中等部に上がってから数日が過ぎた。
学校では俺の噂はとっくの昔に広がっている。そうだろうな、なんたって俺の「変態度数」に敵う生徒なんてこの学校に存在する
わけが無い。まぁ、当然と言えば当然だよな。だってこの学校は真面目ちゃんばかりだからな……中には結構な手練れの奴も居た
りするんだよなこれが、例えば俺のクラスに居る。名前が「あいーんなハルト・巣虎鳥栖」っていう美少女だ。彼女は相当な手練
れだ。俺位のレベルになると、相手を見ただけで素人か手練れかどうか直ぐに判断できる。俺の親父なんてな、写真とか実物を見
ないで判断できるから凄いんだよな。俺もそれぐらいのレベルまで行きたいな。
そんな事を思いつつ、俺は今回狙う得物を置いてある建物に着いた。
今回はちゃんと準備をしてきた。備えあれば憂え無って言うしな。
準備物は、ダンボール箱。ナイフ(ペーパーナイフ)。手榴弾(という名の爆竹)。サイレンサー付きの拳銃(モデルガン)。
獲物までの建物の図面(手書きで、しかも幼稚園児が書いたような図面)など等の物を準備して、俺はいつもの書店に入って行っ
た。ちゃんと潜入する時は、周囲に気を配りながら潜入した。幸いな事に誰にもバレずに入れた。
問題は此処からだ。情報によると建物の中を改装したらしく、俺が狙う得物の場所も移っている。全く面倒な事をしてくれたな、
書店のおやっさん。
侵入に成功した俺は、早速本棚の物陰に隠れて社員の動向を探る。一人一人の行動パターンは大体決まっている筈だ……予想外の
自体が起きない限りな。只、相手は機械じゃない。考える事の出来る人間だ、そこも考慮して考えないといけないな。クソ!! 社員
全員をロボットにしてくれたら、もっと楽に進むのにな。
俺はそんな淡い幻想を思い浮かべながら、一人一人の行動パターンを脳に焼き付ける。
それから約20分間観察をした。
クソ!! やっぱり人間なだけあって、行動パターンが著しく変わっている。まぁ、幸いな事に基本の行動は変わっていない。これ
を見定めて、先に進むしかない。俺は書店の図面(手書きで、しかも幼稚園児が書いたような図面)を取り出して、自分の位置と獲
物の位置関係を確認する。
誰だ。こんな糞みたいな図面を書いた奴は!! あっ! 俺か……俺ってヤッパリ絵心無いな? 絵心なのか? まぁそんな事はどう
でもいいか。
俺は、本棚の物陰に隠れて引っ込めた顔をもう一度だして観察を始める。これが最終確認だ。これにより行動を開始する。俺は持
ってきた某蛇さん愛用のダンボール箱を取り出し広げて、その中に隠れた。そのダンボールの前後には周囲を確認するための細い穴
が開いている。そこから周囲を見つつ移動を開始した。約一分間に1m弱といった足取りだ。
鈍いと言いたいだろうが、舐めるな!! こういう事を疎かにするとな、大変な事になるんだ。例えば、エロ本が買えないとか、エ
ロDVDが買えないとか、エロ雑誌が買えないとか、エロ小説が買えないとかなど等と色々問題があるんだぞ。分ったか!? 敵接近中!!
俺はその場で止まる。
「あれ、こんな所に箱をおいてあったけ?」
何て事だ!? 敵が俺が入っているダンボール箱を凝視し始めた。この状況はヤバいぞ! 今の俺は動くことは出来ないし、反撃す
ることも出来ない。反撃をしたらその場でオワタだ。頼む素通りをしてくれ!! 俺はダンボール箱の中で両手を合わせて天に祈った。
頼む!!
「ちょっと、他の社員に聞いてみよう……こんなダンボール箱あったかな?」
社員の足音がドンドン離れて行く。よし、何とか乗り切ったようだな。この調子で歩みを進めて行くぞ。
俺は周りに人の気配が無い事を確認して、ダンボール箱を脱いだ? それを折りたたんで、納めて、さっきの社員が戻ってくる前に
その場から離れた。
これが不幸中の幸いってやつか? さっきのお陰で一人分の社員の動きを封じることが出来た。流石俺だ!! 意気揚々と先に進む。
次の難関はこれか、俺は少し進んだところにある監視カメラに目を向けた。アレの死角に入って進まなければならない。しかし!!
その方法をとった場合は社員に見つかる可能性が高い。そうなったらその場で試合終了だ。断じてそうなるわけにはいかぬ!!!!!
俺はまず周囲に何人居るのかを気配で探り、どういう動きをしているのかを感じ取る。その動きに合わせて、監視カメラを潜り抜け
る。当然監視カメラの動きにも注意を払わなければならない。これを潜り抜けるには相当レベルの高い隠密行動を必要とするな。だか
らこそ!!!!! 手に入れた時の感動! 達成感が堪らない。そして、手に入れた物を見るという祝福!! だからこそを俺はエロ本を求
める!!!!! 周りから何と言われようともな!!!!!
俺は社員の動きを見計らい動く。丁度社員と監視カメラの死角が重なる時が訪れる。それに合わせて俺も動くことによって先に進む
ことが出来る。だが、この方法一瞬でも気を抜けばその場で見つかる可能性が高い。
そして、やっとの思いで通過することが出来た。だけど、相当精神を削った。だから今だけは少しだけ休憩を取りたい。故に俺はこ
の書店の唯一の休憩所である。身を清めし、異物を流す場所。そう!! トイレだ!!
今俺はトイレの個室に籠っている。いつ来ても良い香りのするトイレだ。常にお客様の事を考えられているな、トイレもピカピカで使
う方も気持ちが良い。
俺は何時の間にか汚物を肛門から排出していたようだ。トイレットペーパーで肛門をキレイにする。相当良い紙を使用している。拭
き心地も最高だ。
文句なしに最高の☆三つを与えてあげたい。
スッキリした表情でトイレから出てきた一也は、早速表情を変え、雰囲気もガラリと変わった。正に獲物を狙う猛獣の如く。
ターゲットまで約10mもあるか無いかぐらいの距離までやって来た。後は見つからずに手に入れるだけだ。
でも、何か今日は上手く行過ぎているような気がするな……俺はちょっとした不安を抱えながら目指した。我が聖地に向けて、さぁ
エロ本まで後少しだ。
「ウォォォォオオオォォ!! 凄い!!」
俺は人目も憚らずついつい叫んでしまった。何デカって? そりゃあ、新作が沢山入っていたし、何よりも俺が今まで手に入れること
が出来なかったエロ本が沢山入荷されていたんだ。これを見て叫ばずに居れると思うか? 断じて否だ!! 欲しい物が沢山ありすぎて金
が心配になり、お財布様とご相談をした。
「お財布さん。俺が欲しい物を全部買う事は出来ますかね?」
「ちょっと待ってくださないね。ふむふむ。」
「厳選した方が良いかもしれませんね。10冊ぐらいしか買えないですね。」
「ぬぁにぃ~!!」
地面に両手足を着けて、彼の背景にガーン!! ていう文字が見えないが見える。そんなくだらない一人芝居を終えた一也は一冊一冊吟
味しながら厳選した10冊を選んで行く。買う時は変身魔法を使って、長身でシルクハットを被り片眼鏡をして、右手にはスティックを持
ちスーツ姿の左わきにエロ本10冊を抱え込んでいるジェントルマン? がそこに居た。
「それでは買ってきますかね。」
私はエロ本10冊を左わきに抱えてレジに行きました。この人また大量のエロ本買ってるよっていう顔をされましたが、私は全然気にし
ていません。なぜなら、これが私という人間だからですね。さぁ早く読まなくてはいけませんね。
私はルンルン気分で書店を出ました。
そして早速、公園の個室トイレに駆け込んで変身魔法を解いた。やっぱり何時もの状態がしっくり来るな。変身魔法でジェントルマン
になると口調とかその他もろもろが変わるから、違和感バリバリ何だよな。それはそうと、外は大分暗くなっていたな。書店に入ったの
がまだ、昼過ぎだったのに……時間が経つのは早い。今日の収穫は家に帰ってから楽しむとしようか。
俺が夜道をルンルン気分で帰宅中に起きた事なんだ。曲がり角を曲がったら突然体に衝撃が伝わったんだ。
不意に一瞬だけ意識が遠くなる……手元を離れて宙に舞う俺の買ったエロ本をいれた紙袋。それが、道路にバタッと落ちた次の瞬間、走
ってきた車が見事にそれを跳ねて、エロ本を入れていた紙袋が吹き飛ばされて行き、べチャッという嫌な音とを出した。そう、飼い主が
拾って処分しなければならない犬の糞に向かって、見事にダイレクトアタックを決めた。しかも中身も飛び出していた為に、数冊が犬の
糞の被害にあってしまった。
「アアアァァァアアァァァ……」
「アアアアアアアアアアアアアアアァァァアアアアアアアアァァァァアアァァァァァァアァァァァァァアアアアアアアアアアァァァァ
ァァァァァァァアアアアアァァァァァァアア!!!!!!!!!!!!」
「テメェら! よくも俺のバイブルをぉぉぉぉぉお!!」
「許さん!!!!!!」
目の前には防具服と武装を展開している。赤髪でショートヘアーでボーイッシュの印象を受ける美女と右目が紺、左目が青で微妙に色が違
うオッドアイで碧銀の髪の美少女が居た。その二人からは戸惑いの色が見えたが、全く気にも止める気にならない。
「さぁ!! 覚悟は出来てんだろうな!!」
今、戦いの火蓋が切って落とされた。