戦姫絶唱シンフォギアIF 〜陰る陽だまり〜   作:ボーイS

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バレンタイン……親以外に貰った事は……貰った事は……義理を合わせても(というより義理しかない)両手はいらない……サビシイ……サビシイ……

は(↓)あ(↑)い(↓)!まぁたまぁた本編の流れ無視のイベント回じゃ!調ちゃんの誕生日回もある中まだ本編は納得出来ない内容……今年中にXV編に入るのかさえ怪しいぞ……




バレンタイン回

 ──二月十四日

 

 世間ではバレンタインデーと言われ、女性が男性に想いを伝える為や家族や友人に親愛や友愛を込めて送る愛の日と言われる特別な日。

 そんな大きなイベントに対して街はチョコ一色と言っていいほどチョコで溢れており、男性も女性もそわそわしたり楽しんだり、逆に絶望に飲まれたような者も存在していた。

 そして、バレンタインデーによって被害を受ける人間もいた。

 

「さて、今年もこの日が来たんだが」

「うん。来たね」

 

 そう言って、ニ課の保有している施設の物資を運搬する為の倉庫の一角で世界的に有名なツヴァイウィングである奏と翼の目の前には大型トラックが三台程並んでおり、中に積まれた積荷を見て二人は何かを諦めたかのような良い笑顔を浮かべていた。

 二人の前には首が痛くなるほど高く積み重ねられた段ボールの山。その中身はすべて多種多様なチョコという事で倉庫内が甘い匂いに包まれていた。

 更に二人に追い討ちをかけるのが、これが全てでは無いという事だ。

 

「えっと、この後何台来る予定なんだ?」

「緒川さんの話だと昼までに七台は来る予定らしい」

「昼までに、ねぇ……」

 

 十台が確定している時点で大事なのだが、その後更に何台かチョコを積んだ大型トラックが来るというわけだ。倉庫内に充満するチョコの甘い匂いも合わさり、二人揃って胸焼けを起こしている。

 

「ありがたいんだけどなぁ」

 

 ツヴァイウィングが世界的に有名になってから毎年少しずつ送られてくるチョコの数は増えていたのだが、二年もの間姿を見せていなかった翼が復活したというのも合わさり今年は今までのはるかに超えたものとなっていた。その結果、明らかに二人で食べられるレベルでは無いものとなってしまっている。

 

「ダンナや緒川さん以外にもニ課にいる人たちに配るか」

「で、でもファンからの大切な贈り物だし……」

「あたしもそう思うけどさ。この量二人で平らげるのにどんだけ時間がかかると思うよ?」

「うっ」

 

 奏の言葉に反論出来ずに目を逸らす翼。

 正味期限や保管場所の問題もあるが、その前に目の前のものだけでも何ヶ月かかるか分からない物があと最低七台来るのだ。来年のバレンタインデーまでに全て完食しないと更に追加されるという地獄のループ。それを二人で抜け出すのは不可能だろう。

 

「ま、それは別として……ほいよ」

「えっ?」

 

 目の前のチョコの山から現実逃避する様に奏が着ていた服のポケットから青いリボンがされた一つの箱を取り出して翼に渡す。渡された翼もキョトンとしながら奏の顔を見つめていた。

 

「去年と一昨年は渡せなかったからな。市販だけど結構有名な場所のチョコだから味は保証するよ」

「奏……ありがとう」

 

 嬉しそうにチョコを自分の胸に寄せて笑みを見せる翼に奏も笑みを見せる。

 もう渡せないと思っていた相手にチョコを渡す事が出来て奏は自分でも驚くくらい嬉しい気持ちになっている。特に最強のライバルであり最高の相棒である翼なためその気持ちは強い。

 二人は倉庫の扉が開いて大型トラックが入ってくる光景から現実逃避する様に幸せそうな笑みを浮かべるのだった。

 

 ────────────────────

 

 ──同時刻 ニ課仮設本部にて

 

 

 奏と翼が目の前にそびえ立つチョコの山に現実逃避している間、翼の叔父でありニ課の司令である風鳴弦十郎は司令室で現在行方をくらませているセレナ率いるノイズを操る術を持つテロリスト〝フィーネ〟を探索していた。

 

「ううむ……なかなか行方が分からんか」

 

 幾度か目撃衝撃や映像からそれらしき人物を追うが中々辿り着けずに時間が過ぎていく。今はまだ被害が出ていないだけでいつ本格的に動くか分からないため弦十郎は焦っていた。

 そんな弦十郎の前に湯気の立つカップがそっと置かれた。

 

「悩みすぎよ弦十郎くん」

「了子君か」

 

 いつもなら部屋に誰か入ってきた時点で気づくのだが、今は焦りと最近の疲れで了子がいることに今まで気付く事もできなかった。それだけ弦十郎も追い込まれているのだろう。

 

「すまんな。茶菓子も出せずに」

「別にいいわよぉ。最近の弦十郎くん、無理してるみたいだから様子を見に来ただけですぐに研究室に戻るわ」

「わざわざすまん」

「もう、また謝ってるわよ?」

「むっ」

 

 からかうような了子に弦十郎は一瞬分かりやすく顔に出る。それを見て了子は我慢出来ずに手で口を押さえていた。

 

「ふふ。私は研究者だから話し相手くらいにしかならないけど、弦十郎くんには他にも頼りになる沢山の仲間がいるんだから遠慮せずに頼ってもいいのよ?」

「そう、だな。少し根を詰め過ぎたようだな。ありがとう、了子君」

「いえいえ。それじゃ、私は戻るわね。無理ちゃダメよ?」

 

 そう言って了子は弦十郎に手を振りながら司令室から出て行き、再び部屋は弦十郎一人となって静かになる。

 了子と話したおかげなのか少し気分もよくなり、早速必要な資料を持って慎次や他の諜報員たちに相談しようと椅子から立ち上がり、部屋から出ようとするがその前に了子の入れてくれた飲み物を飲もうとカップを持って口に付けた。

 

「ん?ココアか?何故……そうか、今日は」

 

 カレンダーを見て今日が何の日か気づいた弦十郎は嬉しそうな笑みを浮かべてココアを飲み干し、気合を入れて司令室から出て行くのであった。

 

 ────────────────────

 

 ──同時刻 ヘリキャリアにて

 

「「ハッピーバレンタイン(デス)!!!」」

「ふふ。ありがとうございます。暁さん、月読さん。はい、私からもハッピーバレンタイン」

「わあ……!

「やったデス!」

 

 眩しいくらいの笑顔を浮かべながら少しヨレヨレながらも丁寧にラッピングされたチョコの入った箱を受け取り、セレナも笑みを見せる。お返しにと密かに用意していたチョコを切歌と調に渡すと二人とも嬉しそうにその場で飛び跳ねる。

 そしてそのままセレナの隣にいたナスターシャの方に駆け寄るとセレナと同じく二人一緒に笑顔を見せてセレナに渡した物とは少し違うラッピングのされたチョコを渡す。

 

「マムもハッピーバレンタイン」

「少しバターに作ったからマムでも美味しく食べられるデスよ!」

「ありがとう二人とも。それと切歌。バターではなくビターの間違いではありませんか?」

「ハッ(゚∀゚)!」

「まったく……ふふ」

 

 現在テロリストとして追われる身でありながらも楽しそうに笑みを浮かべて、次に笑えるのはいつになるか分からないため今のこの時間をしっかりと胸と記憶に刻み込もうと束の間の幸せな時間を刻み込む四人。

 そんな幸せな時間をぶち壊す男が現れる。

 

「おやおやぁ?皆さん楽しそうですねぇ?」

「……ウェル博士」

 

 区画を区切る扉から白衣を着たウェルが現れる。

 ウェルが現れた事によって幸せな時間を壊されたセレナも分かりやすく顔に出ていた。ナスターシャも顔にこそ出ていないがセレナと同じくあまり良い気分では無い。

 だが切歌と調は互いに目を合わせて頷くとウェルに近づき、貼り付けたような笑みのままセレナとナスターシャに渡したのと同じようなチョコを渡す。

 

「私にもくれるのですか?」

「はい」

「私たちの手作りデスから()()()()()()()()食べてくださいデス」

「ふーん?まぁ、ありがたく受け取りますよ。それでは」

 

 ニコニコと笑みを見せるが本当にさっきと同じ人間なのか疑うほど感情の乗っていない笑みで渡されたチョコに疑問を持ちながらも二人に貰ったチョコを持ってウェルは大人しく退散していく。

 

「えっと……二人とも、どうかしたの?」

 

 切歌と調がウェルを毛嫌いしていることを知っているセレナは二人の以外な行動に混乱して話しかける。それに対して切歌と調は先程セレナにチョコを渡したときに見せた笑みに負けないくらいの眩しい笑み浮かべた。

 

「あれは博士用に特別に作ったチョコデス!」

「マム用に少し付け足すために買って置いたカカオ()()()作ったの」

にっっっがあああぁぁぁ!!!

 

 直後扉の向こうから響き渡るウェルの絶叫に四人はお腹が痛くなる程笑うのだった。

 

 ────────────────────

 

 ──市内にて

 

 

 太陽が沈みかけ、街をオレンジ色に染める時間。

 街の皆が楽しそうに笑みを浮かべてチョコを配ったり、渡したりしている中を未来とクリスは並んで歩いていた。

 

「バレンタインだね」

「だなー」

 

 ゆっくりと歩く二人だが、目に入る店の売り物が全てと言って良いほどチョコに関連するものに変わっていて見ていて少し胸焼けを起こしていた。

 リディアンでも二人は友人やクラスメイトからチョコを貰っており、既に鞄の中はパンパンになっていた。

 

「ハロウィンの時もそうだったけどよぉ。もう少し量を考えて欲しいよなー」

「そうだね」

 

 実は二人の家にはいまだ消化し切れていないハロウィンの時にもらったお菓子が残っていた。期限が短い物は無いが、まだそれなりの量は残っており、それに加えて今日のチョコを考えればクリスは頭が痛くなる思いだった。

 だがそれ以上に──

 

「どうしたの、クリス?」

「っ!?い、いや(↑)何にもないぞ(↓↘︎→↗︎↑)!!!」

「そう?」

 

 明らかに動揺しているクリスに対して未来は頭を傾げるだけだ歩みを止めなかった。

 バレンタイン事態には興味はないクリスだったが、同性からもチョコを貰ったため未来からも貰えるのではないかと一日中期待しており、今日の授業の内容はまったく覚えていなかったが、まだ貰っていなかった。

 そんな何度もそわそわしながらチラチラと横目で見てくるクリスの視線に気づかないほど未来は鈍感ではない。

 

「ふふ。そんなクリスに……はいどうぞ」

「お、おう!ありがたく貰ってやってもいいぜ!」

 

 未来は鞄からクリスに渡す用に作っていたチョコを取り出して微笑みながらクリスに渡す。渡されたクリスは顔を赤くしながらもパァっと後ろに花が見えるくらい嬉しそうな笑顔を浮かべたため、もう少しで未来も笑いが漏れるところだったがギリギリで我慢する事が出来た。

 

 未来に貰ったチョコをニコニコしながら眺めているクリスを見て未来も嬉しくて笑みを浮かべるが、クリスがこう言ったイベント事にあまり興味がないと知っている未来は少し悪戯心も湧き上がって来る。

 

「クリスはくれないの?」

「え?…………あ」

 

 未来に言われてクリスは自分が何も用意出来ていない事に気付く。

 少なからず想っている未来からチョコを貰ったのに返す物が無いと焦るクリスに未来は少し意地悪な顔で少しずつクリスに近寄って行く。

 

「私はあげたのにクリスは何もくれないのかな?友チョコとかあるのに用意してない……私たち友達じゃないの?」

 

 悲しそうにうつむく演技をする未来。側から見れば演技なのはバレバレなのだが、クリスは突然だった事もあり混乱しているため未来の演技に気づかずわたわたしていた。

 

「そ、そんな事ねぇぞ!ちゃんとと、友達と思っている!」

「なのに何もないの?」

「う、それは……」

「……ふふ」

 

 表情がコロコロと変わるクリスに未来は耐え切れず笑いが漏れる。それに気づいたクリスは自分がからかわれていると初めて気付いて顔を更に赤くして未来を睨むが、耳まで赤くしているためあまり怖さはなく、むしろ愛おしさの方が優っていた。

 

「ふふ……ごめんね?」

「マジで勘弁してくれ。未来の悲しい顔は色々キツいから……」

 

 まだ未来が正気でなかった頃を思い出すため案外クリスのダメージは大きい。未来も少しやり過ぎたと反省していた。

 

「ごめんね。でも」

 

 数歩クリスより先に出て未来は振り返る。沈みかけの太陽の光が後光となり、とても絵になる神秘的な状態で未来はクリスにまた少し悪戯心が混じった微笑みを向けた。

 

「クリスからチョコを貰ってたら嬉しかったのは本当だからね?」

「ヒュッ」

 

 妖艶さと美しさが混じった未来の微笑みにクリスは顔を赤くしながらもその場で固まってしまう。心臓も一瞬止まってしまったような気がしたのは気のせいだろう。

 

 固まったクリスが動き出すのを待って、再び仲良く二人で談笑しながら帰路につく。二人の手はいつの間にか繋がれており、その後ろ姿は互いに想い合っているのは一目瞭然であった。

 ちなみに自分の部屋につくまでの間ずっと入院が必要なくらい心臓が大きく鼓動していたクリスは興奮しすぎてその日は眠れなかったのだった。




相変わらずクリスちゃんが思春期男子のような……そろそろ我慢出来ずに未来さんを襲っても誰も不思議には思うまい。

そろそろG編終わらせて装者全員を合流させねばイベント事に支障が出てきますねぇ。早くF.I.S組と未来さんを絡ませたい(深い意味はない……はず)。








ビッキー「私もクリスちゃんにチョコあげなきゃね♡」
作者「そうだね(鍋の中のチョコから「タスケテ……タスケテ……」と聞こえるのとチョコが入っているはずの箱から隠しきれなさすぎて「殺」の気配が感じるけど気のせいだよね!)」
ビッキー「貴方にも早くG編が終われるようにチョコあげるね♡」(↑と同じチョコ)
作者「え、いらな、ちょっと待って無理矢理口に詰め込むのは違、う、ヒデブ!?」※汚い花火DA☆
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