観葉植物と孕ませおじさんが戦います

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観葉植物 VS 百合ップル孕ませおじさん

「おいおい……なんだよ、こりゃあ……」

 

 

 

 百合ップル孕ませおじさんが思わずそう呟いた。

 

 

 

 百合ップルが眠る寝室の扉の前、そこに巨大な観葉植物が立ちふさがっているのである。

 

 

 

 床には、同好の士である盗撮おじさんが倒れ伏しており、その首元には幾多もの針が突き刺さっていた。彼とは今晩、ここに住んでいる百合ップルを孕ませるはずであった。

 

 

 

 リビングの床は血溜まりが出来ている。盗撮おじさんが最早助からぬ事は一目瞭然であった。

 

 

 

(針が刺さっただけとは思えねぇ出血量……こりゃあ、ただの針じゃあねぇな?)

 

 

 

 事実、この針はパイプのような構造になっているうえ、針の中で血液が固まるのを防ぐ為に抗凝固剤までも塗られていた。

 

 植物としてはありえぬ、おじさん達を殺す為の構造である。

 

 

 

 盗撮おじさんを死に至らしめた、目の前の化け物、この部屋で観葉植物に擬態していたソレが最早正体を隠す素振りすら見せず、茶褐色の鉢植えからずるりと根を出した。

 

 

 

 その根は二股になった大根のように分かれており、胴体に当たる部分は太い幹で出来ている。鉢植えから出たその巨大な体を見て、孕ませおじさんが息を飲んだ。

 

 

 

(で、でけぇ! なんっつーでかさだ! 頭が天井にまで届いてやがる……ッ!)

 

 

 

 幹からは巨大な枝が2本生えており、そのうちの一本は先端に銃口のような穴が開いていた。穴先からは白い煙が立ち昇っている。

 

 

 

 高速で針を打ち出したことにより、枝先が熱くなり、水蒸気が立ち昇っているのだ。

 

 

 

(盗撮おじさんを殺りやがったのは、アレだな……? 俺に対してもすぐ撃ってこねぇ所を見るに、連続しては撃てねぇってことか? ――だったらよぉ……)

 

 

 

「先手必勝ッ!」

 

 

 

 ぶおん、そんな風切り音を立てながら孕ませおじさんは近くにあった椅子を観葉植物に向かって投げつける。

 

 

 

 それと同時に孕ませおじさんも間合いを詰め、観葉植物の幹へと殴り掛かった!

 

 

 

「ザ……ザザ……愚かな」

 

 

 

 ――観葉植物が、喋った。

 

 

 

 日常では決してあり得ぬ異常事態に孕ませおじさんは少しばかり驚いたが、構わずその拳を振りぬいた。

 

 

 

 孕ませおじさんの体重は150㎏を超えている。腹も出ており、彼の見た目を一言で評するのならば【太った汚いおっさん】である。

 

 

 

 だが、見かけの汚さとは裏腹にその体は非常に鍛えられており、相撲取りと同じく筋肉が脂肪で隠されている為、太っているように見えるだけであった。

 

 世が世ならば、何らかの格闘技の王者となっていても可笑しくない男である。

 

 

 

 その、孕ませおじさんの拳が、受け止められた。

 

 

 

 椅子は宙で砕かれ、孕ませおじさんの拳は幾重もの蔦で編んだ壁で止まっている。

 

 

 

 観葉植物の頭のように思える箇所からは、蔦が髪の毛の如く何本も生え、それが素早く動いて壁を作ったのだ。

 

 

 

 おじさんがその汚い巨躯からは想像もできぬ軽快さで後ろへと下がる。元々孕ませおじさんが立っていた場所を、銃口のようになっている枝とは違う、もう一本の枝が薙ぎ払った。

 

 

 

 観葉植物は蔦で編んだ盾を下ろし、ざわり、ざわりと枝についた葉を揺らした。

 

 

 

「ザザザ……貴様らは何故尊さを理解しない? 百合は眺めて慈しむものだ。決して、触れてよいものではない……」

 

 

 

 葉が揺れる音、それが先ほどおじさんが声と思ったものの正体であった。

 

 

 

「それがわからぬものは――死ね!!!」

 

 

 

 観葉植物が怒号をあげる! それとともに枝の先端からショットガンの如く針が打ち出された!!

 

 

 

(なっ!? こいつもう針を補充しやがったのかよっ! 畜生! 思ってたよりもリロードが速い!)

 

 

 

 

 

 孕ませおじさんが知る由もなかったが、この観葉植物は左枝に針をため込んでおり、一日に1000本程度、この針――観葉植物がバンブーニードルと呼んでいるものを打ち出すことが可能であった。

 

 

 

 普通のおじさんならば50本も首元に撃てば死に至らしめる事が出来る、このバンブーニードル。観葉植物はそれを目の前の孕ませおじさんに残るすべて――950本を打ち込んだ!!

 

 

 

 先ほどまでの一瞬のやり取りで、観葉植物は目の前のおじさんを脅威だと判断したのである。

 

 

 

(拡散して撃ちだした950本ものバンブーニードル、どうあがいても完全に避ける事はできまい! 死ね! 百合を脅かす汚物が!)

 

 

 

 バンブーニードルの嵐がリビングの机、フローリング、最早死に絶えた盗撮おじさんもろとも孕ませおじさんを貫く!

 

 

 

 木屑と血しぶきが舞い、観葉植物は己の勝ちを確信した。950本ものバンブーニードルを使った全力射撃、これに耐えれる人間なぞいるはずがない、と。

 

 

 

 だが、血煙が収まった頃、そこに立っていたのは――

 

 

 

「ヒュゥゥゥ……まさか、植物如きにこの技を使う事になるとは思わなかったぜ……!」

 

 

 

 無傷の百合ップル孕ませおじさんであった!

 

 

 

 ぶよぶよとしていたはずの体が、減量期のボディビルダーのように引き締まり、硬くなっている! その硬度は、辺りに散らばる折れたバンブーニードルが物語っていた。

 

 

 

「キサマァ、本当に人間か……」

 

 

 

「へっ、イチモツがねぇ植物にはわからねぇかもしれねぇがよ……男はその気になれば硬くなれるもんなんだよ」

 

 

 

 孕ませおじさんはそう言いながらも、内心では冷や汗をかいていた。この技は、その時の性欲で効果が大きく変わる使い勝手の悪い技なのである。

 

 

 

(『全勃起』イチモツ以外も勃起させる事が出来るんじゃねぇかと、洒落で使えるようになった技だが……数日前からオナ禁してなきゃあ、ヤバかったな。普段の硬度なら針が刺さっちまってるところだった)

 

 

 

 全勃起した孕ませおじさんと、観葉植物が睨みあう。孕ませおじさんは目の前の敵が他にも武器を持っていると踏んでいた。

 

 

 

 うかつに踏み込もうものならば、死だ。そしてその直感は当たっていた。

 

 

 

 互いに見合うこの状況。観葉植物は心の中で悪態をついた。

 

 

 

(この汚いおっさん、とっとと踏み込んでくれば良い物を……)

 

 

 

 そう、植物の武器の本懐は毒! 観葉植物は右枝の先端に特別性の毒針を備えていた。もしもおじさんが全勃起した体を過信し、無警戒に突っ込もうものならば皮膚の薄い部分を毒針で突かれ、一巻の終わりであった。

 

 

 

(しかし……妙だ、この汚いおっさん……何故逃げぬ?)

 

 

 

 今までも、複数人で百合ップルを襲おうとするおじさん達はいた。だが、そういった奴らは一人殺せば、後の奴らは蜘蛛の子を散らすように逃げ去ったものである。

 

 

 

 だが、目の前の男は仲間を殺されたというのに、臆することもなく立ち向かってきている。

 

 

 

「おい、貴様……何故それほどまでに百音もねと合夏あいかに拘る。性欲を発散したいのならば、そこらの草むらで自慰でもしておけばよいではないか」

 

 

 

 この言葉に、孕ませおじさんが非常に苦々しい顔をした。やはり、何かしらの理由があるのだと観葉植物は察した。今後、二人を守るためにも情報は多く得ておきたい。どうにか聞き出したい所である。だが。

 

 

 

「……別に、拘っているつもりはねぇよ」

 

 

 

 孕ませおじさんは苦々しい顔のまま、そう吐き捨てるように言うだけだった。

 

 

 

「そうか……ならば、四肢の自由を奪った後でゆっくり聞かせてもらおう!」

 

 

 

 観葉植物が枝を鞭のようにしならせ、孕ませおじさんに襲い掛かった! 右枝の先端には毒針がついており、一刺しすればありとあらゆる生物がEDとなる!

 

 

 

 孕ませおじさんは持ち前の生殖に関する本能でその危険性を一瞬で感じ取り、枝の側面を手の甲ではじき返す!

 

 

 

 観葉植物が最早弾を打ち切った枝で孕ませおじさんの腹を突く! 孕ませおじさんが手の甲で、時には足で、弾く、叩き落す、隙をついて突きを放ち、蔦で防がれる!

 

 

 

 強者同士の互いに一歩も引かぬ激戦! どちらかが常人であれば、ものの数秒で決着がついたであろう攻防が10分以上もの間続いた!

 

 

 

 無尽蔵とも思えるスタミナで枝を払う孕ませおじさん、だが、おじさんは己の体に違和感を感じ始めていた。

 

 

 

 何かが、おかしい。どこととなく体の反応が悪くなっているような。そう思った瞬間、目の前に突き出された毒針を大きく後ろに跳ね飛んで避ける! だが、それも普段ならばもっと早く気づき、拳で払いカウンターできたであろう攻撃だ。

 

 

 

(なんだ、こりゃあ? 体が妙にだるい!)

 

 

 

「ふん、ようやく空気中に撒いていた毒花粉が聞いてきたようだな……この毒花粉は少し浴びるだけで中学生男子が一か月はオナニーしなくなるほどの猛毒、それを10分間も浴びたのだ。最早体はまともに動かんだろうさ」

 

 

 

 観葉植物が得意げに言ったその言葉で孕ませおじさんは合点がいった。――これは一般論であるが、世の中の男は性欲に従って生きており、ありとあらゆる行動は性欲がなければ行う事ができぬ。

 

 

 

 その性欲が奪われたのであれば、体の動きに鈍りが出るのも当然である。

 

 

 

「さて、その体でこの毒針がいつまで避けられるかな!?」

 

 

 

「チィィィ!」

 

 

 

 観葉植物の枝が縦横無尽に孕ませおじさんを襲う! 先ほどまでとは違い、孕ませおじさんは防御に専念せざるを得ない! 対する観葉植物はこの機を逃すまいと攻勢をかける!

 

 

 

 そして、右枝の毒針がとうとう、チリリと孕ませおじさんの皮膚に掠った。

 

 

 

「ガッ!?」

 

 

 

 孕ませおじさんの全身に、強い倦怠感が襲い掛かった! 敵が目の前にいるというのに、思わず膝をついてしまうほどの性欲減退! 

 

 

 

「ククク……随分と頑張ってくれたが、決着はついたようだな。まだ殺しはせんよ、情報を吐いて貰わねばならんからな」

 

 

 

 孕ませおじさんが立ち上がろうと力を入れるが、まるで自慰をした後かのように、力を入れようとする気力が湧いてこない。男とは性欲がなければ呼吸すらままならぬ事を考えると、当然のことであった。

 

 

 

(クソッタレェ……! 俺は絶対に二人を孕ませるんだ。そうじゃなきゃあ、俺は……!)

 

 

 

「まだ殺しはせん、殺しはしないが……両手両足の骨は折らせてもらうぞ!」

 

 

 

 観葉植物の巨大な枝が振り下ろされる瞬間、百合ップル孕ませおじさんは走馬灯を見た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 物心ついたときには、自分が醜いという自覚があった。

 

 

 

 これは事実ではない。確かに孕ませおじさんは顔が整っているいるほうではなく、むしろ取っ散らかっている方ではあるが、それでも特別強い劣等感を抱くような容姿ではない。

 

 

 

 だが、周りはそうとは思わなかった。

 

 

 

 ある日、彼が同級生から容姿をからかわれたと、母に漏らした事があった。すると急に母は泣きだし、こう言った。

 

 

 

「ごめんね、こんな姿に産んじゃって……ごめんね……」

 

 

 

 その、母の心から謝罪は彼の心に深い傷跡を残した。だが母はそんな事にも気付かず、彼の容姿について謝り続けた。

 

 コンプレックスを抱く我が子に対してするべき行動ではないが、これは彼の母ばかりが悪いわけではなかった。

 

 

 

 1対500。これがこの世界における男女比であり、美に関する価値観の比重でもあった。世の中は百合ップルが大半を占め、格好いい・可愛い・奇麗といった基準も全て女性を中心に作られる。

 

 

 

 テレビに出るようなイケメンといえば、まるで女の子のような風貌の男性の事であり、男性の特徴たる髭は永久脱毛用のレーザーで焼かれ、筋骨隆々とした体は醜いものであるとされた。髪も短髪の者はおらず、皆ある程度伸ばした者しかいない。

 

 

 

 即ち、男性を感じさせぬ玉無しのオカマこそが、男の理想的な姿である社会だった。

 

 

 

 そのような社会で育った彼は、他の同級生と自分を見比べて自らが醜いというコンプレックスを日々肥大化させていった。

 

 

 

 何故自分はこれほどまでに醜いのか? 体は無駄に大きく、女の子と違って非常に骨太だ。筋肉も人より付きやすい。髭だって、一日3回は剃っているが生えてくるし、後も残る。

 

 彼は自分の事が嫌いだった。

 

 

 

 そんな彼であるが、中学生の頃に恋をした。相手は、腰まで髪を伸ばした髪を後頭部で一本に括った髪型、いわゆるポニーテールの、可愛い女の子である。彼女のふわふわとした雰囲気と、植物を慈しむその姿が好きで、気付くと彼女の事を目で追っている自分に気付いた。

 

 

 

 だから、ある日彼はふとした拍子に、彼女にこう言った。「その髪型、可愛いね」と。これは引っ込み思案な彼にとって精いっぱいの言葉であり、非常に勇気がいる言葉であった。

 

 

 

 その言葉を聞いた彼女は泣いた。泣きながらこう言った。

 

 

 

「気持ち悪い……」

 

 

 

 そう言った彼女の顔は嫌悪感と恐怖が入り混じった顔であった。彼女は泣きながらも髪の毛を纏めているゴムを外し「もう二度とポニーテールにしない」とまた泣いた。

 

 

 

 その様子を見ていた別の女子生徒が彼の後頭部に箒を思いっきり叩きつけた。頑丈な彼の頭蓋骨に負けて、箒が折れてその破片が散った。

 

 

 

「なにやってんのよこのキモ男! 百音もねを泣かせるなんてサイッテイ!」

 

 

 

「ぼ、ボクはただ……」

 

 

 

「言い訳しないでよ! 前から思ってたんだけどあんったホントにキモイのよ! デリカシーもないし、周りのみんなも迷惑してるって気付いてないの? みんな優しいから何も言わないだけなんだからね! このキモ豚野郎!」

 

 

 

 女特有の理性も何もない、感情と生理的嫌悪だけで作り出された罵詈雑言が彼の心を抉った。

 

 

 

 この話は学校中に広がり、事情を聞いた教師たちが下した裁定は、彼を停学一か月にするというものであった。

 

 

 

 この停学処分を伝える際、彼のクラス担任は平然とこう言い放った。

 

 

 

「一か月経っても、別に学校に来なくていいからね」

 

 

 

 どういう事かと、彼が震える声で聞くと、女教師は大きなため息を吐いた。

 

 

 

「ほんっとうにわかってないの? あんたみたいに醜い生物が学校に通ってるってだけで私たちは毎日神経をすり減らされてるのよ? そのうえこんな問題を起こすなんて……本当なら退学にするべきなんだけど、あんたみたいなのでも一応は人間だから停学って話になったのよ。やんなっちゃうわよね?」

 

 

 

 家に帰った彼は事情を母に話すと、また前と同じように泣かれた。だが、今度は泣かれた趣旨が少しばかり異なる。

 

 

 

「産まなきゃよかった……出生前判断で男ってわかった時点で、降ろせばよかった……っ!」

 

 

 

 その言葉を聞いた後、何をどうしたのか彼もよく覚えていない。

 

 

 

 ただ、気が付いたら電車に乗らねばこれぬような場所にある山へと来ていた。兎に角、人がいない場所へと行きたかったのだ。

 

 

 

 季節は夏だ。じわりとうだるような熱気が彼を包んだ。だが、そんな事は今はどうでも良かった。それよりも誰かに見られているのではないかという恐怖が勝った。

 

 

 

 奥へ、奥へ、とりあえず山奥へ、誰とも関わらずに済む山奥へ! この醜い自分を見られたくない! これ以上、周りから傷つけられたくはない!! 彼は自分の心の思うがままに山奥へと突き進んだ。

 

 

 

 素人の男子中学生が食糧も持たずに一人で山奥へと突き進むなぞ、自殺行為であったが、そんな事を考える余裕なぞ今の彼にはなかった。

 

 

 

 死ぬかもしれない。そんな些細な事よりも今は心を守る事が優先だった。

 

 

 

 翌日、目覚めた彼は全身が蚊に噛まれていて思わず悶えた。

 

 

 

 結局昨日は歩き疲れて、適当な木の洞で眠ったのだった。喉が渇いたので、川を求めて練り歩いた。運よく見つけたので存分に喉を潤した。そしてそのまま川沿いに暫く何の宛もなく歩き、川沿いで横になって寝た。

 

 

 

 二日目は地獄だった。腹痛と下痢が止まらない。何も考えず川の水を飲んだせいである。この日は一日中日陰でぼぅっとしていた。

 

 

 

 三日目は記憶が定かではなかった。走馬灯でも何も映し出されない。

 

 

 

 四日目は、何かが近づいてくる音で目覚めた。草をガサガサと鳴らして現れたのは巨大な熊であった。種類などはわからないが、この時に彼が思った事は(ようやく死ねる)ただそれだけであった。

 

 

 

 熊が前腕を振り上げたのは彼にも見えた。次の瞬間、熊が横に吹き飛んだ。吹き飛ばしたのは人だった。彼よりも毛深く、腹も出ていて、何故か半裸で、最早何日どころか、何か月風呂に入っていないのだろうかと思わせるような、汚い親父であった。

 

 

 

 そんな世間からは社会不適格者と呼ばれそうな、醜い男だというのに、何故だろうか。この時彼にはこの汚い親父が、最高に格好良く見えたのだ。

 

 

 

 

 

 目覚めると、布団の上で寝かされていた。部屋の真ん中では、先ほどの男が鍋を食っていた。でかい土鍋で雑に切られた野菜と肉が煮立っている。味噌鍋らしく、部屋には味噌の匂いが漂っていた。

 

 

 

「お、気が付いたか。とりあえずこれでも食っとけ」

 

 

 

 起きたばかりの彼に、男は無造作に汁椀を渡した。箸は清潔さのかけらもない、適当に削ったのであろう枝である。

 

 

 

 汁を啜ると、美味い。

 

 

 

「ガハハ! 美味いだろ? 肉はもっとうめぇぞ、なんたってさっき狩りたてホヤホヤの熊だからな、くせぇのがダメだというのもいるが、男なら余裕余裕!」

 

 

 

 肉を箸で摘まむ、なんというか獣臭いうえに、硬い。だが、何故か食欲をそそられた。齧ってみると、美味い。これほど美味い肉なぞ食った事がないかもしれないと思うほどに美味い。

 

 

 

「ほれ、肉だけじゃあ物足りんだろ、これも飲め」

 

 

 

 そう言って差し出された透明な液体を口へ持っていくと、ツンとアルコールの匂いがした。

 

 

 

「ボク、まだ中学生なんだけど……」

 

 

 

「チンコが起って女を犯せるようになりゃあもう大人だ! 遠慮せず飲め飲め!」

 

 

 

 命の恩人であろう男の言葉を無碍にもできず、飲むと一瞬喉の奥がカッと熱くなったが、確かに、悪くない味だった。鍋によく合う。

 

 

 

「おいしい……」

 

 

 

「だろ? 男なら誰だってそうさ。これを不味いっていう男はいねぇさ! ガハハ!」

 

 

 

 男が下品に笑いながら腹の毛をバリバリと欠いた。ノミがピョンピョンと跳ねるのが見える。だが、この男はそれを一切恥じる様子がなく、自信に満ち溢れている。

 

 

 

「なんで……なんであんたはそんなに汚くて、最低な事をいうおっさんなのに、そんなに自信があるのさ……?」

 

 

 

「強いからだ。男が自信を持つのにそれ以外いるか?」

 

 

 

 単純明快であった。今まで女共の作り上げた価値観にしか触れたことのない彼にとって、余りにも鮮烈で、衝撃的な理由。

 

 

 

 その単純すぎる理由を聞いた時、彼は意識せず涙が出た。それは止まらない。止められない。

 

 

 

「……男が涙を流すほどだ。よっぽど辛い事があったんだろうよ。無理に理由も聞かねぇよ」

 

 

 

「いえ、聞いて……聞いてください、ボクは、貴方に聞いて貰いたい! 他の人には、こんなこと話せないっ!」

 

 

 

 彼は話した。自分の容姿に対するコンプレックスを、クラスメイトとの間にあった事を、学校にはもう戻れないだろうことを、親から産まなければ良かったと言われたことを……。

 

 

 

 先ほどの豪快さとは打って変わって、男は静かに彼の話を聞き続けた。時折頷き、鍋をつつきながらも、何も言わずに聞き続けた。

 

 

 

 彼は全てを話し終えた後、酒が入っていた事もあるのだろう、疲労からそのまま寝てしまった。

 

 

 

 翌朝、目が覚めるとあの汚い男はいなかった。どこに行ってしまったのだろうかと小屋から出ると、小屋の外では彼を襲った熊の毛皮が干されていた。

 

 

 

 毛皮は奇麗なものであり、銃恨などは見当たらない。そう、素手だ。徒手空拳であの男はこの熊を仕留めたのだと、スッと思った。

 

 

 

 普通ならばありえないが、あの汚い男ならばやってのけるだろうと、そんな信頼感のようなものがあった。

 

 

 

 それにしても毛皮を痛めぬ見事な仕留め方だと感心していると、その汚い男が大きな足音を立てながら帰ってきた。

 

 

 

「わりぃわりぃ! 思ったより時間を食っちまった! いやぁ、ビデオカメラを使うのも久しぶりで悩んじまった」

 

 

 

 男はそう言って大きなカバンを指さした。恐らくその中に道具一式が入っているのであろう。

 

 

 

「坊主。お前にいいもん見せてやるよ」

 

 

 

 

 

 

 

 小屋に戻り、ビデオを再生するとテレビ画面に全裸の女教師が映し出された。そう、彼の担任であり、彼に心無い言葉を浴びせかけた、あの女教師だ。

 

 

 

「えっ!?」

 

 

 

 驚く彼を余所に、汚い男はニヤニヤと笑っている。そして画面を見ろよと言わんばかりにアゴで指し示した。

 

 

 

 画面の女教師は縄で縛られており、ビデオカメラで撮影している最中であろう汚い男に向かって、これは犯罪だの、絶対後悔させてやるだのとヒステリックに叫んでいた。

 

 

 

 だが、数十分もすると、なんということだろう。

 

 

 

『おっほぉぉぉ♥♥ こんなのっ初めて♥♥ こんなの学校じゃ教えられないのぉぉ♥♥』

 

 

 

 画面には汚い男との行為で乱れ狂う女教師の姿があった。

 

 

 

『ダメェ♥ こんなに濃いの出されたら♥ にんっしん♥ 確実♥ 産休間違いなし♥♥』

 

 

 

『おら、舐めろや』

 

 

 

『ふぁぁい♥♥』

 

 

 

「す、すごい……!」

 

 

 

 彼が思わず見入ったのも仕方がない。まさか、あの高慢でヒステリックで乳がでかい事以外に取り柄がなかった女教師がこれほど素直になるとは夢にも思っていなかったのだ。

 

 

 

「元気、出たかよ」

 

 

 

 汚い男がそう言って、ニカリと笑った。そう、汚い男はわざわざ彼を元気づける為だけに、山から下りて女教師の家に不法侵入し、この映像を撮ってきたのである。

 

 

 

 それに気づいた時、彼は心からこう思ったのだ。

 

 

 

(僕も、この人みたいになりたい。こんな……強い男に!)

 

 

 

 これが、彼の、百合ップル孕ませおじさん人生の始まりであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(そうだ、俺は師匠……種付けおじさんみたいになりたくて……今まで必死に鍛えて来たんだ!)

 

 

 

「こんなところで負けていられるかよぉぉぉーーー!!!」

 

 

 

 観葉植物の巨大な枝が百合ップル孕ませおじさんの大腿骨を打ち砕いた!

 

 

 

「グオオォォォォォォォ!!!!」

 

 

 

 リビングに百合ップル孕ませおじさんの絶叫が響き渡る!

 

 

 

 観葉植物の巨大な枝が百合ップル孕ませおじさんの両腕の骨を打ち砕いた!

 

 

 

「ガアアアアアアァァァアァ!!!」

 

 

 

 リビングに百合ップル孕ませおじさんの絶叫が響き渡る! 

 

 

 

 走馬灯を見た所で強くなれるわけではない! 現実は非情であった!

 

 

 

「ふん、性欲のないおじさんなぞ、ただの汚いおっさんよ……」

 

 

 

(く、くそったれぇ! 悔しいが、確かに性欲がねぇとおじさんは何もできねぇ! せめて、せめて何か! 少しくらいオカズがあれば!)

 

 

 

 リビングを見回しても、ブラやパンツ一枚干されていない。この家は一軒家であり、洗濯物はすべて二階のバルコニーで干されていた。

 

 

 

「さて、それでは話してもらうぞ……貴様が二人を狙う理由をな。言わなければ……お前の股間のそれを踏みつぶしてやる」

 

 

 

(チッ……なぜかは知らんが、コイツは俺が二人を犯そうとする理由を知りたがっている……ここは話してやって、その間にできるだけ性欲を回復させるしかねぇ!)

 

 

 

 孕ませおじさんは話した。自分の生い立ちから、コンプレックスを抱えていた事も、そして中学生の時に、手酷い目にあった事を……。その時の女学生が、ここにいる二人だという事を。

 

 

 

 それを聞いた観葉植物は、呆れたようにこう言った。

 

 

 

「なんともまぁ、思っていた以上に下らんな」

 

 

 

 孕ませおじさんは思わず観葉植物に殴り掛かろうとしたが、骨が折れているため無様に転んだ。その瞳にあるのは強い怒りだ。

 

 

 

「はぁ……思い違いも甚だしいな。いいか? まず、だ。男はこの世界に不要なのだ。」

 

 

 

「可愛くて奇麗な女の子同士がくっつくのは当たり前だし、お前のような気持ち悪い男はそもそも生まれるべきではなかったのだから、お前の母は、実際お前を降ろすべきだったのだ」

 

 

 

「お前は自分を被害者のように言っているが……周りがした事はすべて至極当然、当たり前の事ではないか。重ねて言うが、この世界に男は不要だ」

 

 

 

 観葉植物のこの言葉に、孕ませおじさんが感じたのは怒りではなく、困惑であった。

 

 

 

「な、なにをいってやがるんだ。てめぇ……。そういうお前だって男じゃねぇのか……? オマエは、自分が不要だって言ってんのか……?」

 

 

 

 観葉植物がやれやれと言わんばかりに、大げさに枝と頭の蔦を揺らした。

 

 

 

「だから、私は観葉植物になったのだ」

 

 

 

 

 

 ――認められない。孕ませおじさんは咄嗟に、そう思った。こいつにだけは負けてはならないと、理屈ではなく、魂でそう感じた!

 

 

 

 話している間に回復した性欲で両手両足の骨を無理やり直し、わずかな性欲をフル活用して再び立ち上がる!

 

 

 

「ほう、立つか。やはり、パワータイプのおじさんはしぶとい」

 

 

 

「へっ、タフじゃなきゃあ、メス共を満足させられねぇからな」

 

 

 

(と、憎まれ口を叩いて無理やり立ち上がったのはいいが……クソッ! 今の回復で性欲を殆ど使っちまった! このままじゃあ、まともに拳を振るえるのは、できて一発!)

 

 

 

 対する観葉植物も、孕ませおじさんの状況を(最早、拳の一発程度しか振るえないだろう)と冷静に判断していた。

 

 

 

(何の策もなく立ち上がったか……しょせんはこの世に不要な劣等性別だな。だが、最後まで油断はせんよ!)

 

 

 

 観葉植物がぶらりと枝を垂らし、軽いジャブをおじさんに打ち込んだ。おじさんが両腕を顔の前に挙げてガードし、風船が弾けるような小気味よい音が響く。

 

 

 

 そのジャブが、マシンガンの如く繰り出される! 

 

 

 

 一発一発の威力は低い。だが、観葉植物のリーチを生かし、踏み込まず、リスクを冒さずじわりじわりとおじさんの体力を削り取っていく! 最早性欲の限界も近づいているおり、一発逆転を狙うしかないおじさんに対して、この上なく有効な戦法であった。

 

 

 

「そらそらそら! 近づいてみるがいい!」

 

 

 

「ぐぅぅぅぅぅ!!!」

 

 

 

「ははははは!!」

 

 

 

 隙の無いジャブの連打がおじさんを襲う! おじさんは両腕を正面に構え、必死に顔を守ることしかできない! たとえ、無理やり観葉植物の懐にもぐりこんだところで、毒針がある枝に刺されるだけだ!

 

 

 

「いつまで守っているつもりだぁ? ガードしているだけでは勝てんぞぉ!」

 

 

 

「く、くそがぁ!」

 

 

 

 おじさんは一歩も動かない! 顔を斜め下に向け、内股気味で観葉植物のジャブを、ただひたすら受け止めている!

 

 

 

 最早勝負は決したように思えるが、それでも観葉植物は決して自分の優位を崩さず、ジャブを撃つ! 撃つ! 撃つ!!

 

 

 

 それに対するおじさんも耐える、耐える、ただひたすらに耐える! 耐えて耐えて耐えて……ジャブの嵐が、急に止んだ。

 

 

 

 突如、何故か観葉植物がリーチというアドバンテージを捨て、間合いを詰め毒針を打ちこんだ!!

 

 

 

 その毒針をおじさんが拳ではじき返す! その動きは――性欲がMAX時のおじさんの動きだ!

 

 

 

「き、貴様貴様貴様ぁぁぁ!!! ずっと耐えていると思っていたら……なんだその足元にある動画はぁぁぁぁ!!!!」

 

 

 

 先ほどまでの冷静さを微塵も感じさせぬ激しさで観葉植物が怒号をあげた!

 

 

 

「なんだって? 見りゃあわかんだろ?」

 

 

 

 孕ませおじさんはそう言って、先ほどからずっと足元に置いてあった、盗撮おじさんのスマートフォンを拾い上げた。

 

 

 

「盗撮おじさんが盗撮した――ここの二人のナメクジのようなレズセさ」

 

 

 

 

 

 

 

 これは4つの幸運が重なった結果であった。

 

 

 

 まず、盗撮おじさんのスマフォが壊れずにいた事。孕ませおじさんが時間稼ぎをしている間にスマフォを見つける事ができた事。骨が折れているのに動こうとしてこけたという演技でスマフォを回収できた事。そして、最後の一つは――。

 

 

 

「お前さんの、その臆病さのお陰でじぃぃっくりと見る事ができたぜぇ?」

 

 

 

 圧倒的有利にあるにも関わらず、観葉植物が時間のかかる戦い方を選んだことである!

 

 

 

「この汚いおっさんがぁ……! だが、性欲が回復したところで、また毒針を刺せば同じことよ!」

 

 

 

 ありとあらゆる生物をインポテンツに至らしめる猛毒! それを秘めた毒針が再び孕ませおじさんに襲い掛かる! だが、孕ませおじさんは避けずにそれを掴み、握りつぶした!

 

 

 

 これに驚いたのは観葉植物である、確かに、握りつぶしてさえしまえば毒針は最早使えない。だが、そんな事をしてしまえば結局手から毒が回るのは明らかである。

 

 

 

(気でも狂ったか!?)

 

 

 

 一瞬そう思ったが、観葉植物はすぐさま違うと気付いた。そう、孕ませおじさんのもう片方の手にはまだ、アレが握られているのだ!

 

 

 

「やっぱりよ……百合ップルが絡んでるのを見るのはたまんねぇなぁ! 襲う前の前座としてこれほど勃起するもんはねぇぜぇ!」

 

 

 

 毒によって減退した性欲が、百合ップルのなまめかしい百合ックスで復活する! 常人でも勃起間違いなしの動画である、それを百合ップル孕ませを冠するおじさんが見ているのだ! 立たぬはずがなかった!

 

 

 

「バ、馬鹿な! それはまともな男なら一滴で一生立たぬようになる猛毒だぞぉぉぉぉ!!」

 

 

 

「はんっ! 確かに、てめぇが言うカマホモ野郎共じゃあ、立たなくなりそうだなぁ……だがよ、俺は 百 合 ッ プ ル 孕 ま せ お じ さ ん だ ! 孕ませそうな百合ップルがいるってのに、勃起しねぇわけにはいかねぇんだよぉぉぉぉーーー!!!」

 

 

 

 孕ませおじさんがそう叫んだ瞬間! おじさんの周りに白いオーラのようなものが噴き出した!!

 

 

 

「な、なんだそのオーラは! ええい! 毒が効かずとも、この蔦で殺してくれるわぁ!」

 

 

 

 蔦が孕ませおじさんの喉元を突き刺さんと迫る! だが、白いオーラに触れた瞬間、蔦の動きが目に見えて鈍る!

 

 

 

(なんだこれは!? まるでねっとりとした粘液に突っ込んでしまったかのような抵抗感……ぐぅぅ! 蔦の勢いが!)

 

 

 

「無駄だ、このカウパー・オーラの前ではな……」

 

 

 

 おじさんが手を振るうと、触れてもいないというのに蔦が弾かれた! 

 

 

 

 孕ませおじさんがこのオーラを纏うのは初めてである。それでも何故かこのカウパー・オーラは自分の手足のように使えるのだという確信があった。

 

 

 

「観葉植物よぉ……はっきり言うよ。俺はお前の事が哀れだと思ってる。自分の存在自体が嫌だから植物になっちまうだなんて、何があったのかは知らねぇが、同情する。だからよ……今ならまだ見逃してやるよ」

 

 

 

「おお、そうか。確かにな。私はもうお前に敵いそうもないし、お前の目的は百合ップルを孕ませることだから、私が死のうが生きていようが、どうでもいい。だったら私は無駄に命を散らせるより、逃げた方がはるかに賢い」

 

 

 

「だろう?」

 

 

 

「……だが、二つほど訂正させてくれないか? まず、一つ。私はお前に哀れまれるような奴じゃあない。私は心の底から百合ップルを尊いと思っているし、今の観葉植物生活に満足しているんだ。

 

 

 

私は自分を惨めだと思った事は一度もないし、この生き方に誇りを持っている。これが一つ。

 

 

 

そして、もう一つは……」

 

 

 

 観葉植物が、右枝を自ら叩き折り、その切っ先を鋭い槍のように整えた。

 

 

 

 対する孕ませおじさんも、腰を落とし、構えた。

 

 

 

「死ぬのは貴様だ!! この汚物がぁぁーーー!!」

 

 

 

「そう言うだろうと思ったよ! 自分で女も犯せないインポ野郎がぁぁーー!」

 

 

 

 孕ませおじさんの拳と観葉植物の枝が交差し、すれ違った! 観葉植物の枝はおじさんの首を薄皮一枚だけ切り裂き、おじさんの拳はみしり、と観葉植物の幹を捉えていた。

 

 

 

「あばよ……」

 

 

 

 観葉植物の幹が砕け、その上半身がリビングのガラスを突き破り、庭まで吹き飛ぶ! 庭で幾度かバウンドしたかと思うと、塀にぶち当たり、そのまま塀を打ち砕いた! 最早、観葉植物が動く気配は、ない。

 

 

 

 ――孕ませおじさんの勝利だった。

 

 

 

 辛勝であった。何かが一つ違えば、逆の結果になっていたであろう事は容易に想像がつく。そう、例えば、盗撮おじさんがこの動画を取っていなかったならば、この勝ちはありえなかった。

 

 

 

 孕ませおじさんは、倒れ伏した盗撮おじさんに近づくと、死の直前のまま大きく開かれたその目を、そっと閉じた。

 

 ほんの僅かな付き合いしかなかったが……確かに、この盗撮おじさんとは同じ百合ップルを犯そうとする仲間であったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その夜、一人のおじさんの命と、観葉植物の命が失われ、代わりに百合ップルに一つずつ新しい命が宿った。




とにかくカウパー・オーラという単語を使いたくて仕方がなかったので、書いた。

書き終えた後は徒労感だけが残った。俺は何をやっているんだろうか。


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