笑わない彼にもどうか幸運を。 スマイルプリキュア!   作:新生ブラックジョン

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プリキュアも早20周年!今年の映画は全プリキュア集合です。そして大人プリキュアとして“5”が早くも放送開始間近!楽しみです。


一章

一章

 

街を襲う大怪獣、逃げ惑う人々、悲鳴を聞き付けたかのように何処から途もなく現れる伝説の戦士。これら数々の出来事は空想の世界―――その筈だった。しかしどうやらあのニュースで見た光景は全てが実際の出来事の様である。そう、俺の知る限り5人組という認識だった伝説の戦士・・・即ちプリキュアとは正確にはこっちが知らなかっただけで、まだまだ沢山いたとそういう訳か。あの彼女達はこれまでにも何処かで何かと戦ってきたんだろうか。えっと、確か俺が知るところでは星空さん達五人組のスマイルプリキュアだけだった筈。バッドエンド王国から世界を守るべく戦っているあいつらの事だ。

「でも、ここにはどうみたって―――」

パラパラ…捲ってみた雑誌の追加ページに目を通す。急遽追加されたとかいう見開きのカラーページで号外扱いとして大々的に取り上げられ、様々なプリキュアの姿を捉えた幾つかの写真が掲載されていた。

「お兄ちゃん的にどの人がお気に入り?」

「そーだなー、この娘かなぁ・・・・・・ってオイ。朝からベタな事させんじゃねぇよ。何で折角の休日だってのにお前と出掛けなきゃいけないんだよ」

「仕方ないじゃん。じゃなきゃお母さんが駄目って」

妹は俺の手から雑誌を取り上げた。学校が休みなのに早くも叩き起こされて何処に向かっているかというと電車に揺られて横浜である。妹は昨日のニュース番組で見たプリキュアのニュースに大はしゃぎし、それだけなら良かったが実際に行きたいなんて言い出したのだ。本当なら自分の友達を連れて行く予定だったらしいが、生憎と都合がつかなかった為に諦めようとしない妹は母さんに言われてこの俺を同行させたしだいだ。優輝はまだ小3だし、てか行くのを諦めてくれればいいのに。ちぇ、貴重な安息の日が。

「本気で見に行くつもりかよ。寝みぃ」

「ここまで来て今更違いますなんて言うわけないじゃん。―――プリキュアさんに絶対会うんだから」

「そーかよ。物好きだなお前は」

これでも兄としてこいつの妙な拘りやそれに対して頑として譲らないところを理解している。だがしかし、会うも何も全く面識が無い上にそもそも本当に居るのかも正直なところ疑わしいのに俺にはそこら辺ハッキリ断言するのはよくわからん。

「会ってどうするんだよ」

「そりゃサインして貰うとか、握手しちゃうとか」

「ふぅ、それなら今から東京のど真ん中で芸能人でも探す方がよくないか?」

「もう!なんで何時もお兄ちゃんはそんなに後ろ向きなの」

「常識的と言え。それでいて現実主義者なだけだ。お前みたいに毎日お気楽じゃないんだよ」

「はー、お兄ちゃんは少し想像力ってもんを持ちなよ。そしたらポジティブになってきっと友達とか1人ぐらいは出来るんじゃない?」

カチーン。どうやったらそんな話に繋がるんだよ、欲しいなんて言ってねーよ。

「・・・口が減らないな」

「いやいや、お兄ちゃんには敵わないよ。だってもっとガキだもんねぇ」

「よーし、もうそのくらいにしとけ。後悔するぞ」

「こらこら君達。こないなとこで兄妹喧嘩したらあかんで」

「「すみません」」

間に割って入ってきたその声に咄嗟に俺達は互いに頭を下げる。―――って、おいおい。ちょっと待って。

「何」

「よっ!奇遇やな自分ら」

「「「「どうもー」」」」

日野あかね、そして残りの奴らもお揃いだ。偶然同じ日にこうして同じ電車に乗り合わせたというのは妙な気もするな。

「優輝ちゃんだったよね」

「あ、ハイ。えっと、緑川さん」

「なおでいいよ」

「青木れいかです」

「で、あかねちゃんとやよいちゃん。私は―――」

「ところでお前らはどうして?」

すると遮られた星空さんが若干むくれっ面になったみたいだが別に気にならないので俺は無視した。

「実はこれから横浜に行くの」

「横浜!私達も行くんです。同じですね」

「へぇ、そうなんだ。本当に偶然だね」

「遊びに行くの?」

黄瀬の問い掛けに対して優輝は瞳をキラキラさせながら答えた。

「プリキュアに会うんです!」

「「「「「プリキュア!?」」」」」

「はぁ・・・・・・全く」

「へぇ、そうなんだ。私達もプリキュアだから―――」

「え、みゆきさん達もプリキュアを見に?」

「あー!ハイハイ、せやねん!ウチらもプリキュア見れたらなーって・・・アハハハハ」

星空さんのうっかり発現を誤魔化すために大袈裟でわざとらしい口調をしながら身振り手振りする。優輝、実は目の前にいるこいつらもそうなんだよ。まぁ、本当の事を言うわけにはいかないからな。兎に角、そうこうしていると俺達を乗せた電車は遂に目的地に到着した。

 

 

 

 

七色ヶ丘市を出て遂に横浜に降り立った。駅から暫く歩き、道中に星空さん達は俺だけにそっとこの場所へやって来た理由を詳しく明かした。

「フュージョン・・・」

「うん。他のプリキュアの皆が倒したあの」

「後でわかったみたいでさ。フュージョンはバラバラになって横浜のあちこちに散らばったかも知れないんだって」

ニュースから流れてきた映像を見ていて大まかには知っている。十数人のプリキュア達は一斉に攻撃を仕掛けて応戦し、巨大怪獣の様相を呈したそいつを跡形もなく消滅させた。だが実際にはフュージョンは倒されたものの体の一部というべきか欠片として横浜の街にどうやら散らばったらしい。多分プリキュア達にとってこれは想定外だったのだろう、星空さん達は早速そのフュージョンの欠片って奴を探しに来たのだ。

「この街の何処かに?」

「そうなんだ。でも欠片っていっても何処にあるんだろう」

「待てよ。じゃあ今ここに居るのは危険じゃないか。だったら・・・」

善は急げというだろう、呑気に観光なんかしてる場合じゃない。巻き込まれない内にとっとと家に帰るべきだぞ。

「それさえ解ってたらなぁ」

「兎に角、今は早くフュージョンを探すクル」

星空さんのバッグからキャンディが顔を覗かせる。こいつが他の妖精から話を聞いたのが今日の発端らしい。ん、他の妖精か。へぇ、キャンディだけじゃなくてこんな生き物がまだ他にいるんだな。

「真澄、今からみんなでフュージョンを探すクルゥ。だから邪魔しちゃ駄目クル」

「俺が?まさか。そんなつもりは一切無いから、まーそういうことなら頑張れよ」

「真澄君はもう帰るの?」

「まぁな。あ、お土産とか別にいいからな」

さてと、後は優輝をどうやって説得したもんだろう。それともこの辺りを適当にブラつかせて観光気分でも味合わせてから適当に連れて帰ろうか。

 

 

 

「おーい!フュージョーン!!」

 

 

 

声高らかに怪物を呼ぶ星空さんの叫びだった。行き交う人々は何事だろうと歩みを止めて彼女を見詰める。日野達はそんな様子を見て直ぐ様に止めさせようとした。彼女達の姿が周囲の注目を集めている間に俺は妹に声を掛けようと振り向く。

「優輝?」

妹が見当たらないと知ったのはその時だった。ほんの僅かでも目を離すべきではなかった、が。一先ずあいつの番号に掛けて呼び出せば―――

「・・・無い。こんな時に限って」

更に迂闊な事に携帯を自宅に置きっぱなしで来てしまったとはツイてないの言葉に尽きる。探して辺りを見回しながら俺はその場を歩き始めた。

「真澄君。ここで何してるの?」

「優輝が迷子なんだよ」

赤レンガ倉庫の中にある様々なショップが並ぶ中を進んでいるとフュージョンを探し始めていた星空さんに再び出会した。

「はぐれちゃったの?大変」

「で、星空さんはさっき言ってたのを探してたのか」

俺達は成り行きで行動を共にする事になり、あちこちの店を覗きながら妹の姿を黙々と探した。目を離してそんなに経ってはいない筈だが、優輝はすばしっこいというか行動力も人一倍な上に足が早い。もしかすると既にこの周辺を離れてしまったかも知れない。手元に連絡手段が無い事も災いして発見は困難を極めそうだ。一方、隣で星空さんは同時にフュージョンと呼ばれる存在を真剣に探していた。特に足下を注視する姿勢からして、欠片と聞かされているからこそ地面に落っこちているのではないかと考えていそうである。

 

「ムグッ」

 

「あ!」

 

突然の出来事に彼女は唖然として暫し固まった。探す事に集中する余りに目の前の少女の存在に星空さんは気付いていなかった。注意する様に声を掛ける間も無く相手の背中に頭をぶつけ、暫し相手と見詰め合う。先に行動したのは髪を二つ結びにした制服姿に通学用鞄を肩から提げた少女だった。一言謝ると走り去っていくその様子を見送る。

「待って!」

「星空さん?」

彼女はいきなり駆け出して今しがたぶつかった相手を追い掛け始めた。何が何やら、思うより先に出口へ向かっていく彼女に俺も咄嗟に後へ続く。唐突な追いかけっこがこうしてスタートした。制服の少女を追う星空さんはこちらの呼び掛けもまるで無視してただひたすら突っ走る。途中、派手に躓いて星空さんは顔面から倒れたが、めげずに即座に起き上がった。

「待ってー!」

「おいおい、なに考えてるんだよっ」

「待ってー!」

「あ?増えた!?」

何とこの追いかけっこに新たな参加者が現れたのだ。目の前に突如フレームインするやたら足の速い誰かさんが加わってやがて街中にまで辿り着いた。そして、俺達は遂にゴールを迎えるのだった。謎の参加者が一気にごぼう抜きして立ち塞がる。慌ただしく急停止するが星空さんただ1人は間に合わなかった。

 

 

 

「止めてぇぇぇーーー?!」

 

 

 

叫びも虚しく、星空さんは勢いそのままに突っ込んでいくと又も倒れ込んでしまった。今度は他人も巻き添えにしての大事故にただ見ているしかない。

「あ、あの。大丈夫―――」

「「うわぁぁぁ!」」

「あ、起きた」

弱々しく声を掛ける制服姿の少女。すると2人の少女、星空さんとやはり見慣れない何処かの誰かさんは険しい表情で近付いた。

「「さっきはごめんなさい!!」」

「え?」

殆んど同時に彼女達は往来のど真ん中で頭を下げて謝った。想像していなかった意外な行動ゆえに俺も制服姿の少女と同じくきょとんとする。

「私、ちょっと余所見してて。ぶつかっちゃってごめんなさい」

「私の手がブレスレットに当たっちゃって、壊れなかった?」

もう1人がそう言って指差したブレスレットは手首に確りと巻かれていた。どうやら壊れている様子は無く、すると今度は矢継ぎ早に怪我が無いことを確かめて星空さん達は漸く安堵したのか肩の力を抜く。

「それを言う為にわざわざ追い掛けてきたの?」

「「うん!」」

それを言う為にわざわざ追い掛けてきたのを俺は追い掛けてきたの?という気持ちで一杯なのを余所に、問題は俺の目の前で解決した。制服の少女は苦笑いを浮かべながら今度こそ立ち去っていく。ここまで夢中で走ってきた2人はお互い納得した様子でそれを見送った。

「「ところで、ここ何処?」」

「あのな」

自分達が置かれている状況に漸く気がついたらしい2人は同時に疑問を投げ掛ける。だが生憎と聞く相手を間違えているし、それを聞きたいのはこの俺もだよ。そんな訳で一旦場所を変えて状況を整理する時間を設けることにしたのだった。

 

 

 

 

「これからどうしよう」

 

見上げた空に掛かる一筋の飛行機雲―――。

 

「真澄君、聞いてる?」

「おぅ、そうだな」

 

その声に返事すると意識を地上へと戻し、山下公園の一角にある噴水近くのベンチで腰を落ち着けている状況を再認識した。俺と星空さん、そしてついさっき偶然出会った少女も一緒にこれからの事を考えていたところである。飛行機雲が真っ直ぐに伸びていく様に、見覚えのある忌々しい出来事を思い出していた俺は溜め息つく。安堵からか疲れからか、或いはその両方。初対面の相手と視線が合い、何か気まずくて小さく会釈した俺は別の方に顔を逸らした。

「どう?みゆきちゃん。・・・・・・他の場所も探してみる?」

「そうしよっかなぁ。でも、響ちゃんも友達と一緒に来たんでしょ。探さなくていいの?」

既に互いを名前で呼び合うまでになったらしい。長い茶髪に黒い服を着たこの少女は北条響といい、自己紹介を済ませると話し始めた。彼女も又、友達とはぐれてしまったという。しかし不安そうにしている星空さんと違って至って穏やかな落ち着いた様子だ。

「うん。多分、会えるから」

「どうして?」

今度は星空さんが聞き返す。理由について尋ねられると彼女は頭を掻きながら曖昧にそう答える。俺は公園の噴水に視線を戻して考えた。先ずどうするべきか、一旦あの赤レンガ倉庫に戻ってみようか。

 

「いや、やっぱり―――」

 

あいつならこういう時どうする。優輝の奴、たぶん今頃は俺とはぐれたと気付いて連絡を取ろうとしているかも知れない。その携帯を家に置いてきたから繋がらないと解ったら、戻ってきて探し始めるんじゃないか。

 

「お一つどうぞニャー♪」

 

待てよ、一つの事に夢中になって周りが見えなくなる優輝のことだからな。案外プリキュア探しとかに夢中になってたりして。

「それはどうもクル」

「頬っぺた落ちるニャ?」

そうだ、きっと。それ“ニャ”ら今頃は―――ん?何だ。星空さんでも北条さんでもない声に気を取られてそっちを見ると2人は青ざめた顔で固まっていた。側にはキャンディと一匹の白い猫。但し、こいつらは普通に人間の言葉を交わしながらお喋りしている。

「猫がッ!」

「小豚がッ!」

・・・喋った事に彼女達は立ち上がって叫んだ。正直、俺はキャンディが小豚でも驚きはしないが猫の方まで口を利いたのはまったく予想だにしなかった。

「キャンディは小豚じゃないクルぅ!」

「ハミィとキャンディはお友達ニャ」

いやいや、マジでキャンディが小豚でも何でもいいけど。白い猫はハミィと名乗るとそうはっきりと伝えてきた。その相手はどうやら北条さんの様だ、つまり。彼女と星空さんはお互いに見詰め合って暫し沈黙した。すると2人の間を何かが素早く飛んで横切っていく。

 

「“フュージョン”クルー!」

「“フュージョン”ニャ!」

 

キャンディとハミィが同時に叫ぶ。星空さんは慌てたが北条さんはハミィに呼び掛けると走り出す。彼女はまるでそれを追い掛ける様にダッシュしていった。

「マジかよ」

「待ってぇぇ!!」

それを追う星空さんと俺、何故だか状況は悪くなる一方。妹からは遠ざかり、やがて俺達は公園から街中へ場所を移した。―――横浜中華街、そこは沢山の店が並ぶ人通りも絶えない有名スポットの一つだ。

「みゆき、もっと急ぐクルー!」

「そ、そんなこと言ったって・・・!」

キャンディを抱えた星空さんは遥か先を行くもう1人の背中を見失わない様にするだけでも精一杯だろう。フュージョンは欠片と呼ばれるだけあって確かに小さかった。このちっこい奴は殆んど影みたいに素早く、人通りの中を人々の足元を次々にすり抜けていった。あの北条響という少女は躊躇いもなく一目散に追い掛ける。興味本位、そういう類いじゃない。つられて星空さんについていく中で俺は何処か不思議に感じていた。

「また出た!!」

星空さんが頭上に新たな欠片たちを見つけた。蠢く塊が一つ二つと増えた、と―――。

「響!!」

「奏、エレン、アコ!!」

3人の少女が目の前に現れた。どうやら北条さんがはぐれた友達であるらしいのだが、再会した彼女達は並んで走り続ける。

「フュージョンを探してれば奏たちと会えると思ったからさ」

「んもぅ・・・!」

「話はあと!フュージョンの欠片が集まってきてる!」

北条さん、そして彼女の友達と聞くにフュージョンを知っているようだ。赤縁の眼鏡をした一番小柄な少女が言うとおり、こうしている間にも確かに欠片は寄り集まっていた。

「前みたいに大きくなったら厄介だわ」

「じゃ、まだ小さい内に」

「「「えぇ!!」」」

察したと秤に頷くと4人は建物と建物の間の狭い路地に入った。星空さんと俺も後に続くと北条さん達は何かを手にして立ち止まる。

 

 

『レッツプレイ!プリキュア・モジュレーション!』

 

 

眩しい光が一杯に薄暗い路地を照らした。同時に叫んだ北条さん達がその中で見る間に姿を変えていく様子にただ呆気に取られた。側の水色のゴミ箱の蓋から野良猫が慌てて飛び降りるのに漸く気付いた時、4人の少女はカラフルかつ派手で可愛らしいそんなお馴染みのコスチュームに身を包んでいた。そう、この雰囲気には見覚えがある。というか、初めに思い切り言っていたじゃないか。ああ、彼女達は間違いなくそうなんだ。

 

「爪弾くは荒ぶる調べ!キュアメロディ!」

 

「爪弾くはたおやかな調べ!キュアリズム!」

 

「爪弾くは魂の調べ!キュアビート!」

 

「爪弾くは女神の調べ!キュアミューズ!」

 

北条さん始め、次々にポーズを決めて並び立つ。名乗った彼女達を前にして俺はふと思い出した。昨日の朝、ニュース番組のテレビ画面一杯に特撮も顔負けの大バトルを繰り広げていた複数の中にこの4人が居たことに。

 

 

 

『届け、4人の組曲!スイートプリキュア!』

 

 

 

新たな出会い。初めて訪れた場所で偶然にも星空さん達ではない伝説の戦士プリキュアが目の前に現れた。謎の怪物騒動によって明らかになったまだ見ぬプリキュア達の存在は今や現実以外の何物でもない。

「「スイートプリキュア」」

俺と星空さんはほぼ一緒に口にした。殆んど呆然とした状態ではあったが見間違いなどではないと自覚していた。

「おおおーーー!!プリキュアだぁ~!」

「っ見られちゃった!?」

「大丈夫だよ」

感激でもしたのか近寄る星空さんに自分達の姿を目撃されたと動揺した様子を見せる。やっぱりこの人達も正体を知られたくなかったらしい。だがそんなキュアリズム達に対して北条響さんことキュアメロディは既に察していたらしく1人気にしていなかった。

「よおし、私も!」

てな訳である。星空さんがスマイルパクトを取り出して見せると意気揚々として変身し始める。

 

〈―Ready?―〉

 

「プリキュア・スマイルチャージ!!」

 

〈―Go! GoGo Let' go Happy!!―〉

 

「キラキラ輝く未来の光!キュアハッピー!」

 

星空みゆき、又の名を。これにはメロディ以外の仲間達は驚きを隠せない。プリキュアがこれで5人、追うべきはフュージョンと呼ばれた怪物の一部である、意思を持って集まった欠片。

 

 

 

「何」

 

 

 

欠片―――それが一つの大きな塊と化して向かってきた。ほんの僅かの間の出来事に身動きする事なく、俺は気付くと高く高く空を飛んでいた。

「真澄君!!」

「ほ、星空さんっ」

咄嗟に手を伸ばしたものの掴めなかった。フュージョンはこの俺をどういう訳か連れ去ろうとしている。直ぐ後ろをキュアハッピーとスイートプリキュアの4人が追い掛けてくる。中華街の路地裏から程なくして沢山のコンテナが並ぶ景色が視界に飛び込んだ。

 

 

 

 

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