まにわにヒーローアカデミア   作:塩谷あれる

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寝不足ヘッドで書いた。後悔も反省も割としていない。


本編
はじまり、はじまり


 忍。それ即ち、闇の世界に生きる者。暗殺、諜報、主君の命でいかなる汚れ仕事もこなす、この日本と言う国における『汚れ役』の代名詞とも言える存在であることは間違いないだろう。しかし、時代の流れ、文明の発展と共にその需要は廃れ、いつしか自然と『忍』と呼ばれる存在は絶滅していった。

 しかし、世の中にはこんな噂がある。

 

 

──『忍』と呼ばれる者達は、今も尚存在し、日々暗躍している──という噂が。

 

 所詮は噂、一介の戯言である。だがしかし。火の無いところに煙は立たず、という諺もまた、この世には存在するわけで──。

 


 

 薄く夕日が差し込む教室に、二つの机を挟んで二人の男がいた。片や、明らかに成人しているであろう、ジャージを着た、いかにも生徒指導担当という風貌の教師。片や、黒い学ランに身を包んだ、身長150センチ前半台をギリギリ越えているかどうかという小柄な中学生徒。明らかにミスマッチなその二人のみが、その教室に存在していた。

 

「では、面談を始めるが、猩々。お前の進路、本当にこれで良いのか?」

 

 教師が、手元にある紙を見ながら、訝しげに、小柄な生徒──猩々に尋ねた。その表情を見た猩々は、ニヤ、と薄ら笑いを浮かべ、教師の方に向き直り言った。

 

「これで良いのかって、良いに決まってやすともさ、先生。迷いも躊躇いもありゃしやせん。俺はここに決めたんですよ。それに、男なら、高い壁には挑戦してなんぼだって、仰ったのは、先生じゃあございやせんか?」

「いやだがしかし、ちょいと、こりゃあ高すぎるだろ……」

 

 自信なのか余裕なのか、そんな風に返す猩々に、教師は困り顔で頭をかいた。その目の先に映るのは、『雄英高校ヒーロー科』の九文字。

 

「日本最高峰の難関校だぞ?いや、そりゃあ、お前の学力なら筆記は問題ないかもしれんが、実技面や倍率の問題でしくじるって可能性だってある」

「でもそれにビビって挑戦しないは男じゃないでしょ。俺はここでヒーロー目指すって決めてんです。俺の意思です。それを否定する権利は、先生にはないでしょう?」

「まぁそうだが……いや、そうだな。その通りだ。俺達教師に、お前の意思に待ったをかける筋合いもないか」

 

 うーん、うーん、と頭を悩ませながらも、教師は根負けしたようで、猩々の雄英受験を支持してくれた。

 

「でも、やるからには合格しろよ?記念受験っていうなら先生は全力で止めるからな」

「わかってやすよ。抜かるつもりなんてございやせんとも」

「おう、それなら良いわ。じゃ、進路に関しちゃ一先ずここまで、次は学校での生活についてだが……」

 


 

「ただいま帰りやしたー」

 

 その後軽く話をして、二人の面談は終わった。そのままてきぱきと帰路に着いた猩々。玄関に入り、靴を揃えていると、リビングの方から一人の女性が現れた。 雪のような白い長髪と、顔にある入れ墨にもにた模様が特徴的な女性である。

 

「おっ!帰ってきたわね。お帰んなさい、猩々ちゃん!」

「はい、ただいまです狂犬さん」

 

 狂犬と呼ばれたその女性は、猩々がちゃんと靴を揃えてから玄関から上がったのを見ると、うん、と納得したように頷いた。

 

「よしよし、ちゃんと靴揃えてるわね」

「何度も確認せんでもいいじゃないですか」

「マナーがなってないと人間社会でやってけないからね、猩々ちゃんみたいなタイプは特に。そりゃあちゃんと確認するわよ」

「信用ないですねぇ、俺」

「だって猩々ちゃん、全然マナーとか覚えないんだもん。ほらほら、さっさと手ぇ洗ってきちゃってね、ご飯できてるからさ」

 

 そう言ってまたリビング──厳密にはキッチンにだろうが──へと戻っていく狂犬。それを見て洗面台へと向かおうとする猩々。二人がすれ違ったその瞬間──

 

──()()()()、という、金属同士を強く打ち付けたような音がした。

 

「………」

「………」

 

 音の方を見てみれば、そこには、お互いに通常よりも些か小降りな日本刀──忍刀(しのびがたな)を鍔競りで合わせた猩々と狂犬がいた。

 

「────ふぅ、うん、()()()()()も上々ね。腕上げたじゃない。やるじゃないのさ、猩々ちゃん」

 

 なんとも慣れた手付きで忍刀を懐にしまい、またもや納得したようににこやかに笑う狂犬。対する猩々もまた、呆れたような色こそ見せはしているものの、特に悪感情を示すような表情はしていなかった──どちらもつい一瞬前までお互いに刃を向けていたもののする表情ではなく、これが彼らにとっては日常的な、至極当たり前のことであることが見てとれる。

 

「……毎日毎日、勘弁してくださいや、狂犬さん。こうも毎度毎度切りかかられちゃあ、俺ぁ神経持ちやせんってば」

「んー?そういってる割には割りと平気そうにあたしには見えるけど?ま、それはさておき、そう易々とやめるわけにはいかないかな。なんてったって猩々ちゃんは──

 

 

 

──()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 狂犬の放った言葉に、猩々はまたそれか、呆れたようにため息を着く。それが自分の役目なのだろうと、半ば諦めたような表情を浮かべながら。

 

 さて、いい加減彼について、多少は語っておいた方が良いだろう。恐らく大半どころか、九割九分の読者はわかっていることだろうが、この少年の姓は『真庭』。真庭である。真庭、忍軍。それはかつて、戦乱の世において最強とさえ噂された忍の群れ。天下泰平の世において、()()()()()()()()()()()忍達の名である。語ったついでに話を戻そう。この物語が、一体どんな物語なのか、という話である。

 

 この物語は、現代を生きる彼ら真庭の忍達が、薄暗い社会の闇を裁くため、八面六臂の大活躍をする──なんて話では全く無い。あえて先に断っておくが、この物語に登場する、『忍』と呼ばれる存在は、ただの一人も、()()()()()()()()()()()。そういうわけで、戯言一丁いってみよう。

 

 舞うは手裏剣散らすは撒菱、天下無双の不忍者!行くは都か狙うは天下?いやいや今時ゃヒーロー道!白刃殺陣活人劇!現代忍者英雄譚、まにわにヒーローアカデミアの始まり、始まり♪




色々と突っ込みどころがあるのは認める。でもちゃんと説明はするから許して…許して……
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