俺はやはりエロに抗えなかった。今の俺は下校中で、何時ものコンビニに向かっている最中。今日も店長は居るが、エロ本を
買う予定は無い。只の偵察に向かっている……そう新入荷されていないかどうかを確認するためだ。買おうとしたら事務室に連
行されるが、買わないのなら連行はされない。
そう、まさに今の俺こそ―――――――
「また、貴様か。今日の登校中に追い駆けたばかりだぞ。少しは俺の身にもなってみろ。」
「だったら、捕まえるなよ。おやっさん。」
一つの机をまたぎお互いに向かい合いながら座って居る。この密室空間に一人の男性と一人の少年。そう、何かが起こるに違
いない。……この二人だけの密室という魅惑だらけの世界によって、おやっさんの抑えきれないベーゼが暴走する。
「おい、今いらぬ事を考えていただろう。」
「いえいえ、そんなことナイデスヨ。」
俺の口調が片言になるが気にしていないし、気にしても居ない様子だ。それにしても危なかった!! 俺の鼻の穴が三つになる
ところだったぜ。おやっさんの脅しマジで半端ねぇもん。だって、鼻の先端におやっさん自作の45口径の大型拳銃を突きつけら
れたんだぜ。冗談も言えなくなるよ……おやっさん、マジでやる時はぶっ放す人だから。
だから、管理局を止めさせられたんだよ。
カチャ―――
「マンマボーイ。いい加減にしねぇと、鉛玉のキスをする羽目になるぞ。」
「イエスマム!!」
俺は椅子から立ち上がって、軍人もビックリするぐらいの敬礼をしたよ。だって、おやっさんの目がマジだったもん。
「全くいい加減にしてくれよ。今日は折角の非番で、妻と娘と息子の四人で一緒に出掛ける予定だったんだぞ。いきなり上司
から呼ばれた。『また何時もの彼が、官能小説を読みながら現れたから対応をお願いする』ってね。どういう事だ!! ゴラァ!!」
机を思いっ切りぶっ叩くおやっさん。
「落ちつけよおやっさん。そんなに怒るとアレの血管が切れて立たなくなるぞ。」
「うるせぇ!!!!! 俺のビックマグナムはそんな事で立たなくなるわけ無いだろうが!! 現在進行形で愛妻を喜ばしとるわと
ボケェェェェエェェ!!!!!」
「何で俺が他人様の夫婦の夜の事情を聴いてんだよ。それを聞くだけでも結構興奮するんだけどぉぉぉおおぉぉおぉぉぉ!!!!!」
何度かおやっさんの奥さんを見た事あるけど、滅茶苦茶美人だった。高身長で出るところは出ていてしまっている所はシッカリ
引き締まっている。性格も良いし、料理も完璧。おやっさんには勿体無い奥さん。一応おやっさんと俺の親父。そしておやっさん
とその奥さん、何時ものコンビニの店長とその奥さんと何時もの書店の店長とその奥さんは幼馴染。今でもこの人たちが我が家に
来たり、泊まりに行ったりしている。当然、家族ぐるみの付き合いだ。だからなのか知らないけど、俺に対して容赦がないんだよ。
まるで、もう一つの家族みたいなものだ。
「おい。」
カチャっと45口径の大型拳銃をおでこに押し付けられています。変な汗がダラダラ流れて、背中が冷たいです。メッチャ恐いで
す。オカシイよこの人……だって、守るべき一般市民に拳銃押し付けているんだよ。どう考えてもオカシイよ? ねぇ。
「人様の妻をそういう目で見るんじゃねぇぞ。おかずにでもしてみろ……コイツの鉛玉が貴様の眉間をぶち抜くぞ。分ったか? 分
かったなら返事をしろ。」
「は『ズドン!!』あぶねェ!!!!!」
おやっさん、マジでぶっ放したよ。折角返事をしようとしたところでぶっ放したよこの人。俺がギリギリの所で避けたのは良いけど
マジで当たったらどうするの? 俺の頭ザグリッチになっちゃうよ? ねぇ頭イカレテんじゃねぇの? ねぇ頭大丈夫? 死んでみる?
ねぇいっぺん死んでみる?
「ちッ!! 避けんなよ」
「コイツ、露骨に舌打ちしやがった!! しかも「避けんなよ」って本人の目の前で!!!! ありえねぇよコイツ!! 人に弾丸ぶっ放し
ておいて、舌打ちとか有りえねぇよ!!!!! 頭イカレテんじゃねぇの!!!!!」
「貴様が言うな。町中で官能小説を読む奴が。」
「何を言う。町中で官能小説を読むことに意味があるんだ!! それを分っていないなんて、なんて悲しい男なんだろうか。おやっさん
は……人生の10割してるぜ。」
「貴様な「良いから聞けよおやっさん。」ぐぐ。」
俺の真剣な表情に押し黙るおやっさん。
「官能小説を町中で歩きながら読むって事はだな、俺達男子の夢なんだよ。只俺はそれを実行しているだけなんだよ。そしてここからが
一番大事な所だから良く聞けよ。俺が官能小説を町中で歩きながら読む。当然だがブックカバーは透明のビニールタイプを使用する。それ
により表紙が周りの人たちに見える。此処が重要なんだ。周りの人たちに俺が読んでいる“官能小説”の表紙が見える。此処に本当の狙い
があるんだよ。俺が読んでいる官能小説の表紙が見える事によって、免疫の無い女性が顔を赤らめる。そして、内容が気になるのか俺の後
ろに回りチラッチラッと内容を確認する。中には管理局員や警備員を呼ぼうとする者も居るが、そいつらはダメだ。本当に大事なのは、免
疫の無い女性または女子が、顔を赤らめながら俺の事を汚物の様な視線で見る。まぁコレに耐えるのは、相当キツイ。胃がストレスでシュ
ーマッハだからな、特にMじゃない俺には辛い。俺はSだからな弄られるのには弱い。おっとすまない話が脱線した。俺に対してそういう目
線で見るが、俺が読んでいる官能小説の内容が知りたくて仕方がなく、モジモジし、チラ見で中を読む。だが俺はあえて、なかなか読ませ
ない様にする。それにより必死になる姿は、滑稽で見応えがある。そして中には近づきすぎてクンカクンカ出来る時がある。これは至福の
時だな。これこそ俺が町中で官能小説(ブックカバーは透明のビニールタイプ)を読む理由だ。分ったか!!!!! おやっさん!!!!!」
俺の熱弁を聞いていたおやっさんが無表情で一言。
「死ね。」
それから、俺はやっと解放された。やはりシャバの空気は良いねェ。
早速俺は官能小説を取り出して、歩きながら読み始めた。今読んでいるのは、触手物だよ。良いよね触手物って奴は、手足を縛られ身動き
が取れない女に一斉触手が襲いかかり、穴という穴を全てグチョグチョにする。ヤッパリ俺は触手物が一番良いな。興奮が収まらない。俺
様のビックマグナムが火を噴くぜ!!!!!
当然だが、ブックカバーは透明なビニールタイプ。今読んでいる官能小説の表紙は今日一番の過激な物だった。