戦姫絶唱シンフォギアIF 〜陰る陽だまり〜   作:ボーイS

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ちょっとモチベーションさんが家出してたので探し出すのに時間かかりました_(:3 」∠)_

XDU……いやぁまさか本当に並行世界のAnother装者たちが集う展開になるとは。最終章、楽しみですねぇ。グレビッキーはIF未来さんと再会はできるのかな?

作者「ビッキーはどう思う?ねぇねぇ?今どんな気持ち?……あれ?なんで弓なんて持って……」
ビッキー「……未来には内緒だよ?()
作者「それ声優ネタギイイイヤアアァァ!!!」※円環の理に強制的に導かれました。

今回は原作で言えばG編最終話のマリアさんがアガートラーム纏う前あたりになりますかね。言わばAパートです。次回がネフィリムとの最終決戦です。

それで、どうぞ!


二十話

 マリアを救いだした未来たちが涙を流して安堵しているセレナを見て安心したのも束の間、付近の地面が不規則に動き出して巨大な魔物の形となって未来たちの前に立ちはだかる。

 そんな光景を、マリアを洗脳していたシステムを切ったウェルが現場から遠く離れたフロンティアのジェネレータールームからモニターを通じて見ていた。

 

「人ん家の庭を走り回る野良猫め……フロンティアを食らって同化したネフィリムの力を!思い知るがいい!!!」

 

 ウェルがネフィリムと一体化した左腕を真後ろにあるフロンティアの巨大ジェネレーターに触れる。するとジェネレーターに寄生したネフィリムのコアが強く反応してフロンティアのエネルギーを未来たちの前に立つネフィリムに送る。

 

「食らい尽くせ!僕の邪魔をする何もかもを!暴食の二つ名で呼ばれた力を……示すんだ!ネフィリイイイィィィム!!!」

 

 ウェルの狂ったような雄叫びと共にネフィリムのコアが大きく脈動した。

 

 ────────────────────

 

 

『──────!!!』

 

 シンフォギアを纏っていても気を抜けば飛ばされていきそうな獣のような咆哮が衝撃波となって未来たちの肌を叩く。

 

「あれは、あの時の自立型完全聖異物なのか!?」

「にしては張り切りすぎだ!」

 

 目の前の巨大な魔物、フロンティアから得られた莫大なエネルギーによって巨大化したネフィリムを前にクリスと翼は痛む身体に鞭打ってアームドギアを構える。だがフロンティアに突入してからの連戦によって疲労し、加えてシンフォギアにも見逃せないレベルの傷が目立っていた。

 それを見て未来は二人と共に戦うためにフラつく身体を無理矢理立ち上がらせて胸に手を当て、聖詠を唱えようとしたが未来の目の前に見覚えのある手が遮った。

 

「未来は逃げてくれ。出来ないならせめて安全な場所で隠れてろ」

「なっ、それじゃクリスと翼さんが!」

「なぁに心配すんな!あたしも先輩もまだまだ戦える!」

「それに小日向は既に一度ギアを纏っている。今の貴女ではシンフォギアの連続使用と出力の上げた戦闘は命に関わる」

 

 クリスと翼の言っている事は正しい。

 未来の身体の中に埋め込まれた天羽々斬の破片による浸食はかなり前から深刻なものとなっていた。それこそ、纏うだけで全身に謎の痛みが走る程に。

 それなのに先程シンフォギアを纏い、あまつさえマリアを打ち倒すためにギアの出力も限界近くまで上げようとしていた。この時点で、未来が気が付いていないだけで天羽々斬の浸食率は大変なことになっているだろう。

 

「で、でも!二人で戦うのは!」

「ッ危ない!」

 

 それでも、と声を上げようとした未来だったが、それを遮るように翼の焦る声が響く。

 何事かと確認すると目の前の巨大化したネフィリムが口と思われる箇所を大きく開けると巨大な火の玉が生まれる。その火の玉はまだかなり距離があるはずの未来ですら熱く感じるほどの高熱を持っていた。当たればシンフォギアを纏っていない未来の命は無い。

 

「すまねぇ未来!」

「クリス?きゃっ!?」

 

 未来を抱き抱えたクリスは翼と共にその場から飛び退く。セレナたちもマリアを抱えて既に退避していた。

 直後、今まで未来たちのいた場所にネフィリムの放った巨大な火球が襲い掛かる。そして着弾した岩場は大きな爆発の後地面がまるで氷が溶けるようにドロドロに溶けてなくなってしまった。

 

 火球を回避したクリスたちはネフィリムの死角になる岩場の影に着地し、未来を降ろしてネフィリムの様子をうかがう。爆煙によりネフィリムも未来たちを見失っているようだがフロンティアと一体化している以上見つかるのも時間の問題だ。

 

「直撃すればシンフォギアを纏っていても危険か」

「ああ。そうだな」

「……やっぱり私も」

「その必要はありません」

 

 二人の意見を無視してシンフォギアを纏って戦おうとした未来だったが、その後ろから聞き慣れた声が聞こえて来る。

 声のした方に振り向けば丁度セレナがマリアを岩陰に寝かし終え、切歌と調と共に未来たちの元に近寄って来る姿が目に入った。

 

「マリアとセレナを助けてくれたのに、私たちは何も出来てないデス」

「だから今度は私たちもネフィリムと戦う」

 

 やる気を漲らせてアームドギアを力強く握る調と切歌。

 その後ろでセレナも優しい笑みを浮かべながらも確かな闘志が宿った目でネフィリムを見つめていた。

 

「ネフィリムは帰って来たマリア姉さんと私たちをまた引き裂こうとしています。もうあんな思いはしたくありません。だから、ここで私たちとネフィリムの因縁に決着をつけなければなりません」

 

 マリアは自分のために命を賭して戦い、そして散ったとセレナは思っていたが、そのマリアが紆余曲折あったとはいえ生きて再び自分の元に帰って来た。

 死んだと思っていた大切な人と再び会えたという起こり得ない奇跡と思っていたものが今まさに手の中にある。それをみすみす捨てる者はいるはずがない。

 

「私たちもお二人と共にネフィリムと戦います。ですから小日向さんは姉さんを守ってください。お願いします」

「「お願いします(デス!)」」

 

 セレナと切歌、調の三人が揃って未来に頭を下げる。

 マリアの事も相まって、その姿を見てはさすがの未来も無理をして戦闘に参加する事を躊躇してしまう。

 

「……分かりました。でも、三人も気をつけてくださいね」

「任せてください」

 

 渋々了承した未来を安心させるようにセレナは笑みを浮かべるのを見てからマリアのいる場所まで走る。

 未来とすれ違った後のセレナは切歌と調と共に翼とクリスのいる所まで歩き、そして五人が横並びになってネフィリムの方に身体を向けてアームドギアを構えた。

 

「まさか共闘する事になるとはな」

「はい。私もこうなるとは思ってもみませんでした」

「あたしはお前らが未来にやった事を忘れてねぇからな」

「うん。だから行動で示す」

「私たちの未来(みらい)の為に、まずはネフィリムをやっつけるデス!」

 

 五人とも満身創痍とはいかずともそれなりのダメージを負っているのにも関わらず戦闘の意思は弱まっていない。むしろ守りたい者のために負けられないため増している方だ。

 そんな五人のやる気を感じ取ったのか、砂塵の中でクリスと翼を探していたネフィリムがいきなり五人のいる方に身体を向けて再び咆哮を上げて戦闘態勢に入った。

 

「行くぞ!!!」

「「「「おう(デス)!!!」」」

 

 翼を筆頭に五人はアームドギアを構えたままネフィリムに向かって走り出す。それに合わせてネフィリムも両腕を大きく持ち上げてクリスたちを叩き潰そうと勢いよく振り下ろすが、巨大化した分小型の時にあったすばしっこさが無くなって動きが緩慢なため、ギアを纏ったクリスたちならば回避は難しいものではない。

 

『──────!』

 

 攻撃に移ろうとしたクリスたちだったが、その直前にネフィリムが咆哮を上げるとネフィリムの背中からフロンティアのエネルギーを利用して作られた無数のミサイルが放たれる。隙間は大きいがその数はとても容易に避けられるものではない。

 

「チィッ!おい!合わせるぞ!」

「!分かった……!」

 

『BILLION MAIDEN』

『α式・百輪廻』

 

 回避が難しいのなら全部落とせば良いというように、クリスは両手に大型のガトリング砲で、隣にいた調は小型の丸鋸の連射によって降ってくるミサイルの雨を迎撃していく。

 

「切歌ちゃん!」

「がってんデェス!」

 

 クリスと調が作った隙を見逃さずに、ミサイルを破壊した時の砂塵に紛れてセレナと切歌がネフィリムに向かって跳躍して短剣と大鎌をネフィリムに向かって勢いよく振り下ろした。だが振り下ろされた二つのアームドギアは金属同士がぶつかり合うような甲高い音をたてて弾かれてしまった。

 

「ッこれは!?」

「すっごく硬いデス!?」

 

 ネフィリムの体表に叩きつけたアームドギアから腕が痺れる程の衝撃が走る。アームドギアもあまりの硬さに刃こぼれを起こしてしまうほどだ。

 

「ならば!」

 

『蒼ノ一閃』

 

 セレナと切歌の一撃では傷一つ付けられないと悟った翼はネフィリムよりも高く跳躍し、手に持つ剣を巨大な剣へと変形させ、その刃にエネルギーを纏わせた翼は、剣を振るい一擲に任せて大きな蒼色の斬撃をネフィリムにぶつける。

 暴走した未来が圧倒した以前のネフィリムであれば今のセレナと切歌の一撃で傷をつけ、翼の一撃で致命傷を与えられていたかもしれない。いや、アガートラームを纏った今のセレナと以前よりも一段と強くなった翼であれば今ので十分撃破していただろう。

 だが現在のネフィリムはフロンティアと融合した事により超強化されており、その体表の硬度は以前と比べる必要が無いほどのものとなっていた。

 

「カスリ傷一つ無いだと!?」

 

 翼の渾身の一撃でも僅かにネフィリムをぐらつかせる事には成功したもののその程度。少しでもダメージを与えていれば希望はあったがその気配はない。むしろダメージは無くとも自分をふらつかせた事にネフィリムは怒り、攻撃の密度を増してしまうほどだった。

 

「翼さん危ない!」

「くっ!」

 

 全力とも言える一撃ですらネフィリムにダメージを与えられなかった事に一瞬惚けてしまった翼の元にネフィリムの巨腕が翼を押し潰そうと襲いかかるが、寸前でセレナの声に正気を取り戻してギリギリのところで回避に成功する。それでもあともう数秒正気に戻るのが遅れていれば翼の命はなかったかもしれない。

 

「すまない」

「お礼なら後です。今は」

「ああ。あれをなんとかしなくてはな!」

 

 再び並び立った二人のアーティストの前にネフィリムは巨大な壁として立ち塞がる。

 翼たち五人の瞳にはまだ諦めている様子はない。勝つまで戦おうという強い意思が映し出されていた。

 だがそんな気持ちを踏み躙るように、ネフィリムはその巨体を動かすのであった。

 

 ────────────────────

 

 ──同時刻 フロンティアジェネレータールームにて。

 

 

 クリスたちが必死になってネフィリムと戦っている様子をウェルはジェネレータールームに映し出されたモニターから笑みを堪えきれずに見ていた。

 

「出来損ない共が集まったところでこちらの優位は揺るがない!やれ!叩き潰せ!!ぶっ殺せ!!!ネフィリイイイィィィム!!!」

 

 狂ったような笑みを浮かべながら叫ぶウェルの姿はまさに狂人という名前が相応しい姿だった。

 

「見つけたぞ。この変態野郎!」

「誰が変態だ!?っと貴女は……」」

 

 せっかくの良い気分に水を差すような言葉にウェルは思わず声のした方に顔を向けながらツッコミを入れる。そして視界に入った声の主を見て意外そうに声をあげた。

 

「天羽奏さん、でしたか。それと確かツヴァイウィングのマネージャーさんでしたっけねぇ?」

「緒川慎次と申します。以後お見知り置きを」

「いや緒川さん、今は別に挨拶はいいから」

 

 かなり重大に場面だというのにいつものスマイルを浮かべたままの慎次が深々と少し芝居のかかった動作でお辞儀をする姿を見て気合十分でここまできた奏が思わずツッコミを入れてしまった。

 仕切り直しとばかり咳払いを一つしてから奏はウェルなら向かって指を突きつけた。

 

「もうお前に逃げ場は無ぇ。さっさと投降しな!」

「はっ!装者もいないというのによく強気でいられますねぇ!」

 

 強気な奏を嘲笑うかのようにウェル博士右手に持っていたソロモンの杖を掲げた。

 今の奏はシンフォギアを纏う事は出来ず、ノイズを召喚されれば打つ手がない。辛うじて慎次がいるため逃走は出来るだろうが、それは目の前にいる今回の事件の黒幕とも言えるウェルをみすみす逃す事になる。

 

「やらせるか、よ!」

 

 ウェルがノイズを召喚するよりも早く、奏は自身の足に力を入れて()()()()()()、飛び上がった床の破片を身体を捻りながら力の限り蹴る。その破片は弾丸並みのスピードとなり、今まさにソロモンの杖を起動させようとしたウェルの腕に直撃して無事ではない嫌な音がジェネレータールームに響いた。

 ソロモンの杖も大きく宙を舞い、コアの周りにある深い穴に落ちていく。これで単純な生身の戦闘のみでウェルが奏と慎次に勝つ手立ては無くなった。

 

「あああああ!!!僕の、僕の腕があああぁぁぁ!!!こぉんのクソアマがああああぁぁぁぁ!!!」

「ッ緒川さん!」

「お任せを!」

 

 普通の人間ならしばらく動けないような痛みが襲っているはずだというのに、ウェルは極度の興奮と想像を遥かに超えた痛みに一周回って痛覚が麻痺しており、血走った目を奏に向けながら近くにあった腰くらいまである石碑のようなものにネフィリムと融合した腕を伸ばす。だがウェルが石碑に触れるよりも先に慎次は携帯していた拳銃を取り出して引き金を引く。弾丸は法則を無視したような曲線を描いてウェルの腕の真下の地面に落ちた。

 

「はん!何処を狙って……っ!?」

 

 余裕の笑みを見せたウェルだがすぐに自分の異変に気づく。なんせ石碑の形をしたジェネレーターの操作板に触れようとしていた腕が宙に浮いたままピクリと動かなくなるのだから。

 

「貴方の好きにはさせません!」

「観念しやがれ!」

 

 慎次の影縫いに加えて頼みの綱であったソロモンの杖は奏の起点によりウェルの手から離れている。まだウェルの方が距離は近いが身動きが出来ない今取りに行く事は不可能。ウェルの持つ手持ちではこの場を乗り切る術はない。

 

「ッ奇跡が一生懸命の報酬なら、僕にこそおおおぉぉぉ!!!」

 

 目や口の端から血を流し、融合したネフィリムの腕からもパンパンに水を入れた風船に穴を開けたかの如く幾つもの場所から血が飛び散らせながらもウェルは翼や奏よりも練度が高い慎次の影縫いから脱っし、パネルに触れてしまった。

 直後部屋の中央にあるフロンティアのコアとなっている巨大なクリスタルが強い光を放ち始めた。

 

「お前ぇ!なにしやがった!」

「ふん。ただ一言、ネフィリムの心臓を切り離せと命じただけ……もう僕では止められない!フロンティアを落とすまでネフィリムは止められない!ふふふ、あひゃっひゃっひゃっひゃ!!!」

 

 ウェルの高笑いが響く。それに呼応するようにコアの輝きが増した。と思えばコアに集められたエネルギーが何処かへ送られていく。その先は当たり前ながら奏と慎次には分からない。

 

「こいつは……あたしらの手に負えそうにないな」

「悔しいですが今はここから脱出するのが先決かと」

「そうだな。でもその前に」

「アビャ!?」

 

 コアの前で笑い続けていたウェルの顔に奏は腰の捻りが乗った良い拳をめり込ませて気絶させる。その際人間の首からはしてはいけない音が聞こえた気がした慎次だったが、あえて何も言わなかった。

 

 気絶したウェルを慎次が軽々と担ぎ、いまだに輝きが収まるどころかむしろ増しているコアを置いて急いでその場から退避するのであった。

 

 ────────────────────

 

 クリスたちとネフィリムの戦闘はまさに激戦であった。

 シンフォギアによるクリスたちの猛攻は五人であっても十分国の保有する兵器と称して良い程の火力や戦略性があった。これがただのノイズの群れであるのならば体力が保つ限り負けることは無いだろう。

 だが、目の前にいるのはノイズですら無い。

 ネフィリムの剛腕から繰り出される拳は例えシンフォギアによって防御力が跳ね上がっていても直撃すればただでは済まない。下手をすれば命を落とすだろう。それに加えてミサイルや火球のような遠距離攻撃も有しており、それすらも直撃すると命に関わるものもあった。

 

「ッ雪音!ミサイルが来るぞ!」

「分かってらぁ!!!」

 

 直後、ネフィリムの背後から先程の無数のミサイルが翼たちに向かって襲いかかるが、クリスがガトリング砲とミサイルで迎撃する。ミサイルの数には圧倒的な差はあったが、無差別に撒き散らすネフィリムと違い、クリスは一瞬で最適な場所へ銃弾やミサイルを撃っているのでギリギリのところで迎撃に間に合っていた。

 

「切歌ちゃん、調ちゃん!」

「はいデス!」

「うん!」

 

『SUAVE†SABER』

『対鎌・螺Pぅn痛ェる』

『裏γ式・滅多卍切』

 

 ミサイルを撃つネフィリムの隙をついてセレナは高エネルギーを纏わせた短剣を、切歌は既に持っていた大鎌を更にもう一つ作り出して、その二つを合わせて一つとなった大鎌を、調はツインテール部の装甲から四本の長いアームを伸ばして巨大な回転する丸鋸を展開させて三人同時にネフィリムに斬りかかる。だが、それでもネフィリムの体表を僅かに傷つけただけで致命傷どころか痛手には程遠い。

 

「まだ終わらん!」

 

『天ノ逆鱗』

 

 翼は空高く跳躍し、セレナたち三人の同時攻撃に一瞬怯んだネフィリムの腹部を狙って蹴りを放つのと同時に巨大化した持っていた剣を片足にセットし、急降下していく。

 巨大化した剣はネフィリムの体表に突き当たり、大きくのけ反らせるが貫通するには至らない。

 

「だったらこれも持っていきやがれ!!!」

 

『MEGA DETH FUGA』

 

 ダメ押しとばかりにミサイルの雨が止んで手の空いたクリスがネフィリム目掛けて二本の巨大なミサイルを展開して放つ。

 ミサイルは翼の攻撃によって大きな隙が出来たネフィリムに向かって飛来し、そして巨大化したネフィリムの身体全体を隠してしまうほどの大きな爆発と爆煙を散らせた。

 絶唱と限定解除以外で今持てる全力の一撃を放ったクリスたち五人。これでネフィリムを倒していなければ勝利する確率は絶望的だった。

 ミサイルによる爆煙が徐々に晴れていく。クリスも翼も皆警戒を解かずにアームドギアを構えていると中から黒い大きな影が見え始めた。

 

「……やっぱり無理か」

 

 奥歯を強く噛んで歯軋りをするクリスの目の前には無傷とは言わないが、クリスたちの全力の一斉攻撃でやっと目に見える程度のダメージを負ったネフィリムが立っていた。

 

『──────!』

 

 咆哮と共に傷を負っていることを感じさせないほどネフィリムは両腕を振り上げて近くにいたセレナたちに向かって拳を振り下ろそうとした。

 

「やらせるかってんだよ!!!」

 

 元々翼や未来よりも体力が劣るクリスだが、身体に鞭打って両腕を上げた状態で静止していたネフィリムの顔面に向かってガトリングと小型ミサイルを集中砲火させる。さすがのネフィリムも目を狙われるのを嫌ったのか振り上げた両腕で顔を守る。その間にセレナたち三人は安全圏まで退避する。

 

「ありがとう」

「助かったデスよおっぱいの人!」

「だ、誰がおっぱいの人だ!?」

「雪音!そんな事は今は後回しだ!」

「そんな事ってなんだよ!?」

「切歌ちゃんも調ちゃんも真面目にやりなさい!」

「あう、ごめんなさいデス……」

「(え、なんで私も怒られたの?)」

 

 ほんの僅かな気の抜けるような話。その裏では、下手に黙ろうものなら目の前の巨悪に対して絶望に押し潰されそうになった心を落ち着かせるために無理矢理話しかけただけの事。仲間がいるだけでも精神は安定するものだ。

 それほどまでに追い込まれている五人だが、休む暇なぞ与えないと言うようなネフィリムの剛腕や火球による猛攻は続く。致命傷はなんとか避けられているがネフィリムにまともなダメージを与えられていないため五人の体力が尽きるのが先だろう。

 

 いつ誰が先に脱落するか分からない状況の中、未来はネフィリムの攻撃が及ばない場所の岩陰からクリスたちの戦いを見守ることしか出来なかった。

 

「(みんな押されてる……やっぱり私も)」

 

 今の自分が助太刀をしても何も変わらないかもしれない。

 例え多少の攻勢を見せたとしても浸食が限界を超え、シンフォギアが自分の命を奪うかもしれない。

 それでもただ見ている事だけなぞ、大切な仲間が傷つきながらも戦っているのに自分だけ安全な場所で見ているだけなぞ出来るわけがなかった。

 ギアを纏えば死ぬかもしれないという恐怖は勿論あるが、それ以上に誰かが死ぬ事の方が未来には耐えられなかった。

 

 意を決してシンフォギアを纏おうと眠るマリアをそっと地面に寝かせて未来たち上がり自分の胸に手を置き、聖詠を唱えようとしたが、その直前に何処からかエンジン音が響き渡った。

 

「なに?この音は──!?」

 

 周りを見渡そうと後ろを向いた瞬間、岩影が勢い余って僅かに宙に飛び上がった軍用車両が未来の眼前に現れた。

 急に現れた車両は荒々しい運転で砂煙を巻き上げながらも危なげなく未来を避けて綺麗にすぐ隣で停車する。

 マリアを守るように自身が前に出ながら未来は恐る恐る車両を覗き込もうと近づくと運転席から見覚えのある茶髪の髪をお団子状に結った女性の頭が見えた。

 

「はぁ〜い。怪我はなぁい?」

「了子さん!?」

 

 運転席からニッコリと笑顔を浮かべながらひらひらと手を振るニ課専属の研究者である櫻井了子の姿を見て未来は驚く。

 それも無理もない。本来了子は研究者のため何か必要なことがなければ戦場に出る事はまず無い。しかも今はネフィリムという巨大な化物がある中、弦十郎や慎次のような戦闘能力がない了子がここにいる時点でおかしい事だ。

 

「なんで了子さんが……」

「いやね。弦十郎君たちが乗っていった車の反応が消えちゃったの。多分あのネフィリムが暴れてるせいで何処かに止めてあったのが流れ弾で偶然壊れちゃったんだと思うけどね。それでぇ、急遽私がみんなを回収する為にここまで運転して来ちゃった」

「運転して来ちゃったって……」

 

 テヘペロッと舌を出す了子に未来は少々頭が痛くなったが、直後了子の目つきが真剣なものとなった。

 

「未来ちゃん……貴女、シンフォギアを纏ったでしょ」

「……はい」

「ならもう馬鹿な事を考えちゃダメよ。貴女の身体は貴女の思っている以上に深刻なの。例え検査で浸食が進んでいなくても本当はシンフォギアを纏ってはいけない身体なの。なのに検査もせずにまた戦おうなんて……自殺行為だわ」

「…………」

 

 了子の言葉に未来は押し黙ることしかできなかった。

 まだ人間としての意識がある時点でおかしいと思うほど浸食が進んでいる今、それでも戦おうとするのは自殺志願者以外の何者でもない。

 だが、一度決めた決心を覆すのは不可能だった。

 

「それでも……ッ危ない!」

「え?って嘘ぉ!?」

 

 誰になんと言われようとネフィリムと戦うクリスたちを救う為にもう一度刀を振るうことを譲らない未来だったが、その事を了子に伝えようとした直後、自分たちのいる場所が少し暗くなったことに気づいた。

 上を向けば近くで行われているネフィリムの戦闘の余波で吹き飛ばされた巨岩が今まさに未来と了子を押し潰そうと落下して来るではないか。

 

 クリスたちがネフィリムと相対している以上目の前の巨岩を破壊する手立ては未来のシンフォギアのみ。でなければこのままマリアを含めた三人は巨岩に潰される運命だろう。

 故に未来は今度こそはと聖詠を唱えようとしたが、それは三度阻止される。

 

「おおおぉぉぉりゃあああぁぁぁ!!!」

 

 未来と了子を飛び越えるように近くの岩場から朱い色の髪をたなびかせた人影が飛び出すと、人影は巨岩に向かって拳を突き出す。

 拳と巨岩がぶつかり普通ではあり得ないほどの轟音が響く。そして僅かな時間の静止の後、拳がぶつかった箇所から巨岩に大きなヒビが走り、そして砕け散った。

 砕けた岩の破片が落ちて来る中、未来と了子は後ろ姿が弦十郎のような頼りになる背中が重なった朱い色の髪の人影に目を向ける。それは二人のよく知る人物だった。

 

「奏ちゃん!?」

「どうしてここに──」

「いっっっったぁ!?」

 

 二人の声をかき消すほどの大声を上げて岩を砕いた本人、天羽奏は自身の右手を押さえてうずくまる。そこには先程の頼りになる姿は消え、なんなら涙目でもあった。

 

「おおおぉぉぉ……だ、ダンナみたいにいけると思ったけどあたしにゃ無理だった……」

「いえ、生身で岩を砕いただけでも十分すごいと思いますよ」

「緒川さん!」

 

 未来の背後からいつの間にか近くまで接近していた慎次が現れる。その肩には手枷をつけられ気絶しているウェルが担がれていた。

 

「ご無事で何よりです。しかし櫻井女史は何故ここに?」

「え?ああ……慎次君たちが乗った車の反応が消えたから私がみんなを迎えに来たのよ」

「なるほど。では僕たちの乗ってきた車両は使い物にならない可能性が高いですね。無駄足にならずに済みました。ありがとうございます」

 

 後ろで激戦を繰り広げ、なんなら先程のような巨岩が時たま降って来る中慎次は大変落ち着いた様子で了子の話に頷いていた。たまに小さな岩が落ちて来るが、未来たちに命中する前に慎次が目にも止まらぬ速さで振り向き、クナイや手裏剣で砕いて行くのだがあまりの速さで未来も了子も気づいていなかった。気づいているのは弦十郎に鍛え上げられた奏が辛うじて認識出来ている程度だ。

 

 再び岩が降って来る。今度は少し大きく、慎次の持つ忍具では砕くのは難しい為未来と了子を連れて離れようとしたが、その前に奏が岩に近づき、今度は蹴りで岩を粉砕した。

 

「……ここは危険だ。あんな怪物相手じゃあたしらは足手まといになる。悔しいけどさっさとここから退散するぞ!」

「あっ。あの岩陰にマリアさんが!」

「分かってるよ。あたしが連れて来るから緒川さんはその屑をさっさと車に連れて行って見張ってて。小日向も乗ってな!」

「は、はい!」

 

 それだけ言い残して奏は急ぎマリアがあると思われる岩場に近づいて少し見渡せばすぐそばの岩陰にマリアが眠っていた。

 マリアの詳しい事は奏も知らないが、今は救出する人物の一人として丁寧に抱き抱えようと身体を触ると、マリアの手からするりと何かが落ちた。

 

「これは……」

「急いで奏ちゃん!さっきから向こうの戦闘が激しくなってる!」

「すぐ行く!」

 

 車両で待っている了子の焦った声に奏も落ちた物を拾ってポケットにしまって急いで車の方へ走る。岩影から出れば了子の焦りが納得して出来てしまった。

 クリスたちが未来の元に了子や奏が来た事に気づいて、了子たちがネフィリムの視界に入らないようにわざと方向転換させるために少し大規模な技を放って注意を引いていたのだ。余波でネフィリムの近くの岩場が崩れているほどの威力の技を放っているのにダメージが入った様子は全く無いが。

 

「お待たせ!早く出して!」

「りょーかい!私のドラテク、見てなさい!……って未来ちゃん?」

 

 アクセルを踏もうとした了子だったが、いまだネフィリムと戦うクリスたちの方に身体を向けたままの未来がまだ乗車していない事に気づく。そして了子たちを置いて戦場の方へ歩き出そうとしていた。

 

「未来さん。何処へ行く気ですか?」

「勿論、クリスたちの加勢です」

「何を言ってるの!貴女の身体は既に異常なのよ!?下手をすれば死んじゃうかもしれない。そんな事になればクリスちゃんが悲しむわ!」

 

 未来を止める為に了子から普段出さないような怒号が出てくる。

 了子にしてみればフィーネに身体と意識を乗っ取られた自分を救い出してくれた人間だ。恩返しも何も出来ていない状態で未来が死に急ぐような選択をするなぞ認められるわけがない。

 それでも未来は自分の意思を曲げるつもり無く、例えこの場で死ぬ事になろうともフィーネから救った世界を、クリスを守る為の方法だと思ってネフィリムを道連れにするつもりであった。

 

「────待ちな」

 

 そんな未来を呼び止めたのは奏だった。

 

「止めようとしても無駄ですよ」

「目を見てれば分かるよ。……受け取りな」

 

 奏は先程拾ってポケットの中に仕舞っていた物を未来に投げ渡す。それは華麗な放物線を描き、未来の手元に落ちて来る。

 受け取った物を見ればそれは赤いクリスタルに紐が通されたペンダント、シンフォギアのペンダントだった。

 

「ガングニール?いえ、あれは別の場所で保管中のはず……まさか!?」

 

 奏がかつて纏っていたガングニールは現在仮設本部にて了子が担当として厳重に保管中のはずだった。例え奏が無断に持ち出そうとも警報を鳴らさずに取り出す事は不可能な程に。

 ならば今奏が未来に投げ渡したギアペンダントは何か。

 

「そうさ。マリアって奴が纏ってたシンフォギア……『神獣鏡』さ」

「無茶よ!第一未来ちゃんが神獣鏡を纏えるのか分からないのよ!?仮に纏えたとしても未来ちゃんの中にある天羽々斬の破片と何かしらの反応があれば命を落とすリスクがある!」

 

 神獣鏡がガングニールや天羽々斬のようにフィーネが作り出したシンフォギアであっても纏える人間を自由に選ぶ事が出来ない。クリスや翼の二人の完全適合者を発見出来ただけでも奇跡に近い。

 そんな低確率の中で、更に天羽々斬を体内に保有するという特殊な例である未来が神獣鏡を纏える可能性は低く、仮に纏えたとしても体内にある天羽々斬に何かしらの干渉すれば浸食が進み、最悪命を落とすだろう。

 

「でも了子さん。このままじゃどっちみち小日向はシンフォギアを纏うよ?生き残る可能性はあるけどそれは神獣鏡も同じ。ならもしかしたら天羽々斬に干渉せずに纏える可能性のある神獣鏡に賭けるしかないとあたしは思うけど」

「それは……」

 

 言い淀む了子であったが、部の悪い賭けだと言った奏自身分かっていた。

 天羽々斬を纏えば確実に浸食が進み命を落とす可能性があり。

 神獣鏡を纏えば適合せずに身体を甚大なダメージ又は未来の体内にある天羽々斬と干渉し合い、未来の命に危険を及ぼす可能性がある。

 未来が戦う意思を見せる以上どちらを纏おうとも命の危険があるのなら、神獣鏡が未来の身体に適合し、天羽々斬との干渉は全くの皆無である可能性に賭けるしかなかった。

 

「ありがとうございます。奏さん」

「礼なんて言わないでくれ。あんたが死地に行く事を止められないんだから」

 

 深く頭を下げる未来に対して奏は悔しそうに眉を顰める。

 本来なら力尽くででも未来を止めなれければならないのだが、奏もこの場にガングニールがあればすぐに翼の加勢に行くだろう。大切な人を失う気持ちは奏もよく分かっているためだ。

 だがフィーネとの戦いの後からガングニールは全く奏に反応する事はなく、LiNKERも拒絶反応が出ている。そのため奏が神獣鏡を使おうにも纏える確率は未来よりも格段に低い。

 それに未来に神獣鏡を渡すのは戦えない自分の代わり遠回りにネフィリム相手にボロボロになっても戦っている翼を助けるさせるためでもあった。そんな下心もある中で未来からの礼の言葉は素直に受け取ることが出来なかった。

 そして、未来もそんな奏の心情を理解していた。

 

「もう一度戦える可能性を示してくれただけでもありがたいです。後は私に任せてください」

「小日向……すまん」

 

 最後まで申し訳なさそうに目を伏せる奏に背を向けて未来はネフィリムの方に身体を向ける。その後ろ姿を了子も慎次もただじっと見つめていた。

 

(神獣鏡……クリスを、翼さんを、セレナさんを、暁さんを、月読さんを助ける力を)

 

 祈るように神獣鏡のギアペンダントを握る。だが頭に浮かぶはずの神獣鏡の聖詠は浮かばない。

 

(あの子が……響が生きていた世界を守る力を!)

 

 ペンダントを握る手に力が入る。少しだけ手の中で感じる熱さが力が入ってるからなのか、それとも神獣鏡が反応しているのか分からない。

 

(私に大切な人を守る力を!)

「!神獣鏡が!」

 

 慎次が未来の祈りに応えるように未来の手の中にあるギアペンダントが淡い紫色の光を放ち始める光景にいち早く気付く。

 紫色の光は徐々に強くなっていき、未来の身体を包んでいく。

 

「答えて……神獣鏡!」

 

 暖かくなるペンダントの眩く光る紫色の光が目を覆いたくなると程になるのと同時に頭の中に天羽々斬のものとは違う歌が未来の頭に浮かぶ。

 未来はその歌を心の思うがまま口ずさんだ。

 

 

 ──Reiz shen shou jing rei tron(鏡に映るのは 嘘か 真実か)──

 

 

 ────────────────────

 

 ネフィリムの猛攻を掻い潜り、クリスたちの攻撃は着実にダメージを蓄積させていたが、フロンティアから得られるエネルギーで自己再生を繰り返しているため決定打に欠けていた。

 

「くっ、まだ倒れないか!」

「頑丈すぎんだろ!」

「もう疲れたデスよ……」

「私も、身体が言う事を……」

「切歌ちゃん、調ちゃん!?あ、LiNKERの効果時間が!」

 

 フロンティアに上陸してからというもの、クリスたちはまともに休息を取っていない。そのため目に見えて動きが鈍くなっていく。特に切歌と調は仮設本部で投与したLiNKERを最後にずっと戦闘をしているため身体的な疲労と精神的な疲労も合わさりLiNKERの効果時間が切れる寸前となっている。もし今の状態で効果が切れればネフィリムの攻撃に身体が反応出来ずに致命傷は免れない。

 

「あッ!」

「切ちゃん!」

 

 ネフィリムの放ったミサイルから逃げていた切歌が疲労から足をつまづいてしまう。それを見たネフィリムはニタリと笑ったように調は見えた。

 倒れた切歌に向かってネフィリムは大量のミサイルを一点に集中させる。確実に切歌を殺す気だったが、それをクリスが許すはずがない。

 

「やらせるかよおおおぉぉぉ!!!」

 

『BILLION MAIDEN』

 

 切歌に降り注ごうとしていたミサイル群に向かってクリスの二丁のガトリング砲で誘爆を起こしながら破壊し、爆発はネフィリムの姿を隠すほどのものとなった。そのおかげで切歌の命は救われたのだが、そこでクリスの体力が尽きてしまう。

 

「うっ、く……」

 

 いつもなら楽々と持っていたイチイバルのアームドギアや纏っているギアもまるで鉄の塊でも持っているかのように重い。

 今すぐにでも眠りたいと思うほどの極度の疲労にクリスは一瞬だけ意識を失ってしまった。それが致命的であった。

 

「雪音!」

「ッ!」

 

 翼の声に意識が戻ったクリスは急いで頭を上げてネフィリムの様子を確認してすると爆煙の中から大きく口を広げて巨大な火球を生み出しているネフィリムの姿があった。

 逃げなくてはならないと頭では分かっても、一度疲労によって力が抜けてしまったためすぐに力を入れる事が出来ない。

 ネフィリムから火球が放たれる。位置的にも誰かがクリスを回収する事も出来ず、肝心のクリスは自分で動けない。

 死ぬつもりはないが迫ってくる火球を対処できず、このままでは高確率でクリスの命は高熱で溶かされてしまうだろう。なんとかして回避しようとするが身体はまだ言う事を聞かない。

 

「くっそ……ッ!?」

 

 一瞬後に訪れるであろう衝撃に目を瞑りながら待ち構えるクリスだったが、火球がクリスの元に到着する寸前に岩陰から人影が現れてクリスを抱き抱えると慣れた動きでその場からすぐさま離脱した。

 

 着弾した火球は周囲の岩を溶かし砂煙を巻き上げる。そんな光景をクリスを抱き上げた人影は近くの岩場の上で見下ろしていた。

 

「間に合ったみたいだね。クリス」

「なっ!?」

 

 クリスは自分を抱き上げる人物の姿を見て先ほどまでの疲労が何処へ飛んでいったのかと思うほど吹き飛んでいた。

 

「おま、未来!?」

 

 驚きで目を見開くクリスの目の前には、口を開いた獣の顎のようなヘッドギアを被り、背中には二つの長いケーブルのようなものを付けた黒に近い深い紫と僅かに見える白のシンフォギアを纏った未来の姿があった。




 とうとう神獣鏡を纏う未来さん。見た目はまだ原作G編仕様です。聖詠が少し違うのは原作未来さんと違い、色々な要因が混ざった結果ですので深く考えないでくだせぇ。
 戦い方が変わるため若干戦闘能力が低下する代わりに、天羽々斬とは違いギアペンダントからの変身のため侵食を気にせず、LiNKERも必要ない為長時間の戦闘可能に!これで未来さんはなんの気兼ねもなくクリスちゃんたちを守るために戦い続けられる!
……………だと良いね!!!


天羽々斬(刀)「オレの出番、もうないのか?」
ガングニール「良いじゃない。私は肝心な装者の内一人は原作主人公のはずなのに全く出番が無く、一人は纏えない。もう一人は私どころかアガートラームまで纏わせるつもりないみたいだし……」
天羽々斬(刀)「オレたち結構重要な役割のはずだよな?無機物だけど」
ガングニール「まだあの防人娘がいるじゃない」
天羽々斬(刀)「それオレじゃないし」
天羽々斬(剣)「(GXからは拙者の出番が増えるでござるな)」
ガングニール「原作では重大な役割のはずなのに何故こんなモブキャラのような扱いなのでしょうかね」
天羽々斬(刀)「だよなぁ……」
作者「(刀の方はまだ未来さんの体内にいるし、ガングニールは色々重大な役割残ってるんだよなぁ)」
※以上、出番が無さすぎて両手に天羽々斬(刀&剣)を持ち、ガングニールを纏った暴走するビッキーから必死に逃げる作者と道具なので何も出来ない聖遺物さんたちとのほのぼの会話でした。



次回  遥か彼方、星が音楽となった……かの日

やっとG編が終わる……かもしれない。










切歌「調の誕生日……間に合うデス?」
作者「……正直忘れてた(モチベさんが行方不明だったから許ちて)」
切歌「本音と建前逆Deathよ?」
作者「ハッ(゚∀゚)!」※絶唱したイガリマの一撃により無事魂消滅。
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