※奏さんのイグナイトは今のところ予定は無いです。今のとこは。
技名にも色をつけたら見やすいのでは?という意見を貰ったのでめんどくさry確かにと思ったのでこれまでの技名全部色つけしてみました!戻して欲しければコメントをよこせい!(何様だ)
未来とクリスと翼がそれぞれの武器を構えるのを見て、目の前にいる見知らぬ二人のシンフォギア装者も同じく武器を構える。だがセレナだけはジッと未来を見つめていた。
「貴女が小日向未来さんですね」
「……私になんの御用でしょうか。セレナ・カデンツァヴナ・イヴさん」
場に似合わない柔和な笑みを見せるセレナに未来は警戒心を強める。横にいたクリスと翼も未来と同様突然現れた二人の謎の装者に油断なく警戒し続けていた。
「──貴女とは仲良くなれると思うのですが」
「そう思うなら投降してください」
セレナの言葉に耳を傾けず、未来は淡々と事務的降参を求める。それを見て続きを話そうとしたセレナだったが寄る島無しと判断してやれやれ、と芝居がかかった仕草を見せた。
「それは出来ない相談ですね。月読さん、暁さん!」
「分かった…!」
「行くデス!」
セレナの合図に月読と呼ばれたツインテールの黒髪の少女はツインテールの装甲から大量の丸鋸を出しながら未来に、暁と呼ばれた金髪の少女は大きな緑の鎌を回転させながらクリスに飛びかかった。
「くう!?」
「近すぎんだよ!」
未来は辛うじて襲いかかる丸鋸を刀で弾くがその量に反撃出来ず、クリスは自分の得意な距離で戦おうにも金髪の少女がそれをさせないよう距離を詰めて戦い、思い通りに動けない。
「小日向、雪音!」
「他人の心配をしている場合ではありませんよ!」
「くっ!?奏は隠れてて!」
「分かった!」
ほんの一瞬翼が目を離した隙にセレナは近づき、凶器ともいえるガングニールの黒いマントを駆使して翼に襲いかかる。奏を逃した翼もギリギリで襲ってきたマントを弾くが反撃しようとすれば突然柔らかくなり、バランスを崩したところをセレナに攻撃の余地を与えてしまい上手く攻撃出来ずにいた。
未来に向かってツインテールの少女はツインテールの装甲から折りたたみ式のアームを展開し、その先端には自身の身長すら超えるほどの大きな二つの丸鋸を使って未来を襲う。当たればシンフォギアの装甲でも容易に両断しそうだ。
「くっ、何故貴女たちは戦うの!?この力は誰かを傷つける力じゃ無い、誰かを守る力のはず!」
「そんな綺麗事を!」
辛うじて防げているが、踊るように凶器のような大きな丸鋸を操るツインテールの少女が未来の言葉に反応し、怒りをあらわにする。それにより丸鋸の攻撃が激しくなる。
「痛みを知らない貴女に、誰かのためになんて言ってほしくない!」
苛烈さを増す丸鋸の猛攻に少しづつ未来は押され始める。装甲も僅かにかすった丸鋸のせいでダメージを受けてしまい所々ひび割れが起き始めていた。
「それでも私は大切な人のためにこの力で誰かを守る!きっとあの子ならそうするから!」
多少ダメージを受けながらも脳裏に浮かぶのは今は亡き親友の姿。きっと自身と同じ力を持っていれば持てる力を全て使って人助けをするであろう、おっちょこちょいで優しい親友の姿。
それが今の未来を支える柱の一つだった。
「そう、ならその人は偽善者なんだね」
そんな想いを踏みにじるようなツインテールの少女の言葉に、未来は身体がまるで石になったかのように動けなくなった。
「そんな偽善者を信じる貴女も偽善者。だから貴女の口から出る言葉は全部偽善!」
淡々と、だが自信を持って告げるツインテールの少女の言葉に未来の中で何かが激しく暴れ回り始め、刀を握る手に力が入る。それに伴い、僅かながらも纏っている紫と白の天羽々斬のシンフォギアの白の部分が少しずつ黒く染まっていく。
いつも隣で見ていた未来だからこそ分かる。親友は損得考えず、ただ困っている人を見ると身体が勝手に動くかのように人助けするような優しい人間だった。
時には軽い怪我を負う事があっても、口癖のようにいつも「へいき、へっちゃら!」と言い、眩しい笑顔を未来に向けて笑っていた。
亡くなってから二年が経っても忘れられない大切な親友を、今日初めて会う少女に〝偽善者〟呼ばわりされて、冷静にいられる未来ではない。
「ッ貴女に何が──」
怒りが爆発しようとして瞬間、未来の背後から放たれた一筋の赤い閃光がツインテールの少女に向かって放たれた。
「うっ!?」
「調!」
完全に未来にしか目が行っていなかったツインテールの少女は間一髪自分に遅いかかる赤い閃光を視認しツインテールのアームから出された丸鋸を盾のようにして防ぐ。もう少しタイミングが遅ければ急所に当たっていただろう。
「……今、なんつった?」
未来の後ろで戦っていたクリスが目の前で鎌を構えている金髪の少女に背を向けてツインテールの少女に向かってボウガンを向けていた。
「偽善者?未来が?なんでお前に分かんだよ。お前に未来の何が分かるっつーんだよ!」
クリスはボウガンを構えたままツインテールの少女を睨む。
全てではなくとも未来が受けた心と精神の傷は知っている。自分がどれだけ未来から大切なものを奪ったのか、嫌というほど知っている。
自分のせいで傷ついた未来がそれでも前に進もうとしているのはクリスが奪った未来の大切なものの中の一つの思い出のため。悔しいがそのおかげで未来が正気に戻っていることは事実。
一度は狂い、壊れ、見るだけでも痛いほどの傷を負っても前に進む未来を〝偽善者〟とは、だれが思うだろうか。
「何も知らないお前が!未来を貶すんじゃねぇ!!!」
「くっ」
ツインテールの少女に向かって二丁のボウガンにセットされた赤いクリスタルのような矢を次々と放つ。それをツインテールの少女は引き続き巨大な丸鋸を盾として扱い防ぐが、いつものクリスではしないような荒々しい矢の嵐に動けないでいた。
「お前の相手は私デェス!」
怒りのあまりツインテールの少女の方に集中するクリスの背後を金髪の少女が緑の大鎌をクリスの背中に向けて振り下ろす。何もしなければ大鎌の刃がクリスを斬り裂くだろう。だが、クリスとてそこまで馬鹿ではない。
「邪魔すんじゃねぇよ!」
「うっ!?」
クリスはその場で身体を捻り、振り向き様に金髪の少女が振り上げた大鎌の細い柄に向かって左手のボウガンの矢を放ち、ピンポイントで柄に命中させて大きくのけ反らせた。
大鎌を弾かれてバランスを崩した金髪の少女に向かって今度は右手で持つボウガンを構える。今の体勢を整えようとしてもクリスの方が反応は早く、既にボウガンの引き金に指を添えていた。あとは引き金を引くのみ。
「切ちゃん!」
『α式 百輪廻』
させじとツインテールの少女は今度は自分に背を向けたクリスの背中に向かってツインテール部の装甲を展開させ、そこから大量の小型丸鋸を勢いよく射出させた。
「ッしまっ!?」
その攻撃範囲は広く、タイミングから見て全てを回避するのは不可能。ダメージ覚悟でいくつか撃ち落とすにしても数が多すぎた。
降り注ぎ襲いかかる大量の小型の丸鋸の雨。
耐えられるか予想は出来ないが腕を交差させて急所を守ろうとする。だがその直前、クリスの前に未来が立った。
「はぁあ!」
『蒼ノ断頭』
白紫の刀を両手で握り肩に担ぐ構えをとると地面に叩きつけるように刀を全力で振り下ろす。その瞬間地面を抉るように巨大な衝撃波が小型丸鋸群に向かって真っ直ぐ進み、衝撃波はその全てを飲み込んだ。
「大丈夫、クリス!?」
「未来!」
間一髪で割り込んだ未来はクリスを心配しながらもツインテールの少女に向かって油断なく白紫の刀を構える。クリスも未来と背中合わせになりながら体勢を整えた金髪の少女に向かって二丁のボウガンを構えた。
「……ありがとう、クリス。私のために怒ってくれて」
「んぐっ!べ、別にあたしは思った事を言っただけで……」
「それでも、私は嬉しかったよ」
「うう……」
「ふふふ」
顔を見なくても赤くなっているだろうと予想できるクリスの反応に未来は思わず笑みを浮かべる。それにより先程まで僅かに黒く染まっていたシンフォギアの色が戻っていた。
「戦闘中に」
「お喋りするなデス!」
二人を挟むようにツインテールの少女はツインテール部の装甲から伸ばされたアームの先端に繋がれた巨大な丸鋸を、金髪の少女は緑の大鎌を構えて突撃してくる。
それを見て未来とクリスも互いにうなづき合い、未来はもう一本白紫の刀を創り出してツインテールの少女に、クリスは金髪の少女に向かって駆け出した。
再びぶつかり合う白紫の刀と巨大な丸鋸、ボウガンの矢と緑の大鎌。
先程と同じくツインテールの少女は巨大な丸鋸で中距離から攻撃する事によって未来を近づけないようにさせ、金髪の少女はクリスの得意な距離にならないように攻め続ける。だが今度の未来とクリスは本気だった。
「クリス!」
「おう!」
「「な!?」」
火花を散らしてぶつかり合う鍔迫り合いから僅かに出来た隙をついて未来とクリスは同時に振り返り、未来は左手に持っていた白紫の刀を、クリスは同じく左手に持っていたボウガンを互いに向けて投げ渡した。
宙を舞う互いの武器。
戦闘中に武器を手放すという有り得ない行動にツインテールの少女と金髪の少女は目を見開いて身体の動きを止める。それがこの戦いの命運を分けた。
未来はクリスから投げ渡されたボウガンを持ちツインテールの少女に牽制し、クリスは白紫の刀で金髪の少女の緑の大鎌と鍔迫り合った。
「アームドギアを交換した……?」
「そんな事出来るのデスか!?」
「出来る出来ないじゃなくて」
「出来てんだよ!」
未来から距離を取ろうとするツインテールの少女。だが未来はボウガンを放って反撃されないようにしながら近づき、白紫の刀で斬りかかる。距離の違いのアドバンテージは完全に無くなっていた。
クリスは白紫の刀で振り下ろされる緑の大鎌を防ぎながらボウガンを放ち徐々に金髪の少女を追い詰める。近距離攻撃を防ぐ手段を手に入れたクリスに負ける要素は無い。
「く、それでも私たちは!」
「負けられないデス!」
形勢逆転されつつある二人の敵シンフォギア装者が未来とクリスに挟み撃ちに形で再び突撃する。しかし、未来とクリスは今度は真っ向から受けるのではなく違いに後ろに向かって何の打ち合わせもなく思いっきり跳んだ。下手をすればこのまま二人は背中を強くぶつけ合ってしまうほどの速さだ。
少しづつ距離を詰められるが、未来とクリスは互いがすれ違う瞬間に未来はボウガンを手放し、クリスは白紫の刀を手放した。
自然落下する互いの武器。それを二人は同時に身体に急ブレーキをかけながらその勢いを殺さずに身体を捻り、未来は落ちる白紫の刀をキャッチして間近まで迫っていた金髪の少女に向かって二刀の白紫の刀を振り下ろし、クリスは戻ってきたボウガンをガトリング形態に変形させてまだ距離のあるツインテールの少女に向かって連射した。
「「ああ!?」」
金髪の少女は未来の力強い斬撃に耐えきれず吹き飛び、ツインテールの少女は辛うじて大型の丸鋸を盾にして銃弾の嵐を防ぐが長くは耐えきれず盾にした丸鋸が破壊された。
「暁さん、月読さん!」
「私を相手によそ見とは、舐められたものだ!」
仲間の二人が押されている光景に焦ったセレナは翼から目を離す。だがいくら二年間のブランクがあったとしても戦闘の勘がある程度戻ってきている翼であれば一対一で簡単に倒せる相手では無い。
研ぎ澄まされたキレのある一閃。その一閃がとうとう傷一つつけられなかったガングニールのマントを僅かにだが切り裂いた。
「くうっ、まだ!」
有利だった状況を覆されたセレナは傷を負いながらも、それでも翼に対峙して戦う決意を弱めない。
セレナの戦う意思に釣られてるように劣勢だったツインテールの少女と金髪の少女も立ち上がり再び未来とクリスに三度目の突撃をしようとした瞬間、ステージの真ん中で大きな緑の光が発光したかと思うとそこからイボのような緑の謎の物体が膨れ上がり始めたのだ。
「なんだよあのノイズは!?」
初めて見るタイプのノイズにクリスは声を荒げる。未来と翼は声こそ上げなかったがクリスと同じ事を思い、油断なく構えた。
「増殖分裂タイプ……」
「こんなの使うなんて、聞いてないデスよ!」
イボのような巨大化したノイズを目の前にしてツインテールの少女と金髪の少女は困惑したような声を上げる。それを見てセレナは急いで通信を繋げた。
「これはどういう事ですかマム!?」
『三人共引きなさい。それにフォニックゲインはいまだ二十四%付近。これ以上は以降の作戦に支障をきたします』
(な、まだ七十六%も足りてないのですか!?)
マムと呼ばれる女性の言葉にセレナは動揺を隠さなかった。
悔しさで強く歯を噛み締めたが「了解」とだけ言い残すと天に向かって真っ直ぐに両手を合わせるような格好をとる。すると両腕の装甲が外れて合わさったかと思うと変形し、大きな黒い槍へと変わった。
「アームドギアを温存していただと!?」
今まで手加減されていたと知った翼だったが、セレナは翼を無視して黒い槍を現れた巨大ノイズに向けた。
『HORIZON†SPEAR」
槍の先端が展開され、その先から大出力のエネルギー波が
「おいおい、自分らで出したノイズだろ!?」
突然のセレナの行動に三人は困惑する。そしてエネルギー波に貫かれたノイズは身体を爆散させてイボのような部分を辺りに撒き散らす。それを見届けたセレナと二人の装者は未来たちに背を向けて走り出した。
「ここで撤退だと!?」
「せっかくあったまってきたところで尻尾を巻くのかよ!」
「……ッノイズが!」
逃げるセレナたちを追おうとしたクリスと翼だったが、未来はいち早く周囲に散らばったノイズの破片が灰化せずに残っていることに気がついた。
ぼこぼこと異様に蠢くノイズの破片。だがしばらくすると散らばった破片と先のセレナによって貫かれた本体と思われは巨大な緑のノイズが大きく膨らんでいく。急いで排除しようとしたクリスと翼だったが、攻撃すればするほどその破片は異常な速さで膨らんで行った。
「こいつの特性は増殖分裂」
「ほおっておいたら際限ないってわけか。その内ここから溢れ出すぞ!?」
焦る二人だがその間にもノイズは分裂と増殖を続けてステージを残して床部分はノイズで敷き詰められていく。まだ観客席の方まで埋まってはいないがこのままいけば一〇分程で会場から溢れ出す危険性があった。
かといって生半可な攻撃では悪戯にノイズの分裂と増殖を促進させるだけ。この場をなんとかくするには分裂も増殖も出来ないレベルの破壊力を持って一気に殲滅しなくてはいけなかった。
「……クリス、翼さん。
落ち着いていて、そして真剣な表情で焦る二人に話しかける未来。その言葉にクリスは未来のやろうとしている事を察して止めようと未来に近づく。
「あのコンビネーションはまだ未完成だ!それに未来の身体への負担が大きすぎる!」
「加えて今の私では出力が足りない。その分を補おうとすれば小日向の負担は更に大きくなるぞ」
「それでも、みんなを守るためにはこれしか方法がありません」
二人の言葉を聞いても譲る気は無いとクリスと翼の目を見て説得する未来。それに先に折れたのは翼だった。
「分かった。一か八かそれに賭けよう」
「な、アンタはそれで良いのかよ!?」
「良いも悪いも無い。それしかここにいるノイズを倒せる手段が無いのだ」
「アンタはッ!」
今にでも翼の胸ぐらを掴もうとした伸ばされたクリスの手を未来はそっと捕まえて止める。
「大丈夫だよ、クリス。私なら大丈夫」
「でも!」
「大丈夫だから。安心して?」
未来はクリスの手を掴んだまま優しく微笑んでクリスを安心させようとする。いつものクリスならここで顔を赤くするところだろうが、今ばかりはそんな状況ではなかった。
「……無理すんなよ」
「心配しないで。これくらい、へいきへっちゃらだよ」
未来は説得を諦めたクリスの手を離して再び白紫の刀を握る。そして未来の肩にクリスと翼は手を置いた。
三人は自分たちを取り囲む不定形のノイズから一歩も引かず、その場で雄雄しく立った。
「S2CA『トライバースト』、行きます!」
──Gatrandis babel ziggurat edenal──
──EmustoIronzen fine el baral zizzl──
──Gatrandis babel ziggurat edenal──
──Emustolronzen fine el zizzl──
絶唱を歌い切った瞬間強い光が放たれて三人を包み込み、周囲にいたノイズは光に触れた瞬間灰へと変わる。触れなくとも強い光が生まれた瞬間に発生した衝撃がノイズを吹き飛ばした。
「スパーブソング!」
「コンビネーションアーツ!」
「セット!ハーモニクス!」
未来の胸元の傷を中心に三人を包み込む強い光が風船が膨らむように更に強く大きくなっていきノイズを薙ぎ払っていく。だがそれに伴い未来の身体に強い痛みが走り始めて顔を歪ませる。
「ぐううっ!」
「耐えろ、小日向!」
「もう少しだ、未来!」
本来であれば天羽々斬への適合率が高い翼でさえ二年間も眠りについてしまうほどの強いバックファイアを発生させる絶唱。それを自身の身体と天羽々斬が融合する事によって生まれた、普通の人間ではあり得ない身体の変化を遂げている未来がクリスと翼からの絶唱による強力なフォニックゲインを天羽々斬の破片を通じて調律し、一つのハーモニーとする技。
強力であり、切り札ともいえるがその負担は三人分の絶唱のエネルギーを一人で抱え込む未来に集中してしまう。
「ぐう、ああああああ!!!」
身体の痛みに悶え苦しみながらも未来はその痛みに耐える。そして絶唱の強いエネルギーが緑の巨大なノイズの身体を顕にさせた瞬間を見逃さなかった。
「いまだ!」
「ぶちかませ!」
クリスと翼の言葉を合図に未来は握っていた白紫の刀を天に掲げる。そして掲げた刀に会場を覆うほど広範囲に広がっていたフォニックゲインが集まり始め、白紫の刀の切っ先から延長するように空に向かって光りが伸びていった。
「これが私たちの!絶唱だあああああ!!!」
光を纏ったままの白紫の刀を本体があらわになったノイズ目掛けて叩きつけるように振り下ろす。ノイズはまるで紙を切るように簡単にその身体を真っ二つにされて灰と化し、そしてそのまま振り下ろされた白紫の刀は地面に当たって瞬間、刀を中心に観客席まで届くほどの広範囲から天に向かって滝が流れるように七色に光る光の柱が建ったのだった。
──────────────────
ライブ会場から離れたビルの屋上にて、未来たちと戦ったセレナたち三人の装者は会場から立ち昇る光の柱を見てただ呆然としていた。
「なんデスか、あのとんでもは……」
「でも、綺麗」
人間では起こさない現象を目の当たりにした金髪の少女は恐れ慄き、ツインテールの少女はその破壊力と規模からは想像できない美しい七色の光の柱に心を奪われていた。
「覚悟はしていましたが……こんな化物が私たちの敵……」
本来であれば人々に希望を与えるであろう光の柱をセレナだけは憎々しく睨んでいた。離れたところからでも感じられるその圧倒的なフォニックゲインが自分の望む
「……あれだけのフォニックゲインがあればきっと
「うん」
「りょーかいデース!」
湧き上がる怒りを胸に秘めて三人はマムと呼ばれた女性の元へ戻るのだった。
──────────────────
S2CAにより荒れ果てたライブ会場の中央でギアを解除して私服に戻った未来はその場で空を見上げていた。
「小日向!」
「大丈夫か未来!?」
空を見上げたまま動かない未来を心配してクリスと翼が走り寄ってくる。無事な二人を見て未来も身体に入っていた力が抜けて倒れそうになるが、すんでのところでクリスが滑り込んで未来を受け止めた。
「おい、大丈夫か!?」
「うん。ちょっと無理しちゃったけど、大丈夫だよ」
「まったく、小日向も無理をする」
「ふふ。すみません。うっ」
「未来!?」
動こうとしたところ、S2CAにより三人分の絶唱の負担をその身に受けた未来の身体は限界が来ており、身体中に痛みが走った。それにより上げてしまった呻き声にクリスは反応して心配そうに未来を見つめた。
「大丈夫だって。それよりも早く弦十郎さんに今回の事を報告しないと」
「……無理はするのでは無いぞ、小日向」
「はい。ありがとうございます」
手を貸そうとするクリスにお礼を言いながら断り、心配そう後ろを何回も振り向くクリスとクリスほどでは無いがチラチラと未来を見る翼を追って未来は痛みを我慢して歩き出そうとした時だった。
「──アンタら、あたしを完全に忘れてるだろ」
未来の後方の瓦礫がガラガラと崩れ落ち、その中から煤と砂埃で汚れたステージ衣装を着た奏が姿を現した。
「か、奏さん!」
「アンタまだいたのかよ!?」
「まだとは失礼な。あんだけノイズに囲まれてたら動くに動けねぇだろ!」
「そ、それよりも無事で良かったわ、奏!」
セレナの事とノイズの事により完全に奏の存在を忘れていた翼は「自分は覚えていた」という風に頬を引きつらせながら奏に話しかける。だが長年付き合っている相棒の考えなぞ奏にはお見通しだった。
「翼。あとでお仕置きな」
「なんで私だけ!?小日向と雪音も同罪だ!」
「あたしらを巻き込むなよ!?」
ギャーギャーと喚く三人。奏の明るさによって沈んでいた空気が少しづつ軽くなっていくのを感じた未来は自然と笑みが浮かんだ。
「うッ」
突然胸の真ん中で絶唱の負荷による身体の痛みとは違う別の痛みが走る。だがその痛みは一瞬でものの数秒で痛みは引いていった。
胸をさするが特に違和感はなく、押さえても先程の痛みは無かった。
「おーい、どうしんたんだよ未来ー?」
「あ、ううん!大丈夫!すぐ行く!」
謎の痛みに首を傾げながらも未来はクリスたちの元に戻っていった。
その場には米粒よりも小さな紫色の結晶が落ちていた事は誰も知らない。
なんだこの息の良さというレベルのうちの未来さんとクリスちゃんのコンビネーション。でもこれAXZくらいでやるレベルですよね。G編序盤でやるもんじゃねぇや……
翼さんとはまだ共に戦った奏さん繋がりで信頼している程度ですね。原作のような信頼関係はまだ構築中。途中で原作レベルの信頼関係は築く予定です。
少しずつ未来さんの時限爆弾の残り時間は少なくなっていく……原作響よりも恐らくタチの悪い爆弾を持った未来さんははてさてどうなる事やら。そしていつそれが爆発するのやら……
ちなみS2CAの未来さんへの負担はおそらく原作ビッキー以上です。ビッキーと違い抑制効果は無いよりマシレベル程度と思っていただければ。
何故そんな設定か?なんででしょうね……腐☆腐
……未来さんボロボロにさせすぎな気がするのは何故だ。
次回 細やかな日常