<Infinite Dendrogram>~クソゲーハンター、クソゲーに挑まんとす~ 作:折本装置
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□■天地 征都
ここ、天地の国とは修羅の国である。
常に内乱を起こしており、名目上【征夷大将軍】がトップに立っているものの、ほんの少し何かがあれば、それすら取って代わられかねない。
数多くの戦闘系超級職を、常に国のどこかで誰かが持っている。
殺し合いになり、超級職に入れ替わりが特に多いのもこの国の特徴である。
かの【覇王】でさえ、天地を落とすのは難しかったのではないか、と言われているほどだ。
さて、そんな血の気の多い天地だが、常に戦闘ばかりしているわけではない。
生きるために、食料やアイテム、装備品を生産したり。
--諜報活動をしたりする。
「ご注文は?」
「伊達巻一つ」
「酒はいるかい?」
「いらないよ。水をおくれ」
「……よし、一番奥の席にどうぞ」
彼女ーー柚葉も、その一人だった。
とある大名家の子飼いの忍者団、その一員。
すでにカンストした身であり、一部の超級職に就いたものを除けば、絶対的な強者である。
ただし、天地でなければ、という枕詞が付くのだが。
そうして彼女は席に座ると、壁を押した。
直後、いわゆるどんでん返しといわれる仕掛けが発動し、彼女は隣の隠し部屋へと移動する。
普通に考えれば気づきそうなものだが、隠蔽の魔術やスキルがふんだんに使われており、看破や探知に秀でた超級職でもなければまず見つけられない。
加えて、仕掛けが発動している姿を見られることもない。
彼女のメインジョブは忍者系統派生上級職【
女性であることに加え、【忍者】と【隠密】を極めることが、条件であるレア上級職。
偽装や幻惑による諜報と、強力な忍法による奇襲を得手としている。
この隠し部屋は、彼女をはじめとして隠形を修めた者たちが作り上げたもの。
これを突破できるものはいないと、柚葉は考えていた。
「きゃあ!」
--そして、その考えは、不正解だった。
(馬鹿な!何者!一体どうやってここを!)
「わわ、すごい!どんでん返しだ!」
入ってきたのは、一人の少女だった。
はちみつを連想させるような、綺麗な金色の髪を後ろで一つにまとめており、瞳も同じく金色。
ただし、顔立ちは天地のもののそれである。
端的に言えば、「東洋人がカラーコンタクトをつけて、髪を染めた」ように見える。
厳密にいえば、リアルをベースにキャラメイクしようとして、髪と目の色だけ変えた、というのが正解だ。
とっさに《看破》した柚葉だったが、その結果に驚く。
彼女は、ジョブにすらついていない。
《偽装》している、とも思えない。
自分たちとは真逆、
そうして、彼女は気づく。
少女の手の甲にある、刺青に。
「貴方、<マスター>?」
「あ、はい、そうです。私は
マスターなら口封じも不可能。
かといって隠れ家を変える権利は自分にはない。
そもそも<マスター>は規格外の力、<エンブリオ>を行使する化け物。
隠れ家を変えてもまた今回そうしたように、その力で特定してくるだろう、と柚葉は考えた。
実際がどうかは別にして、完全に手詰まりだった。
この秘密を広められないためには、
「紅音、あなた忍者になりなさい」
「……え?」
「返事は?」
「は、はい!ありがとうございます!」
忍者になりたかった紅音は、快諾した。
それが、彼女の始まり。
のちに忍者系統超級職へと至るもの。
”無闇”の二つ名で呼ばれる者。
一人の少女の物語が、ここから始まった。
To be continued
秋津茜ちゃんをすこれ!
秋津茜ちゃんカワイイヤッター!
by人気投票で秋津茜ちゃんに入れた人。
ほうれん草「……僕は?」
続きも書きたいですね、いつになるんだろう。
次回は本編に戻ります。