東方刻銘録~鬼が出るか蛇が出るか~    作:ライラ

10 / 18
今回は割と長め、ゆっくりと時間ある時にでもどうぞ


錬鉄回顧

 高木の梢の隙間から斜光が差し込み、ゆらゆらと揺れる光の帯を作り出す様は幽玄的ですらある。

 未だ人の手の入らぬ未開の地、神秘を神秘のまま保持する幻想の山。野性の獣が野性の獣のまま跋扈する原始の領域。

 嗚呼、それのなんと素晴らしく愛おしい事か。

 時間が許せばのんびりと遊行したいとさえ江月魁斗は思う。

 

 しかし―――――

 

 山歩きに慣れぬ身が山の住人から逃走するには妖怪の山という地系は非常に都合の悪い地であった。

 

「――――っは、っは、っは!」

 

 傷が癒えたとはいえ病み上がりの体、痛む筋肉に鞭打って走る。

 いや、走る、というよりは転げ落ちると形容した方が良いかもしれない。僅かばかりの距離を走るのにも凹凸の激しい地面や張り出した樹木の根に何度も足を掬われ、転倒しかけた。

 

「色々と厄に見舞われてる記憶しか、ねえ、じゃねえかっ」

 

 悪態を吐くだけの気力がある事に魁斗は内心安堵しながらも、乱れた息を整える為に手近な木に背を預けて一息つく。

 追跡者の姿は――――見えない。

 名は判らぬが、おそらく天狗であるらしい少女。

 追われる理由の方は、まあ明確だ。

 入ってはいけないと警告した山に入り、それだけでなく、不可抗力とはいえ色々とやらかしてしまった。

 

「まぁ、怪我の功名……ってやつかね」

 

 未だ手に残る柔らかい感触を思い出して頬が緩む。やはり女子はそうでなければ。

 泥だらけになった頬を拭って下山を再開する。とにかく元凶に一言物申さなければ死んでも死にきれない。

 見つかりさえしなければ、なんとかこの窮地は脱せそうだった。

 

「何が、怪我の功名かっ!」

「おわっ、いつの間に!?」

「天狗の隠行を侮るな」

 

 しかし、数歩も歩きださぬ内に鼻先に刃が付き付けられた。

 華奢な体にはいささか不似合いな大太刀を構えて睨んでくる少女、肩を怒りに震わせる天狗の眼光が魁斗を射抜く。

 ――――動けば斬る。

 

 そう、真っ赤な瞳が語っていた。

 

「里の行者かと思えば色魔の類、そんな輩を山に入れたとあっては白狼天狗の名折れだ!」

「誰が色魔だ、誰が!」

「突然、む、胸なんて揉んでくるのは上司か色魔くらいです」

「じゃあオレは上司だな」

「色魔ですっ!」

 

 頭に血が上っているのか、口調の安定しない少女。

 おそらく、物々しい物言いの合間に見え隠れするのが地なのだろうな、と当たりをつける。

 だからといって、それで何がどうという訳でもないのだが。

 

「とにかく、お前は山の掟に則って裁きを受けて貰う。大人しく付いて来……っ」

 

 魁斗を捕縛しようと距離を縮めようとした少女が一瞬、頭痛を堪える様に足を止めた。

 (さっき落ちた時に頭でも打ったのか?)

 だとしたら非はこちらに在るのだが、こんな好機を見逃すわけにはいかない。

 脱兎のごとく、太刀の届く範囲から逃れる様に駆ける。

 

「あ、止まりなさい! そっちは……」

「そう言われて止まる奴が居るかよ」

 

 慌てて振られた太刀を掻い潜って走る。走る。走る。走る。

 群生したシダの葉を蹴って走る。葉の陰でとぐろを巻いていた蛇を蹴飛ばしたが構っている余裕はない。

 何度も転倒しそうになるが、もし転べば今度こそ捕まるのは必然。

 奇跡的に、その疾走を妨げる様な障害物の類はなかった。

 

 だが、一度や二度の奇跡程度で素人が目鼻の効く妖怪をだし抜けるはずなど無かったのだ。

 

 視界の端を影が跳ねた。

 地系の凹凸など関係ない、真っ直ぐに伸びた木々の幹を蹴って天狗の少女が魁斗との距離を縮める。

 そこには埋めようのない彼我の差があった。

 純粋な妖怪と、半分は人間の血が混じった半妖。根本的に体力も膂力も違うのだ。 

 

 一閃。少女の振るった太刀が魁斗の進行方向に在った木々の数本を両断した。

 遅れて、切断面からずれる様に高木が次々と倒れる。結果、それらがバリケードとして進行を妨げる形になる。

 信じれられない、と魁斗は目を丸くした。

 

「おいおい、んなのありかよ……」

 

 不完全な姿勢から放たれた一撃でその威力、否、その切れ味。

 少女の持つ大太刀は『頑強』という点では非常に優れている。重く、分厚い刃はその重量を乗せて斬撃を繰り出せば鉄の鎧であろうと貫くに違いない。

 だが、それは破壊力であって切れ味ではない。刃の特製故にあの大太刀は切れ味は鈍い、いうなれば刃物というより鈍器としての側面を備えているのだ。

 それを純粋に刃物として扱う域にまで熟練した少女の剣妓は間違いなく―――

 

「―――――?」

 

 (何だ、この違和感は?)

 胸の内に去来するのは疼く様な不思議な感覚。

 その正体が、どうしても掴めない。それがどうしても気持ち悪い。

 まるで、自分の意思とは別の部分で何かが蠢いている様な。

 命からがら逃げる事よりも、それを優先すべきだと――――記憶に無い“ナニカ”がそう語っていた。

 

「験比べをするでもなくただ逃げ回るだけ―――――お前の目的は何だ?」

 

「目的も何も、オレは運悪く此処に迷い込んだだけだ。さっさと下山したいんだよ」

 

 いつでも振り切れるように白刃を構えた少女が、警戒色強く魁斗を睨む。もはや、退路は塞がれた。

 

「河童の道具を使っておいて、何を白々しい。どうやってそれを手に入れたかは知らないが、山の内情を探る様な真似をしておいて言い逃れなんて―――――」

「こちとらにとりの実験に付き合わされただけの被害者だ、文句を言うならこんなポンコツを作ったにとりに言ってくれ!」

「え?にとり?」

 

 ぴくん、と少女の頭に着いた獣の耳が跳ねた。

 きつく引きしめられていた眉間も困惑したように僅かに緩む。

 

「うん? にとりと知り合いなのか?」

 

「え、まあそりゃ将棋を一緒にするくらいには見知った仲………って、え?え? お前……じゃなくて、あなた里の人間じゃなかったの?」

 

「おう、今はにとりの工房でお世話になってる。というかオレが人間なのは半分だけらしい」

 

「あー、もしかして……」

 

「もしかしなくても刀を向けられるような存在じゃあない。……いや、まあ確かにオレにも大分非はあるけど落ち着いて話が出来るくらいの関係にはなりたいな」

 

 額に滲む脂汗を拭いながら一息つく。

 こんな事態を引き起こしたのがにとりの発明なら、すんでのところで窮地を脱したのもにとりの名のおかげだった。

 (なんとまあ因果な……)

 

 ○●○●

 

 犬走椛と名乗った少女の態度の急変には魁斗も少々面食らった。

 諸々の事件が不幸な誤解や不運の産物だと知れば己の非を詫び。

 木々の枝葉であちこちに出来た傷には自前の軟膏で処置を施す献身さ。

 先ほどの剣呑な態度は山に不用意に近づく者を追い払うための演技であり、こちらが素なのだと言う。

 

「あー、まあちょっと頭に血が上ってた節はあるかもですけど……すいません」

 

 恥じらうように頭を下げる椛。

 これでは逆に自分が悪い気がする。と魁斗も首を振る。

 互いに、すっぱりと両断された木の切り株に腰を落ち着けていた。

 

「いや、アレは確かにオレが悪かった。それに墜落した時にそっちは頭打ったんだろ? これじゃあオレはどうやって詫びればいいのか判らん」

「……え?」

「さっきオレを追ってた時に一瞬足止めただろ。かなり辛そうだったし無理させてるようなら後日何らかの形で詫びがしたい」

「まさか、あの程度の高さから落ちて受け身を取れない天狗なんていませんよ。あれは瘴気に当てられそうになったからで……あっ」

 

 しまった、とでも言いたげに椛は口に手を当てる。

 いまいちその真意を掴めない魁斗は首を傾げて問う。

 

「瘴気?……何かあったのか?」

「いえいえいえいえ、何でもありませんです!はい!」

「……はあ?」

 

 何か露骨に裏の在りそうな物言いだったが、部外者の自分が首を突っ込む事でもあるまい。

 

「そ、そんなことより下山がしたいのなら私が送りますから早くしましょう。交代の哨戒天狗達がもうすぐ出て来ますから、そうしたら色々と厄介です」

「オレとしてはありがたいが、いいのか?」

「本当は拘束して連行しなきゃ、なんですけど。そうすると友達(にとり)に迷惑がかかっちゃうから……今回だけ、ですよ」

 

 複雑な面持ちの椛だったが、その厚意に素直に応じる事にした。

 そうと決まれば、と魁斗と椛は切り株から腰を上げる。

 ―――――と。

 ぴん、と狼の耳を立てながら椛が顔をしかめた。

 聞きなれない異音がしたからだ。

 

「…………?」

「…………?」

 

 二つの視線が椛が背に吊った大太刀の鞘へ注がれる。

 異音の発生源はそこだった。

 互いに顔を見合わせて眉をひそめる。それは、そんな音が今聞こえる筈が無い、という考えがあった事と、それが鞘の中から聞こえたものであったが故に若干くぐもっていたからだろう。

 

 おそるおそる柄を握って椛がそれを引きぬく。

 少女の背丈に不似合いな大太刀はしかし、その半ばから先がすっぽりと消失していた。

 

「折れ、てる」

「金属疲労、だな」

 

 長い間使い続けてきた刀身が、成木を両断する負担に耐えきれなかったのだ。

 

 ◆◇◆◇

 

 工房のドアが開かれた音に、唸りながら図面台とにらめっこをしていたにとりは頭を上げた。

 

「あ、おかえり盟友。遅かったなー」

「あっはっは! 遅かったな、じゃねえよ! こっちは危うく死にかけたぞ!」

「ひゅいっ! 盟友がキレた!」

 

 額に青筋を浮かべた魁斗は笑顔できりきりとにとりの襟を締め上げる。

 涙目になりながらもにとりはその腕をタップする。ちなみに恐怖体験を思い出した魁斗も若干涙目だ。

 

「ぐえっ、ギブギブ! それ以上はいけない……」

「……ああ、すまん。ついカッとなった」

「いてて、というか何があったの?」

 

 乱れた襟を正しながらにとりは小首を傾げた。設計にミスは無かった、そう言いたげな顔だ。

 

「風にあおられて羽はポッキリ、墜落死しなかったのが不思議なくらいだ!」

「んな馬鹿な。ブレードに使ってる特殊合金は河童の技術の粋を集めた超軽量・超硬化合金だぞ、折れるって何したのさ?」

「お前な、ただ硬ければいいって発想の時点で間違いなんだよ」

「え? なんかマズイの?」

 

 呆れたように目じりを抑えて魁斗は崩れ落ちる。

 それを本気で言っているのか?、と全身の仕草がそう語っていた。

 あちこちがほつれた服や引っかき傷のついた頬、肉体的にも満身創痍である。

 

「あのな、金属は基本的に硬いだけじゃダメだろ。お前が今まで作ってきた小道具はそれで十分だったのかもしれないけど、今回みたいな場合は『ある程度の変形』に耐える。つまり『しなり』を金属に持たせなきゃいけないんだよ。

 ただ硬いだけだとある一線を超えた途端にあっさり折れるわけ。硬い、と脆い、は違うんだぜ?」

「そ、そんなことは判ってるけどさ……」

 

 むぅ、と図星を突かれたにとりは反論できずに押し黙る。

 事実、それで魁斗は死にかけたのだと言う。妖怪の山付近の気流の気まぐれさについて教えなかったのもミスだった。

 失敗は発明の母とは言うが、だからといって発明の為に犠牲を出す事を是とするには――――彼女は少し優し過ぎた。

 

「ま、済んだ事だし構わねえよ。それよりにとり、ちょっと工房の奥使わせて貰うぞ」

「別にいいけど、何に使うのさ?」

「あー、その辺の話はそこの天狗に聞いてくれた方が早いと思う」

「えっ、あっ、ちょ」

 

 ひらひらと手を振りながら部屋を後にする魁斗。

 入口のあたりで所在なさげに立っている知己こと犬走椛の存在にその時点でようやくにとりは気が付いた。

 あたふたしているのを見るに、想定外の事態に困惑していたのは椛も同じらしい。 

 

「ど、どうも」

「えーと……椛は何でここに?」

「本当は下山するまでの案内のつもりだったんだけど……私にもなにがなにやら」

「はあ……?」

 

 ○●○●

 

「あー、白狼天狗の装備は確かに上からの支給品が基本だもんな。新調しようとすると手続きが面倒なんだっけ?」

「そうなの、かといって自腹で買おうにも私たち薄給だし……ぐす」

「おー、よしよし、泣くなー」

 

 悲嘆にくれた表情で茶を啜る椛をあやす様ににとりが撫でる。

 彼女の記憶にある限りでは最後に白狼天狗の大規模な装備一新があったのは幻想境が結界で外の世界と隔絶される前、おおよそ百三十年ほど前だったか。

 幻想に生きる彼女達、妖怪という存在を存続させるための手段とはいえ、結果的に内外の能動的な物流を絶つという事は内で必要とされる資材、資源の殆どを自分たちで賄わなければなくなるということ。

 それを見越して当時の大妖怪達は、枯渇しがちな鉱産資源の類を結界が張られる前に蓄えることに尽力した。

 ちょうど外の世界でも大規模な製鉄所が立ち並び始めた頃だった事も幸いしたのだろう。結果として妖怪の山の妖怪たちはその時に蓄えた資源を上手くやりくりすることで幻想郷内でもかなり高い生活水準を手にすることが出来た。

 (その弊害がこういう下っ端に回ってくるのも考えものだよなあ)

 貴重な資源が管理されているため、それを使う事にも手続きがいる。

 まあ、その多くは河童たちが好き勝手に使っているのだからにとりもあまり文句を言えた立場ではないのだが……

 

「てっきり私は刀はにとりが直してくれるものだとばっかり」

「私はそういう野蛮な武器の事は専門外だなあ。そういうのはどっちかというと土蜘蛛達の方が詳しいんじゃないかな」

 

 図面台に向き直って鉛筆を図面に走らせながらにとりは呟く。

 刀剣の類を打つのに必要な技術というのは理論で体系化されたものと異なり、個人の感や修練に依存する点が大きい。

 

 そうした時、ひたすら新しい物を作るために邁進する河童たちより、古来から連綿と秘伝を受け継いできた土蜘蛛の方が優れているのではないかとにとりは思う。

 (非常に、非常に不服ではあるけどな)

 この場にあの土蜘蛛の少女、黒谷ヤマメが居たならば職工の意地にかけてそんなことは口にしなかっただろう。

 

「だーれが野蛮な武器の専門家だって?」

「えひゃうっ!?」

 

 ひんやりとした指が首から背筋に向けて滑り降りる感触。

 唐突に訪れたソレに悲鳴を上げてにとりは振り向いた。

 

「やっほー、元気してたー?」

「げげ、ヤマメ!」

 

 朗らかに手を振りながら笑む黒谷ヤマメがそこには“ぶら下がっていた”

 蜘蛛らしく天井の梁に糸を巻き付けて器用にもそれをつたって降りてきたらしい。

 

「土蜘蛛! なんでこんなところに?」

 

 驚いたのは椛も同じようで飛び退き様に抜刀しようと鞘に手を伸ばして、そして肝心の刀が折れていた事を思い出して歯噛みする。

 しかし武器に頼らずとも白狼には自前の牙も、爪もある。

 

「例のダム建設の関係の仕事だってば、御山に立ち入るつもりなんてないから犬のお巡りさんに牙を剥かれる覚えはないよー」

「そういえばそんな話がありましたね。……って、私は犬じゃありません!狼です!」

 

 手の平を見せて敵意が無い事をアピールしたいのか、喧嘩を売っているのかいまいち判らない態度のヤマメににとりはため息を吐く。土蜘蛛だから、の一言で登場する度に工房のどこかしらから糸にぶら下がって登場されるのにも慣れた、ともいうが。

 

「はぁ、見たくも無い顔見たせいでなんかやる気失せるなぁ。ぶぶづけやるから帰れよー」

「つれないねえ。夜に出た蜘蛛は例え家族や友人に似てても縁起悪いから追い返せって言うけど、朝蜘蛛は逆に幸運を運ぶから親の敵に瓜二つでも招き入れろ、だろ?」

「もう正午過ぎだぞ」

「妖怪からすりゃ同じようなもんじゃない」

「相変わらず減らず口をべらべらと……」

 

 青筋を立てて掴みかからんとするにとりをからかう様にヤマメは器用に糸を巻き上げて安全圏に退避する。

 ここ数日で珍しくも無くなった光景だったが、初見の白狼天狗は違った。

 一連のやり取りが何というか、流れる様に自然に行われたので、椛はというと喜劇でも見ている様な錯覚に陥っていた。

 河童と土蜘蛛の不仲は周知の事実だが、案外にとりとヤマメは仲が良いのではないかとすら思う。

 (いったい、何があったのかしら?)

 

「ええと、ヤマメ……さんは何か用事があったんじゃないですか?」

「おお、そうだった。図面引くのに四苦八苦してる河童を嘲笑いに来たんだった」

「へへん、残念だったな。問題点はキッチリカッチリ修正済みだよー、だ」

「およよ?」

 

 にとりから自慢げに手渡された図面を見てヤマメは目を丸くした。

 つい先日、徹底的にこき下ろした問題点が綺麗に直されている。むしろ土蜘蛛では至らない発想もいくつか盛り込まれていて、まるで見違えたようだ。粗を探すためにもう一度図面に目を通すがケチのつけどころが全く見つからない。

 本音を言えば、にとりはその“問題点”が何であるかすら理解していないだろうから助言をくれてやろう。くらいのつもりだったのだが、すっかりアテが外れていた。

 

「お前が言いたかったのはダムの基礎部分の変形を考慮しろ、ってことだよな?」

「夏冬の寒暖の差による鋼材や石材の膨張や収縮なんかは実際には一寸にも満たないほんの僅かな変化だけど、ダムみたいに大きな建築物の場合、総合的かつ長期的に見ればかなりの負荷があちこちにかかる。

 小道具ばっかり作ってる河童からすれば逆に盲点だと思ってたんだけど……誰の入れ知恵だい?」

「ふふん、うちの居候は案外優秀なのさ」

「あれ? そういやあのおにいさんのビクつく顔が見えないね」

「実はかくかくしかじかで―――――」

 

 ◆◇◆◇

 

 初めは小さな違和だった。

 気に留めなければ見過ごしてしまう様な、そんな小さなとっかかり。

 それは何気なく使う剃刀であったり、調理場で見かける包丁だった。

 

 見る度に拍動が乱れた、理屈の通らぬその“感情”を気のせいだと切り捨てて見て見ぬふりをした。

 しかし、

 『世界を観ろ』

 己の見たモノを思考し、吟味し、刻みつけろと。そう天狗の少女に諭された。

 そして始めて気付く、初めてその感情の名が“憤り”なのだと。犬走椛に太刀を向けられて始めてその理由に確信を持った。

 

 ――――嗚呼、なんて杜撰で不出来。

 ――――そんな刀で一体何を切るというのか。

 ――――武器とは即ち敵を屠るためにあるというのに。

 ――――自分が見る『刃』はどれもこれもナマクラばかり。

 

 それを許せないと思った。

 『オレならもっと上手く打てるのに』なんて、つまらない事も考えて。でも、きっとそれらは全ては余分だったのだ。

 刃を鍛えるのに余計な思想も、理念も、願望も、評価も、何もかもが無意味。

 燃え盛る炉心を前に、重くずっしりとした槌を握って江月魁斗はそう悟った。

 

 

 

 一人静かに鉄を打つ

 

 過度の力は込めずに槌を振りおろす。

 求められるのは握力ではなく精密さ。

 鋼を望む形に錬鉄したいのなら数を積めば良い。

 ただ一度、ただ一度でも余分が混じれば全てが水泡に帰す。

 

 息を乱さず、力を乱さず、心を乱さず、ひたすらに槌を振り下ろす。

 

 心の裡に描いた刃の形。

 その輪郭をなぞるように、薄く鉄を延ばす。

 

 その道程は祈りにも似ていた。

 

 己が心の内側と向き合い続けるその作業。

 誰も見届けてはくれない。

 誰も其処には介在しない。

 誰も報いてはくれない。

 それでも祈りを続ける求道者のように。

 

 無心に―――――

 ――打つ

 ――――打つ

 ――――――打つ

 

 鋼を鍛える灼熱がその肌を焦がし、体力を削ぎ、喉を乾かそうとも。

 その苦難にひた堪え、その先に救いがあるとでもいうかのように。

 断つための刃を打つ

 絶つための刀を打つ

 立つための剣を打つ

 

 嗚呼―――――どれほどそうしていただろう。

 

 ●○●○●

 

 焼き入れの作業。熱した刀身を水に浸ける段階。

 急速に体積を増した水が水蒸気となって顔に叩き付けられて初めて魁斗は我に返った。

 外を見やればもう日が傾いていた、それにすら気付かないほど熱中していたらしい。

 

「あの、終わり……ましたか?」

「あ、ああ。炉の温度とか鉄の質には心残りがあるけど、それを抜きにすれば最善を尽くせた、と思う」

 

 一体いつから其処に居たのか。椛が困惑したように手ぬぐいを渡してきた。

 後ろにはにとりと、何故かヤマメの姿もあった。三者ともどう声をかければいいのか迷う様に視線を泳がせている。

 (ああ、そりゃ半裸じゃ目のやりどころにも困るわな)

 高熱の炉を前に作業をしていたのだ、腰のあたりまで着物をはだけていたことを思い出す。

 川の水で冷やしたのか、濡れた手ぬぐいの感触が熱を持った肌に心地が良い。

 全身の汗を手早く拭って着物を整えてからようやっと魁斗は口を開いた。

 

「いや、まだ最後の作業が終わって無かった。椛、さっきの剣を貸してくれ」

「でも、折れてますよ?」

「用があるのは柄と鍔の方だよ。

 と、へぇ……透かし鍔に紅葉の柄とは洒落てるな」

 

 金具を弄って折れた刀身を柄から抜き、手慣れた仕草で自分の打った刀身をはめ直し、最終確認も兼ねて夕日に掲げて見る。

 すらりと反った刃に、鮮やかな刃紋が浮き出ていた。緩やかに波打つそれは小川の様ですらあった。

 

「うん、まあ及第点だな。ほら、返すよ、これはお前の刀だ、あんなナマクラ刀よりはずっと体に馴染むだろうよ」

「な、なまくら……」

 

 長年の愛刀に少なからずの愛着もあったのか、複雑な表情ながらも椛は新しい刀を手に取った。

 なんなら試し振りでもするか、という魁斗の提案もあり、工房の開けた場でニ、三度それを振ってみる。

 ヒュン、ヒュン、と甲高い風切り音。

 鉄の塊が立てる音としては随分と澄んだ、音叉のような響きが雑然とした工房を満たす。

 魁斗以外、誰もが目を見開いた。

 

「え、うそ、こんなに軽い……?」

「いや、重量は最初の刀とそう変わらない筈だぜ。ただちょっとあれは心鉄の位置がずれてたから椛の重心と合わなかったんだろう」

 

 と、そこでずっと黙っていたヤマメとにとりが好奇心の抑えられぬ様子で口々に質問を飛ばす。

 

「め、盟友。記憶が戻ったのか?」

「こんな名刀を半日で打つって、おにいさん何者さ?」

「……? まだ記憶の方は全然だが、そんなおかしな事したか、オレ?」

 

 きょとん、と首を傾げる魁斗。まるで自覚が無いらしい。

 

「だってこんなにもヘンテコな知識持ってるじゃないか、さっきの私への助言もそうだけどさ、明らかに素人の意見では無かったよ」

 

 言われて初めて気付く、確かにこれはおかしい、と。

 記憶が無いのに『金属』に、『鍛冶』に、対して知識があった。

 物言いも造詣の深い専門家のようだったとにとりは言う。

 鉄を打つ姿は熟練の名工のようだったとヤマメは言う。

 

「いや、とくに記憶が戻った様子は……無いな」

 

 何か思い出せそうな気はしたんだが、と魁斗は言う。

 獣が生まれてすぐに走る事を覚える様に、鳥が空を飛ぶように。

 槌を握るという行為が当たり前のように体に馴染んだ。

 慣れ、というよりは本能の領域。殆ど無意識の所業に近かったように思う。故にその行為そのものに特別な意識は抱かなかった。

 

「まあ、キッカケは掴めたって事か。ええと、これは椛のおかげ?」

「へ? お礼をするのはむしろこっちの方ですよ、というかこんな凄そうな刀打って貰っても私、お代が……」

「前の刀が折れる原因作ったのはオレだし、それでチャラってわけにはいかないか?」

「そ、そんな、それじゃこっちの気が済まないですよ!」

 

 申し訳なさとかその他諸々の感情がごちゃまぜになった様な表情でぶんぶんと椛は首を振る。

 狼の尾がピンと硬直したように張っているあたり本当に緊張しているらしい。

 

「なんなら体で払って貰うのはどうだい?」

「っ! な、何言ってるんですかヤマメさん!?」

「………いいかもしれんな」

「うー、あなたは黙ってて下さい!!」

「あ、はい……」

 

 今にも噛みつかんばかりの迫力で怒鳴られて今度は魁斗が萎縮する。

 そうなる様を愉快気に眺めて笑うのはヤマメとにとりだ。

 それで嵌められたと悟ったのだろう、赤面して椛は俯いた。

 

「まあ、そういうわけだから大人しく貰ってくれよ」

「何か、釈然としませんけど。わかりました、ありがたく頂戴します」

「鞘の方は私が新調しといてあげるからまたおいでよ」

「あ、うん。ありがとう、にとり。夜の哨戒があるから私もう帰りますね」 

「おう、またなー」

 

 ◆◇◆◇

 

 夕日の沈む方向に姿を消した椛を見送った後、にとりとヤマメも話があるからと工房の奥に姿を消した。

 

「さて、疲れたし汗流したらオレはさっさと寝るかな」

 

 ぼんやりと風に当たっていた魁斗も、汗が滲んでひりひりと痛む首元の包帯をさすりながらぽつりと呟いた。

 この後もにとりとヤマメでダム建築の関係で色々と話があるのだろうが、流石に其処まで手伝えるほど自分の知識も都合は良くないだろうと魁斗は思う。

 そんな時だった。

 頬の辺りを妖艶に白い指がなぞった。

 

「おや、湯浴みかい? 背中流すの手伝うよ?」

「そのまま喰われそうなんで遠慮しとく。てかにとりはどうしたよ?」

「徹夜で疲れたとか言って急に舟こぎ始めたからちょっと悪戯して来ちゃった♪」

「なんとまあ、緊張感のない……」

 

 土蜘蛛は天敵ではなかったのだろうか?

 冷や汗を滲ませながらヤマメの方を振り向く、背後を取られたままでは自分もどうなるかわかったものではない。

 予想していたのは悪戯っぽい微笑を浮かべるヤマメの姿。

 しかし、その予想は儚くも裏切られる。

 

「おいおい、そんな真面目な顔して……もしかして、マジで喰いに来たわけ?」

「あー、うん、それにも興味は尽きないんだけどね。もっと違う話が今はしたいのさ」

 

 いつもの悪戯っぽい表情とは別の、もっと純粋に何かをいぶかしむ様な、真剣な表情。

 そこにただならぬものを感じて、魁斗は居住まいを正した。

 

「構わないが、記憶が無いから話のネタなんかはオレ持ってないぞ」

「いいんだよ、その記憶の話なんだからさ」

「………なに?」 

「私達、土蜘蛛はさこれでもちょっとは冶金に通じてる種族だからね。鉄の良し悪しはだいたい見れば判るのよ。

 だから一つ訊きたいんだけどさ、おにいさん……“あの刀を打った玉鋼はどこで手に入れたの?”

 河童の工房にある鋼材はどれも刀を打つためのものなんかじゃない、ならその材料がどこから手に入ったのか、ちょっと気になってね」

「それは……あれ?」

 

 記憶を探って、当惑したように魁斗は当惑する。

 自分は、確かに工房にあった素材を使って刀を打った筈だ、と。

 確かに、鉄の質は望み通りのものではなかったが、なんとかなるだろう。そう思って槌を手に取った。

 

「やっぱり、か」

「何がやっぱりなんだよ?」 

「それがおにいさんの『能力』なんじゃないか、ってこと」

「能力?」

「そう、多分『鉄を操る程度の能力』か何かなんじゃないかってこと。

 普通の鉄と玉鋼の違いは主に内に含まれている炭素の純度、それを槌で叩く過程で操ったんじゃないかな。

 極稀に居るんだよ、そういう神業じみた事をやってのける奴がさ、人間や妖怪に関係なく」

「それが、どうオレの記憶と関係してるんだ?」

「おっと、本題が逸れてたね。

 大体の能力は自己申告制だから場合によっては突発的に授かったモノもあるんだろうけどさ、おにいさんのそれは十中八九何かしらの『過程』を経なければ手に入らないものの筈だ。

 単なる『異能』じゃなくて、それは『技術』ってこと」

「つまり、その源流(ルーツ)を辿れば何かしらの手掛かりになるかもしれない、と?」

「そゆこと、理解が早い人は好きよ」

「ならオレは愚鈍に徹することにしたいね」

「もう、いけずなんだから」

 

 くつくつと笑うヤマメ。原因があるとすればお前のせいだ、と渋い顔をしながら魁斗は思う。

 確かにその助言がなによりも力になりそうなのも事実だというのがこれまた腹立たしい。

 

「一応礼は言っとくぜ」

「どうもお構いなく。その技術はもう五百年ほど前に絶えた筈の業だ、ナマで見られて得したのはむしろこっちだよ」

「ごひゃく!?」

 

 途方も無い桁に眩暈すらおぼえる。

 魁斗が目覚めてから経った日付がまだたったの四日。それの何千倍ともなると想像すら出来ない。

 その表情がまたおかしかったらしい、けらけらといつものように楽しそうにヤマメは嗤っていた。

 

「てめ、この為にそんな大仰な話しやがったな!」

「あっはっは、妖怪が何の見返りも無しにそんな大層な助言するわけないじゃないのさ。うん、相変わらず苦悶するおにいさんの姿にはそそられるよっ」

 

 伸ばした腕をするりと掻い潜って土蜘蛛は夜の薄暗がりに姿を消した。

 全身に泥のように疲労が蓄積した状態では追う事など不可能だろう。

 だらり、と力なく腕を垂らして魁斗は呟いた。

 

「本当に何者なんだ、オレは……」

 

 手がかりらしきものが軒並みおかしなものしかないというのは何かの嫌がらせだろうか?

 

 夜闇は何も答えてはくれなかった。頼るなら無貌の闇ではなく、顔の広い知己であるべきだ。

 

 

 

 ―――――――――――そして数日後の夜。

 

 

「ぷっ、あははははは! ちょっと目を離したすきにどんだけ事件に巻き込まれてんのさ、あはははは!」

 

 亜麻色の髪を乱しながら伊吹萃香は腹を抱えて笑い転げる。

 よく通る大声と、手首に巻かれた鎖がじゃらじゃらと夜の川辺に響き渡って騒々しい事この上ない。

 それを横目に、憮然とした表情で江月魁斗は一気に酒を呷る。

 

「そんなに笑うことねえじゃねえかよ」

「ひー、お腹痛い。……これでも褒めてるつもりだよ? 私の睨んだ通りあんたは面白い奴だ」

「ったく、まったく褒められた気がしないのはなんでかね。というかどこほっつき歩いてたのさ」

「んー、どこだったかなあ? 千鳥足に行く先を訪ねるなんざ野暮だよー」

 

 まだけらけらと笑いながらどこからか土産として持ってきた大ぶりの桃に萃香は齧り付いた。

 促されて魁斗も自分の手の内に在ったそれに齧り付く。

 たっぷりの果肉と、溢れだす果汁、月光の下ですらてらてらと黄金色に輝く桃はまさに絶品だった。

 服に果汁が飛び散るのにもお構いなしでぺろりと平らげる。

 これで溜飲が下がるあたり単純な胃袋をしているな、と魁斗自身そう思う。

 

「それで、ここ数日わたしを探してた、と」

「ああ、下手に工房を離れて行き違いになっても困るからな」

「刀鍛冶、ねー」

「もっと大雑把に冶金関係でもいいから古い知識を持ってる奴に知り合い居ないか? 記憶の手がかりをつかめるかもしれないんだ」

「酒の席でするにはえらく大真面目な話だねぃ」

「常時酔っぱらってるのに頼るくらいには伝手が無いんでね」

「河童と土蜘蛛は引きこもりだし、天狗もあちこち飛び回ってるから捕まえるのは難しいもんなー」

「こういう時に限って射命丸は顔を出さないんだよ、ったく」

「かかか、あれに気に入られるって事はあんたも相当特ダネの匂いがしたんだろうさ」

 

 茶化す様に盃を傾けていた萃香だが、それでも一応問いには答えるつもりらしい。

 あぐらを組み、瞼を閉じてしばらくの間ゆらゆらと体を揺らす。

 じれったくなって魁斗が自分の盃に酒を注ぎ始めた時だった。

 突然萃香が目を見開いた。

 

「あ」

「どうした、何か思い当たったか?」

「いんや」

「………おい」

「やー、そういう知り合いが居ないわけじゃあ無かったんだよ。

 そういや鍛冶屋の娘に一目ぼれして鍛冶屋に弟子入りした物好きな鬼とかも昔居てねー」

「なんだよ、居るじゃね――――」

「死んだよ」

「え……」

「一晩のうちに百本の刀を打てば娘を嫁にやる、なんての戯言を真に受けてね、限界を超えて無茶したせいでそのままポックリさ。

 そうか……もうそんなに時が経ったのか」

 

 ぼんやりと幽玄の月を眺めて萃香の横顔は、どこか哀愁を漂わせていて――――

 魁斗には見えない、酒精の幻影がその名前も知らない鬼の姿を萃香に見せていたのだろう。

 踏み込んではいけない領域だった、のだろうか。

 

「あ、すまん……なんか悪い事聞いたな」

「元気してるかなー、あいつ」

「は? 今、死んだって……」

「うん、死んだよ? でも何の因果か死後に鬼鎮さまとして祀られてね、今では腕を買われて地獄の山で針作る仕事に就職してる。なんでも罪人を何度貫いても折れない針が必要なんだとさ。

 逢いたいなら地獄行くしかないけど、死んでまで記憶探してちゃ本末転倒だろ?」

「ああ、気を使って損したよ」

 

 この頭痛は酔いのせいだ、と自分に言い聞かせて魁斗はもう一つ桃に齧り付く。

 

「くそ、美味いなあ」

「わはは、食え食え。天界の桃だからちょっとは体が頑丈になるぞー

 そもそも刀なんて作るのは基本的に人間だし、使うのも人間だよ。元々は闇に潜む鬼や妖怪を恐れた人間が気休めに打ったもんなんだから。

 わたしら鬼が振りまわすのは金棒さ、腕に自信があるなら今度作ってくれよ」

「はいよ、気が向いたらな」

 

 アテが外れた、と仰々しく肩を落とす魁斗。それを肴にけたけたと萃香は笑っていた。

 でも、酒を呑みながら色々とグチを聞いてくれるこの幼女の事は素直にありがたいと魁斗は思う。

 しょうもない悩みだ、と全部笑い飛ばす彼女の豪快さには本当に感謝している。

 

「ま、記憶が戻らなくても死ぬわけじゃない、か」

「そうそうその意気だ。と、あー、ちょっと待て、そういや何かこういうとき便利そうな奴がどっかに居たような。

 ええと、魔理沙が言ってたんだっけか、それとも霊夢だったかな? まあいいや、こーりんだとかえーりんだとか言う古道具屋の店主が物知りだから役に立つと思うぞー」

「これはまたえらく雑な紹介だな」

 

 胡乱そうに魁斗は目を細める。

 酔っ払いの記憶力を頼ったのは確かに自分だが、これはかなり胡散臭い。

 呂律が回っていないし、大分酔いが回ってきたのだろう。まあ、もとから酔っぱらっているので非常に判別も付け辛いわけだが。

 

「嘘じゃないぞー、魔法の森の方にぼろっちい店が建ってるから行ってみればわかるって」

「あー、はいはい、萃香ちゃんは頼りになるなー」

「もっと頼っていいんだぞー、なんなら萃香姉さんと呼ぶのを許可してやろう」

「ぷっ、冗談きついぜ。こんなちんまいのを姉と呼ぶのは流石に抵抗が―――」

「あーん? 誰がつるぺた幼女だってー?」

「いだだだだ、折れる、首の骨が折れる! てかそこまでは言ってねえ!」 

 

 




【補足:魁斗の能力について】

 いよいよ主人公の能力解禁といった感じですが、ひじょーにわかりづらいですねすいません。
 一応、今後の展開のネタバレとかは避けながら誤解されがちな部分について補足しときます。別に読まなくても大丈夫なように続きは書くつもりなので無視して頂いて結構でございます。




『金属を操る程度の能力(仮)』
 今回の使用用途としては「金属に含まれる炭素濃度」を調整してただの鉄から疑似的に日本刀の製作に必要な『玉鋼』を生成した点と、その玉鋼を用いて刀を打った点などです。炭素は多分空気中の二酸化炭素から頂戴したのでしょう。

 誤解されがちなのは、化学的に状態変化している最中の金属にしかその効果は発揮できないということ。某ハガレンみたいな真似は出来ません(笑
 故に材料や設備を必要とする点では永琳の「あらゆる薬を作る程度の能力」と類似している、むしろあれの金属バージョンという説明が最も適切な説明かもしれません。


 さて、次の更新日は未定ですが、そう遠くないうちに更新できそうな気もします。
 萃香の言っていた通りに「あの人」が登場するかも?


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。