異世界転生したと思ったらリアルと通じてるオンラインゲームだった件   作:北町スイテイ

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まずはじめに事実を言おう。

 

どうやらこの世界、ゲームらしい。

 

昨日会った4人組がどこかパーな感じじゃなければ、それは事実だと思っていいと思う。

ただ私が、この世界がゲームかどうか聞いた時の彼らの反応は、確実にかわいそうな、そしてやばい人を見るそれだったことだけはここに記しておく。

 

だってみんな完全に引いてたもん、最終的に「シライさんもいないし、今日は解散ってことで!」みたいなこと言ってたけど、どう見ても無理やり帰る言い訳作った感じだったもん!

 

その際驚くべきことが起こった。

 

マーキング...消費MP5 出会った相手の動向がわかる。レベルによって数が増える。25/レベル制限なし

 

島でモンスターを追いかけるためにとっておいたこのスキルが、人間にも有効だなんて知らなかった...。

まあ、必須スキルにストーキングっていうのが有ったから、もしかしてとは思ってたけどね。ただ人間に会う機会も少なかったし、仕方ないね。

 

出会ってすぐこのマーキングをしていたのだが(そこ! キモい言わない!、やっと見つけた人間、見失ったら嫌だったんだもん!)、彼らが消えた瞬間彼らの気配が消えた。

一瞬対抗スキルか何かかと思ったのだが、その後一人だけ戻ってきて移動していたから、スキルの効果が消されたわけじゃないのはわかった。

ただ何が言いたいかと言うと、彼らの動向が消えてる時、それは彼らが現実世界に戻っている時だと言うことだ。

まあ、私のスキルに範囲制限があったらわからないんだけどね、彼らあの一瞬でめっちゃ遠くに行った説もまだあるし...。

 

そうなると気になるのは、彼らの元の世界とやらが私に知る世界かどうかと言うことだが、これについては何もわかっていない、これから情報を収集することにする。

 

戻ってきた一人(誰かまではわからない)、私のスキルは対象の状態をある程度映すことができるのだが、ある場所で戦闘した後、最終的にある場所へ瞬間移動、買い物をした後またこの世界から消えた。

 

ここで私は考えたわけである。

買い物をしているなら、そこに街があるのが常識だろうと!

しかも買い物は一度だけではなかった。これを踏まえて考えてもたくさん人がいることは間違いない。

 

そうとわかればとっとと船に戻り上陸、あらかじめ空間把握で確認しておいた買い物位置に向かっているわけなのである。

 

「もうちょっとのはずなんだけど」

 

そんなわけで森というよりジャングルを突っ切っている私、それでも一応森フィールド扱いになっているらしく敵とは戦闘になっていない。エルフ様様である。

 

反応が消えてからかれこれ8時間ほどが過ぎている。船で移動していたのが3時間として、その後ご飯を食べて4時間、かれこれ5時間ほど移動している。ちなみに船は荷物を島に返して解体しておいた。

 

ワープできればいいのだが、一度行ったことがないとできないので仕方ない。

 

 

 

それにしてもなあ、と思う。

この世界に来て、自分は死んだんだと思っていたが、もしかしたらという想いが湧いてくる。

 

もしかしたら自分の体はまだ向こうで生きていて、ただゲームに繋がれて眠っているだけ、医学が発達すればそのうち目覚める...なんて夢物語を想像してしまう。

まだ彼らの世界が私の世界とも限らないから、ただの妄想でしかないけれど、もしそうならば...

 

そこまで考えて私は視界が広がったことに気がついた。

あれから8時間も経ったせいで随分と暗くなっているが、そこには明かりがあり、そして賑わっていた。

 

「いらっしゃい! 安いよ安いよ。」

「ちょいとそこの冒険者さん! うちで一杯どうだい!」

「そこで俺の完璧なアシストがな...」

「がっはっは!」

 

人、人、人。

この世界で見るはじめての街だった。

 

「うわあ。」

 

その圧倒的な輝きに、私は感動すら覚える。

気がつくと私は走り出していた。

 

 

 

街に着くとその活気が肌を突くのがわかる。圧倒的質量で肌が震える。多くの人がごった返すこの空間に、私は懐かしさを覚えた。

 

「ねえそこの冒険者のお姉さん。」

 

私が感動のあまり道のど真ん中で突っ立っていると後ろから声がかかる。

振り向くと白のカチューシャとアホ毛がチャーミングな小学生くらいの女の子が立っていた。

 

「もう宿はお決まり?」

「え?」

「今なら300パルで食事付きだよ。」

 

どうやらキャッチセールスされているらしい。こんな人混みの中私を選ぶとは、この少女なかなかの逸材である。

 

念のため教えておくと今私が身につけているのは、遺跡で倒した狼の皮を剥いで作った、某アニメ映画の野生的な彼女が着ていた白い狼の毛皮の黒いバージョンである。どこの山姥だって話。

 

それでも話しかけてくれたこと自体すごく嬉しかった。嬉しかったので、是非彼女の要望に応えてあげたい気持ちは山々だったが、いかんせん問題がある。

 

「えっと、ごめんね。今お姉さんお金持ってなくて。」

 

そう、お金問題である。

あんな島でお金なんて必要になることなんてなく、今の私は完全な無一文。そこらの屋台で売っている焼き鳥のようなものを買うことすらできないのだ。

 

「え? でもお姉さん冒険者でしょ?」

「そう、なのかな?」

 

彼女のいう冒険者というのがなんのことかはわからないが、彼女からそう見えるならそういうことにしておこう。正確には旅人というのが正しいのだろうが、それを言ってどうにかなるわけでもないし。

 

「冒険者さんならギルドでモンスターを売りに行けばお金ができるって、お母さんが言ってた!」

 

ほうほう、なるほど。

ここはそういう感じのゲームなのか。

彼女の言うモンスターを売るというのは、多分モンスターの素材を売るということでいいのだと思う。

それならばなんとかなりそうだ。

 

「ありがとうね?お嬢ちゃん。」

「お金作ったらうちに泊まってね!」

「うん!」

 

可愛らしいキャッチに一度別れを告げると、彼女が教えてくれたギルドに向かう。

ギルドに入ると、騒がしい居酒屋のような賑わいが私を出迎えた。

 

「君、何か探してるの?」

 

中は思ったよりも広く、1番奥には何やらステージのようなものがあったが、私の目的は素材を売ること。

カウンターはどこだとキョロキョロしているところを不審に思われたのか近くにいたおじさんが話しかけてくれた。

 

「えっと、モンスターの素材が売りたいんだけど。」

「あー、初心者さんか。ならあの樽のとなりのお姉さんに話しかけるといい。」

「ありがとうございます。」

「いいってことよ、なんか困ったことがあったら遠慮なく聞きな。」

「はい。」

 

親切に教えてくれたおじさんにお礼を言うと、早速言われた通りにしてみた。

 

「素材の買い取りですね。」

「はい。」

「ではギルドカードはお持ちですか?」

 

ギルドカードかあ、そう言う感じかあ。

 

「もしかしてギルドカードが無いと売れなかったりします?」

「いえ、ただあった方がお金の管理とかが楽ですし、素材買い取りの時の手数料がお安くなりますから。」

 

なんだかポイントカードみたいだな。

私は割とコツコツポイントを貯めるタイプなので、こんな風に説明されるとカードを作りたくなってしまう。

 

「もしよろしければ、一緒に発行いたしますか?」

「できるんですか?」

「はい、少しお時間をいただきますが。」

「大丈夫です!」

「そうですか。ではこちらへどうぞ。」

 

そう言ってお姉さんは私を奥の部屋に連れて行った。

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