【凍結】1st Saga バタフライエフェクト   作:ジュネープ

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ーーーはぁ、はぁ、はぁ、人間風情が私にたてつこうなどと思うなーーー

バタフライエフェクトを見せ物のようにしているお前を許せるわけがない!

ーーーなんとでもいうが良い・・さて、彼はどの様な事をするか楽しみだーーー


ACT:7

「機長です。当機はこれより着陸態勢に入ります。」

 

素っ気ない声が聞こえると同時に私は本の世界から現実へと引き戻される感覚に陥った。私自身ゲームや本を見るとその世界に入り込んで時間を忘れてしまう事が多々ある。今回はそれが良い方向に転じたようで、体感時間としては1時間ぐらいで済んだ(実際は7時間も過ぎていた)。

 

外から基地を見た感じはとてもじゃないが此処に本部があるとは思えないほどの鬱蒼とした雰囲気で何処か不気味な感じを与える印象だ。しかし、ヘリが着陸のために降下していくと、地面と同化していたハッチが左右に割れてヘリポートが下から押し上げられた。これには私も目を見開いて驚愕の表情を浮かべた。

 

「おいおい、いい歳こいて大袈裟に驚くなよ。司令官殿?」

「いやはや・・・何というか、まるでサンダーバードの秘密基地みたいですね・・いやぁ、凄い。この歳にもなってワクワクが止まりませんよ」

 

ヨルンの馬鹿にしたような言葉を一切気にせず私はありのままの感想を口にする。

動じていない私を見て当てが外れたような顔をしている彼が「身嗜みをきちんと揃えろよ?」とだけ言って視線を機内に戻した。私はその言葉の意味する事を瞬時に理解して何とか着陸前に着替え終える事が出来た。

 

身嗜みを整えて外を見てみると、いつの間にか着陸したヘリがヘリポートごと下に降りて行くところだった。下に下にと降下していくヘリポートは最初こそ、分厚い装甲部分しか目の前に無かったが5秒ぐらいしたら、とても大きな場所に降りたった。

 

底は人工的に作られた大規模基地のようで、まるで私が少年時代に見ていた機動戦士ガンダムのジャブロー基地を彷彿とさせているが、ジャブロー基地のような洞窟の中に作られま基地ではなく、キッチリとした四角形のとても大きな空間なのがジャブロー基地との大きな違いだ。

 

ヘリのハッチが開くのを確認した私は帽子を被り、基地に降り立った。

 

「ようこそ、立花光雄さん。私は「アドミニストレーターアジア方面総司令部」所属のヤン・メイリンと申します。今日は時間も遅いので翌日の13時に総司令官と面談させる様に仰せつかっているので、貴方に割り当てられた部屋に案内します。ついてきて下さい」

 

彼女・・ヤンさんは活発そうな顔とショートカットの髪がとても似合っている中国系の人だ。彼女は屈託のない笑みを浮かべて私を基地内へと案内した。

 

道中色々な施設があったが、私は彼女に質問をする事にした。

 

「ヤンさんにお聞きしたいのですが、「アドミニストレーター」とは一体何でしょうか?」

「ここで研修を受け始める司令官は全員が同じ質問をしますよ。立花さんは他のエージェントや各支部の司令官が「組織」と呼んでいるのが自分たちが所属している所というのは理解してますね?彼らは機密保持のために総司令部以外でこの名称を言う事自体が禁止されているのです。」

「成る程・・・つまり「組織」が『アドミニストレーター』という名称なんですね。ありがとうございます」

「因みに私たちは名称を端折って「アドミン」と呼んでいます。どちらかと言うとこの名前の方が良く使われているので、私はこれを推したいですね。」

 

そう言って前を向いたままクスクスと笑った彼女はとても若く見えたので年齢を聞いてみると「24歳」と言う事がわかった。

 

「私の年齢でここに配属されるのはとても珍しい事みたいです。同年代の方が誰1人としていないので私としては少し寂しいですけどね・・」

「これはまた・・・大変ですね。ちなみにアドミンにはなぜ入ったのですか?」

「私はスカウトで入りました。何故アドミンに入れたのか分かりませんが、入ったからには精一杯頑張るつもりです!」

 

そう言って私に笑顔を向けた彼女は若い人特有の瑞々しさと青さを感じさせる顔だった。

 

「ここが研修期間中、立花さんが暮らす事になる部屋です。基本的に顔認証による自動開閉なので、顔の5割以上は露出して入って下さいね。食堂は朝は7〜9時、昼は12〜14時、夜は16〜22時まで開いていて、食べたい物はここに来る前に支給されたキャッシュカードで購入する事が出来ます。自炊が好きな方もいらっしゃいますので、自分でご飯を用意する事も可能です。生活に必要な設備は取り揃えていますが、何か不自由があった場合は遠慮なく言って下さいね!」

 

そう言って彼女は私にピースサインを向けると何処かへ向かって歩いて行った。

案内された部屋は1Kルームで自炊などが出来る様にキッチン設備が一通り揃えられている。冷蔵庫を開けるとビールや清涼飲料、水、固形栄養食が大量に入っており、私は固形栄養食とビールを2本取り出し3分でビールを空にさせた後に眠りについた。

 

 

翌日アルコールを摂取したのが原因で7時に起床した。気分はやや悪いが、シャワーを浴びる事で通常状態に移すことに成功した。その後、私は制服を着用して食堂に向かった。

 

「restaurant」と書かれた扉を開けると目の前に広がっている光景に驚いた。てっきり学校の食堂の様に簡単な作りの食堂だと思っていたが違った。まるでカフェテラスの様にゆったりとした作りに落ち着きのあるモダンな内装。BGMに小鳥のさえずりと、適切な音量のテレビ、小川の流れる音が心地よく耳に入ってくる。リラクゼーション効果も期待できそうな食堂には圧倒された私は扉の前で暫し立ち止まって感心していた。

食堂では小型の端末とカードリーダーが備え付けられた多種多様なテーブルが設置されていて、1人様のテーブルに座った私は早速端末を操作してみた。

 

暗転している画面をタッチするとメニュー画面が表示されて、「インド料理」「韓国料理」「イギリス料理」と多種多様な項目が出現した。適当に「モンゴル料理」を選択した私は見たことも聞いた事もない名前の料理名と写真がズラーっと並んでいる光景にゲンナリとした。バリエーションが豊富なのは良いが、1カ国の料理だけでこれだけの量を取り揃えているのは返ってテンションが下がってしまう。何を注文するか迷った私はふとある項目に釘付けとなった。

 

「料理診断」

 

名前からして今食べたい料理を注文してくれると言う事だろうか?考えても仕方が無いのでこの項目をタッチすると、10問程度のアンケートが表示された。それを埋めて送信ボタンを押すと「ケバブ(ヨーグルトソース)」と「緑茶(冷)」が表示された。嫌ではないので注文ボタンを押して、カードリーダーに組織からもらったカードを触れると「ッピ」という音と共にタッチパネルが暗転した。暫く待っていると、テーブルの中央が左右に開閉して下から私が頼んだ商品が押し出されてきた。まるで未来の世界に来たかのような小さな興奮と共にケバブにパクついてこれからのことを考えた。

 

(今の時間は7:15分。13時までだいぶ余裕がある。施設を回るのも一興かな)

 

今後の方針を立てた私はケバブをお茶で流し込み、食堂を後にした。

 

 

通路をあてもなく歩いていると、目の前に電光掲示板がある事に気づいた・・・いや、電光掲示板では無い・・・これは3D、AR?何にせよ私の知らない最新技術で作られた案内版のようだ。それに触れると「ウェルカム立花光雄」という日本語と共に館内マップが出現した。ここに来てから驚いでばかりだが、面白そうな場所はないかと舐め回すように見ていると興味深い場所を発見した。

 

「仮想現実訓練室」

 

仮想現実の訓練場とは何のことか分からないが、珍しいものに目がない私はマップを基に目的地に歩を進めた。

 

「ここかな・・・」

 

私は「Virtual reality training room」と書かれている部屋に入った。

 

「何だ・・・この広さは・・・」

 

まず私が驚愕したのは部屋の広さだ。私がいる地点から見通しの良い一本道の左右に部屋が効率よく敷き詰められている。それぞれの部屋の中を見る事ができないが各部屋の壁にはデュアルモニターが取り付けられており、一方に入室している人物の顔写真と名前が、もう一方にその人のアイカメラだろうか、臨場感のある映像が流れている。そんな部屋が敷き詰められているからか、奥行きがありすぎて霞んで見える・・・5キロは余裕で超えてると考えた私は近くにあるマップと備え付けの端末に手を伸ばして確認した。

 

その端末には「説明書」という項目があったのでクリックすると次の文が現れた。

 

『この施設は司令官やエージェントの訓練場として作られた施設です。100km × 100kmの敷地に様々なシチュエーションのフィールドデータをインプットしており、使用者はこれを利用して様々な場面に対応できる能力を培う事が出来ます。使い方は、当端末の『利用』をクリック、スキャン画面に切り替わったら個人情報カードをかざして下さい。認証されると利用可能ルームが表示されるので利用したい場所をクリックして次に表示される細かな条件を設定して下さい。全ての設定が完了したら端末に表示されている番号のカートに乗り込んで当該ルームに案内します。ルーム前に着いたらアイカメラ付きゴーグルがありますのでそれを着用して部屋に入室して下さい。訓練終了時に、希望者にデータとして訓練映像のファイルを送信します。』

 

取り敢えず私はアンドリューの経歴にあったラクーンシティのマップを選択した。そして設定項目の敵を「Tウィルス感染者」と「BOW(1990s)」を選択。装備は白のワイシャツの上に軽量プロテクターを装着して、隠すようにスーツを着用してAK47とマガジン9個を選択、表示されているカートに乗り込んだ。

 

カートの移動速度は尋常じゃないスピードで平坦な道を走っているだけなのに相当なGが体に襲いかかった。しかし、当該ルームには12秒ぐらいで着く事が出来たので私としては効率の良さより乗り心地を何とかしてもらいたいと思った。

カートから降りたら先ず部屋の前に置いてあったグラスをかけて入室、すると部屋全体に響く女性の声で「目の前に表示されている地点まで歩いて下さい」というアナウンスが響いたのでそれに従って歩を進めた。所定の位置に着いたら再度アナウンスが流れて「後10秒で世界の構築が終わりますので目をつぶって待機して下さい」と言っていたので言われた通りにした。

 

「さて・・・あのラクーン事件を体験する事が来るとは夢にも思わなかったな・・・アンドリューの言っていた「地獄」を体験しようじゃないか」

 

 

 

 

 

 

世界が変わる




バイオに登場させる違和感のないキャラを考えていたらこのキャラが出てきました・・・正直言って彼、彼女達は何にでも使えますね。さすが教科書の登場人物。


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NAME:ヤン・メイリン
AGE:24歳
SKILL:言語理解能力、護身術、簿記、計算技能、秘書
CAREER
中国生まれ。幼い頃は英語と理科、体育などの成績が良かったが、大学に入学してからは、これと言った実績も無かった。しかし、組織のあるスカウトによって加入。本人に何故スカウトされたのか自覚は無い。スカウトした当人にも理由が分からないと言われている謎の人物

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