まにわにヒーローアカデミア   作:塩谷あれる

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上に何人乗ってようが下が一人だろうが安定してるので騎馬です。障子君もやってる。(なお背中面積)
雨垣チームは猩々がレスリングみたいな構え(の更にめちゃくちゃ屈んでる)の状態、その上の肩の辺りに女子二人、ちょっと後ろに下がって腰の辺りに心操がいると思ってください。実質四足歩行みたいな。


騎馬戦

『STAAART!!!』

「お三方、手筈通りにお願いしやす」

 

 ボイスヒーロー『プレゼント・マイク』の言葉を合図に、猩々は三人に合図を送り、ぴょい、と軽くジャンプする。雨垣(喰鮫)は元より忍者であるために、猩々の身長相応の小さな背中の上でも問題なくバランスを保てていたことに納得はできるが、他の二人──耳郎と心操の二人も、何故か彼の背の上に乗ることができていた。

 

「わ、わわ……ほ、ホントにバランスとれてる……!?」

「……すげぇな」

(耳郎さんも心操さんも状態を維持できてる……よしよし、一まずはなんとかなってやすね)

 

 背の上で、ややおっかなびっくりではあるもののしっかりと臨戦態勢を取る二人を見て、うっすらと安堵の表情を浮かべる猩々。そしてそのまま雨垣の方へと目線をずらし、彼女とアイコンタクトを取る。

 小さく頷いた雨垣は、右手の指を擦り合わせ、パチン、と鳴らした。その瞬間──

 

『おォ───ッとォ!?雨垣チーム初手からマップ攻撃ィ!!!()()()()()()()()()()()()()()おっとな気ねェ───!!!』

『子供なんだから当然だろ』

 

 ──フィールドの全てが、スケートリンクと見紛うような銀世界に変貌した。

 

「な……っ!?」

「また氷かっ!」

 

 各チームが其々が大なり小なり驚きの声を上げる中、事前にジャンプして足の凍結を防いだ雨垣チーム、と言うよりは猩々が、氷のフロアに降り立つ。

 

「結構なお手前で」

「お褒めに預かり光栄よ。硬めの薄氷で良かったわね?」

「えぇ。厚くしちまった上に無理に動こうでもされたら、最悪怪我で体育祭どころじゃなくなりやすから」

「言ってる場合か!早くしないと突破されるよ!」

 

 世間話でもするかのように言葉を交わす猩々と雨垣に、耳郎が注意をいれる。現に、炎を使える轟チームや、芦戸の酸で氷を溶かせる爆豪チームは既に、薄氷の妨害を切り抜けようとしていた。

 

「おっと、こいつぁいけねぇ──そいじゃあ皆さん、急な揺れにご注意ください」

 

 そう言うと猩々は氷の上を、まるでスケートでもするかのように鮮やかに滑って動き、まだ足元の凍っている他の騎馬の方へと近づいていく。不思議なことに、背負われている三人のバランスは、頑として崩れないままだ。

 

「耳郎さん」

「オッケー!」

 

 近づいた先にいる鉄哲チームのハチマキに、耳郎のイヤホンジャックが延びる。対する鉄哲チームも、なにもしないと言うわけではなく、ジャックを振り払おうとする。しかし、氷によって著しく気温の下がった状況で、塩崎の蔓が満足に機能しなかったことが災いし、抵抗空しくハチマキをかっ拐われてしまった。

 

「やった!ポイントゲット!」

「ナイスです耳郎さん。そのままお願いいたしやす。心操さんも後方警戒を。追ってくる方がいらっしゃいやしたら、『声』で足止めをお願いしやす」

「……相手がノってくれるとは限らないぞ」

「えぇ、ですからそこら辺の操作はお任せを。煽りに乗りやすいチームを誘導いたしやすので」

 

 発言通りと言うべきか、『軟化』の個性を持つ骨抜によって氷の足止めを抜けた鉄哲チームが後ろから追ってくる。

 

「ほら、早速お願いいたしやすよ」

「……了解」

 

 向かってくる鉄哲チームとの距離が、問題なく声が届く範囲まで近づくと、心操はすぅ、と息を吸い、彼らに向かって──というよりか、鉄哲に向かって言った。

 

「俺達からポイントを奪い返そうったって無駄だよ。お前みたいな脳筋がリーダーじゃ尚更な」

あ゛ァ!?てめぇ今──」

 

 突然の罵倒にカチンと来たのか、鉄哲は顔に青筋を浮かべて心操に向かって吠える。──心操からの言葉に()()()()()()。すると──

 

「───」

「お、おい!鉄哲!?どうした!?」

「しっかりなさってください、鉄哲さん!!」

 

 鉄哲が、まるで意識を失ったかのように呆然とした状態になる。それを見て猩々はニヤ、と笑い、心操は、やや複雑そうに顔を歪めた。

 

「お見事です」

「どうも……だが、次はここまで上手くいかないぞ」

「えぇ、そこを含めて()()()()、でさ」 

 


 

「やぁ、どうも、心操さん。組む相手がいらっしゃらないなら、俺たちと一緒にどうです?」

 

 騎馬戦のチーム決めが始まって二分弱。心操は、朱髪の小柄な少年、真庭猩々に声をかけられていた。

 

(……ツイてるな)

 

 心操の作戦は、チーム決めで余った連中に声をかけ、洗脳(個性)で操って戦う、というもの。予定とはズレたが、ヒーロー科、それも入試一位を手駒に加えられるなら、彼にとっては願ってもないものだった。

 

(わざわざノコノコと……馬鹿で助かるよ)

 

 内心ほくそ笑み、心操は猩々の方へ向かっていく。後ろには、彼が既に仲間に引き入れたらしい女生徒がいる。優秀なヒーロー科の駒を二つも獲得できるチャンスと踏んだ心操は猩々に声をかけ、個性を発動──

 

「あぁ、喜んでご一緒「あぁそうそう、俺に精神干渉系の個性を使おうとしてらっしゃるなら、止めといた方が身のためですぜ?」──ッ!?」

 

──しようとした瞬間、彼が心操の喉元まで近づき、それは阻まれた。個性を知られている?何故?という言葉が心操の頭の中を巡る。まさか、個性の発動を見られた?いや、それはあり得ないだろう。障害物競走(第一種目)の時も、猩々は最前列、心操は上位陣に自身の個性が露見しないようあえて中位を走っていた。物理的な距離の問題で、それはできない筈だ。

 

「そのまさか、って奴ですよ。忍たるもの、視野広くあらねばなりやせんからね」

 

 自身の思考に被せるように言う猩々に、心操は驚きを隠せなくなる。

 

(まさかコイツ、心が読めるってのか……!?)

「あーいや、そのまさかは間違いです。どこぞの人類最強じゃねぇんだから、心を読むなんて出来るわけがないでしょう?相手の表情をちょっと意識して見れば、ある程度は推測できるもんでさ」

 

 自分から離れ、困ったように肩を竦めながら笑う猩々に、いや読めてんじゃねーか、と心操は心中でツッコみを入れる。表情で読心とか、漫画じゃないんだから出来るわけがない──と言いたいところだったが、現実自分がされている以上、心操は何も言えなくなっていた。*1

 

「個性で操って戦う、なりふり構ってなくて俺は嫌いじゃあありやせんが、折角の『祭り』なんです……同じなりふり構わずなら、協力、共闘!楽しく仲良くいきやしょう?」

「……『仲良く』ね、俺の個性でそれが出来るって?」

「えぇ、勿論です。ねぇ心操さん」

 

──貴方の洗脳(ちから)で、仲間を守ってはみませんか?

 


 

『氷の妨害に多くの騎馬が苦戦する中、雨垣チーム先制ポイントォ!!氷のステージをスイスイ滑り、動けない騎馬からポイントをもぎ取っていくぅ〜!!ヒュー!楽しそ〜!!』

 

 氷の上を俊敏に滑り、イヤホンジャックでハチマキを絡め取り、時折洗脳で敵を足止めしながら、雨垣チームは怒涛の快進撃を続けていた。鉄哲チームの735Pを奪ったのを皮切りに、峰田、小大、鱗チームからポイントをかすめ取り、あっという間に、1000万P(緑谷チーム)を除く最大ポイント、1885Pを獲得していた。

 

「もうこんだけポイント取れば大丈夫じゃない?」

「そうですね…もう、逃げの手に回っても良さそうです」

「心操君の『声』が効いてるし、余計な動きをしなければあちらから寄って来ることもないでしょうね」

 

 雨垣の言葉の通り、動くことができるチームも含め、雨垣チームの騎馬に寄ろうとする騎馬はない。それもそのはず、心操の個性(洗脳)を気にしてのことだ。心操の洗脳は、彼の声に答えることで発動する。故に、その声を恐れて近寄れなくなるのだ。

 

「この種目、勿論ポイントを取りに行くのも大事ではあるでしょうが、同時に奪ったポイントをいかに獲られ返されないかって話でもありやすからねぇ。ポイント獲得のための妨害に適し、尚かつより相手を寄せつかせねぇ、攻防優れた手札――心操さんの『声』は最適正でさぁ」

 

 そう、これこそが、猩々が心操に話した『仲間を守るための個性(洗脳)の使い方』だ。切り札というものは、切った後よりも切るまでの、『ある』状態を持続することで強みが出る――まさしくそれを体現した戦い方だった。

 

「まぁ、それしかできないからな」

「あら卑屈ね。もっと自分に自信を持っても構わないと思うけれど」

「ウチら全然助かってるからね!?それしかとか言うなって!」

 

 女子二人の言葉を意外に思ったのか「……あぁ」と口籠りながら返す心操。ニヒルを気取ってはいるが、彼も高校一年生の若造なのだ。

 競技中とは思えない、和気藹々の空気に猩々が苦笑した、その時だった。

 

「!……っとと、危ない危ない」

「あれぇ、気づかれちゃったか。流石に()()とは言え、入試一位さんはどっかの馬鹿とは違うみたいだね」

 

 雨垣が首から提げた鉢巻に、塩崎のものとよく似た蔓が伸びていた。猩々は咄嗟に氷上を滑り、蔓から逃れる。蔓を辿り見た先にいたのは、第一種目にてB組の作戦の立案を行った男子生徒、物間寧人。ニヤニヤと嫌らしい笑みを浮かべている。

 

「そんな小柄な身で、たった一人で騎馬を担って、まさかハンデでもくれてやってるつもりかい?どんなトリックを使ってるかは知らないけどさぁ、三人分の体重ってのはさぞ重いだろう。バランスを崩してうっかりどこか怪我しないといいね。例えば――()とか」

「ご心配どうも。ですがこちとら腐っても忍――半端な鍛え方はしとりゃせんよ」

「へェ、そりゃ楽しみ――だッ!」

 

 物間は、また再び髪の毛を蔓に変え、鉢巻へと襲いかかる。それを見た雨垣は指を鳴らし、伸びてきた蔓を凍らせて防御する。

 

「ッ!ハハ、やっぱり君が厄介だな、雨垣」

「褒め言葉をどうも。そう易々とポイントを差し上げると思って?」

「まっさかぁ。まぁ、それもこっちのセリフだよねェ!」

 

 そう言うと物間はBOMB!と言う強烈な爆破音を鳴らし腕を振り、自分の鉢巻に近づいていた耳郎のイヤホンジャックを跳ね除ける。

 

「耳郎さん!」

「あっつ……大丈夫!当たってない!」

「蔓に爆破……雨垣から聞いちゃいたが、手強い個性だな」

「話でもして時間を繋いで、こっそり僕達のポイントを奪うつもりだったのかい?だとすれば随分お粗末な作戦だ。さっきは褒めたけど訂正しなきゃね。入試一位もお里が知れる」

 

 ニヤニヤとした笑みを崩さず、雨垣チーム、否、()()に向けて挑発する物間。それを見てやや口元を歪めながらも、猩々はシンパシー(超能力)で雨垣に、ある意図を()()する。

 

「俺達のポイントを取りに来たってぇわけですか。とっくに通過ラインは突破してあとは逃げりゃ良いってのに、随分貪欲なご様子で」

「まぁ僕もそう考えたけどね。一応、A組の調子づいた代表格にもう一人ほど一泡吹いてもらおうと思ってさ」

 

 もう一人、という言葉に疑問を覚えた猩々だったが、向こうから飛んでくる機雷にも匹敵する強烈な怒りの感情を察知し苦笑いを零した。脳裏には、顔を憤怨に歪ませた金髪ボンバヘが浮かんでいる。もはや声まで聞こえそうだ。

 

「ん?声?」

「待てえええ!!待てって!!」

 

 いやそれはおかしい、と猩々が実際に声のする方向を見ると、やたら慌てた様子の切島、そして、爆破を使って今にもこちらに――厳密に言えば、物間に襲いかかろうとしている爆豪がいた。

 

「しつこいなぁ……その粘着質はヒーロー以前に人としてどうなのさ――円場、防壁(ガード)!!」

 

 爆豪の強襲に、しっかり対処する物間。しかし、怯まず防壁を破壊した爆豪によって、鉢巻を二本持っていかれる。

 

「ぐっ…だが、この一本さえ守れば――」

「えぇ、守れればの話ですが」

 

 悪いことというものは、立て続けにやってくる。今回の場合、物間にとってのそれは、雨垣チームが――猩々がいたことによって発生した。

 

「円場!」

「もうやってる!!」

 

 耳郎のジャックによる攻撃を回避するために、円場は大きめな防壁を作る。しかし、

 

「それが?」

 

 パリィン、という、薄いガラスが砕けたような音が鳴る。競技開始時のように猩々が飛び上がり、その勢いのまま拳を振り抜いたことで防壁が砕かれたのだ。そして、まるで初めからこの予定だった、と言わんばかりに耳郎がジャックを伸ばし、物間の最後の鉢巻を絡め取る。

 

「やぁどうも――さんざ馬鹿にした『最弱』に、最後の拠り辺を掻っ攫われたご気分はどうです?」

「ッ……!まだ、取り返せ――」

()()

「はい」

 

 無慈悲に響く雨垣の指の音。そして再び、フィールド一面が銀一色のスケートリンクへと変貌する。と同時に猩々がフィールドに着地。足軽の重量消失があってこそだと言える芸当だ。

 

『またもや大凍結ーーー!ようやっと全員が拘束から逃れたと思ったらコレだ!!とことんヤラシー!!』

「まだ動けねぇ奴がいるんじゃ意味ねぇですからね。最高のタイミングでの嫌がらせこそ至上でさぁ」

「言ってることがヴィランなんだけど……」

「……さっきも言ったがお前ホントにヒーロー志望か?」

 

 涼しい顔で言ってのける猩々に彼の忍びとしての面を知らない二人が若干ヒいた顔になる。が、そんなことをしていられるのも束の間、再び爆破音がこちらに向かってくる。

 

「オラ待てやクソチビィ!」

(氷を使ってここまで!!良くぞ――ですが、そう易々とポイントはやりやせん!!)

 

 芦戸の溶解液で氷を溶かし、瀬呂のテープ、加えて自前の爆破を使って上手く氷上の滑走にブーストをかけた突撃によって、爆速で猩々達に猛追した爆豪に、内心で賛辞を送る猩々だったが、それでも流石は真庭忍。爆速で迫る騎馬を、揺れる木の葉かのように躱す。

 しかし猩々は分かっていなかった。真庭忍故に。到達叶うべくもない強者の巣窟――暴虐渦まき、悪金蠢き、政争犇めく裏の世界に身を置く猩々だからこそ、超能力を持ちながらも理解しきれなかった。爆豪のその、常に頂点を目指し続ける、爆熱の如き執念を。

 躱されるほんの寸瞬、爆豪は、猩々が自分の右腕から騎手である雨垣を逸らすために、腕を振った先でない右側に避けると読み、振った腕を弾かれたバネのように振り抜き返す。読みは見事的中、振り返した腕は耳郎の体操服の左袖を掴んだ。爆豪は袖を引く力と、左手の爆破で火力をブーストし跳躍、そのまま雨垣の首元の鉢巻を掴む。しかし、それを見過ごす雨垣ではない。

 

(()()()が過ぎるわね……!)

 

 弾いた指が再び冷気を呼び、爆豪の体を白く染める。後遺症が残らぬよう、しかし、間違いなくダメージを与え、怯ませられるように、冷静に加減して爆豪を凍らせる雨垣。そこらの一般的な学生相手であれば、雨垣のその加減は間違いなく覿面だっただろう。ともすればそれは、九代目OFA継承者である緑谷出久、No.2ヒーロー(エンデヴァー)の息子の轟焦凍にでさえも通用した筈だ。

 しかし相手は爆豪勝己。A組の核弾頭は、手加減した冷気では止まらない。

 

「オラァ!!」

 

 体の表面についた氷を、爆破で内側から無理やり破砕し、掴んだ鉢巻を引き抜く。元々爆豪達の物だったポイントと、小大のポイントが奪われる。

 

「も一発だ!!」

「ッ離れろッ!!!」

 

 更にもう片方の手で残りの鉢巻を掻っ攫おうとした爆豪に、心操が『声』に加えて爆豪に掴みかかり、爆豪を騎馬から降ろしにかかる。

 

「ざけんなモブが離――」

 

 組み付かれたことで否が応にも心操に反応せざるを得なくなり、洗脳を諸に受けた爆豪は、意識を失い呆然とする。

 

「ナイスです心操さん!皆さんしっかり捕まっといて下さいや!」

 

 そして、それを見逃す猩々ではない。全員に指示を飛ばしたあと、体を急回転させ、呆然状態の爆豪を吹き飛ばす。

 

「ごめんなさい、ポイントを取られてしまったわ」

「問題ありやせん。残りだけでも十分……あれは俺の落ち度でもありやす。今以上にポイント持ってかれなかったのもポイントを取れたのも、皆さんのおかげです」

 

 ありがとうございやした、皆さん。そう言う猩々に、背に乗った三人は、三者三様のリアクションを取る。そしてそのすぐ直後

 

『終〜〜〜〜了〜〜〜〜〜!!!!!さぁ順位発表してくぞ!!』

 

 プレゼント・マイクによって、終了のゴングが鳴らされる。一位は緑谷から1000万Pを奪い取った轟チーム。二位に、猩々たち雨垣チームの名前が上がる。無事本選を通過したことに、約束を破る事にならなくてよかった、と安堵のため息を猩々は吐いた。共に戦った三人を見れば、耳郎は素直に喜びの表情を浮かべ、心操は疲れたような表情を見せながらも、その内側には喜びが見られる。雨垣は、そんな二人を労いながらも、やや表情に曇りがある。どうやら、先程爆豪にポイントを奪われてしまったことを気にしているようだった。

 そして三位に、件の爆豪チームの名が挙がる。

 

(あの場で喰らいついてくるたぁ、もうそのガッツには天晴というしか俺にはねぇですわ……入学当初はよくつっかかってくる変な方だと思ってやしたが、やっぱ雄英、ですねぇ)

 

 侮り難し、気緩め難し、前途多難ですなぁ。そう、誰にも聞こえないような独り言を呟き、猩々はそこで、ようやっと本当に一息ついたのであった。

 その一方で、最後まで轟チームと戦い、決死の攻防の末鉢巻を一つ取り返した緑谷チームの名前が四位に呼ばれ、フィールドの一角に涙の噴水が出来上がった所で、雄英高校体育祭、長くも短き第二種目『騎馬戦』は幕を下ろしたのである。

*1
そして悲しいかな、この世界は漫画(ヒロアカ)の世界だし、刀語(ライトノベル)の延長だし、戯言シリーズ(青春エンタ)と世界観を共有しているのだ




コールドゲーム(無比喩)
というわけで雨垣鎖露女こと、真庭喰鮫の紹介です。変に待たせて申し訳ないですね、申し訳ないですね、申し訳ないですね。

登場人物紹介㋺
真庭喰鮫(まにわくいざめ)/雨垣鎖露女(あまがきさろめ)
年齢:15 身長:162.6.㎝ 体重:個性により可変
個性:???
超能力∶???
見た目:金春色の長髪と赤い瞳を持つ。それ以外の点においてはほぼ初代真庭喰鮫の生き写し。
備考:一人称『(わたくし)』。通称『真庭忍軍の暴走戦艦』。怒らせてはいけない。個性と超能力、2つを併せ持ったウルトラ・ハイブリッド。

取得忍術:真庭忍法・足軽
     真庭忍法・渦刀(新旧両方)

忍法録・その④
真庭忍法・渦刀
使用者∶真庭喰鮫(新/旧)、真庭猩々(新)
分類∶旧…中距離広範囲攻撃異能(PK)型、新…中近距離広範囲攻撃型
射程距離∶使用者を中心に半径10〜50m前後(使用者の練度によって射程距離が変動。新旧ともに射程同じ)
補足人数∶旧…一人、新…射程距離内にいる人数全て
備考∶初代真庭喰鮫の発案した旧式と、二代目以降が使用する新式でその性質が大きく異なる忍法。新式であれば猩々でも使用可能。
新式は鎖刀を用いた忍法で、思い切り振り回すことで、その直線上にいるすべての物体を横薙ぎに切り崩す技。真庭忍軍が情報として保管している忍法の中でも、殺人性能、攻撃範囲ともに優れた忍法と言える。
一方、旧式は、初代喰鮫の持っていたと思われる超能力によって実現する、事実上のワンオフ忍法。PK系超能力によって人体内の水分子を操作することで対象を殺害するものだったと思われる。現在真庭喰鮫の名を襲名している雨垣鎖露女は、本人の持つ超能力によって、これを再現している。

単騎の戦闘能力だけで言えば猩々より上です喰鮫ちゃん。
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