G編終わらずに未来さんの誕生日!また時系列なんて無視だ!気にしたら(作者が)ハゲるぞ!
それでは、どうぞ!
──十一月六日
ツヴァイウィングとセレナ・カデンツァヴナ・イヴのコラボライブ。そしてセレナの世界に向けての宣戦布告によって世界が混乱。
しかしその後明確な行動は無く、当時ライブ会場にいた者でない限り徐々に忘れ去られて何も知らない人々の日常が徐々に戻ってきたある日。
「「「誕生日おめでとう!!!」」」
「ありがとうございます」
ニ課が所有するマンションの一室、小日向未来の部屋にて盛大にクラッカーが鳴る音が響く。
部屋には奏と翼、クリスの三人に囲まれるように未来が申し訳ない程度のカラフルな帽子(奏持参)を被って笑みを浮かべていた。
「いやぁ、ごめんな?誕生日は明日だってのに前日に祝うことになってよ」
「本当にすまない。こちらの配慮が足りなかった」
「あたしも完全にスケジュール間違えてた……」
「別に構わないですよ。祝って貰うだけでも嬉しいので」
未来の本当の誕生日は明日の十一月七日なのだが、世界的人気のユニットである奏と翼はツヴァイウィングとしての仕事が入っており、クリスはいまだ何もアクションを起こさないセレナたちに対して装者を交代に休ませるためにニ課で待機する日となっていた。
未来も二課で待機しようとしたが、警戒を解いていない状態で常に気を張っていると肝心な時に力が出せなくなる可能性を考えて弦十郎が無理矢理休みにさせている。実際、そうでもせねば未来は休みを取らないつもりだった。
「ダンナや了子さんも祝いたかったらしいが、あっちはあっちで大変だからなぁ」
「セレナたちの件もある故、これから何が起こるか分からないのだから休めるだけ休んでおきなさい。雪音も無理をしないように」
「わぁってるよ。子供扱いすんなよな!」
三人が和気あいあいと楽しげに話す姿を未来は絶えず笑みを浮かべて聞いていた。
(──いつぶりかな。こんな時間)
未来は三人が話に夢中になっている隙に目をそっと閉じる。
二年前。大切な親友が目の前で灰に変わりこの世からいなくなった日から未来の世界は色褪せていた。
世間的に何か大きなイベントが起きる度にかつて親友といた時との思い出が蘇り、その度に胸が張り裂けそうなほど痛んでいた。自分から親友を奪ったノイズと世界を恨み、憎しみに支配されていしまうほど。
特に誕生日の日は酷いものだった。
二人きりで祝い合い、共に笑った輝かしい思い出に頬を緩ませるほど幸せだった日々。そんな眩しい日々を思い出す自分の誕生日が未来は思い出す度に親友がこの世にいないという事を分からせる気がして心の奥底から拒んでいた。
(でも、今は……)
今度は目をゆっくり開ける。
多少の心の中で痛みを感じるが、二年で心底嫌いなったはずの自分の誕生日が祝われている。なのに嫌な気分にもならず、とても幸せな気分になっていた。
フィーネとの戦いで会えた親友が自分が作った幻影だとしても、その時の言葉に救われてやっと恨みと殺意に囚われた心がやっと前進出来ている。そう実感して再び自然と笑みが浮かんだ。
それから夜遅くなるまで四人で平和で楽しい時間を過ごし、親睦を深めていったが時間はあっという間にすぎてしまった。
楽しく会話していた奏が部屋の時計を見ればもう一時間もすれば日付が変わってしまう時間になっていた。
「あーすまん。あたしらは明日仕事だからお先に失礼するよ」
「あたしもさっさと寝ねぇと……なんで土曜に朝早く起きなゃなんねぇんだよ」
「健康の為にも早寝早起きは心掛けなさい。大きくならないわよ?」
「だから子供扱いすんな!?」
「……一部は大きくなりすぎだけどな」
「──奏?」
「やべ!!??」
最後まで漫才のような会話を繰り広げてクリスたちは未来の部屋から出て行く。特にクリスは玄関から出た後も名残惜しそうに何度も未来の方に振り向いていたが明日は待機とはいえ任務があるため残念そうに肩を落とした。
「終わったらまた遊びに来てもいいから。ね?」
「………………………………わかった」
(絶対納得してないな)
(絶対納得してないわね)
そしてようやくクリスは自身の部屋に戻り、奏と翼はマンションの一階で待機していた慎次の元に向かった。
そして残ったのは未来のみ。
未来は部屋に戻った後、楽しかった余韻が冷めぬうちにテーブルの上を掃除するのをやめてシャワーだけ浴びて今日は眠りにつこうと寝巻きに着替える。なんだかんだでセレナの件や自分の身体の違和感によってまともに休めていなかったため体力的にも限界が来ていたのだ。
「──そういえば、誕生日の日は響と一緒に眠ってたっけ」
まだ幼い時から親友か自分の誕生日の時は必ずと言っていいほど二人で一緒の布団に入り手を握って眠りについていた。そんな時間も未来の幸せな時間の一つだった。
だが、今は未来一人。
「少し……寂しいな……」
まだ日付が変わる前だが、布団を被ればその暖かさと疲れによって眠気が一気に遅くなっていく。その暖かさは奇しくも親友と一緒になって布団の中に入っていた時の暖かさに似ており、未来は眠気に逆らわずにそっと目を閉じた。
──────────────────
「お誕生日、おめでとう!!!」
「ッ!」
大きめの声とクラッカーの音によって未来は瞑っていた目を開ける。すると先ほどまで布団の中にいたはずなのに何故か二年前、あのライブ時間が起こる前の自分の部屋に未来はいた。
そして──
「?どうしたの、未来?」
「──────」
未来は目の前にいる存在を見て声が出なくなっていた。
それもそうだ、そこにはもうこの世にいないはずの、二年前自分を守る為にノイズに襲われて灰になってしまったはずの大切な親友が、立花響が当時と同じ姿でそこにいるのだから。
(──ああ、これは夢だ)
呆気に取られて言葉が出なかったが、冷静に考えてみれば当たり前の事だ。この世にいないはずの人間が目の前にいるという非現実的を目の前にして動揺したがこれが夢であると思えば自然に受け入れてしまう自分がいて未来自身も驚いていた。
「大丈夫未来?無理しないで休んでたほうが……」
「ううん。大丈夫だよ。少しぼーっとしただけだから」
夢だと分かった瞬間、未来は目が覚めれば後悔すると分かっていてももう二度と訪れるはずのない幸福な時間の誘惑に勝てず、微笑みながらテーブルを挟んだ響の向かい側に座った。
小さなテーブルの上に置いてある菓子と未来の名前が書かれたチョコレートで出来たネームプレートが乗ったワンホールのケーキ、そしてケーキには未来の年齢の分の火を灯した蝋燭が刺さっていた。
響は立ち上がって部屋の電気を消すと喉の調子を整えるように軽い咳払い一つをして自信満々に胸を張って口を開く。
「ハッピバースデー、トゥ〜ユ〜、へい!」
「(へいって自分で言うんだ……)」
「あ!今馬鹿にしたでしょ!?」
「してないよ」
「目を逸らしてたら説得力ないからね!?でもいいもん!私が歌いたいから歌うんだから!ハッピバースデートゥ〜ユ〜、へい!」
頬を膨らませながら響は歌の続きを歌うが、頬を膨らませながら歌っている為に少し声がくぐもって未来の腹筋が崩壊しかけた。
「ハッピバ〜スデ〜ディア未〜〜来……ハッピバ〜スデ〜トゥ〜ユ〜……おめでとおおおお!!!」
「ふふ、ありがとう」
未来が蝋燭の火を全て消すと機嫌が戻ったのか未来の記憶の中にある眩しい笑みを浮かべて響は大きな拍手を未来に贈る。その僅かな瞬間が未来にはとても嬉しくて涙が出そうになった。
それからというもの、何故か会話の内容は未来の頭の中に入ってこなかったのだが、響が未来が過去の思い出を思い出す余裕が無いほど終始笑顔で未来に話しかけてきては未来は笑い、たまに泣き、たまに怒り、そさて再び楽しそうに笑みを浮かべた。
どれくらい話しただろうか。
ほんの数分にも、何時間にも、
「そろそろ寝よっか!」
「ッ」
満面の笑みで告げた響の言葉に未来は息を呑む。それが何を意味するのか、未来は誰よりも分かっていた。
眠ってしまったらこの幸せな時間が終わってしまう。夢の中とはいえ、本当にこれで響とは二度と会えないかもしれない。そう考えるとまた胸が張り裂けそうになる程痛くなる。だが。
「──うん」
未来は無理矢理にでも笑みを作って頷いた。それが目の前の親友の手向けになると信じて。
響がいそいそと大きめの布団を敷いていく。その布団も記憶の中にあるよく二人で使っていたものだった。
未来と響は並んで布団の中に入る。少し暑苦しいが、それでもどこか傷ついた心が少しずつ癒えていくような不可思議な暖かさがあった。
隣で寝転んでいる自分よりも少し大きくて、人を助ける為に沢山の手を握って来た響の手を未来はギュッと握る。包まれるような優しさも記憶の中の響と同じで安心したのか少しずつ微睡が未来の意識を支配していく。
「ねぇ、未来」
「んん……なぁに、響?」
意識の半分が眠りに落ち、気を緩めればすぐ眠りについてしまいそうな未来の顔を見て響が優しく微笑んみながら声をかけた。
「今……幸せ?」
普通であればその言葉は今の時間の事を言っているのか、それとも
「……そうだね……私は、クリスや翼さんたちがいる
「未来?」
響は突然黙ってしまった未来の顔を覗き込む。見れば未来はとても安らかな笑みを浮かべながら響の手を掴んだまま寝息を立て始めていた。もうじきに未来にとってのこの幸せの時間は終わるだろう。
仕方がないと笑みを浮かべながら響は未来の頭を撫でて未来を抱きしめた。
「──お誕生日おめでとう。これからもずっと、未来の事を見守るからね。だから……幸せになってね?」
辛うじて意識のあった未来はその言葉を聞いて完全に意識を切り離した──
──────────────────
「ううん……」
チュンチュンと小鳥の声が耳に入り未来は目を覚ます。寝惚けまなこで目を擦りながら時計を見ればもう十時を回っており、一瞬焦るが今日がリディアンもニ課と休みだったと思い出すと脱力して再び眠気が襲ってきたが耐えて起き上がった。
今日は自分の誕生日だが、クリスも待機任務でいない為一人寂しくケーキでも食べようかと思いながら洗面所で顔を洗っていると玄関のインターホンが鳴る音が聞こえ、未来は急いで玄関に向かい扉を開けた。
「はーい。どちら様で……」
「おっす!」
「来たわよ、小日向」
「奏さんに翼さん!?」
仕事で未来の誕生日を祝えないからと一日早めに未来を祝ったはずの奏と翼が高そうな箱に入った昨日とは違うケーキを持っていた。
「今日はお仕事があったんじゃ……」
「それがよ、向こうの都合で一日ズレたんだよ」
「少し大掛かりになるはずの仕事だから他はキャンセルしていたの。でもその仕事が無くなったから時間が空いたのよ」
二人は海外のバラエティドラマの役のように困った顔を浮かべながらも笑いながら肩をすくめた。
未来が呆然としていると今度は通路の階段から大きな袋を持った見覚えのある筋肉隆々の赤い髪の男と理想的な体型の女性が未来の方に向かって歩いてきた。
「あら〜。こんにちは未来ちゃん。それとお誕生日おめでとう!」
「めでたい事だけに鯛を持ってきたぞ!料理は任せておけ!」
「それ寒いわよ弦十郎くん……というより、料理出来たのね?」
「ああ。まぁそんな難しいのは無理だがな」
「そう……」
研究ばかりで料理が苦手な了子は大声で笑う弦十郎がある程度の料理ができると知ってかなりショックを受けた。
「弦十郎さんに了子さんも……」
「いやなに。仮設本部のシステムが軽いトラブルを起こしてな。既に復旧済みだが専門家に見せるべきだと思ってついでに補給や他のメンテナンスをしてもらう為に一日休暇だ」
「中にあるデータを本部の外の研究室に持ち込むのも面倒だし、別に早急になんとかしないといけない案件も無いから私もお休みなのよん」
仮設本部である潜水艦がシステムトラブルと中々重大な事をさらりとなんでもない風に弦十郎は言った。
実際大事であるが弦十郎が自身で言ったように復旧出来るものであったし、専門的な部分になれば素人である弦十郎は逆に邪魔になってしまうためこれを理由に久々の休暇を取ったのだ。
朔也とあおいたち一部の職員が別本部にてセレナたちの情報を集め続けているが、そこにも弦十郎と了子の出番はない。
またまた唖然としていた未来だったが装者である奏と翼、そしてニ課でも重要な人間である弦十郎と了子がこの場にいるから未来を大事に思う最後の一人も必然的に集まるのは当然の事だろう。
「なんであんたら集まってんだよ?」
「あ、クリス!」
玄関先で集まっていた弦十郎たちを見て最後に現れたクリス不機嫌そうな顔でそう言った。
仮設本部が急遽メンテナンスを行うのであれば待機任務を請け負っていたクリスが暇になるのも突然だった。故に昨日祝ったクリスも誕生日当日にもう一度キチンと祝おうと思ったのだ。
こうして、先程まで少し寂しから思っていたのに、気が休まる暇が無いほど人が集まった。それだけ未来の人望があるのだろう。
「ふふ、今日も楽しくなりそうだね……響」
まだ親友の事を忘れたわけでも、完全に受け入れる事が出来たわけでも無い為未来の心の中の影はまだ居続けているが、僅かに残る手の中の温もりを感じながら皆に笑みを向けて未来は全員を部屋の中に招き入れて再び誕生日パーティーを開くのであった。
作者「よし、ビッキー出したからこれで断罪の数も」
響「それで、次の出番は?」
作者「……予定では
響「ふーん。それじゃガングニールとエレクライト、どっちが好き?」
作者「え、そりゃどっちも好きだけど……」
響「そっか。それじゃエレクライトお願い」
グレ響「了解」
作者「何処から現れたグレビッキィィィィアアアアァァァァ!?」(ダブルビッキーによる最大火力断罪)
未来「響に会わせてくれたから今回は許してあげます(ヨシヨシ)」
作者「あ、ありがとうございます……」(背後でビッキーとクリスちゃんが眼力で人を殺せそうなほど睨んでいる)
はぁ(↑)い(↓)、以上ゲスト参戦の立花響さんでした!また出演できればいいですね!それでは、またry「出番をよこせえええ!」カ・ディンギルぅ!?」(ガングニール発勁)
未来さん誕生日おめでとう!(五体ボロボロ)