伝説の転生者の物語   作:ゆっぴー

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第二十話 聖都で解放者は幻想の大革命を

(ああ全く面倒なことをしてくれるね、ラヴィサメは。記憶の改窮のせいでマリージョア襲撃が遅れちゃったよ。いや、感謝した方がいあかな?今なら襲撃の準備とかも整えられるしね)

 

マリージョア襲撃を決めたイープの行動は早かった。ついでにラヴィサメの行為も故意と決めつけるのも早かった。先ずはスモーカーらとは早々に無断で分かれ、襲撃に必要な物を色々買う。次にマリージョア襲撃は一人では出来ない。いや、原作ではフィッシャー・タイガーが一人でマリージョア襲撃を成功させていたから出来ない事はないだろう。しかしイープの思っている完璧な襲撃が出来ない。だからイープより実力のある大人に助けを求めに行く。

 

 

 

「まさかまたここに来るなんて…思ってたけどね」

 

「君は…「スコウェルト・イープだよ」そうかではイープと呼ばせてもらおう。で、今回はどんな用かな、イープ?」

 

イープの知っている実力のある大人なんて"冥王"シルバーズ・レイリーしかいない。立ち話もなんだから、とシャッキーズぼったくりバーの中にイープをレイリーは招き入れ話を聞く。

 

「案の定スチーは天竜人に買われてたよ。ついでに友達が側室にされて連れていかれてたみたいだね」

 

「ほう、それで君は一体どうするつもりかね?」

 

と夕方である今から既にお酒の杯を傾けながらレイリーは言う。お酒の度数はかなり高い。

 

「勿論襲撃するよ」

 

「ははは、流石は私の見込んだ男だ。そう来なくては!」

 

と嬉しそうに言うレイリー。少し酔いが回ってきてる様だ。

 

「うん、でも僕も思うし君もこの前言ったよね、『出来ない事は言うもんじゃないな』って」

 

「ああ、確かに言ったな」

 

「だから手伝って欲しいんだよ、マリージョア襲撃を」

 

ブー!飲んでたお酒を吹き出して咳き込むレイリー。無理もないだろう。何せ引退した身にもう一度海軍にケンカ吹っ掛けに行かないかと言われている様なものなのだから。いや、マリージョア襲撃はそれ以上の事かもしれない。

 

「それは私でも流石に無理だ!」

 

「いや、何も僕と一緒にマリージョアを襲撃してくれって言うわけじゃないんだよ。少し襲撃を手伝ってくれたらなーっていう保険って感じかな?」

 

この子は何をいっているのだろうか。手伝うも何もマリージョアに海賊王の右腕が行くというだけで大問題なのだ。保険とかそういった物を色々とぶっ飛ばしている。

 

「それに手伝ってくれると言うならこれも上げるよ。まぁ、気持ちみたいなものだから気構えないで受け取って欲しいな」

 

と大きな袋に入った札束約三億ベリー。これはイープがレイリーを買収するというのでは無く、本当に気持ち程度だ。レイリーが手伝ってくれると言うのならイープは何だってするだろう。因みにこの三億ベリー、賞金稼ぎと身分を偽ってここに来る途中に準備運動感覚で狩ってきた海賊たちである。イープの目に付いたというのは不運かもしれないが、イープの目に付いて生き残っている彼らはかなり幸運だろう。インペルダウン送りになってもまだそう言える状態かは分からないが。また数奇なことにこのときのイープの偽名がイープ・スパーダであった。この意味は分かる人にしか分からないだろう。分からない人は流して欲しい。

 

「大将クラスは僕が出張るし、レイリーはいざって時にしか出なくてもいいよ。それも仕事は僕がどうしようもなくなったときのフォローだけでいいからさ。この通り!」

 

と土下座をするイープ。この誠実さが伝わったのか。

 

「ふむ…まぁ、良いだろう」

 

"冥王"がマリージョア襲撃の参加を酔った勢いで決意する。しかしここで問題が発生する。

 

「襲撃の計画もそうなのだが、船はどうするのだ?」

 

そう原作ではフィッシャー・タイガーは赤い大陸までは泳いで来たし、レイリーとイープもそこまでの移動は楽だろう。イープは『月歩』を使うが。しかしドーやスチルドパッドにはそういった足がない。加えて言うならフィッシャー・タイガーはただマリージョアで暴れるだけで襲撃を成功させていたが、計画を立てるに越したことはない。

 

「うん、海軍本部将校をなめちゃ駄目だよ。海軍の機密情報とか結構知ってるんだよね、僕。だから今回は海軍最新作の試作機に乗らさせてもらおうかな」

 

書類仕事を真面目にこなしていたイープは実は結構ヤバイ情報を知っていたりするのだ。パシフィスタは知らないが。そしていくら最新の試作機を盗むというシチュエーションだからといって、二人乗りの人形巨大ロボットではないし空も飛ばない。ついでに言えばハドロン砲なんて出る訳がない。ベガパンクは次元を越える天才ではないのだ。

 

 

 

そして二人は海軍本部に着く。一人は泳いで、一人は空を駆けて。スモーカーとヒナはシャボンディー諸島で放置プレイである。イープは彼らをこの件に関わらせる気は無い。

 

「さあ、刮目しなよ。これが海軍が誇るはずだった最新の軍艦。巨人部隊専用の軍艦"アトランティス号"だよ!」

 

そこにあるのは普通の軍艦と比べるのも馬鹿らしい程の巨大な軍艦。その中には海軍の最新兵器や、一般の軍艦が三隻収納されており『これ一隻でバスターコール』が企画段階でのキャッチコピーだった化け物軍艦。これならマリージョア中の奴隷たちを保護できるだろう。それに追っ手だって並み程度だったら無双出来る。ただ名前が一抹の不安を残すが。この名前を聞いたときイープが『沈没フラグ!?』なんて言ったのは悪くないだろう。

 

 

 

そして必要な物は積み込み、直ぐにマリージ ョアに向かう。もう少しで着く頃である。ちなみにこの"アトランティス号"、大きすぎる事と巨人族を多く乗せることを考慮して、帆の他に石炭での蒸気機関も付いてて、それで馬力を出しているのだ。そしてイープの"ドロドロの実"は地面の中から採掘される物ならなんでも採掘できる。つまりその身一つで石炭を精製出来るのだ。意外な能力の使い道であろう。これさえあれば石油王だろうが石炭王だろうが金山王、銀山王、銅山王、鉄鉱王だって余裕でなれるだろう。何故なら無限に石油などの本来使いきってなくなるはずの資源が使い放題出し放題なのだから。今は他の企業が勝てたとしてもいずれは必ずイープには勝てなくなるだろう。

 

 

 

そしてアトランティス号を持ち上げ、引っ張り上げ、蹴り上げて、マリージョアの上に繋がっているクレーン的な物の近くに停めておく。そしてイープは見聞色の覇気で主な奴隷の居場所、海兵の配置を感じる。

 

「すー、はー。うんっ、休憩終了!行動開始っ!そこの海兵さん、今からマリージョアを襲撃しようと思うんだけど、君は僕の邪魔をするのかな?」

 

まず近くの海兵二人組に尋ねる。天竜人が正義を掲げる海軍の暗部だとしてもそんなことは認められない。だから当然答えは、

 

「ふざけるな!」

 

に決まっている。叫ぶと同時に襲ってきた海兵の首を切りつけ殺す。そして他の海兵にバレるように、陽動らしく堂々と声を張り上げる。

 

「スラマッパギー皆!僕の名前はスコウェルド・イープ。海軍本部少尉で二つ名は"剣帝"。掲げる正義は"自分勝手な正義"!だからマリージョアを襲撃しに来ましたー!ってゆー訳でー邪魔する海兵もぶっ殺すよ!?」

 

とだけ言い残してマリージョアの特に天竜人が多い すなわち奴隷が多い地域に向かって駆け出す。

 

そしてアトランティス号から最も近い所にいる天竜人の家 、とあうかもはや城と呼べる建物に到着。

 

取り敢えずこの家だけは外部に通報される前に天竜 人やその護衛、また目撃した海兵等を殲滅したいと考えるイープ 。いくら奴隷たちの移動中にバレるといってもやはり敵に伝わるのは遅いに越したことはないからだ。だから大規模破壊技の狙撃『大槍』、狙撃『壁』、 『一刀両断』、『地平切り』、『斬撃攪拌』はこの場では封印である 。つまりということは主に六式で挑むことになるのだ。

 

まずは海兵に声を上げられる前に首を切りつける。そして無駄にでっかい門をなるたけ音が鳴らないように開放。

 

海兵に見付かったら『剃』で接近してから『指銃 』を脳天に放つか、そのまま『 嵐脚 』で切り殺すかして楽々とバレずに天竜人も含め て殲滅成功する。流石は世界政府の暗殺体術である"六式"だ。

 

そして奴隷たちがいる定番の地下牢に着く。案の定沢山奴隷がいる。いや、正しくはこれからは"元"奴隷である。それにしても多い。こんなに大所帯で逃げ切れないのではないかと思われそうたがそんなことはない。自分の身を守れそうな高額賞金首や凄腕賞金稼ぎが結構いるのだ。そして、

 

「こんな所で会うとはね、フィッシャー・タイガー 」

 

"正史"での奴隷解放の英雄もここに居た。本来はこれから逃げ出し、そして再びマリージョアに戻って襲撃するはずだったのだがそんな原作をぶっ殺したイープによって彼はまだ奴隷だったのだ。

 

「っつ!?お前はなんで俺の名前を知ってる!?」

 

「えっ?そりゃあ魚人街のナンバーワンといったらそこそこ有名だからね」

 

といけしゃあしゃあと嘘をつく。彼はあくまで冒険者だ。いくら魚人街のナンバーワンと言えどそんなチンピラのナンバーワンが有名な筈がない。

 

「ふん、そんな訳がないだろう」

 

「時間がないから手短に言うよ」

 

都合の悪い事はスルーする、これがこの世界の基本である。

 

「僕はマリージョア襲撃に来てね、そして船は『アトランティス号』。こっからあっちの方向にずっと行ったところ、といっても3km弱位だけどね、にアトランティス号はあるよ。すごく大きいから直ぐに分かるんじゃないかな。ついでに腕に覚えのある人は船に乗り込むクレーンの近くで それの警護もやってよね。最後に!海軍がもう少しで来るから急いだ方がいいよ!」

 

と一部の奴隷に付けられている海楼石の手錠を"帝"で斬る。本当に何でも切れる"帝"は便利である。異世界最高を嘗めちゃいけない。使いこなせるのはイープのみだが。

 

「……後、戻る時に他の奴隷に会ったらアトランティス号に来るように言っておいてくれないかな。奴隷解放が済んだ後で一箇所に固まってた方がもし海軍が来たときでも皆を守り易いしさ」

 

「俺は人間に施しを受けるつもりは無いがそれくらいはしてやる」

 

「別に僕は魚人とか人魚が人間に劣ってるとは言う つもりは無いから君たちの地位向上には反対しないけどさ、これだけは覚えといてね?『人間を虐げるつもりなら潰す』。将来君の仲間にちゃんと言っときなよ?勿論魚人を虐げるなら人間も潰すけどね」

 

特にアーロンにはね。とこれはイープの心の中だけで呟く。一応原作開始の八年ほど前になったらコノミ諸島に行くのが吉だろう。

 

「……分かった」

 

「うん、いい返事だね」

 

「これじゃあどっちが年上か分からんな」

 

「ははっ、それが僕クオリティー」

 

そして次の家へと走り去る。

 

 

 

それから一時間程経っただろうか。今はもうイープ周囲の家の殆どに火がついている。解放した元奴隷が暴徒となったのだ。これはもう殆ど奴隷解放が終わっているということだ。しかし殆ど終わったからと為って海軍も解散するはずがない。当然海軍はこの暴動の火消しと建物に着いた火を消すのに躍起になっている。そんな海兵から逃げる"元"奴隷。 そして、

 

「奴隷的拘束及び苦役からの自由を守ろうか!?」

 

その海兵を切り捨て奴隷解放にいそしむイープ。ただしこの言い回しは日本国憲法なんてないこの世界で分かる人間なんて居ないだろう。

 

 

 

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