変態だよな、手しか見えてないけど》
「本当ならもう少し配信を続ける予定だったんだけど、米を炊いてないし買ってない事に気付いたので今日はここまでということで。じゃあね」
やってしまったな、そう言いたげな表情で彼は炊飯器を眺めながら配信を止める。何故米を買ってないのか追及するコメントが多く流れていたが彼は気にしていなかった。電波変換を解除して、ウォーロックに一言謝ったあと外出の支度を始める。
『おいスバル、メールが届いてるぜ』
「メール?僕に?…迷惑メールとかじゃなくて?」
『どうやらこの町のデンパからみたいだ。俗に言うHELPメールってやつだな』
「ああ、最近デンパくん達の間で流行ってるあれだね」
『どうする?行ってやるか?』
「うん。ここら辺のデンパくんには昔お世話になったから。ちゃんと恩を返したいんだ。そのついでにお米を買おう」
彼が珍しく、柔らかな笑みを浮かべる。デンパくん、というのはウォーロックと同じように意思と感情を持った電波の事だ。基本的に皆同じ見た目で区別がつきにくく、世界中に溢れるほど存在していたりする。電波があるところには必ず居ると言っても過言ではない。メールとかを運んでくるのもこのデンパくんであり、この時代にとって欠かせない存在だ。
彼自身もこの町のデンパくんに引っ越した当初大分助けられたことがあるようで、まるで旧友に会いに行くかのように少しウキウキしながら家を後にした。
「くそッ、どうなってるのロック!!?」
『ありゃオーパーツみたいなもんだ!!聖遺物、だったか!!?そん中でも相当ヤベェぞ!こっからでもバシバシ嫌な電波が飛んできやがる…!』
「このままだと!?」
『良くてあそこの工場地帯が吹っ飛ぶ!!』
「最悪は?!」
『…考えたくもねぇな!!!』
工場地帯へと入るための鉄橋、その上をママチャリで全力疾走しているのは額から大量の汗を流している彼だった。しかしそれよりも目を惹くのは彼の行く道の惨状だ、酷く焦げて折れ曲がったガードレール、ノイズが消えたのであろう炭の跡、そして歪みに歪んで横転している黒い車。
更に視界の先には遠いせいで豆粒の程の大きさにしか見えないが、確かに光を放つ剣の様な物が上空に浮いている。あれこそが、ウォーロックの言っている聖遺物、というものなのだろう。
明らかに、彼は危険に首を突っ込もうとしていた。
彼の目的地はとある薬品工場。ウォーロックの導くまま、お祭りとかで売ってそうなお面を顔につけて愚直に自転車を走らせる。このままのペースなら五分も経たずに目的地に到着するが、それでは完全に間に合わなそうな雰囲気を彼は感じ取っていた。
「あ"あ"あ"あ"身バレじだぐな"い"ぃぃぃ!!!」
『んな事言ってる場合か!!?』
「だっ"で!!」
『泣くなバカ野郎!!』
「なんでこう言うときに限ってウェーブホールが無いんだ!!」
彼にとって危険に首を突っ込むイコール身バレの危機である。なので、本来ならこんな危険な場所に行くならロックマンに変身してから行くのだが、今回はそれが出来なかった。
というのも、彼が言っている通り、ロックマンに変身するために必要な電波溜まり…ウェーブホールがこの辺りに一切存在していないようで。しかも日頃運動なんてしていないので、この全速力で何十分も自転車を漕ぐという行為に身体が完全に追い付いていない。その鬱憤を晴らすかのように泣いて叫んでいるのだろう。それにしてもみっともなかった。
最初は仕方なくウェーブホールが見つかるまで自転車で移動しよう、なんて言っていたのが既に目的地のほぼ目の前に来てしまっている。せめてもの身バレへの抵抗でお面をつけているが、意味があるとは思えない。
「…改めて聞くけど、これ間に合うのロック!!?」
『…ウェーブホールが見つかれば』
「ここまで自転車走らせて間に合いませんでしたはシャレにならない!!!道中SPっぽい人とか監視カメラ潜り抜けるの大変だったんだよ!?」
『けっ、知ってらぁ!死にたくないならウェーブホール必死に探せや!』
何故こんなことになったのか、と問われれば偶然と彼は答えるだろう。事の始まりはデンパくんの悩み事を解決したあとの買い物途中。少し遠くのスーパーまで買い出しに来ていた彼とウォーロック。その途中でウォーロックがヤバい電波をこの先から感じる、なんて言わなければ彼はここまで自転車を走らせなかっただろう。
それもこれもウォーロックの言葉を信じていたからこそ、自信家のウォーロックが《ヤバい》なんて表現を使うのは、相当危険な証拠でもある。
「あった…!」
彼がどうすればいいか思考を巡らしている最中、鉄橋の道端にウェーブホールを発見する。渡りに船、とはこの事を言うのだろう。迷わず彼は減速することなく、むしろ自転車を加速させてウェーブホールへと突っ込んでいく。
「電波変換!星河スバル、オン・エア!」
電波変換直後特有の閃光、そして乗り手を無くした自転車がそのままバランスを崩して道路へ倒れこんだ。そしてその丁度真上には、ロックマンへと姿を変えた彼が電波の道であるウェーブロードに立っていた。
「このまま工場に突っ込むよ、ロック!」
止まっている時間などない。視界の先には宙に浮く聖遺物に手を伸ばす二つの人影。彼は焦るように、その場から一瞬で姿を消す。
そして次にその姿を現したのは、正しく戦場のど真ん中だった。
特異災害『ノイズ』で溢れた、とある薬品工場地帯。そこで先ほどまで二人の少女が戦っていた。一人は、それが誰かの助けになると信じ力を振るう少女、立花響。もう一人は、その道に進めば世界から争いが消えると信じて鎧を纏う少女、雪音クリス。全く違うようで何処か似ている思いを持った二人。力を振るう少女は守るために、鎧を纏う少女は奪うために、完全聖遺物『デュランダル』を巡って戦っていたのだ。
しかし、その戦いは彼が辿り着くよりも早く、二課の指令により完全聖遺物を守り抜こうとしていた彼女、立花響がその完全聖遺物を手にした瞬間に終結した。
しかし、ただ終わったわけではない。彼女がそれを手にした瞬間に、また新たな戦いの火蓋が切って落とされた。
その状況をなんと表現すればいいのか、彼女は聖遺物の力に飲み込まれ暴走したのだ。その身をまるで怪物の様な姿に変え、破壊衝動に流されるがままに聖遺物を振るう。
「なんだ…!?なんなんだよお前!!」
少女、雪音クリスはその目の前の理不尽な現実を否定するかのように叫んだ。『ネフシュタンの鎧』と呼ばれる兵器の如き力を発揮させる鎧を身に纏っている彼女だが、今のこの異常な現状にはなすすべなく膝を着いていた。圧倒的な力による一方的な蹂躙、これを戦いとは呼べないだろう。その証拠に立花は雪音に背を向けていた。既に雪音など眼中にないのだろう。
「…!」
聖遺物に飲まれた立花が聖遺物の刀身を上に向け、両手で構える。すると聖遺物全体が目映い光を放ち始め、暴力的な力を放出し始める。
「そんな力を見せびらかすなッ!!」
咄嗟に雪音はその手に持つ銀色の杖を振るう、直後立花の背後に複数のノイズが出現。どうやらノイズを用いて立花を止めるつもりらしいが。
「─■■■■ッッ!」
ノイズの召喚に反応して雪音の方に振り返る立花。当然のようにデュランダルは構えたままだ。このままでは、力を貯めたデュランダルは雪音へと振り下ろされるだろう。まずい、雪音がそう判断するよりも早く、反応した人物がいた。
「チッ…!」
櫻井了子。二課所属の科学者であり、かのシンフォギアの開発者である。しかし溢れている雰囲気が異様だ、まるで蛇のような、狡猾で不気味なものを感じる。何かをするつもりなのだろう、事実、これから櫻井了子は今から振り下ろされるデュランダルの被害を抑える気だ。そんなことを普通の科学者に出来る筈がないが、生憎櫻井了子は
だが。
それよりも早く、誰よりも速く立花に接近する影があった。
「バトルカード、スタンナックルッ!」
黄色の巨大な拳が、立花の腹部に吸い込まれる様にぶつかる。同時に立花の身体が痺れた様に硬直、更に狙ったのか偶然なのか、デュランダルを振り下ろす寸前に生まれた隙を綺麗に穿ったようで、何の抵抗もさせずにその身体を5mも吹き飛ばした。
「な、んだ…お前…!?」
「…見えてるのか?」
『恐らくここら一帯があの聖遺物とやらのせいでビジブルゾーンになってんだろうな。それよりスバル』
「分かってるロック、早めに決着を着けよう」
『あの剣のエネルギーを解放させちゃまずいからな…』
突然の乱入者に驚く雪音、シンフォギアによる調律でもなければ本来見えない筈のロックマンがどうやら見えてるらしかった。ウォーロック曰く、ビジブルゾーン…一部の電波が視認出来るようになる空間が出来上がっているようだ。だが彼はそんなことを気にしている暇はなかった。
「■■■■!!」
「そんな大振り当たるか!」
片手、上段大振りでデュランダルを振るう立花。届く筈のない間合いが、デュランダルから伸びるビームの様な何かによって埋められていく。まさにビームの刃だ、彼が普段使うようなちっぽけなソードなんかとは比べ物にもならない出力。しかし、いかに出力が高かろうと大振りで、しかも速さはそこまでではない。かわすのに苦労はしなかった。
ただ予想外だったのはその余波だった。かわした筈のビームの刃が地面に触れれば、地面が元々地雷でも仕込んであったのかと思うほどの大爆発を起こす。運良くその爆発が彼に命中することは無かったものの、文字通り電波の様に軽い彼の身体は爆風に煽られ宙へと放り出される。
「■ッッ!」
「───バトルカード!ジェットアタック1!」
今の大振りな動きは嘘だったのかと言いたくなるような機敏さで、既に第二撃を繰り出そうとしている立花。否、今既に繰り出された。両手での切り上げ、あのビームの刃の射程の長さから考えてこのままならかわせない、そう即座に判断した彼は次の手を打つ。ウォーロックが黒いロケットに変わり、推力で勢いをつけて、高速で迫るデュランダルを紙一重で避けながら二度目の突撃。
しかし避けられたのを見た瞬間に立花は切り上げたデュランダルを無理やり横に振るう。普通の長剣ならばそんな芸当出来るとは思えないが、立花の纏うシンフォギアの馬力とデュランダルによるパワーアップがそれを可能にしていた。
剣が急に曲がる等と思っていなかった彼は虚を突かれ、攻撃はクリーンヒット。ジェットもバラバラと崩れウォーロックの頭部へと戻ってしまう。
「とんでもないな…っ、立花響に剣の心得なんて無い筈だぞ…!?」
いつもなら思い出そうともしない立花響との記憶が呼び起こされる。彼の知る立花響は、剣の心得どころか、喧嘩すらしない人物だ。それが暴走しただけでこんなにも脅威になるものなのだろうか。
『お前にも覚えがあるだろうよ!あの身体を勝手に使われる感覚は!』
「そりゃそうだけ、どォ!」
立花から三撃目が飛んでこないうちに地面に着地、なんとかデュランダルを避けながらもチャンスを伺う。
「チェイン、バブル!」
この場には場違いな、大きな三つの泡が立花に迫る。条件反射でデュランダルを振りかざすがもう遅い、泡はその大きな見た目から予想だにしない速さで立花に命中。更に立花をその泡の中へと閉じ込めた。
「──■■!?」
泡の中ではどうやら身動きが取れないらしい。ふわふわと浮く泡の中で立花は暴れるが中々泡は割れない。その隙を彼は逃さない。
「バトルカード、ホタルゲリ1!!」
繰り出したのは目映い雷光を纏った三連続の蹴り。泡を突き破り命中する度に立花の身体に電気が迸り大きなダメージを与える。更に、泡から解放された立花の身体はふらつきバランスを保てておらず、辺りに適当にデュランダルを振り回している。どうやら、今の蹴りは立花の視界を一時的に奪ったようだった。
「まだ倒れないのか…!?」
『これ以上はあの女の身体が持たねぇぞ!』
「分かってる!でもそんなの気にしてる場合じゃ…もっと火力の高いカードの一撃で!」
中々倒れない立花に動揺しながらも、攻撃の手は緩めない。デュランダルをやたらめったら振り回しているせいで迂闊に近寄れないので、ある程度の距離を取りながらウォーロックの口からエネルギー弾、ロックバスターを撃ちながら次の手を考え続ける。
『バカヤロウ!んなことして後悔すんのはお前だぞスバル!別にお前はあの女を傷つけてぇ訳じゃねぇだろうが!』
「だったらどうすんの!?あの剣のエネルギーは溜まってく一方なんだよ!?」
『だったら最初から手加減すんなって話だろうが!!お前は時折中途半端なんだよ!!』
彼の言う通り、デュランダルの放つ光はより一層強くなり始めている。光の強さは直結してデュランダルが秘めているエネルギーの強さなのだろう。あれが放たれるのだけは不味い。しかし何度も攻撃を加えているにも関わらず立花は一切怯まない、当初は気絶でもさせればいいと考えていたが、ここまで来ると気絶させられるような相手とは到底思えない。
「なんなんだよあいつ…腕と喧嘩してんのか?」
それを見ていた雪音は絶句していた。自分が手も足も出ないと一瞬でも考えてしまった相手に、一切臆すことなく戦うぽっと出の青い戦士。それがいきなり自分の腕に付いている顔と喧嘩を始めたのだから。しかも驚くべきは喧嘩しながらも油断なく応戦を続けている所だ。一体何者なのだろうか?
雪音はロックマンという存在を一切知らない、今初めて知ったほどだ。だが、ただ者ではないのだけは理解できていた。最初は二人が戦っているすきに乱入でもしてやろうと考えていたが、目の前の戦いに乱入する隙など無かった。
「…っ、埒が空かない!ロック!この際だ、アレを使ってごり押しだ!!気絶させられないなら強引にあの剣を奪い取るぞッ!」
『上等だ!さっきから俺の中のアイツらも暴れたくてウズウズしてたからなァ!』
既に立花の視界は回復していた。しかしその動きに先ほどまでの化け物染みた強さは感じない、少しはダメージが入っているのだろう。それを好機と見た彼とウォーロック、突進するように立花へと直進していく。
更にその右手に紫電を纏った一つのカードが生成される。それを右手ごとウォーロックの口へと突っ込んだ。
「バトルカード!」
『ウォリアーブラッドォ!』
バチバチィッ!とロックマンの身体の節々から雷が迸る。それはどんどんと強くなっていき、ロックマンを覆っていく。次第に発生した雷は、剣を構えた戦士の姿を象ったオーラへと姿を変える。
「■■■■■■■ッ!」
デュランダルを叩きつける様にロックマンへと振り下ろす立花。先ほどまでの彼なら致命傷になりかねないので避けていたが、今回は迫るデュランダルの刃を一切気にすることなく、減速も回避をもせずただ前に進んでいく。立花と彼の距離は約14m前後、このまま突き進めば2秒もあれば距離は0になるだろう。
当然避けなかったのだからデュランダルの刃は余すところなくロックマンの胴体を切り裂いていく。しかしロックマンは一切仰け反らないし怯まない、まるでダメージなど無いように振る舞い、更に加速をかける。
『あと12秒!』
「十分!!」
否。ダメージが無い筈がない、その斬撃はロックマンに致命傷に等しい程のダメージを与えている。
ならば何故ロックマンは何事もない顔をしているのか?それは、ロックマンが使ったバトルカード《ウォリアーブラッド》に理由があった。《ウォリアーブラッド》の効果は
更にこのカードは使い始めたが最後、戦いが終わるまで使用した者の精神と生命を削っていく。ウォーロックの言った秒数とはそのまま彼が戦ってられる残り時間だ。
「掴んだ!」
「─■■!?」
そうこういっている間に、立花が振るい続けていたデュランダルの刃をロックマンが掴んだ。その握力はとんでもなく、立花は掴まれたデュランダルを一切動かせなくなっていた。
「これで、終わりだァッ!」
デュランダルの刃を握り締めながら、強引に腕を横に振れば力負けした立花はデュランダルの柄から手を離した。デュランダルを奪い取った彼は、デュランダルを全力で地面に叩き付けた。デュランダルから溜まりに溜まっていたエネルギーが空気が抜けるように霧散していく。
デュランダルを手放した立花の目に理性が戻る、同時に今まで掛かっていたのであろう負荷にその身体は耐えきれず、膝から倒れこんでしまった。
「──」
立花が倒れるのを見届けた彼は複雑そうな顔をして動きを止める。何か思い出したくもないことを思い出してしまった、そんな雰囲気だった。
しかしそれも一瞬の事、彼はその場から姿を消した。身体も限界だったのであろうし、デュランダルによってこの工場一帯が吹き飛ぶ心配も無くなり、彼がここにいる理由はもう無かった。
そうしてこの場に残ったのは気絶している立花、舌打ちしてこの場を去ろうとしている雪音。興味深げにロックマンの居た場所を見つめる櫻井了子だけだった。
「…はっ、ロックマンか。ムーの遺産による電波体かと思えばどうも違うらしい…詳しく調べる必要があるか」
不穏な言葉を呟きながら櫻井了子は立花に近付く。容態を確認してみれば、どうやら目傷はないらしい。二課に連絡をして、救助を待つ。
「だがデュランダルの力を確認できたのは僥倖だったな」
改めて辺りを見渡す、雪音が姿を消していた。しかし櫻井了子はそれに微塵も興味を示していない、櫻井了子の視線の先にあるのはロックマンに地面へと叩きつけられたデュランダルのみ。
彼の預かり知らぬところで、何かが始まろうとしていた。
こんなに字数が膨らむと思いませんでした。気持ち的には5000字くらいで終わらす予定だったんですけど戦闘描写が難しくてあれでした。どうしても字数が膨らむと書くのに時間が掛かって投稿が遅れるので気を付けたいなと思います。