【凍結】1st Saga バタフライエフェクト   作:ジュネープ

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さて、君はどんな事をするのか、楽しみだ


マルハワデザイア
ACT15


 

意識を手放した後はまるで夢の中にいるかの様だ。今だって一瞬前の記憶が夢の中の出来事の様にほんわかとしている。

人間では到底獲得しうることのできない記憶を脳に流し込まれからなのか常にそうなっている。

 

何故こんな事になっているのか?それを考えるだけの情報を持った脳はその答えを一瞬で答えを導くことができた。キャパシティオーバーの状態で常に何かしらの情報が入っている事がこの状態の原因だと確信した。

 

記憶を定着させる為に1人で洞窟に閉じこもった事があった。しかしその状態は改善される事はなかった。

人間とは何もしていなくても・・・1人でいたとしても常に何かしらの情報を無意識下で感じている。

 

気温、湿度、視覚、思考・・・・これらは人間が人間である為に感じることの出来る機能の【一部】・・・そう一部なのだ。

 

歩いていただけでも

寝ていただけでも

廃人になったとしても

 

 

 

 

現状が改善できなければそれに慣れるしかない。その為に私は自身の個性を犠牲にしてこの問題を解決した。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

立花光雄

 

 

 

基地司令との顔合わせから翌日の9:00。

 

 

沢山の職員やその他の人・・恐らくエージェントが頻繁に行き来している通路を歩いていた。

 

 

基地司令との顔合わせ後に送られてきたメールにはエフェクトの実習の時間と部屋が記されていた。それを頼りに通路を進んでいるとある一室の前で立ち止まった。

 

 

「ここが講習室か・・・」

 

 

入室するとそこは5人入ったらぎゅうぎゅう詰めになりそうな小さな部屋だった。机と椅子が部屋の中央に設置されており、机上には【極秘】と書かれた資料と見慣れないリングが置かれていた。その先にモニターが起動しており【No Signal】と表示されてる講習室というより少し広い独房の様な雰囲気だった。

 

 

取り敢えず席について開始時刻まで暇を持て余していると目の前にある資料が気になって仕方がない。

 

「・・・エフェクター講習1?」

 

 

司令が言っていたエフェクターとしての講習・・どうやらすぐに終わるようなものではないらしい。これから始まる講習が難しすぎないようにと祈りながら室内に設置されている時計は指定された時間に達した。

 

 

ピッ

 

 

間の抜けた・・前方のモニターに映像が出力される音と共に画面は白一色に染まった。講習はビデオで行うのかと当たりをつけて姿勢を整えると画面に集中した。

 

 

『この講習では諸君らエフェクターを育成する為に必要な基礎部分の教育を行う。教育期間の終了判定は各々が行い、支給された端末から司令官宛にメッセージを送るように・・・では講習を始める』

 

 

各々で自己管理を行う必要がある事に多少の驚きはあってもフリーランス時代と大差無いので集中して講習を行った。

 

 

 

 

以下講習映像から抜粋・・・・

 

 

 

『ニーチェが提唱した永劫回帰。世間一般で難しい言葉で論議されてきたが、組織内での共通認識は【自我を別世界に移す行為】である。エフェクターは自身が存在する時間軸内で意識を別の時間軸の自身に移行する事が可能となる。』

 

 

『もっと簡単に表すと一部のゲームに存在する残機と呼ばれるシステムの事である。それらの機能を使用するためには卓上に置かれているリングを使い脳内で【起動、またはそれに準ずる言葉】を思うと発動できる・・・』

 

 

文字だけの画面が切り替わり【effector】と頭上に表示されている男の絵が表示された。男の絵は【start】、【起動】、【on】などのセリフが表示されては消えてを繰り返していた。

 

『この機能を使う上で注意して欲しい事はエフェクトを使用する前の世界を【破棄】しているという事を心に刻み込んでください。』

 

男の絵の横に長方形を5つに区切った図形が表示されると同時に男の大きさが縮小した。

 

『現在エフェクターが存在する世界Aから別の世界Bに移動した場合、次の世界でエフェクターが指定した時間に意識を出現できます』

 

男の絵が区切られた長方形の中のAと書かれている位置からBの位置に移動した。

 

 

『移動元の世界は存在自体が抹消され、世界や次元の摂理に重大な問題を発生させる可能性がありますので注意してください。』

 

 

 

 

講習は掴み自体は簡単に説明していたが後々になると高度なものになっていった。途中、座学では理解できない内容が出てきたが気合いで覚えた。

 

 

そんな生活が1週間経過した際、ついに自分で納得できるレベルまで知識を習得することが出来た。

 

 

「取り敢えず司令官にメッセージを送らないと・・・」

 

 

【お疲れ様です。指定された講習内容の習得が終わりました。次の講習の指示をお願いします。】

 

 

【講習ご苦労。次回の講習は翌日の13時から行う。実践を兼ねた講習なので持ち出す装備については当日までに選定しておく事。】

 

 

 

「・・・せめて1日の休暇をくれても良いと思うが仕方ない。武器に関しては司令官との顔合わせ以前に使っていたAKと適当な拳銃でいいか」

 

 

誰も居ない講習室でそう呟くと私は夕食を食べずに部屋に戻ってベットに倒れ込んだと同時に私の意識はプツリと途絶えた。

 

 

 

 

翌朝・・・と言っても地下にある施設の為に余り時間の感覚がないが、私は目覚ましのアラーム音によって意識を覚醒させた。銃の訓練をしようにも今日行われる訓練で嫌というほど触る羽目になると思い、支給されたデバイスから組織のデータベースに基地司令権限でアクセスして面白い物が無いか漁ることにした。

 

「男士の夜に彼岸島事件・・・ね。日本でもバイオハザードが起きる可能性は十分にあったわけだ」

 

 

 

データベースには60年代に発生した男士の夜事件と雛見沢壊滅事件の他に私の知らない【彼岸島】という島で起きたテロ事件の詳細とエージェントが記録していた映像が映し出されていた。一般人だった時は表の報道を信じ込んでいたが、一般人ではなくなると今まで見えてこなかった情報を好きなだけ見る事ができる。犠牲になった方々には申し訳ない気持ちはあるが一種のエンタメとして指定された時間の1時間前まで楽しむことが出来た。

 

 

 

 

 

「君が今回研修を行うエージェントか。俺の名前はヨハンだ。今回参加する作戦の内容は理解してるか?」

 

 

目の前で手に持っている武器・・MP5にサイレンサーを装着している人当たりの良い中東系の若者が私に向かって挨拶してきた。

現在地はナイトホークと呼ばれるヘリコプターの中に彼と二人、振動に揺られている。こうなったのは今から2時間前に遡る、、

 

 

 

ーーーーーー

2時間前

 

 

集合時間の5分前に目的の部屋に到着した私は入室をためらった。と言うのも部屋の横に表示されている電光プレートには【作戦準備室】と記載されているからだ。

 

(問題はないはずだ・・・よし)

 

 

意を決して入室した。そこには基地に初めて来た際に少し話しただけの女性。ヤン・メイリンが資料を手に私のいる方向を見ていた。

 

 

「久しぶりです。立花光雄さん。研修の説明を行いますのでそちらの椅子にお掛けください」

 

 

和かにそう言った彼女に促されるまま、席に座った私はここに来て数日ぶりに出会った彼女に挨拶をした。

 

 

「ヤンさんもお久しぶりです。もしかして貴方が講師を務めるのですか?」

 

「いいえ、私は講師ではありません。司令部勤の総合オペレーターです。こう見えて幹部なんですよ!」

 

そう言って胸を張った彼女を微笑ましげに見た私は早速本題に入る様に促した。

 

 

「そ、そうです!本題です本題・・・光雄さんは【必須スキル】の座学を納めたと思いますので実習を行うという認識でよろしいですね?これから光雄さんには本部付きの新米エージェントとして各地を回ってもらいます。十分な経験を積んだら支部指令として司令官から任命状が授与されるので頑張ってください。これまでの説明で何か質問はございますか?」

 

 

「新米エージェントとして活動する事は承知しました。しかし、右も左も分からない私はどの様に活動すれば良いのか分かりません。」

 

「それについては、ミッション毎に経験豊富なA級エージェントとバディを組んで任務を遂行してもらうので問題ございません」

 

「それなら安心です。私からの質問は以上です」

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

それからたった3時間後にはナイトホークの機内に装備一式と共に揺られているのは急すぎると思う。

 

 

「すいません。詳細に覚えてる自信がないので説明をお願いします」

 

「OK。それと、こんな畏まった言い方をされちゃ俺の気が休まらねぇ、タメで話そうぜ新米」

 

 

戯けた口調で私に答えた彼の雰囲気が一瞬にして変化した。どうやら公私混同を避ける人のようだ。

 

 

「今回の任務は世界的に有名な【マルハワ学園】で事件が発生しそうだという情報を入手したから部外者である俺らが教師として学園に潜入する。もし、仮に【対】が発生したり、介入してこなかった場合は事件を秘密裏に解決するか、その場から即座に離脱する。偽の身分証明書はさっき渡した物を確認してくれ、それと学園に潜入するにあたっての表立っての役割についての資料は司令部から端末に届いているはずだから確認してくれ・・・・あくまで教師として角が立たないように行動するんだぞ?」

 

「説明ありがとう。以前に仕事の関係で学生に授業を行った経験があるんできっと大丈夫だよ。」

 

早速崩した言葉で返答した私に彼、【ヨハン・ミン】はニヤリと笑いかけると目を閉じた。

 

「・・・Jin Tamuraねぇ・・」

 

渡された身分証は偽名が刻印された磁器カード。今から行くマルハワ学園の経済力が伺える上品な物となっていた。

 

 

 

ーーーーーーーー

マルハワ学園

校長室

 

 

 

「ごきげんよう。私はマルハワ学園の校長を勤めているマザー・グラシアです。」

 

「ご丁寧にどうも。私はジン・タムラです。」

「アレクセイ・ドゥガチです。」

 

 

修道女の様な装いで出迎えたのはこの学園の理事と校長を牽引している絶対的なトップ。

マザー・グラシアだ。

 

50代とは思えない程ツヤのある肌はまるで精巧な人形の様で、惚れ惚れする。

 

 

「ジン殿とアレクセイ殿には欠員の出た数学の教師と保安要員になってもらいます。案内を付けるので明日の9時までに、雑務を終わらせて下さい」

 

何か質問はないかとその後言われたが、特に無いと2人して答えた。

 

ここからの日常は取り止めのない物で、生徒達の質問に答えつつ庶務をこなす日々だった。

 

 

 

あの出来事が起こるまでは

 




長々とお待たせして申し訳ありません。就活も終わり、引越し準備に追われ、今日まで投稿できずじまいでした。とうとう主人公がバイオの外伝とはいえ時系列の中に介入していきます。
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