善セフィロスを目指したら三兄弟と戦う羽目になった   作:ハイキューw

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すみません。遅くなりました。


5話 魔晄炉爆破計画

 

セブンスヘブンにて。

 

「……壱番魔晄炉を爆破する?」

「うん」

 

セロスはジェシーの言葉を聞いて、【とうとう来たか……】と思うと同時に【なんで爆破なんだよ】と呆れもした。これまでは 魔晄炉関係のアバランチの活動は幾度となくあった。侵入・逃走経路の確保。警備システムの再確認。偽装ID作成……、全てがこの魔晄炉に繋がっているのは勿論ながら知っている。

魔晄炉を止めて、星の命も同然の魔晄……ライフストリームの消費を抑える為に、必要である事も理解できる。……だが、勿論理解できてない部分はある。

 

「それで? オレから【攻撃用マテリア】の買い出しにジェシーが選ばれたって訳か。バレットが直でオレに来るなんて無いしなぁ。アイツ論破すると発狂するし」

「その通~り。……って、発狂は言い過ぎじゃない?」

「辺り構わず銃乱射する様なヤツはそれで良いだろ」

「あ~……、それはそれは」

 

バレットに対する評価は実に辛辣なセロスだが、勿論ながら理由はあるのである。

あれだけバレる容姿、特徴(片腕)をもってながら隠そうとする気ゼロなのも呆れるポイントだ。

 

「あはは。ま、だからさ、主に セロスの【ほのお】のマテリアと【じかん】が必要になってくるんだ。爆弾に関しては私がきっちりかっちり作れちゃうんだけど、どうしても性能はセロスのヤツには圧倒的に負けてるし。魔晄炉壊すってなったら……今回のは失敗出来ないから」

 

ジェシーの本気度は目を見ればよく判る。いつものおちゃらけモードが全く姿を見せていない事からもよく判る。……が、まだまだ判らない事が沢山だ。

 

「【どく】のマテリア……、コンピューターウイルスで大体処理できてた筈だろ? それとも神羅の科学班。アレをもう解析してワクチンソフトみたいなのでも作っちまったのか? ……もう?」

 

セロスは、科学班の進化速度についても考えを巡らせていた。

マテリアは古代種の知識の集合体であり、ライフストリームの結晶体。それを最大級に引き出し、使用しているのがセロス式:マテリア。現段階でそれを超えるのは考えにくい。

 

だが 人間の可能性と言うものの大きさは知っているつもりなので、精度と威力を上回るような科学力はあり得ない! とまでは言えないが、幾ら何でも早すぎるとは思っていた。

 

そして、セロスの考えは杞憂に終わる。ジェシーの顔を見れば。

 

「あー、いやー…… そのー………」

 

ジェシーの顔が変わっていた。

まだまだ表情に余裕があったのだが、不安・心配・悲痛、それらの色々な負の感情がその顔に現れているのが判る。ジェシーにはあるまじき顔だ。

 

「多分、アレ(どく)が強力過ぎたんだと思う」

 

ジェシーの返答を聞いて、大体察するセロス。

 

「何せ、使った時あたりから、かな? 徐々にだけど神羅カンパニーの警戒レベルが上がってきてて、今じゃ尋常じゃないくらいに上がってるんだ。今までは機械制御できる所や、警備機械に任せていたのに、そこにも完全に人員で配備されててさ。それも ソルジャーも2ndクラスが何人もいて……。気付いたのがつい最近でほんと幸運だったよ。気付かずに、当日に一気に【どく】のマテリア使って、全部止めてから行動開始って してたら 囲まれてやられちゃってた可能性が高いから」

「…………ふむ」

 

ジェシーの言葉を聞いて、セロスは考える。

 

確かに、魔晄炉を壊そうとする輩が居れば、警戒するだろう。資源燃料の供給が止まれば損害は大きいだろうから。……だが、内情を少なからず知っているセロスからすれば、大体の予想は付けた。

 

「オレのマテリアを使う前は、盛大に内部外部諸共すっ飛ばす作戦ばっかだったからな……。お手製ジェシー爆弾で。それが一転、スマートな中身のみの破壊になった故に、警戒されたって事か……」

「うん。でも、何だか妙なんだよね。物理的に壊して回ってた時と大してする事は変わらない筈なのに。思いっきり爆破して壊してしまうのとセロスのウイルスで壊しちゃうのって大差ない気がするんだ。……なのに、爆破の時は警備強化なんて なかったのに。ウータイとまた戦争でも再開するの? って思ってしまう程配備されてたから」

「…………」

 

神羅の上層部の考えは大体判っている。

 

破壊して回る以前までのアバランチのままであったなら、それを思いっきり利用する。アバランチの破壊活動に便乗して、あえて規模を大きくする。……何も知らない民衆にまで被害を及ばせ、民衆の怒りを煽り、反アバランチの名目で 自分達を正当化し、一気に本拠地諸共破壊する。

 

 

結果、七番街崩壊 (あの悲劇)に繋がる行動をとるだろう。

 

 

それは アバランチの本拠地があるスラムだけには留まらない。

プレート上の街も全てが崩壊する胸糞の悪い光景。

そして今は 下だけでなく上も知っている身からすると、是が非でもその展開は回避したいと思っているセロス。

 

あの場所(・・・・)があるから幾ら資財であるミッドガルを破壊しても問題ない、と妄信している相手だからこそ躊躇しないので 性質が悪いにも程がある相手ではある……が、だからと言って全部滅する! みたいな手を取るのも正直考え物だ。

 

作られた英雄、会社が勝手に英雄と祀り上げてテキトーに合わせるだけではなく、本当の意味で民衆を率いて立ち上がり、一騎当千を果たす男セロス! みたいなのをやれば行けそうな気もするのだが、生憎そこまで大々的にやってやろう、と言う気も起きない。性分ではない。どちらかと言えば、今のポジションの様ななんでも屋の仕事で手を貸すのが一番性に合っていると思っている。

はっきり言って あまりに大きなものを動かそうとか率いるのは自分のキャパシティーオーバーだ。

 

 

 

 

「だから、お願い出来ないかな? 流石に今回に限っては どう作戦を練っても無理難題が多くてさ。人手不足ってのもある感じ? 陽動作戦とか派手にしないといけないし、そうなってきたら どうしても強力な火力が必要になってくるんだ。あ~ん、もっといい方法とかないかな~~」

「…………はぁ」

 

セロスはため息を吐いた。

ジェシーは言葉の要所要所でセロスの事をチラッ、チラッ、と伺う様に見てくる。

それは、【マテリア、どうか私たちにください!】 と言う感じではなく、【セロス本人が手伝ってくれたらなぁ】的なオーラが出てるのが丸解りだった。

 

そして、ジェシーも馬鹿っぽいが、素で馬鹿っていうワケではない。

セロスが それに気づいているのも判ったようだ。今まで断られているのも判っている。

 

アバランチは 星の為、と言う大義名分を翳しただけのただのテロリストになっている事。無知は罪、無自覚の共犯者、と一刀両断。一般市民を巻き込むようなやり方をしている事。

内情を知っているからこそ判る事があり、それは神羅カンパニーは 確かにアバランチ側から見れば悪の巣窟。でも、そこで働く大部分の社員たちは、生活の為、そして何よりも家族の為に働いているだけだと言う事。

 

それらを知っているからこそ、特に長く付き合いがある同じくメンバーの1人のティファも強硬手段の類には反対の色を見せているのだ。

 

ジェシーはそれらを思い返しつつ、それでも今回に限っては 退くワケにもいかないので、どうにかしないといけない、と表情をきつくさせながら俯いていたその時だった。

 

「わかったわかった。なんでも屋のエース、セロスさんが手ぇ貸してやる」

「!」

 

ジェシーは思わず二度見してしまっていた。

この手の話、この手の依頼に関しては間接的に手伝ってくれてはいたものの(主にマテリア供給)、実際に現場で手を貸してくれた事は無かったから。大規模な作戦は此処の所あまりなかったからよりそう感じるだけかもしれないが。

 

「ソルジャーの連中が動いてる、って言うなら 一応元ソルジャーとしてどれ程の腕前になったか見てやらないとだしな」

 

ひょい、と立ち上がって肩を回すセロス。

それを見たジェシーは、満面の笑みを浮かべた。

 

「くぅ~~、やっぱ 染みるね~。後輩ソルジャーに手解きしてやる、って言うのが特に! わー、とっても有難いよ! やっぱセロスかっくいぃ~!」

「っとと。引っ付くなって。暑苦しい」

「暑苦しいはヒドイじゃんっ! こ~んなかわいい子が引っ付いてるんだよ?? もっとこー、無いの??」

「その堅い装備はなかなか凶器だな。くっつかれてる腕が痛い」

「ほ? んじゃ、脱いじゃおっかなぁ~」

 

するっ、と胸当てを外そうとしてるジェシー。ビックスやらウェッジたちの装備と基本お揃い。赤いバンダナといい、アバランチの公式ユニフォームだろうか。……と言うより幼馴染3人組のユニフォームだろう。

 

ジェシーは、いつもなら 脱ごうとしてる辺りでツッコミが入ってくる筈? と思ってたのに何にも言ってこなくて、胸当てを外しかけてて、若干慌てる。色々と引っ付いたり、面食いである事を公表したりと色々としてる彼女だったが、流石に羞恥心の類は残ってるので、やっぱり恥ずかしい様子。

そこまで大体読んでいて、ある程度焦らして遊んだ後に、セロスはジェシーの額を指先で弾いた。

 

「あんまし はっちゃけ過ぎんなよ? ウォールマーケット辺りに攫われても知らんぞ」

「っ~~~。か、からかったのかー!」

「いんや? 事実言っただけだし、それにお前……実際のソレの堅さ判って無いだろ……。素材がミスリルだぞ? 前に鉱物提供した時に新調したって自分で言ってたの忘れたのかよ。堅さは一級品。つまり普通にマジで痛い」

 

あ、と思い出したのはジェシー。

確かに、以前ミッドガルの外へと赴いていたザックス、クラウド、セロスの三人は、色々と回ってこれまた沢山の素材やら鉱物やらを持って帰ってきてくれた。

街中ではなかなかお目にかからない代物ばかり。掘り出し物としてたまに見かけるくらいの代物。(その掘り出し物~云々も、出元はセロスたち)

それを使って新装備に更新したのだった。

 

確かに思い出したんだけど……。

 

「………いや、セロスぜーーったいからかってるデショ! 確かに硬いのは判るけど、そ、そんな強くやってないーーっ!」

「おお、普段のジェシーからは考えられないなぁ、羞恥心ってヤツ持ってたのか。こりゃ意外だ」

「あたしだって、ちゃんとした イケメン大好きなだけの乙女(・・)だーーー!!」

「………なんつって」

「っ!!? って、わたしの口癖盗るなーーーっ!!」

 

 

普段いろいろと振り回されている、と言うのもあってかセロスは暫くジェシーをからかって遊んでいた。……勿論、今回の任務の重要性やそれに関する不安もあるだろうから、その辺りも考えて気持ちをリラックスさせる目的でもあったりする。

手伝う、と言った以上すべき事はするつもりだから。

 

誰一人として、ライフストリームへと戻させない(・・・・・)為に。

 

 

 

「あ、ところで、一緒に来てくれるのはすごーーくありがたいんだけど、顔バレとか大丈夫なの?」

「うん? ああ、その辺は大丈夫。【へんしん】マテリア使うつもりだから」

 

ひょいっ、と懐から取り出したマテリアを見せるセロス。

セロスが言う通り、このマテリアは【へんしん】の知識が備えられている。へんしん、と言えばセロスの中では【ミニマム】と【トード】の二種しか知らなかったのだが、色々と(・・・)試してみたら、簡単な変装の類は余裕で応用が効くマテリアだった。

考えてみれば、かなりの質量を変えるミニマムと、種族すらも一瞬で変えるトード。この2つだけでも物凄い難易度が高そうな魔法だが、バレない様に変装する程度なら超簡単みたいだった。更に精神力……即ち、魔力の消費も圧倒的に変装系のへんしんの方が少ないので、長時間向き。

以前、顔バレしているザックスとセロスは、へんしんのマテリアの力を使ってプレート上、更には神羅カンパニーの見学ツアーにもぐりこんだ事があったりする。顔を知っている相手が何人も居たが誰一人として気付かれる事は無かった。

 

「へぇ、そんな事も出来るんだね。へんしん、ってちっさくなったりカエルになったりするのしか知らなかった」

「おう。研究の成果ってヤツだな。チャドリーもビビってたっけか」

「ふぇぇ~ 研究者の上を行く! さっすがだね~。しみる~、しびれる~~!」

 

クネクネと身体をくねらせるジェシー。

マテリア関係に関しては、とある事情もあり、セロスの右に出る者は恐らく神羅には居ないだろう。せいぜい流通しているマテリアの効能をしる程度。だからこそ、どくのマテリアによる攻撃にてんてこ舞いになっているのだ。

 

 

そして、その後――。

 

爆破? 計画の詳細について詳しく聞こうとしたその時だった。

 

「ジェシー!! どーだったんだ? あのスカした野郎の反応はよ! 」

 

狙ってたかの様なタイミングでドカッ! と乱暴にセブンスヘブンの扉を開いて入ってきた大男バレットが現れたのは。

そして その肩にはマリンが乗ってる。

 

マリンは、バレットの肩から降りたいのか、腕をふるふると揺すっていた。

そして、降りるや否やダッシュでセロスの方へと向かっていって、抱き着いた。

 

「セロスおにーちゃん! おかえり~~!」

「おう。ただいま」

 

満面の笑顔をセロスに向けるマリン。セロスもマリンの頭をわしゃわしゃ、と撫でてやる。

 

 

その後 バレットは、何だか複雑な想いをしつつも、マリンが喜んでるので最終的には頑張って頑張って頑張って……我慢。

でも、【もっとマリンを丁重にしろ!!】と強引に割り込んできたのだった。

 

 

 

 

 

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