【凍結】1st Saga バタフライエフェクト 作:ジュネープ
シチュエーション51:ラクーン事件
操作人物: 立花光雄
日時:1998年9月28日20時00分
場所:ウォーレンストリート
目的:ラクーンシティからの単独又は複数での脱出
状況開始・・・・・
焦げ臭い匂いと何かが腐ったような匂いが私の嗅覚を襲い急激に気分が悪くなった。HUDに表示されている情報を見た後、気分を無理やり奮い立たせ周りの状況を確認するとそこは・・・地獄だった
パトカーや映画でよく見るS.W.A.Tを運ぶ車がメインストリートを塞ぐようにして並んでいたが、警官の姿はどこにもない・・・いや、警官「だった」肉片はそこら中に転がっている。どうやら腐ったような匂いはこれが原因ようだ。パトカーの何台かは炎が車内から吹き出しており焦げ臭い匂いの正体も突き止める事ができた。
ふと、パトカーのボンネットを見るとAK47とマガジン9個が綺麗に並んで置いてあった。
(もう少しシチュエーションに準じた出し方でも良いと思うんだけどな)
そう思いつつ、マガジンポーチに弾倉を入れてAKの弾倉内を確認してみた。全発入っているのを確認した私は周囲の警戒をしつつ北に向けて進んだ。十分後、ヘリコプターの音と大量の車の音が遠くから徐々に近づいてくるのに気付いた私は近くのガソリンスタンドの店内に押し入った。店内を素早くクリアリングしていると奥からガコっという音がして私はそこに銃を向けたまま小走りで尚且つ音を極力立てずに近づくとそこには、扉に寄り添うようにして倒れている死体があった。その死体は片手に拳銃を所持しており自らの頭を撃ち抜いた痕跡が見受けられた。
死体は頭部の重要な器官を的確に撃ち抜いているので感染の心配は無いと判断し、扉に目を向けた。そこには血で以下の文字が書かれていた。
『私は噛まれた、娘も噛まれた。抗体を持っていると信じる。奥の部屋に閉じ込めた』
どうやら親子らしい。私は死体を退かして辿々しい文字の書かれた扉に向かって声をかけた
「私は怪しいものではありません。君のお父さんからの遺言で助けに来ました。生きていたら返事をしてください」
そう問いかけたが返事はなかった。そのかわりガコガコカゴ!っと扉を強く叩く音がして中の娘はすでに感染してると判断した。扉の開く方とは反対の所に陣取って扉を勢いよく開いた。すると中から素早い動きで「感染者」が一体飛び出てきた。
私は日頃訓練しているように照準を首と頭に間に向けて発射。2発の銃声とそれに付随するフラッシュが止んだ後、そこには動く物は私以外いなかった。
感染者だった死体を確認するとこれが娘の成れの果てだと確信した。気分が少し重くなったが、一時的な安全地帯となったガソリンスタンドの窓から顔を覗かせて騒音の状態を確認すると、全部で20台の車列と無数のヘリがウォーレンストリートを横切って行くのを確認した。私は車に書かれていた名前を見て驚愕した。
そこにはこう描かれていた
「U.B.C.S」
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タンゴ小隊第2分隊隊長アンドリュー・フェルト
1998年9月28日19時45分
ラクーンシティ郊外上空
「・・・分隊長、ほんとにこの作戦はほんとに大丈夫なのか?なんだか嫌な予感がするんだが・・」
ヘリコプターのローター音が煩い中、ヘッドセットのマイクを使って話しかけたのは、私語の少ない衛生兵、バーク・スペクターだ。
「大丈夫なはずだ。今回の作戦は暴徒の鎮圧・・・俺らの武器で一網打尽にすれば良い簡単な仕事だと思うぞ?」
「間違いねぇな」
俺の返信にジミーが答えると全員がクスクス笑った。俺達タンゴ小隊は全員が特殊訓練を受けている。それも世界的大企業アンブレラ社の潤沢な設備によってだ。つまり何が言いたいかというとこの任務は「子供を大人が数人がかりで殺す程度」の認識でしか無い。他の小隊のロリコン野郎もきっと影で子供を犯す程度には余裕ぶっこいてる事だろう。
「なんだか嫌な予感がするがそれが気のせいか?・・杞憂だと良いが」
楽観的な考えをしている俺達を他所に1人だけ歯切れの悪い返事をしたバークはそれっきり黙り込んだ。
『おい、犯罪者共。もうそろそろ降下ポイントにつくぞ!準備しろよ』
ヘリパイロットからの無線で俺らは左右の扉を開いて降下に備えた。
眼下に広がる景色は・・・戦場だった。
息を呑む俺を他所にヘリは着実に降下ポイントまで進んでいくが、ここで事件が起きた。
『なんだこのカラス共は?!頭がおかしいのか?!』
ドドドという音が連続的に聞こえたと思ったらヘリコプターのバランス制御が不安定になり、ヘリ本体が回転しながら降下していった。俺とバークは堪らずヘリの手すりに捕まって身体を固定しようとした。
「おい操縦士!どうなってやがる?!」
『カラスの群れがヘリに体当たりしてきやがった!ローターにも当たったみたいだ!墜落するぞ!』
俺の問いかけに対する返事に「おい、マジかよ」とバークは呟いた。ジミーとダイゴは、座席のフチを掴んで落ちないようにと必死にしがみついているが恐れていた最悪の事態が起きた。
掴んでいた手すりが千切れたのだ。千切れてバランスを失った俺が外に放り出されようとすると「分隊長!」と叫んで伸ばされた俺の手をがっしりと掴んだバーク。しかし、バークの掴んでいた手すりも千切れて2人共々外に放り出された。
SideOut
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ヘリの隊列の内一機がローター部分から煙を出して墜落したのが見えた。あれでは生存者はいないだろうと踏んだ私は、車列が通り過ぎるのを待って行動を開始した。ガソリンスタンドの扉をそっと開けて外に出た私は隊列が向かった方向とは逆の場所、つまり北に向けて歩いた。
通り過ぎた車とヘリ以外にも同様の編成をした部隊がラクーン全域に展開しているので町中から騒がしいぐらいの銃声が鳴り響いている。私は急いで通りを駆け抜けて「ラクーンストリート」と書かれている幹線道路に出た。そこでは50名以上のU.B.C.S隊員が感染者と交戦しており、感染者の集団に向けて弾丸を発射していた。しかし隊員達は何発撃っても倒れない奴らの包囲網に囲まれており、程なくすると感染者が50人追加されることは容易に想像できる。
私は彼らを援護するために大声で叫んだ。
「感染者は頭を撃てば死にます!頭を撃ってください!頭!!」
その声に気づいた数十人の隊員が胴体の攻撃から頭部の攻撃に切り替えた様で感染者の集団はその数を徐々に減らしていった私もAKを1発1発確実に撃ち込むように弾丸を発射して奴らを掃討した。
マガジン1個、最初に撃った2発を除いた28発の弾を消費した段階でU.B.C.Sを包囲していた感染者は居なくなった。隊員達はバラバラに散って奴らを処理し出した時に私に近づく存在に気付いた。
「助言と援護を感謝する。俺はデルタ小隊隊長の「ミハエル・ヴィクトール」。我々はラクーン市民の救出任務の命令を受けて出動したU.B.C.Sだ。アンタは俺たちが守るからもう安心だ。市民救出の為のヘリは時計台付近に展開する予定だから、その間はこの通りに本部を設置して待機してもらう」
「いや、その心配には及びません。私も個人でこの街の惨状を知って駆けつけた者ですので・・・私はU.B.C.Sの手伝いを単独でするのでそちらの手を煩わせるようなことはしません」
そう言って、眉を潜めたミハイルを背に東に進んだ。
「おい、いちよう俺らは可能な限り生存者の救出を行うつもりだ!勇者殿がご帰還したい時にいつでも戻ってくれて構わないぞ!」
多少の皮肉を混ぜ込んだ言葉を受けて私は銃声轟く地獄へと歩き出した。
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第2分隊隊長アンドリュー・フェルト
1998年9月28日20時20分
グットストリート南部
ブラックアウトした視界が徐々にもとに戻って周囲の状況を見ることが可能となった。
急いで墜落現場に向かって仲間と合流したいところだが、焦ってはいけない。自身の思考がまだ正常ではない時に行動を起こすとろくなことにならない。なので、俺は息を潜めて首が回る範囲の状況確認に勤しんだ。
どうやら俺はヘリから投げ出されて民家に落ちたらしい。どうもこの家は家庭菜園を嗜んでいたようで、その土が俺の命を救ったみたいだ。現在の体制は仰向けに倒れており近くにはバークが倒れている。反応がないのを見るに意識を失ってるか、或いは死亡している可能性がある。
「おい、バーク!起きろ」
「うう・・・気を失って何分経過した?」
「分からん・・・唯一わかることは俺らは生きてるという事だけだ。個人携帯用の無線で通信したいが誰も応答しない。恐らく通信範囲外だろう」
「そうか・・・見た感じ俺と分隊長に怪我はないようだ・・・これからの事を聞かせてくれないか?」
「大まかな任務は変わらず生存者の救助だけだ。サブ目標に分隊員との合流が追加するぐらいだよ。」
俺はそう言って立ち上がると落下した家の中を探索した。幸い家の中に暴徒共は1人もいかなかった。後から入ってきたバークと協力して家の中で使える物を探したがこれと言ったものは見つからなかった・・・この事態についての興味深い記事は有ったが、それを無視して家から出た。この家は小道沿いに建てられた家のようで無音映像だけなら平凡なごく普通の夜道としか見えない。
「これが普通だったらな・・・」
「何か言ったか?分隊長」
「いや、何でもない・・・取り敢えず大通りに出て現在地点の確認をするぞ」
「了解」
彼らの戦いは始まったばかりだ