【凍結】1st Saga バタフライエフェクト   作:ジュネープ

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ACT:5

朝の7:00に目覚めた私は風呂に入り朝食を食べに食堂に向かった。

食堂では聡子さんと使用人の加藤さんが、一緒に朝食を食べており、私を視認すると「光雄さん。おはようございます」と声をかけてきた。私はそれに答えて用意されている朝食を食べた。ベーコンエッグに味噌汁と白米、サラダという献立で、ゆっくりと味わって食べた。

 

「そういえば光雄さん。今日から本部に研修に行くらしいようね。準備は出来てるかしら?」

「はい、私の荷物は大した量ではないのですぐに纏める事ができました。後は指定の場所で護衛を待つだけです」

 

私の返答に「そう」とだけ言って彼女はコーヒーを飲んだ。

朝食を食べ終わった私は日課になりつつある新聞での情報収集を行った。

 

『滝園学園女子バスケットボール部救出』

・先月31日より行方が分からなくなっていた滝園学園女子バスケットボール部の部員14人の内1名を今月20日に救出したと山梨県警から発表があった。同校バスケ部は合宿の帰路で行方不明になっており大規模な捜索隊を結成したが、今月15日には生存は絶望的として捜索の打ち切りを発表していた。部員1名を救出した場所は山梨県と長野県の県境に位置する森で、行方不明になった長野県の森林から徒歩で山梨県に入ったと思われる。現在少女は衰弱しており体調が回復次第、事情聴取を行うとの事だ。「やっと行方不明の残り13人の安否を確認出来る」と被害者家族の1人であるK夫妻は 嬉しそうに語っている。

 

 

『関東和平会、内部抗争か?』

 

先日23日より、指定暴力団関東和平会下部組織「鷲峰組」と同下部組織「香砂会」が不穏な動きを見せていると、警視庁暴力団対策課の広報官が言及。更にロシア系マフィアの日本進出も懸念される昨今の裏社会情勢を鑑みて警視総監は巡回する警官の数を増やす事を決定した。この緊張状態は市民の暮らしにも影響しており、今後の動きに注目したい。

 

 

今月に入ってからあまり目にすることのなくなった行方不明事件が解決する話題よりも目を引いたのは暴力団同士の内部抗争に関する記事だ。

実は私に届いた報告書には新聞記事に書いていた通りの内容に加えて、ロシア系マフィア「ホテルモスクワ」が、「鷹峰組」との取引を口実に日本進出を狙っていると書かれていた。ホテルモスクワはタイに拠点を置く組織で、バークリックがこの件に絡んでいるだろうと私は考えた。彼が絡んだとしても私はこの国から他国に行くので手のうちようが無いが、私としては日本に有利に事を運んでほしいと思う。

 

12時になるまでに私はバークリックに渡す引継ぎ資料を作成して、これから他国に行くのを考えて胃の中に食べ物を詰め込んだ。13時になるまで加藤さんの運転する車に乗って指定された場所に向かった。そこは、山道を抜けた先にある平原で加藤さんにお礼の言葉を言って車を見送った。それから少し待っているとヘリコプター特有のローター音が聞こえてきたので空に目を向けてみると、昨今話題になっているオスプレイが降下してきた。ヘリコプターは着陸するとハッチが開き、中から東南アジア特有の肌色をした人物が現れた。

 

彼が何を言っているか騒音で聞き取れなかったが、身振りで入れと言っている事は理解したので荷物を手に機内に搭乗した。指定された席に座ると彼は自身がつけているヘッドセットと同じ物を私に差し出してきたので、私は装着した。

 

「聞こえるか?俺はヨルン・ミン。司令の護衛を務める事になった。これからのことを簡単に説明するぞ。」

 

そう言うと確認するように私に目線を向けてきたので私もヘッドセットに応答した

 

「聞こえますよ。言ってください」

「大丈夫そうだな。本部まではセブ島での補給を行なって行くから大体早くて15時間ぐらいかな?移動の時の服装は自由で良いが着く時には制服を着用するようにとの指示だ。そして、総司令部からステキなプレゼントだ」

 

そう言って彼は一枚のカードを渡してきた。パッと見はクレジットカードの様だが、デザインが太陽系の影響なのが珍しい印象を受ける。

 

「これは組織が司令官向けに発行しているキャッシュカードだ。任務内外問わず日本円で月2000万まで引き出す事ができる。世界中のATMから使えるからこれで楽しめって事だよ」

「・・・給金を貰ってるのにこんなに使えるんですね・・・正直この組織を過小評価していましたが・・・使える設備を考えたら妥当かもしれませんね」

 

驚く私をニヤニヤと見つめていた彼は「まぁ、長い旅路だ。気長に行こうや」と言って眠りについた。

 

それを見ていた私は離陸してセブ島に向かう機内の中で本当に大丈夫なのかと心配になっていた。

 

そんな時に組織から支給されていた通信端末にメッセージが届いた。送信した人はバークリックのようで内容こう書かれていた

 

『「対」について』

 

つい先ほど、「ガルーダ」で監視していた「対」が日本に向かうと報告を受けました。引き継ぎ書を貰ってるので問題はありませんが、まだ貴方は日本支部「リライター」の責任者です。なので、これから行う作戦行動に異議のない場合は返信せずにお願いします

 

 

と言う文だった。私としては業務を行っているだけの彼にとやかく言うつもりはないので、返信せずに端末をポケットに入れて、本を取り出して読み始めた。私が読んでいる本はコナン・ドイル著「恐怖の谷」だ。彼の作品は基地に入るのに必要な手順を踏む為に必要不可欠な物だと認識していたが、ふとした拍子に本の内容が気になって見てみると、彼の織りなす世界にのめり込むようになってしまい、最近では仕事終わりの時間に読む事が多くなっている。今の歳になって本にのめり込む様になったのは年相応の事なのかは分からないが、今こうして時間を潰す事は出来ている。最も本はこれだけではなく、他にも数十冊の本を持っているが、飛行時間を考えると妥当な選択だと思った。




基本的には著作権フリーの本をどんどん出していこうかと考えてます。
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