善セフィロスを目指したら三兄弟と戦う羽目になった   作:ハイキューw

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9話 迷惑な影

【神羅ビル70階 プレジデントルーム】

 

 

 

「ハイデッカー。……説明を」

 

社長室には2人。

息を切らせたハイデッカー、そしてハイデッカーを椅子に腰かけたまま問いかけるプレジデント。

語尾が多少強くなっているのは今回の報告がいつも以上に遅いから、と言うのもあるがそれ以上に想定していなかった事態の報告が上がってきたからだ。

 

 

「申し訳ありません。ただ、ツォンとの確認が取れました。間違いなく副社長が忍び込んだ族、ドブネズミを抑え・捕縛に向かっているとの事です」

「ふむ………」

 

 

プレジデントは椅子から立ち上がる事なく、ハイデッカーの報告を聞いて少し思考に耽る。

副社長は息子であるルーファウス。

 

とある事情で、ジェノン支社へと回していた筈だが……。

 

 

「利用できるものは全て利用。野心無くして向上はなし……、だが、その利用しようとしていた者達を捕縛に……抑えにかかると言うのが解せんな」

 

 

脳裏に掠めるのはハイデッカーの言う今回の侵入者同様のドブネズミ。

プレジデントの命を狙ったアバランチ(ドブネズミ)の存在の事だ。

 

そのアバランチに情報をリークする等して、魔晄炉を含めて幾つかの損害を被った。その責任を追及し、社長の座を早々に狙おうと言う魂胆だった筈。

 

息子は極めて優秀だ。だが、少し――――ほんの少しだけ、父親である自身を軽く見ていた節があった。そこに隙が生まれ、そして破綻した。

能力の高さは当然買っているし、事を起こしたとはいえゆくゆくは継がせる事も吝かでは無かったのだが……、それは事前に伝えてある。カリスマ性もあり、今後の神羅発展には欠かせない存在となっているから、仮に心情的に否定しようにも完全に排斥させるにはデメリットがあまりにも大きすぎる。

恐ろしい存在になったモノだ、と思っていた矢先での今回の件。

 

 

「愚行を悔い改め―――……と言う訳でもあるまい。あ奴の性格を考えれば、尚更」

 

 

以前事を起こした責任は既にジェノンへの左遷と言う形で果たしている。

それでも尚、自身の命を狙った連中の捕縛に自らが動くのかは解らない。絶対に何かがある、と睨んだ。

 

 

「ルーファウス……息子の動向を探らせよ。無論、可能な範囲で構わん。内部抗争なぞ誰も望んでおらんからな。……だが、無論その牙がドブネズミ側に向いている限りだ」

「はっ」

「して、監視の復旧はどうなっている?」

「………それが」

 

 

現在、確認出来ているのは壱番魔晄炉に侵入してきた6名、

そして路線D分岐点に3名。

 

全て目視での確認及び報告だ。監視カメラの全てを駄目にされている。

物理的に悉く破壊されたかと思えばシステムERRORが頻発して早急な復旧が不可能になってしまっている。

 

今日こそはと、舌なめずりし、意気揚々と構えていたスカーレットがギャンギャンと耳障りに叫んだり、一兵卒に八つ当たりしたりと色々と大変だった。……一番ある意味大変になるのは、プレジデントに報告をしなければならないハイデッカーなのかもしれないが。

 

 

 

「聊か骨の折れる案件となりそうだ。……早急に対処せよ」

「はッ!」

 

 

双方にとっても、長い長い夜はまだ続く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【壱番魔晄炉】

 

 

セロス特製《どくマテリア》で、警備システムの殆どをdownさせている事、加えて陽動作戦を派手に行っている事もあって人員的にも大分削れている。

 

 

「拍子抜け、ってもんだなぁおい! てめぇらがわちゃわちゃしてる間に、星の悲鳴の借りってヤツを返してやるぜぇ!!」

 

 

普段より倍増しで喧しい事になっているバレットは、右腕に愛銃を振り回しながら前進中。他の面子もかつてないくらいに楽な仕事だったので警戒心が揺らいでいた……が。

 

 

「気を抜き過ぎるな」

 

 

クラウドの【破晄撃】の一閃が飛ぶ。

剣士は近距離専門~とは限らない。強烈な剣圧・剣気を纏い振るった一撃は、高速で向けられた対象に放たれる。

 

丁度、バレットやビックス、ウェッジの頭上に有る警備兵器を切り裂いた。

 

 

「うぇぇ!? 何で何でっスか!? セロスの兄貴が全部やっちゃってくれてたんじゃないんスか!?」

 

 

がしゃんっ!!

 

ウェッジの丁度前に落ちてきたから、思わず飛びのいた。そのふくよかな腹部の割には機敏な動きをしていて、クラウドは思わず目を丸くさせた。

 

 

「セフィロ……、セロスをあまり頼りにしすぎると、いざと言う時自分で戦えなくなるぞ。立ち方も忘れてしまいかねない。最後の最後でモノを言うのは自分自身だと言う事を忘れるな」

「ぅぅぅ……、すまねっス、クラウドさん……」

 

 

クラウドはウェッジに手を伸ばして引っ張り上げる。

 

 

「おいおい、そりゃ反省文提出案件だが、実際どーいうこったよジェシー。ここらの警備システムは全部落ちたんじゃねーのか?」

「うーん……、あ、賢いかも?」

 

 

ジェシーが切り裂かれた警備兵器をマジマジと見ながら確信していた。

 

 

「これ、オンラインで繋がってないタイプだ。個々で独立して勝手に動くタイプの中距離連射型の警備兵器。回線で全部繋がってるヤツなら、セロスのウイルスで一網打尽に出来た筈なんだけど。独立してるからそもそも感染(・・)しないってことか。―――――まぁ、こんな旧型兵器がまだ使われてるなんて思っても無かった。供給とかその他諸々の運用費がかかりそうだし、そもそもメチャクチャ不便だし」

 

 

ジェシーは、バレットの胸をこつんっ! と叩く。

 

 

「でも見逃してたのは事実。クラウド居なかったら大変だったかも? こりゃ~私も反省文書かなきゃだね。バレットと一緒。誰に提出する? やっぱセロスかな?」

「うーん……セロスはそんなの貰っても嬉しくないって思うかなぁ。何なら『邪魔。いらん。燃やす。つーか、ゴミ焼却担当にするな』とか言って、即処分しそう。リーダーとして、最善のけじめのつけ方も、色々考え解かないとね? バレット。私だったら《コスモキャニオン》を奢るけどなー」

「ぐぬぬぬぬ」

 

 

先頭に居たのはバレットやビックス、ウェッジだ。その後ろにジェシーとティファ、クラウドが続く。クラウド程は反応が早く無かったが、ティファはしっかりと気付けていて、何ならクラウドの次に反応しているくらいだ。

 

 

「報酬倍増し? くらいか。なぁ? バレット」

「これ以上あげたらマリンの将来の積み立てが……」

「あー、それセロスの兄貴に言っちゃうっスか? マリンちゃん可愛がってるセロスの兄貴には大ダメージっスね」

 

 

マリンとセロスはもう大の仲良しだ。

基本臨時でしか入らないアバランチの活動。それ以外はスラムでのなんでも屋。遊べる時間が作れるのはティファの次にセロスなのだ。

そんなマリンが将来貧困に~と考えたら報酬倍増しと言うのは、セロス自身の良心が痛むだろう……。

 

 

「とにもかくにも!! 全部終わらせてからだ! それから考え―――る!!」

「あ、逃げた」

「逃げたっス」

 

 

だだだだーーー! と巨漢に似合わずスピーディにバレットは先へと駆けていく。しっかりと動ける警備兵器らを無力化はして言ってるので、反省は十分している様だ。

 

 

「ふふふ。知らない所で色々やられてるセロス。今頃クシャミしてたりして」

 

 

想像して笑うジェシーは、改めてクラウドの方を見て言った。

 

 

「それにしても中距離連射型の警備兵器を剣で仕留めるなんて凄いね? もしも動いてたら? って想定してなかったわけじゃないけど、近接戦主体な私やティファ、クラウドの剣も苦戦は必至。バレットに頼る場面だな~って認識だった。拳銃程度じゃ壊せないし。まーた腕あげたんじゃない?」

 

 

ぐりぐり~~と、脇腹辺りを肘で付く。

クラウドは、そんなジェシーを鼻で笑う。

 

 

「鍛え方が違うんでね」

「まーた、格好つけちゃって~。……でもまっ、師匠があまりにも凄すぎるし? あのくらいやんないと格好がつかない、って感じかな? うんうん。理解できるっ!」

「…………ふんっ」

 

 

軽く拗ねた様にそっぽ向くクラウド。

ジェシーの指摘は正しい。クラウドの剣の師はセロスだ。セロスの元で鍛えて鍛えて頑張ってきている。

 

でも鍛えて鍛えて鍛えて―――――その度にセロスやエックスが遠のいていく様な気がしてならない。

 

2人は魔晄を浴びた結果だと言っていた。人体に極めて有害であり、更にちょっとしたズルをした結果だとも言っていた。だからクラウド自身もその力を頼りたい、願いたい気持ちでいっぱいだった。

 

でも、首を縦に振ってはくれなかった。

宝条の様な人体実験をするなんてゴメンだし、何よりクラウド自身の問題だってある、と。

魔晄を浴びるのは……そして2人がしている様なズル(・・)をするのは極めて危険だから。

 

「――――っと」

 

だから、長い年月を共に老いるまで、老いた後も大切な人を守れる様に素のまま強くなる事が良い。どうしても、同じ様な力を求める。手に染めたい、と言うのならその時点でもう教える事は何もない、とまで言われた。

 

 

「――――ょっと!」

 

 

大切な人を守りたい。いつまでも傍に居たい。だからこそ強さを欲しているのに……そう言われてしまえばクラウド自身も納得するしかない。

 

 

「ちょっと!! もう、クラウドっ! 聞いてるの!?」

「ッッ!!?」

 

 

ここで漸くクラウドはティファの存在に気付く。

直ぐ横で名を呼んでいたのに、クラウドの耳には届いてなかった様だ。傍から見たらクラウドが無視している様にも映る。

そして、ティファにはクラウドが考えている事なんてお見通しの様だ。

所謂恰好付けの延長みたいな感じだと。ジェシーもそのくらいなら解る、と笑っていた。

 

でも、やっぱり妬けてしまうのは仕方がない事で……。

 

 

「はぁ~~~、やっぱ、現時点で私にトキメキをくれる男の子はセロスだけかぁ~~。他は皆相手いるし。――――それに、こいつらじゃねぇ??」

「悪かったな」

「悪かったっスね」

 

 

ティファとクラウド(若い2人)を見て、何処か青く甘酸っぱい気分になる。

そんな事を興じている様な暇は、星が滅ぶかもしれないこの世界には無い、今の時代には無い……筈なんだけれど、それでも未来は安泰だと思いたくなる光景でもあった。

 

 

「えー? そこは【オレらも頑張るぜ! 負けないぜ!】くらいは言って欲しい場面なんですけどー? 幼馴染な男の子たちに望む乙女な女の子の意見よ? 所謂ティファがクラウドに求める意見? みたいなもんよ~?」

 

 

少々男らしさが出てない幼馴染2人に辛辣な意見を告げるジェシー。

でも、当の2人はと言うと、何処か遠い目をしている。

 

 

「そりゃ比べられようとしてる相手が……」

「あまりにも悪過ぎるっスよ。もう範疇外っス。やる前に降参っス。だから出来る事を最善にっス! それが一番良いっスから! いい具合に肩の力抜けるし、飯も捗るっス!」

「だからってお前は飯食いすぎ。太り過ぎ。セロスにも言われてたろ? もっと痩せて力も付けたらマテリアの効率運用も出来る~って。基本身体が重要なんだからよ」

「うう~~~~、それ言われたらキツイっス……」

 

 

今でも時折腹の虫が鳴くウェッジに苦笑いするビックス。

 

 

「ただ、たまにの息抜きに俺らみたいなのが居ても良いだろ? そりゃ、星を救う過程で昔っからの馴染みの幸せ1つ願う気持ちだってある。……が、如何せんジェシーが共に並び、共に有ろうと願ってるステージは高すぎる」

 

 

人が英雄であるとバケモノであると呼ばれる様な、そんな猛者たちが鎬を削るそんな領域。

一般人で辿り着けるなんて思えない領域。

 

時にすり減って摩耗して、疲れてしまうかもしれない。そんな時に一休み出来る場所くらいは用意して上げれる。

 

 

「へへーん。ざーんねんでした! 私は止まるくらいなら前のめり~が心情なのっ! それが気になってるイケメン相手であれば尚更ね」

 

 

そんなジェシーの返答がコレ。ウインクまでしている。

でも、その眼は優しい光を放っていた。

 

 

「でもま、ありがとね。一応覚えとく」

 

 

 

 

だだだ~~~! っと先に行った筈のバレットがなぜか同じ勢いで戻ってきた。

 

 

「魔晄だまりのブリッジに案内するのはクラウドの仕事だったろ!? 早く案内してくれ!」

「いや、バレットが勝手に突入していったから、てっきり知ってるモンだと」

「そんな訳ねーだろ! 何で神羅内部構造知ってるって思ったよ!」

「いやだから、勢いよく――――」

 

 

ここぞとばかりに解ってる筈だから明らかに意図的に弄る弄るのはクラウド。

格好着けモードから弄りモードへと切替たのか? と周囲は笑みを浮かべる。

 

でも、そんなお気楽ムードはここまで、と気を新たにした。

ここから更に内部内部へと入ってく。セロス達の陽動でかなり削げている筈だが、ここから先は違う。

 

 

「取り合えずここの扉は解除しとく。色々無効化してくれてっけど、こういうのは現場で直接触らなきゃだから――――なっ!」

 

 

ビックスが扉を解放した。

 

 

「―――作戦前にも言ったが、魔晄炉は建造された時期によって構造が違うし、オレ達は専ら外だ。ビッグスじゃないが現地で確認するのが最適」

「つまり、どーいうことだ?」

「この型式は始めて視る構造だが、何とかなるだろ、って事だ」

「よっしゃ! ぶっ潰しに行くぜぇぇぇ!! 星の悲鳴を止める為にもな!」

 

 

バレットが興奮気味に入っていくが、クラウドが手を伸ばして止めた。

 

 

「何か……居る?」

 

 

ティファも警戒を露にする。

確かに警備は手薄になっているが……、人員の代わりに配置されたモノがあった。

 

 

「スイーパーだ。……でも、こんなに居るの全然報告に無いんだけど??」

「多分、セロス達の影響だろうな。警報兵器、監視系、全てダメにされた。そして動向の監視は出来ずともオレ達が此処に乗り込んでいるのも恐らくバレてる。……物量で始末する為にって所か」

 

 

ぶんっ、とクラウドは剣を抜いた。

スイーパーが所彼処も動き回っていて隠密に潜入~なんて真似は出来ない。普通に警備兵士よりも多く配置されているのだから。

 

 

「ただの鉄屑だろ! ぶっ潰してやる」

「ああ、同感だ。スクラップにしてやる、と言いたい所だが、攻撃力と防御力は当然一般兵の装備とは桁が違う。舐めてかかるなよ」

 

 

クラウドとバレットが飛び出した。

 

 

「こいつに接近戦はオレ達がやる。ジェシー」

「はいよ! お待ちかね~~~マテリア!」

 

 

ジェシーは、器用にくるくるとマテリアで遊ぶと最後にキスをした。

 

 

「セロス特製だぞ☆」

 

 

金色に輝きを見せると同時に、幾重の稲光が場を包む。

いかずちのマテリアだ。

 

 

「どっわ!! あぶねえなオイ!」

「これくらい避けれないでどうするの、バレット!」

「いやいや、ティファ! 最近お前脳筋になってねぇか!? 普通雷避けれねぇからな!?」

 

 

クラウドと共に有ろうとするティファも同じく接近戦で挑んでいる。鉄をも粉砕するグローブを身に纏い、こちらもセロス特製のマテリアで存分に打ち込む。

 

 

「やるな」

「ふふ。ひょっとしてクラウドは守られる、守ってもらうお姫様みたいな子が御望みだったかな?」

「いいや。背中を守れて、守られてで良い。ティファはそれが良い」

「了解!」

 

 

息の合った連携攻撃。

ジェシーの雷をものともせずに突っ込んでいく。

 

 

「何だあいつら!! バケモノかよっ!?」

「撃て!! 撃て撃て!! 数じゃこっちが勝ってんだ!!」

 

 

兵士たちもその光景に度肝を抜かれるが、ここを突破される訳にはいかない、と銃を打ちまくる。

……が。

 

 

「オレ達から目を離しちゃ……」

「駄目っスよ! びりびりの刑っス!」

 

 

ビッグスとウェッジが示し合わせて投擲する。

プラズマグレネード。サンダーの効果がある投擲武器だ。マテリアの様な派手さはないし、範囲も決して広いとは言えないが、その分使い手によっては攻撃に移る初動が読みにくく、扱えば誰でも必殺の武器になりうる。必殺にする為の武器に。

 

 

「「「「「ぐおおお!!!」」」」」

 

 

「スイーパー相手にゃちょっと火力不足だが、人体相手なら効くだろ?」

「あの4人にボコボコにされるよりはマシっスよ」

 

 

こうして苦戦らしい苦戦をせず問題なく突破していった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

別の場所にて。

 

 

 

陽動作戦チーム VS 神羅副社長チーム

 

 

 

 

 

「ったく、ここら一帯を穴だらけにする気かよ。線路崩落してもオレぁ一切弁償しないぞ」

 

 

レーザーコインをさっきからルーファウスは惜しげもなく使ってくる。

流石は副社長。資金は山の様にある、と言う事なのだろう。それが魔晄を吸い上げた結果だと言うのなら、バレットではないがちょっとイラっとしてしまった。

 

 

「いや、それはおかしな話だ。君が対処をしてくれているから穴だらけになる心配は無いではないか」

「何でオレが対処前提の攻撃になってんだよ」

 

 

コインの攻撃は正しく光線(レーザー)。鋼鉄の壁をも一瞬で貫く防御不能の攻撃だ。避けるだけなら問題ないが、時折エアリスやザックスを狙ってくる。更に散弾の様にばら撒いてきたりもする。

だから、対処せざるを得ないのだ。

 

 

「結構神経使うんだよ、マテリア(コレ)

 

 

【しょうめつ】のマテリア。

そこから発動するは【デジョン】

確か、遠い昔の記憶を辿ってみたら、別の名前のマテリアだった気がするが……使えるのだから問題ない。

 

ルーファウスの撃つレーザーを悉く極小の黒い穴の様なモノに吸い込まれていく。

 

 

「それで私を直接転送させれば良いのではないか? 何処に行くのかは解らんのが恐ろしい所ではあるが」

 

 

デジョンの特性を見抜いたルーファウスは恐ろしい、と言いつつも笑っている。

そんなルーファウスを見てセロスも笑った。

 

 

「いや解ってて言ってね? このくらいのサイズなら問題ねぇが人間大を別次元に放り込もうとすりゃ話は別。色々と半端無ぇの。そんなんでケリつくなら、とっくの昔に どっかのはた迷惑な3兄弟連中に使ってる。星の底じゃなくて宇宙の果てに送ってやってるよ」

 

 

確かに一撃問答無用系の魔法は本当に強力だ。

基本的に即死体勢を持つ者は少ない。……自分が知る世界(・・・・・・・)とまったく同じなのであれば、耐性を持つモノはそれなりには居たが、少なくとも見た事は無いし、使ってる者も見た事がない。

 

つまり、自分が実践で使用した第一人者、と言う事なのだろう。だから、報告はしていない。

 

 

何より、この手の魔法は相応のリスクが有……と言うかデメリットしかない。

 

 

例えば一撃必殺の【デス】も【デジョン】同様に問答無用で勝敗を決するが、その代わりに(代償に)疲労困憊所じゃない。向こう数週間は全身疲労全身筋肉痛に加えて吐き気、熱などが増し増し。動けなくなる。

 

野生のドラゴン相手に使ってみた結果、遠征先で大変な目に遭ったので二度と使わない事に決めている。この秘密を知っているのは同僚の2人だけだ。

 

それにマテリア技術については神羅は他の何処よりも精通している為、そんな殺戮兵器を気軽に使えるようになってしまったら、小競り合いの歴史や戦争などをすっ飛ばしてとっくの昔に神羅カンパニーは世界の覇権をにぎり、アバランチらも潰して跡形もなくされているだろう。

 

 

「く、くくく。……成る程。三兄弟(・・・)、か」

 

 

ここでルーファウスは銃を降ろし、携帯型通信端末を起動させた。

 

 

「もう良い。大体わかった。―――退くぞ」

『『はッ』』

 

 

それは、レノやルードに対する指示。セロスにも聞こえてきた通り、この場から撤退するとの事だ。

 

 

 

「次会う時まで、もうちょい鍛えとけよぉ! ぜんっぜん物足りねぇからな」

「へ。減らず口に加えてやせ我慢は格好悪いぞ、と。彼女の前で格好つけたいのも解らなくもないがな、と」

「そんなんじゃねーし!!」

 

「次あっても変な邪魔しないでよね、ルードも」

「それは難しい相談だ。こっちは仕事だ。……そもそもお前達のしようとしている事を邪魔するな、とは。……エアリス。ひょっとしてお前、周りに毒されて頭悪くなってないか?」

「そんなことありませんーーー! って言うか、私はエリスですーーー! エアリス~~なんて、可憐で素敵な花売りの美少女じゃありません~~」

 

 

一先ずエックスにもエリスにもケガは無さそうなので安心した。

 

 

 

 

「もう満足したのか? なら、次いでに話してけよ。信じられなかった、ってのはいったい何の事だ?」

 

 

セロスも武器を仕舞った。

ルーファウスの出方を見極める為に、警戒を解くまではしていないが。

敵側の増援が来るのももう少し先になるだろう。ルーファウスがそれを狙っているとも思えない。そもそも、戦いの最中それなりに神羅兵士たちが集まってきていたが、皆等しくルーファウスの姿を見て驚いていた為、まず間違いなくこの戦いたい副社長の単独行動だと言う事が解る。

 

 

「私の知るキミとは随分違った、と言う事だ。……セフィロス」

「セフィロスは可哀想に、オタクの会社が地の底にまで落としちゃっただろ? だから、ここに居るのはスラムのなんでも屋のセロス兄さんだよ。違って当然だ」

 

 

そうこう話をしている内に、レノとルードが、そしてエックスとエリスが戻ってきた。

 

 

「じゃあもう1つ。大体わかった、ってのは?」

「ふむ。答える義理は無いと思うがな。無条件で1つは答えてやっただろう? これ以上は強欲と言うモノではないか」

「神羅の次期トップが、他でもないお前が他人の事強欲とか。笑えるな」

 

 

その飽くなき欲、野心故に実の父親を引きずり降ろそうとした男の言葉ではない、と一頻り笑った後、セロスは眼つきを鋭くさせて言った。

 

 

 

ルーファウスの周囲にさっきから飛んでいる(・・・・・)影の件もあって、何となく……嫌な予感はしていた。

 

 

 

 

 

「何となく察したんだがな、ルーファウス。……まさか、お前んトコにも出たり(・・・)してねぇか? あのはた迷惑なガキ共(・・・)が」

 

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