善セフィロスを目指したら三兄弟と戦う羽目になった   作:ハイキューw

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この辺りからリメイク版を絡めていこうかな、と思います。


2話 特製のVRバトルシミュレーター

 

 

【運命の流れ】

 

それは この星が生まれて、そして消えるまでの大いなる流れ。

 

この星は生まれたその瞬間から、大いなる運命の流れによって全ては定められている。

その流れは時に大小枝分かれをし 其々の運命を彩っていく。それがこの星に生まれた1つ1つの命の運命。

 

時には流れ逸れて、時には流れに戻り、それらを繰り返しながら星と共に生きていく。

 

自分自身の考えで行動したと思っていても、それは全ては最初から 決まっている事。

その大いなる流れ、運命の流れによる星の意思から逃れる事は困難。

黒き衣を纏いし番人が全てが修正するからだ。

 

……最後に 大きな流れに戻してしまうから。

 

 

 

大きく、大きく 伸びる大河の様な運命の流れ。 

 

星は 例えその流れの先が星自身の破滅であったとしても、流れを変える事なくその場所(終わり)へと向かうだろう。例え破滅してしまったとしても、それが運命なのだと受け入れる。

 

 

だが、今―――その運命が大きく変わりつつある。番人たちが修正するも追いつくことが出来ない程に。

 

 

ただの1本の大きな流れだった筈なのだが、いつの間にか 1つが2つに変わってしまったのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【伍番街 教会前】

 

 

「ふぃ~。今日も売れたなぁ! ミッドガルはお花でいっぱい! オレの財布はお金でいっぱい! 全てうぃんうぃん作戦大成功!」

 

 

ぐっ、と空に拳を突き上げつつ、大きな声を発しながらスラムの道を歩いているのはザックス。その隣では花売りの少女……エアリスがクスクス、と小さく笑っていた。

 

「お給料は 歩合制ですからね? ザックスの売上はまだまだ少ししかないから お財布いっぱい! とは言えないんじゃないかな??」

「うえっ!?」

「………こういうのはザックスは得意だって思ってたんだけど。ほら色々と口八丁だし」

「んなっ!! 口八丁とはなんだよクラウド!! おめーこそ 変にクールぶりやがって! 知ってるんだぞ。実は内気で小心者だった~って。つーか、クラウド本人から聞いたし!」

 

色々と大抗議してるザックス。そんなザックスの横で笑い合うエアリスとクラウド。今はザックスをからかって遊ぶのがブームなのだ。(実は 別料金でそうエアリスがクラウドに依頼した、と言う事実があったりするがザックスは知らない)

 

「そんな事ないね」

「かーー、無理にクールぶるんじゃないよ。この子は! せふぃ……セロスを見てみろよ! ほらほら思い出してみ? 幻滅しただろ?? クールぶっても 最後に行きつく先はあのお気楽どってんな性格だぞ!」

「ふふふふっ」

 

そして、3人の話題の中には必ずと言っていい程、セロスの名が出てくる。

楽しい時も、しんどい時も、極々自然に 常にその場にいるかの様に、セロスの名が出てくる。――――依存しちゃったりしてる? と思ってしまうが、御愛嬌である。

 

「あ、セロスで思い出した。今日は訓練付き合ってくれるって話だったんだ」

「コラっ! 話題そらさない!」

「いた、いたたっ」

 

ザックスは、クラウドの首に腕を回してぐいぐいと絞り上げる。

そんな2人を笑ながら見ていたエアリスだったが、約束の事は仕事をする前にクラウドから聞いていて、自身も思い出したので しっかりとその辺りは背を押さないと、と言う責任感が出てきていた。

 

「約束すっぽかしたら、怒られちゃうかもしれないしね♪ それにザックスもまだまだ修行するんでしょ? ぜーんぜん セロスに追いついてねー!! って言ってたし」

「うぐっ……。そ、そりゃ仕方ないじゃん! アイツ、本物の英雄だったんだぞ。簡単に追いつけるなんて思ってねーよ。……簡単には、な」

「いつか追いつこう! って感じ好きだな。……でも、ザックス忘れてない?」

 

エアリスの言葉を聞いて、ザックスはクラウドを解放しつつ、エアリスの方へと向き直した。

 

英雄(・・)って言葉の意味。何をもって英雄と称するのか、称されるのか。そこに意味はあるのか、そして何より 自分自身が本当にそんなもんで嬉しいって思えるのかー! って。確かセロスに口酸っぱく言われたって聞いてるんだけど?」

「…………」

「ソルジャーの誇りも言ってたよね。夢、誇り。とっても良い事だと思う。……私は その中でセロス……、英雄セフィロスが言っていた言葉が一番好きだな」

 

エアリスはゆっくりと歩いて、空を眺めた。プレートに遮られ、本当の空は見えないけれど、その先を見据える様に。かつては空が怖かったのに……、今は胸を張ってみる事が出来る。

 

 

「【戦争で上げた戦果を称賛されて、大勢に英雄扱いされるより、たった1人でも救って ひとりひとりにお礼を言われる方が好きだ】って。そんなのサラっていえちゃうのって かっくいーよねっ? 照れちゃう所もなんか可愛いっ♪」

 

エアリスのウインクを見て、つられてザックスも片眼を閉じて答える。

 

「………だな。その辺はオレも同感だよ。ただ、漠然としてたんだオレも。セフィロスみたいになりたい。英雄になりたい。――夢を抱きしめて、ソルジャーの誇りを忘れない。……夢っていうのは英雄になる事でいいんだけど、誇りってなんだろ? って考えたら上手く言えなくて……、それを教えてくれたのが まさに英雄セフィロスだったんだよなぁ」

 

ザックスも同じく空を見た。

あの時セフィロスと共に見上げた空を思い返しながら。

 

任務を全うし、戦果を挙げて 評価され そして クラスを上げていくのも誇らしかった。

でも、それ以上に誇らしいと思ったのは あの時のコト(・・・・・・)

 

動けない友を、慕ってくれていた村の人たちを。自分の命を懸けて守り通す事。

【敵を倒す為に戦う、のではなく、大切なものを守る為に戦う】

結局同じ事だろ? と思っていたんだけれど、言い方ひとつで全然違った。入る力も全然違った。不思議な力が湧いて出てきた。何でもできる、やってやるって想えた。

 

心残りがあるとすれば――あの時は………………。

 

 

「ぶーぶー。そこはちょっと嫉妬くらいして欲しいかな? 私はセロスの事、かっくいー! って言ったのに。ちょっとはザックスも強がってくれても良いじゃん。オレも負けてねーー! って。なーんか つまんないなー」

「………ははっ、それもそっか」

「ねぇ? クラウド。クラウドもティファがセロスかっこいい! 素敵~~♪ って言ってたら嫉妬くらいして、負けねーパワー! とか出るよね??」

「………べ、べつに」

「あはははっ♪ 目が泳いでるよー??」

「うるさいな……。セロスは、色々と凄すぎて、なかなか難しい所が多いんだよ」

 

ぷいっ、とそっぽ向くクラウド。

あぁ、それも解るなぁ と頷くのはザックス。

 

其々に、互いに想い人がいるのは周知の事実であり、大なり小なり様々な人達が同じ様に寄り添い合い、時には競い合って遂げようと頑張るだろう。

 

そんな中で、もしも――――あんな完璧超人な上に色々と、大体に好感度がまんべんなく高いバケモノ(笑)と競い合う様な羽目になれば、正直絶望である。ほんと片翼の悪魔である。

絶望を与えられつつも、一番厄介なのは【しょうがねぇな】って諦めちゃうかもしれないトコにも会った。【あいつなら構わない】とも思っちゃうかもしれない所が。

 

色々と厄介極まりない存在なのである。

 

「ふふっ、じゃあ、そのヤバい人の所へ皆でいこうっ! 今日のお給金で買った人気のパンでも届けてあげよっと」

「ああ! それオレも欲しかったヤツ!!」

「いつの間に買ってたんだ?」

「えへへ。いいでしょ? 今日の訓練でセロスに勝った方に分けてしんぜよー!」

 

エアリスがそういうと同時に、その手に持たれてるパンが途端に超高級で入手難易度がとてつもなく上がっていくのを感じ取れるのだった。

 

そんな他愛もない話をしあいながら、約束の場所へ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【七番街スラム】

 

 

色々と騒動はあったもののセロスは無事? 約束の場所へと歩を進める事が出来た。運が悪かったら、あの場に借りているアパートの大家さんまで現れて色々と話が長引いてしまったりするのだ。街中のエンカウント、と言えば良いのだろうか。今回はいつものアバランチ3人組だけで済んで軽傷と言った所だ。

 

などなど、考えている最中。ふと忘れてたことを思い出す。

 

「っとと、忘れてた。ガレキ通りに行く前にまずはチャドリーのトコに行かないと」

 

チャドリーとは神羅カンパニー 科学部門の研修生。

言わば敵側と言っていい所に所属しているのだが、ここスラムに毎日の様に現れては 協力要請を受けたり、新たなマテリアの開発を報告・売却までしてくれてるので、最早敵側とは言えない相手である。

 

その辺りは、アバランチ所属のバレットも解っていて、神羅だからと毛嫌いする様子はなく、極たまに開発の協力をしたりしてたりもするのだ。……勿論、アバランチの強化の為、と言うのが大部分ではあるが。

 

七番街スラムの居住区に戻って来たセロス。

チャドリーもセロスに気付いたようで、駆け足で寄って来た。

 

「お疲れ様です。セロスさん。目的のモノは出来てますよ」

「ああ。サンキュ。悪いな 携帯バトルシミュレート借りちゃって」

「いえいえ。僕としてもセロスさんには沢山協力して頂けているので その位はお安い御用です。いつもいつもありがとうございます」

 

セロスはチャドリーから眼鏡型の機械を受け取る。これで様々な状況での戦闘が疑似体感出来る。技術とは本当に凄いもので仮想空間と言えど 現実世界の身体能力を全てトレースしてくれてるので、身体には何の違和感もない。マテリアとその訓練は何故だか連動しているので、身体能力の強化などは 実際のトレーニングに比べたら殆ど上がらないが、マテリアの強化・成長は著しく促進させる事が出来るのが利点だ。……そして、体験者の不安や苦手意識を克服する事にも使える。

 

例えば、乗り物が苦手、と公言してるクラウドに 飛行船内で戦闘をする訓練プログラムを組み込んだVRミッションをさせれば…… 実際は飛んでる訳でもないのに非常に酔ってしまう。これを重ねて重ねて、積み重ねていけば、仮想空間でまずは克服し、その福音は現実世界にも帰ってくるだろう。―――勿論、克服できるか否かは、本人の精神力、やる気云々で天地の差が現れるから一概に 便利だ、とは言えないが。

 

「仮想空間での訓練プログラムは僕が組み込まなくても宜しかったのですか?」

「ん? ああ。その辺は大丈夫だ。オレの方が準備してるよ。ちょいと特殊なんで詮索しないでくれると助かる。と言うか、これはチャドリーの所には置いといて欲しくない、ってのも本心の1つだ。……色々と難しいし、精神的にもやばめだから犠牲者が出る」

「そ、それは凄そうですね……。と言うより、僕はセロスさんが訓練プログラムまで構築できる事に驚きを覚えます。本当に素晴らしいです。セロスさん」

「いやいや。これは元々 連れと一緒にやってた時があってな。その時の名残だよ。色々と自分達で作れた方が都合がいいんだ。作ってもらうの待ってたらメチャクチャ時間がかかるし」

 

セロスは苦笑いしつつ、昔のことを思い返していた。

 

あの時、連れ―― 仲間と戦闘訓練を行っていた。

仮想空間だから思う存分暴れて良いだろ? と言う事で 本当の本気で暴れるヤツらと付き合うのは本当に骨が折れたのを覚えている。

神羅ビルの屋上で 戦い ビルを細切れ、輪切りにしていったのはもう今じゃ良い思い出だ。

 

因みに、当時のビルの惨状を上層部の連中が視たら……例え仮想空間だったとしても、青い顔して叱責してくるのが目に見えてるので、あの場の仲間達だけの秘密にしているが。

 

自分が働いてるビルを粉々にされるのを見て驚かないヤツはいないだろう。

 

仮想空間で発揮できる力は、十分現実世界ででも再現できるので、平たく言えば 気が1つ変われば、ビル壊されるのでは? とも思われてしまいかねないので、見せるのを止めさせてた、と言う理由もあったりする。

 

「セロスさん?」

 

心此処に非ず、な状態だったセロスを見て、チャドリーは首を傾げるがセロスは直ぐに軽く笑って手を振った。

 

「今日はサンキューな。後でこれ、ちゃんと返すから」

「いえ。大丈夫ですよ。セロスさんが預かってください。時間が空いた時、いつでもできる様に持っている方が都合が良いかと思われますので。代金の方も大丈夫です。今までのレポートの成果で十分すぎる程頂いてますから」

「ん、そうか。ならありがたく受け取っておくよ。じゃあ、またな」

「はい。今後とも宜しくお願い致します」

 

セロスは、チャドリーに挨拶を交わし、そしてその場を後にした。

 

……チャドリーに関しては、セロスは 何れ色々と話をするつもりだ。彼が神羅カンパニー内ではどういう存在なのかは、セロスももう判っている。

 

何故なら―――。

 

 

ライブラ(みやぶる)。結構便利だよな。……まぁ アイツもアイツで頑張ってるみたいだし、口出しする必要もないと思うが……ほんと世話になってるし。特にマテリアに関しては」

 

セロスは頭を軽く掻いた。

チャドリーに関しては出会った時から既に協力関係にあり、表向きかもしれないが友好的な関係を築けていると想える。 悪いヤツではない、と言うのも解っている。

 

「それにしても、なんであんな素直な子が アイツ(・・・)から生まれたんだか……。いや、直接的には違うか? ……んでも、その辺はオレも同じみたいなもんだし、言っても仕様がない、ってか」

 

そのまま、セロスはガレキ通りへ。

 

 

 

 

【ガレキ通り】

 

その名の通り、此処は瓦礫の山が無数にある廃棄所の様な場所だ。

様々な所に死角があり、人もあまり寄り付かない事から、時折モンスターが出現する場所としても有名である。

駆除しても駆除しても湧いて出てくるので、訓練場所としては絶好の場所だったりもするのだ。

 

―――が、セロスたちが来た瞬間からモンスターは速攻で逃げだしてるので、絶好の訓練場所だったのは、もう昔の話だが。

 

 

「おーぅ セロス~~!」

「セロス~~!」

「ただいまっ!!」

 

 

瓦礫の山の一部を片付けて(吹き飛ばして?)造ったちょっとした広場。

そこが集合場所だ。

 

セロスが来た数分後、クラウド・ザックス・エアリスが到着した。

……クラウド達は兎も角、なんでエアリス? と首を傾げるのはセロス。

 

「あー、なんで私までいるんだ? って顔してる!」

「おう。その通りだ。相変わらず絶好調だな。エアリスの読心術。色んなのと会話出来たとしても、プライバシーの侵害にはならないでくれよ?」

「もうっ! そんなの使ってないよ! と言うか、セロスは顔見たら大体判るの!!」

 

両手を振って、ぷんぷん怒るエアリスをとりあえず宥めつつ、ザックス達を見た。

 

「今日は繁盛したのか? 3人組の花屋さん」

「もっちろんだぜ! 完璧すぎてウハウハだ」

「今日のは中の下、って所かな。訓練の一環だって思って頑張ってるよ」

 

ザックスとクラウドの反応を見比べて、セロスは頷いた。

 

「成る程。エアリスが6・クラウドが3.5・ザックスが0.5ってトコか。比率的に」

「んなっ!!」

「ぷっ」

「大々々せいかーーい! おめでとーー! 正解したあなたに、もれなくデート一回タダでプレゼント!」

 

どうやら当たったらしい。と言うより、ザックスが調子に乗った時の物言いには絶対に裏があるのが常なので、非常に予想が付きやすい。クラウドに関しては結構素直な面がある。戦闘訓練面では意固地になったりするが、売上の良し悪しに関しては別にそこまでの負けず嫌いは発揮しないので、これまた解りやすい。

 

「さて、そろそろ始めるか?」

「ああ」

「ちょっと待て! すんなり訓練始めようとすんな! ちょっとは否定とかさせろよ!!」

「と言うより、私がデートって言ってるのに、そこもスルーしないでよ!!」

 

ぷんぷん怒ってる2人はとりあえず置いといて、熱心な生徒クラウドに今日の訓練についての説明を始めたセロス。

 

勿論、先ほどチャドリーから貰った仮想空間での訓練だ。

 

それをする、と言う事も事前に予告しているし、効果については説明しているので割愛する。因みに元ソルジャーのザックスは、仮想空間の体験は幾度もしているので言われるまでもない。だが、クラウドは一般兵卒なのでこの訓練はあまりした事が無かったのでその説明も結構骨が折れた。

 

でも、効果が見込める事。本人のやる気次第でいくらでも成長の機会はある、と言う事でやる気向上につながったのは言うまでもない事だ。

 

「さて、今回の訓練プログラムだが……、最上級をぶち込んでるから、思う存分やって散ってこい」

「へ?」

「は??」

 

セロスがにやっ、と笑いながら爆弾宣告する。

因みに、これまでも訓練でも(訓練と称したいじめ??)セロスが笑う時が、何よりもきつい、と言う事は判ってきているのだ。

ザックスでさえ、悲鳴を上げる程のモノだったので、クラウドに関してはトラウマだって言っていい。

 

「ま、マジ……?」

「おう。おおマジだ。最初にきついのやってれば、後のヤツなんか軽いもんだ。仮想空間だし、体感は出来ても実際に現実で ずばっ! っとまっぷたつにされる訳じゃないから大丈夫だろ」

「ちょいちょい待て待て! 心に傷でも負わせる気かよ。その辺は初級からとかにしとけよ! あれだろ?? アンジールと昔一緒にやったヤツだろ?? そんなもん初めてのクラウドにさせるとか鬼か!」

「いや、アレよりヤバいかもしれないな。アレは確かザックスに仕掛けたヤツだろ? アンジールとの一戦。アンジールはプログラムもなんか優しかったから、そんな事にならない様に、値は消してあるから」

「もっとひでぇ!!」

 

ザックスが前面に出てきて抗議。

確かに自分がバッサリやられる所なんか、正直トラウマものだと言っていい。でも、強靭な精神を鍛えるには、恐怖を克服するには、やっぱり【死】に直面するのが一番効果的だ。廃人になる可能性は否めないが、その最後の一線はしっかり守ってるつもりなので、セロスは首を横に振る。

 

「仕方ないだろ。クラウドに魔晄を浴びせるわけにはいかねーし、妙な細胞を身体にぶち込むのは論外中の論外だし。それでもオレに、オレ達に追いつこう、追いつきたいっていうんならこれくらいはしないと話にならんって事だぞ? サード辺りのソルジャーならなれると思うがな。……勿論 やるやらないはクラウドに任せるよ。オレが道を示せるのは最短ルートのみ」

「ッ……んでもよぉ」

「ザックス。決めるのはクラウドだ。……お前も解ってるだろ? 今黙ってるが、神羅の奴らが今後どう出てくるかまだ分からんし。クラウド自身が足手まといになりたくない、って言うからオレは最大限協力する。戦力は多い方が良いのは間違いないからな」

 

ザックスは、それでもまだ納得しかねていたが、その肩を握るのはクラウドだった。

 

「……オレはソルジャーになれなかったんだ。精神面でも肉体面でも未熟だって。セロスはそれが幸運な事だって、って言ってくれたし、魔晄が危険な事も教えてくれた。だから、追いつける程は絶対強くなれないのか、と思った。でも、……セロスは道を示してくれたんだ。だから、オレは行くよ」

「クラウド……」

「だから、ヤバくなったら助けてくれよ。ザックス」

「っ……。ったくよぉ。セロスに関わったヤツ、ってなーんか皆もれなくいい意味でも悪い意味でも前向きになっちまうんだよな! この残念イケメンが!」

「ふふっ、それはザックスの事じゃない? 残念イケメンって」

「エアリスは黙ってなさーい!」

 

 

クラウドやザックス、そしてついでにエアリスも納得してくれた所で、今回の訓練に入る事になった。

勿論戦うのはクラウドであり、ザックスも一緒に仮想空間に入る事は出来るが、観戦のみで、クラウド側からは認知出来ない様になっている。

 

 

そして気になるその戦闘訓練の内容が発表された。 物凄く性質の悪い内容が。

 

 

 

【クラウドvs 悪セフィロス。星をかけての大決戦】

 

 

 

戦う相手は英雄と称されるセフィロス。世界最高峰とも呼ばれる相手と全力・情け無用の勝負。クラウドも特訓を重ねていて、身体能力・マテリアの扱い共々に 以前よりは比べ物にならないくらいに成長は出来ているのだが 相手が…………、である。

 

 

 

それはヤバい内容だと、そしてこの男はやっぱり鬼教官だ、とこの場の誰もが感じたのだった。

 

 

 

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