伝説の転生者の物語   作:ゆっぴー

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新章突入。


そうだマリージョアに行こう
第十二話 海軍本部で帰還者は不意打ちの出航を


前回割とあっさり少将を潰した"剣帝"スコウェルト・イープ。因みにこの前聞いてみたところ、海賊を潰したボーナスやら、少佐の給料やらで、イープの貯金がもう五百万ベリーを超えている。これを聞いて少ないと感じる人は多いかも知れないがこれは実際はかなり多い。まずイープはそもそも皆殺し前提の大規模殲滅技である『大槍』『一刀両断』『地平切り』『ミキサー』しか用いず、生き残る賞金首はまずいない。これでまず公開処刑を望む海軍はイープにボーナスを満額渡さないのだ。さらにここは偉大なる航路の前半である"楽園"。総合賞金額も高くて一億弱なのである。そんな億越えが前半の楽園に頻繁に出没するようになった暁には海軍は壊滅的なダメージを受ける事になるだろう。加えて仕事で海賊捕縛をやっている海軍には当然賞金を満額渡さないし、渡した賞金(ボーナス)も部隊で山分けなのだ。寧ろそんな条件の中で貯金が五百万貯まったイープが異常なのだ。しかしいくら貯金しても衣食住が保障されてるから別にそんなにお金は要らないのだが。と言うかこのペースで行ったら直ぐに一億ベリー貯まりそうである。使う機会は無いだろうが。給料はいいけれど使う暇がないから宝の持ち腐れ。恐ろしい職場である、海軍本部は。

 

そんなこんなで更にまた海賊船を十隻ほど消して、 海賊だった物たちの一部を確保している今この頃。

 

この前沈めた元少将のとこの唯一の生き残り、クラ ンカー・ドーとイープ、スチルドパットは結構仲良くなった。しかし事情は知らないのに本人は自分のことを『お姉ちゃんと呼んでください!』などと言っているが、イープもスチルドパットすらも彼女をそう呼ぶことは一生ないだろう。何故ならどんくさいから、いやどんくさ過ぎるからである。彼女は姉ではなく放っとけないない幼馴染みといったところだろうか。彼女の失敗を挙げるときりがないが、その一部を紹介するとすると、この前イープの為にカレーを持ってきたと言い、そのカレーをイープの頭の上にひっくり返して渡してきたり(要はカレーを頭にかけられた)、突然原因不明のタックルをイープに喰らわせて(足がもつれたらしい)海に放り出したりしていたなどがある。因みに海に放り出された後にイープはファーストキスをよく分からんウシ顔の海王類に奪われてしまった。別にあまりにそういったことを気にする質ではないが腹が立ったのでその海王類は八つ当たり気味に切り刻んだ。やはりそれに比べたらスチルドパットが良かったと言うのが本音だ。他にもなぜか火のついた蝋燭を持ったドーがうっかり手を滑らせてイープの左肩に引火。 直ぐに消したがイープの弱点属性の火による不意の攻撃(?)であった為普通に攻撃が通った。最早悪意が感じられるほどのドジっぷりだが、見聞色の覇気の使えるイープにはそれに悪意が無いことが分かっている。分かってるから寧ろ余計に腹が立つ部分もあるのだが。

 

因みに炙られた部分は凄く固くなり、関節も動かなくなった。しかしそこは火傷が治るとまた動かせるようになるのだ。ただし、火傷痕は残ったが。

 

などと色々有りながら(主にドーのせい)もマリンフォードに到着。港ではヒナとスモーカーが出迎えた。

 

「皆おひさー!突然だけどこの娘の紹介するね。僕の頭の上に乗っている猫はシロン・スチルドパッド。僕の妹だよ。スチー、人に戻って。」

 

「よろしくにゃん」

 

とイープの紹介で挨拶をするスチルドパッド。なんだこの可愛い生き物は。

 

「というかイープ、その娘はどうした?」

 

とスモーカー少佐がイープに問いかける。

 

「拾った」

 

返ってきたのは最低の返事である。もっと良い表現は無かったのだろうか。

 

「おいこら、その娘の親はどうした」

 

下手すれば誘拐である。スモーカー少佐の語尾に怒気がこもる。

 

「僕がこの子の父親で兄だよ。ねー、スチー?」

 

「にゃん!すちー、おにーにゃんのいもうとー!」

 

「そういう意味じゃねぇ!その娘の本当の親はどうしたっつってんだよ!」

 

と散々はぐらかされて口調が荒くなるスモーカー少佐。しかしそれも、

 

「さあ、知らない。僕も知らないし、この子も知らない」

 

突然冷たくなったイープの声で何も言えなくなる。イープがスチルドパッドに優しくするのは似た境遇であることも一因なのだろうか。

 

とりあえず今分かることはスモーカー少佐のしていたことは人の触れられたくないことに触れるようなお節介、所謂余計なお世話であるということだ。それによってスモーカー少佐が言葉に詰まって会話が途切れるも、

 

「それでこっちの娘はクランカー・ドー。階級は海軍本部雑用ね。 そんでスチーとドー、この恐い男の人は海軍本部少佐のスモーカー、女の人が同じくヒナね」

 

「ふぇ?よっ、よろしくお願いします!」

 

イープが何事も無かったかの様に会話を再会しさっきまでの問答を無かったことにする。

 

「ああ、よろしくな」

 

「こちらこそよろしく。ヒナ相槌」

 

大人な二人の海軍少佐は直ぐにこの二人と打ち解けるだろう。

 

「そうだ、テメェがこの前言ってたシャボンディー パークに行く手筈がもう済んでるから何時でも出発 出来るぞ」

 

とスモーカーが思い出したように言う。

 

「グッジョブ、二人とも!!よし行こう!さあ行こう!! 今すぐ行こう!!!……あっ、ドーも行く?」

 

と、ここで完全に忘れ去られた存在に気付く。スチルドパッドは連れていくこと確定である。

 

「ふぇ!?じゃ、じゃあ一緒に行かさせてもらいます …」

 

さすがのドーも海軍本部の将校三人とどこ かに遊びに行くのは緊張するのだろう。ただ、本人が行くって言ってるから連れて行くが。

 

「じゃあ、ドーの準備も必要ね。ヒナ思考」

 

「ふぇ!?じゃ、じゃあ今すぐ取ってきます!!」

 

と言って猛スピードで自分の寮か家に向かおうとしたとき、

 

「スコウェルト・イープ少佐!雑用のクランカー・ドー !二人はこれからサカズキ中将の部隊に所属することになりました!サカズキ中将が今から航海に出ることになった。準備はこちらで済ませているので早急に出頭せよ、とのことです!」

 

と海兵が来て言った。

 

ドーの方は、

 

「ふぇ!?かっ、かしこまりました!」

 

と言って走って行ったが、

 

「シャボンディーパークは次の機会にするわね。ヒ ナ提案」

 

「まぁ、そう落ち込むなって」

 

「……ふっ、……ふざけるなーーー!!」

 

イープは納得など到底出来ない。何故海軍上層部はイープの嫌がることばっかしてくるのだろうか。イープだけ出世出来なかったり、さっきの航海だって滅茶苦茶期間長引いたのに加えて、やっと帰ってきてついにシ ャボンディーパークに行けると思ったのに今度は異動で直ぐに出航らしい。

 

「ふっ、……ふざけるなーーー!!」

 

バアァァァアン!と地面に八つ当たりをしてクレーターを作り、文句 をタラタラ言いながらもしっかり中将の所には向かう。やはり組織に属している以上は無闇に上司には逆らうのは得策ではない。

 

そしてサカズキ中将の船に到着。イープは当然テンションが最低なのに対してドーの方はテンションが最高のようだ。この温度差は何なのだろうか。ドーは中将閣下の船に乗せてもらえるのが嬉しいのだ。あの時はいなかったとはいえ、一応前の船も中将の船だったのだが。

 

そんなこんなでイープはサカズキ中将とご対面。

 

第一印象は

 

(何、このいかついおっさんは?)

 

である。勿論口には出さないが。イープの元の世界でやのつく職業をやってそうな顔立ちに、その人たち顔負けの殺気。十中八九子供には好かれないだろう。と言うかその雰囲気で好かれたら子供が好きなのに好かれない人たちが可哀想である。

 

実力ではサカズキ中将はイープの弱点である『火』の上位能力、『マグマ』の能力者であるから多分攻撃は効くだろう、しかしそれを考慮したとしてもイープが圧勝出来るだろう、将来はまだ分からないが。

 

とここでサカズキ中将の船の船員に会い、

 

「「「「「「子供!?」」」」」」

 

「……潰すよ?」

 

非常に失礼なことを言われた。確かに子供だが、このコートを着てるという事は少なくとも将校なのである。子供とはいえど少しは上官である少尉を敬う気持ちくらい持つべきであろう。

 

そんなことを考えているうちに、

 

「では次っ、イープ少尉!自己紹介を!」

 

と指名される。 "イープ少尉"という名前が出たときに、周りが一斉に、

 

「あいつがキクリング元少将を海に沈めたあの"剣帝"スコウェルト・イープ少尉か!?」

 

「まさか!まだあんなに子供だぞ!」

 

「俺、数ヵ月にイープ少尉を見たことあるけど、あいつだぞ」

 

「あんな子供が"逃走成功率0%"のイープ少尉か!?」

 

「本当にあの子供が"海軍大将クラスの化け物"のイ ープ少尉か!?」

 

「あんなに小さいのが"常笑いの破壊者"のイープ少尉なのか!?」

 

「あの娘が飴で大佐に勝ったと言われるイープ少尉か!?」

 

とざわつく。なにやらイープについての噂が凄いことになってる。ただし嘘は無いのだが。しかし最後の人の 『あの"娘"』は止めてあげるべきだろう。いくら中性的な顔立ちだからといってもイープは"男の子"なのである。"男の娘"なのでは決してない。男の子である。大事な事なので二回言っておいた。

 

「……おっけー。取り敢えず、僕のそのデストラクティブな二つ名については後でゆっくり、ゆっくーり話し合うとして、自己紹介をするよ。僕は多分"その"スコウェルト・イープ、階級は少尉だね。歳は大体四才で、好きなものは飴。得物は見ての通り刀だよ。それで僕の上に乗っている猫はシロン・スチルドパッド。僕の妹だよ。」

 

と短すぎる"帝"を刀と言い、名字の違う猫を妹と言うイープ。事情の知らない海兵たちにはイープがただの変人に見えただろう。こんな感じで簡単に自己紹介を済ませて皆船に乗り込む。

 

やはり皆クザン中将の所と比べると行動がきびきびしてる。これが上司の差なのだろうか。

 

そしてサカズキ中将の船に乗り込んでしばらくたっ て、中将の副官から、

 

「すまないが、皆に稽古をつけてやってくれないか ?」

 

と言われたので、

 

「いいよー」

 

と快諾。

 

看板に皆を集めて、

 

「今から訓練として、『皆VS僕』をやるから、どっ からでもかかって来てねー!」

 

と言って稽古を開催する。

 

勿論皆容赦なくぶっ飛ばす。 さっきの自己紹介で色々言われたこともあってクザン中将の所で稽古する時よりも三割増しで厳しくしている。さらにスチルドパッドも興奮して、

 

「皆びゅーんすごいにゃん」

 

何て言うから、イープの海兵たちをぶっ飛ばす腕にも力が入る。

 

稽古が終わった時にはちゃんと「イープ少尉閣下」と呼ぶようになり、何やら尊敬?畏敬?の眼差しで見られるようになったので色々な意味で良い時間だったと言えるだろう。

 

そして眠って次の日、イープら一行は偉大なる航路の後半の海、『新世界』に来ていた。トンネルを抜けたらそこは雪国だった、的なノリで。

 

 

 

「よお、遅かったじゃねェか」

 

ここはイープが今現在いる海の新世界にある、ドレスローザ王国の謁見の間。そこにいるのはこの国の王であり晴れて王下七武海入りを果たした、ドンキホーテ・ドフラミンゴと彼お抱えの情報屋の二人だ。

 

「済まないな。だがその分深く例の奴のことを調べられた」

 

「ほう」

 

ドフラミンゴは手元の蒸留酒を傾けて続きを促す。

 

「現在奴はサカズキ中将指導のもとそいつの船に乗って新世界に来ている」

 

「他にもあるんだろう、例えば奴の交遊関係とか」

 

「勿論だ。先ず奴が異常なほど愛してやまないのが義妹のシロン・スチルドパット。年は二つ前後で動物系"ネコネコの実モデル三毛猫"の能力者だ。次に奴の友人は三人だけてま、今はマリンフォード待機のヒナ少佐とスモーカー少佐だ。女は超人系"オリオリの実"男は自然系"モクモクの実"の能力者だ。もう一人はイープと同じ船の雑用クランカー・ドーだ。あと近いうち五人でシャボンディー諸島に旅行に行くつもりだ」

 

「大切な家族が動物系………なるほどな、それでゼファーとはどうなってる?」

 

「ゼファーは世界政府から離反。その際イープと戦闘して決別。だがゼファーはイープに自分のコートを渡し、一部ではそれでイープをゼファーの遺志として祭り上げる輩もいるみたいだ」

 

「アイツが"正義"を背負うか……中々滑稽だ…!!じゃああの辺にいるブレードとシャボンディー諸島にいるアイツらに…………と伝えておいてくれ」

 

「分かった」

 

危険な男ほど暗躍する。

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