伝説の転生者の物語   作:ゆっぴー

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今回は少し稚拙…むむむやはりシリアスは難しい


第十六話 新世界で海兵は正義の紛争を

前回調子が悪いながらも"四皇"と"王下七武海"を相手取って辛くも勝利したスコウェルト・イープ。

 

「イープ、お前やっぱおもしれーな!どうだ、うち の船に乗らねーか!?」

 

「これ何回目かな?十八回目だよ!何回も君の船には 乗らないって言ってるよね!?」

 

さっきの戦いが終わって、イープが勝ったが誰も重傷を負わなかったため、そのままシャンクスの船、レッド・フォース号に乗って、宴会をすることとなった。ミホークは全然喋らないがそこそここれを楽しんでいるのだろう、酒の盃が止まること無く口ととっくりを行き来している。しかし主催のシャンクスはそんなに酒に強くないみたいで、樽一つ一気飲みしただけでもう泥酔してイープを再三海賊に勧誘してくるのだ。正直言ってウザい。そしてイープは、

 

「はい、飲み終わったよ~。もう一つ頂戴ね~」

 

「すげぇぞ、イープ!これで三十樽目だ!」

 

「もっと飲めー!」

 

「うげっもう無理。俺の負けだ…」

 

「おおっ、これで八人抜きだぁー!!」

 

「こんなんじゃまだまだほろ酔いにすらなれないよ ~」

 

がっつりお酒に強い、いや強すぎるみたいだ。イープの前世でイープの国では未成年の飲酒は法律で禁じられている。確かに未成年の飲酒を禁止している国もあるが、ここはどこの領土でもない公海、法律なんて無いのだ。つまり未成年のイープが飲酒しても取り締まる法律が無いので全然罪にならないのだ。

 

「なあ、イープ~俺の船に「乗らないよ」……ちぇ 、つれねーなー」

 

「うーん、そろそろ戻った方がいいかな?実は今勤務中だしね」

 

「おう、なら仕方ねーな!」

 

「また来いよ!」

 

「面白かったぞ~!」

 

「次はもっと良い酒用意しとくからなー!!」

 

と初めて海賊から「また来い」なんて異口同音に言 われるという、海兵にしては非常に珍しい経験をして、赤犬のいる軍艦に『月歩』でイープは戻って行った。因みに結局イープはエールの樽三十九個を飲み干した。

 

そして船に戻った瞬間に、

 

「大・噴・火ァ!!」

 

熱い(比喩表現無し)歓迎を受ける。勿論"帝"で受ける。ぶっちゃけた話イープの武装色の覇気ならば手に纏えば例え弱点のマグマでも受けられるのではあるが。まさに武装色の覇気万能説。

 

「今まで仕事サボって何をしとった言うとるんじゃあ!」

 

と叫ぶサカズキ中将。

 

「"赤髪"のシャンクスと"鷹の目"ミホークと僕の三人 で殺し合って、ああ勿論僕が勝ったよ?んで、その 後に…宴?」

 

「「「「「何故疑問形!?」」」」」

 

と海兵の皆がハモる。

 

「いや…だって…あの人たち、面白かったからつい つい……(照)」

 

「「「「「誉めてない!!」」」」」

 

この世界の人たちってつっこみが上手い。

 

「それにさ…」

 

と僕が付け加える。

 

「シャンクスは四皇だし、ミホークは王下七武海で どっち道手出し出来ないから良くないかな、宴会しても?」

 

ただし同じ"四皇"といっても、上納金とか言って毎月馬鹿みたいな量のお菓子を納めさせてるビック・マムとかであるならば容赦なく潰してその挽き肉を晒してこの世界の平和にでも一役買ってもらうのではあるが。しかし今回会った海賊は所謂ピースメインな海賊、つまり海賊から略奪する海賊なのだ。寧ろ今のうちは生かしておいた方が世界平和に繋がるだろう。

 

「……言いたい事はそれだけか?」

 

とやっと口を開いたサカズキ中将。

 

「だったとしたら何かな…?」

 

と僕は"帝"を構える。

 

「少し稽古をつけちゃる。殺す気で来い。儂もそのつもりでいっちゃるわい!!」

 

と手から溶岩を、全身から殺気を垂れ流しながらサカズキ中将が言う。

 

「って事はもし、僕が中将を殺しちゃっても上から 何か言われるなんて事は無いんだよね?」

 

ちゃんと言質とっておく。これから上官殺しをするのだやはりそれなりの理由が必要なのだ。最早売り言葉に買い言葉状態である。そしてサカズキ中将の返答は、

 

「勿論じゃあ!!」

 

に決まっている。先ずサカズキ中将が回し蹴りをするがイープはそれを跳んでかわす。その時に船から飛び出してしまったが『月歩』を使えるイープにとってはそんな事は無問題である。

 

「かかって来なよサ・カ・ズ・キ中将。お得意の『流星火山』、出すの待って、あ・げ・る・か・ら・さ」

 

と笑いながら中指を立ててクイッ、クイッと挑発的に動かす 。

 

「いいじゃろう。そんなに焼かれたいんなら望み通りにしちゃるわ!!」

 

と両手を上に掲げて、連続で『大噴火』を行う。

 

因みにこの時、他の海兵はイープらの殺気にびびって、そして看板に居ては確実に巻き込まれると判断して船の中に逃げ込んでしまっている。海兵のこの判断は正しい。間違いなく看板に居てはこの戦いに巻き込まれるし、巻き込まれれば確実に命は無い。この海軍本部中将の中でも飛び出ているサカズキ中将と世界最強クラスの化け物スコウェルト・イープ少尉の戦いの激しさは例え中将と階級が一つしか変わらない少将でも巻き添えを食らえば命は無いだろう。

 

そうこうしている内にさっき打ち上げた『流星火山』が落ちて来る。これだけの大規模破壊技なのだ。そのなかでイープに直撃しそうなのは今の所百数十発中の数発くらいだけである。それでも海の上での直撃は避けたいから、

 

「そんなちんけな小雨程度の技で僕をどうにか出来ると思ってたのかな?『鎌鼬』」

 

イープ一振りの斬撃で一気に全てのマグマの拳を撃ち落とす。イープが『鎌鼬』で何回も撃ち落としているのに、全く 『流星火山』を中止させる気配の無いサカズキ中将 。

 

しかしただ『鎌鼬』で『流星火山』を撃ち落とすのにそろそろ飽きてきたイープ。だから船の上に戻る事にする。流石に船の上では『流星火山』を打てないだろうという考えもある。

 

イープは今度は『剃』で船に戻り、勢いそのままにサカズキ中将の顎を蹴り上げる。

 

「飽きたから戻って来たよ。なんか他の技は無いのかな?」

 

と相変わらず挑発的なスタンスは崩さない。サカズキ中将一人くらいの相手ならそれ位の余裕はある。

 

「舐めよって…『犬噛紅蓮』!!」

 

グワァァァァァァアア!と左手を真っ赤な犬に変えてそれがイープに迫る。しかしイープは、

 

「『地平切り』」

 

と中将の腕を手のひらから叩っ斬ってそれを回避する。

 

「くすっ、腕が真っ二つでデオキシスみたいだね。 もう片方の手もそうしてあげようかな?」

 

とこの場に誰も分からないであろう(この場にはイープとサカズキ中将しかいないが)、ポケットモンスターに出てくるDNAポケモンをたとえに出す。分からない人は劇場版を観ると良いだろう。

 

「中将相手に余裕じゃのう、『冥狗』!!」

 

と今は無事な右手で溶岩の掌底攻撃を振り切った"帝"では受けられないタイミングでやってくるが、イープはそれを左の拳一つで受け止める。勿論、覇気を纏ってる。纏わなくては左手がチャーシューみたくなっている。

 

「んなっ、わしの掌底を拳で受けて無事だとっ!?」

 

「覇気って言うのはね、目に見えない最高で最硬の鎧だからね。熟達するとこんな芸当も出来るんだよ ……格の違いを思い知りなよ、二流さん?」

 

こっから先はずっとイープのターンである。イープは今度は左の拳を開き、爪を立てて、

 

「『五指銃 』」

 

サカズキ中将の左の手のひらに僕の手を強引に捩じ込む。そして肘の辺りで貫通。本気で覇気を込めたから暫くは両手は使えないだろう。少なくともこの死合いで使うことは不可能である。ただどっち道イープはサカズキ中将をここで殺すつもりだから関係無いが。

 

スコウェルト・イープの"自分勝手な正義"とサカズキ中将の"徹底的な正義"は多分相容れることは無いだろう。だからスコウェルト・イープはサカズキ中将を殺すのだ。"自分勝手な正義"の下に。

 

イープはバク宙で一旦距離を取りそこから、

 

「『鎌鼬』」

 

両手足をきっちりと切り落とす。

 

そして一歩一歩踏みしめるように歩きサカズキ中将 の前で立ち止まって、

 

「なんか言い残したい事ってある?」

 

一応最期に確認をする。いくら嫌いな人間と言えど一応は上官。そして愚直なまでに"正義"を貫いた海兵でもある。それに敬意を表したのだ。

 

「わしが本来殺すはずじゃった海賊を貴様がかわり に殺せ。そして最小限の犠牲でより多くの人間に平和をもたらせ」

 

「勿論。ただし僕は君の実力が足らなくて救えなかった、救えないはずだった人間すら救ってみせるよ」

 

「そんなの当たり前じゃあ」

 

と言って諦めたように目を瞑る中将。

 

「じゃあ先に上で見守っててよ」

 

と言って"帝"でサカズキ中将の首をはねる。……はずだった。

 

「なんで邪魔すんのかな、ドー?」

 

そう、ここでクランカー・ドーが体当りで邪魔をしたせいでサカズキ中将を仕留め損ねたのだ。

 

「同じ海兵で殺し合うなんて絶対に間違ってます! 」

 

「さっきのサカズキ中将の言葉聞いてくれへんなか ったのかな?中将は要は『殺しちゃっても問題無い 』って言ってたんだよ!?それにさ、殺す気で行かなかった殺されてたしね」

 

とイープは頭を押さえながら、ドーに言う。

 

「それでも勝負がついた今サカズキ中将を殺すのは間違ってると思います!」

 

とドーは断言する。

 

「ドーはどんな"正義"を背負ってるのな?僕の背負っている正義は"自分勝手な正義"、サカズキ中将が背負っているのは"徹底的な正義"。この二つの正義は絶対に相容れないもとだから遅かれ早かれ絶対にこうなってたと思うよ?」

 

イープは譲らない。

 

「……それぞれが背負ってる"正義"とか難しい事は分かりません。ですが!それでも海兵同士で殺し合うのは間違ってると思います!お互いに背負っている"正義"が違うのならば自分の正義を認めさせればいいじゃないですか!?」

 

「(ドーの背負ってるのはいうならば『甘い正義』って ところかな?)」

 

「…………はぁ、分かったよ。じゃあ、"正しいと思った時に正しいと思った事を正しいと思う様に実行する"僕の"自分勝手な正義"。ちょっと考えてみてよ、サカズキ。じっくり考えて、考えて、考え抜いて、それでも僕の"自分勝手な正義"が間違ってると思うんならまた来てよ、サカズキ中将。今度は確実に殺すからね。だから今回はドーの顔を一応立てて殺さないでおくよ」

 

とだけ言い残して船内にいる海兵に荒れた看板を片付けさせるためにドーとイープは入っていった。




小ネタ等の紹介
デオキシス……DNAポケモン、ノーマルフォルムが既にノーマルじゃないステータス。アタックフォルムになるとエテボースの猫だましで落ちる。

『五指銃』……イープの技。五本の指を突き立てて指銃。
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