伝説の転生者の物語   作:ゆっぴー

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第三話 海軍本部で剣士はぬるい試合を

伝説の転生者の物語改第二話

 

つい先日海軍にスカウトされて勢いで頷いてしまったスコウェルト・イープ。彼は今海軍の"正義のコ ート"を羽織っている海軍将校の中でも上位、具体的に言うと中将から元帥の目の前に立っている。

 

なんでこうなったかと言うと数時間前に遡る。

 

イープが今クザン中将に連れられて、海軍本部マリンフォード内の何処かへ向かっている。

 

そして目的の部屋に着くとクザン中将がドアをノックし、

 

「センゴク大将入りますよ。」

 

と言って中に入る。

 

やっぱりか、と内心でイープが呟く。この部屋の中 にクザン中将すら霞んで見える程の人 がいるということは既に察知していたのだ。それがまさか原作では元帥になっていたセンゴク大将だとは思わなかったが。

 

確かにかなりの実力を持ちその上悪魔の実超人系" ヒトヒトの実モデル大仏"を食べた大仏人間であるセンゴク大将は海軍本部大将を名乗るに相応しい実力の持ち主である。しかし一対一で戦ったらやはりイープが勝つだろう。センゴク大将は良くも悪くも万能型、つまりは器用貧乏なのである。尤もそれでも海軍本部大将の名は伊達ではなく、それに勝利出来るであろうスコウェルト・イープはやはり異常なのだ。

 

その内会話が進んでいき本題に入った。

 

「これ程の才能の持ち主だから俺はこの子を海軍にいれたいんですけど」

 

「しかしこんな子供を海兵にしたことが無いからな 。他のものに聞いてみんことには…」

 

実力があるので海軍に是非とも入れたいクザンと子供であるイープを海軍に入れる事に反対なセンゴク大将。しかし本来は上官であるセンゴク大将がやろうと思えばイープの海軍入隊を黙殺出来る。だかあえてそれをしないのはやはり大型新人であった"惨劇"のディティールを一方的にそしてインスタントラーメンよりも手軽に倒したという実力があったからである。このまま二人の独断、二人だから独断と言っていいのかは疑問だが、で決めていい問題ではないということになり開かれた緊急会議。そして現在に至る。

 

ここでイープが気になっているのは知った顔つまりは原作キャラが全然居ないことである。彼が 知っている面子といえば、ゴング元帥、センゴク大 将 、クザン、ボルサリーノ、サカズキ、おつる、ガ ープ中将くらいである。

 

モモンガ、ストロベリー、ダルメシアンとかはまだ少将、准将なのだろう。

 

そしてこの会議は『この子が強いんならいいんじゃね?』って言う方向で固まりつつある。ということ でイープの強さを証明するためにいま王下七武海 の一人"鷹の目"ジュラキュール・ミホークと戦うこ とになった。どう考えても腕試しの相手としてはおかしいだろう。しかし入隊に勝敗は関係ないという ことになってはいるし、 何よりイープ本人がやりたいと言っているから問題は無いだろうが。

 

今が原作開始十五年前であるからあの少し若いおじさんといった風貌の原作開始時では四十一才のジュ ラキュール・ミホークも26才である。他の人たちも凄く若かく、ガープ中将も白髪が目立っていない。ただ、今は白髪染めをしているだけかもしれないが 。

 

閑題休話。

 

突然だがスコウェルト・イープは"勝負"というのは苦手である。あの島では手加減する必要無かったし 、すれば百パーセント自分が痛い目に遭うからだ。そもそもラヴィサメの持論では"真剣"というのは殺す道具であって、勝負に使う物ではないとのことである。そしてイープもその考えに賛成である。しかし、やるからにはちゃんと殺らない程度にそして殺られない程度にやるが。

 

と飴をかみ砕き棒を捨てて、ズボンを引きずりながら剣を構える。

 

因みにイープの今の服装は海軍で支給された制服の半袖が手首を覆っていて、本来太ももが来るはずの所に足の裏がきている超ビックサイズの服を着ている。サイズが合わなかっただけだが。その時はイープが『これが身長の格差だね!』と叫んでいた のは今は関係ないだろう。

 

また、久々の文明食の棒つきの飴に感動して食事、 睡眠中以外はずっとなめ続けているのも関係ない。

 

話を戻そう。

 

イープが"帝"を構えたのに対してミホークは首についている小さな短剣を取り出して、

 

「悪いがこれより弱い剣は持ち合わせていない」

 

と言った。相手が大型新人を簡単に倒したとしてもそれくらいは王下七武海のミホークにだって出来る。だからそれを加味したとしてもこんな小さい子供が強者な訳がない、という考えに行き着いて敢えて愛刀の"夜"を抜かない事にしたのだ。

 

ただしそれが間違いだと直ぐに気が付く。

 

「一回死んだね、ミホーク」

 

と構えた短剣を斬ってそのまま"帝"ミホークの首に突き付けるイープ。

 

「成る程」

 

ミホークがとだけ呟いてイープに掌底を放って距離を取る。そしてその隙にミホークは背中の"夜"を抜 いて構える。イープもそれに合わせて"帝"を静かに構えて双方隙を窺うように固まる。

 

しかしその膠着は思いもよらない形で破られる。

 

ハックション!

 

「クザン中将ォ~、やっぱりキミの周りは寒いねェ ~」

 

この台詞を合図にイープとミホークはお互いに斬りかかる。イープが上に飛んで袈裟斬りを、ミホー クはそれを弾きとばすかように横凪ぎに"夜"を振るう。

 

因みにこの後ボルサリーノ中将はセンゴク大将にきっちり怒られる事になる。海軍大将たるもの寒さくらい我慢出来なくてはいけないのだ。

 

そしてイープが弾かれて空中で数回転してからミホークの背後に着地し、その瞬間にロケットスタート で鷹の目に斬りかかる。しかしミホークも直ぐに振り返って斬りかかり今度は鍔迫り合いになる。

 

「本気で来ないと叩っ切っちゃうよ、鷹の目?」

 

「それはこちらの台詞だ」

 

「僕のはウォーミングアップだからね。鷹の目のは 僕のことまだ舐めてるからだよね?」

 

「ふん」

 

とミホークはイープの挑発に短く返しそれからお互 いに離れる。

 

互いに体が温まってきたことろなのでそろそろ双方 本気を出すだろう。周りに迷惑を掛けない常識の範囲内で。

 

イープはミホークが剣先を少し下げた瞬間に急接近 し下から首に向かって"帝"を振るう。ミホークが" 夜"を突き刺すように動かすがそれを無視して相手から一本取るために"帝"を振るう。

 

グサッ

 

左肩に夜が貫通するがそれでも僕は"帝"を振るう腕 を止めない。 覇気がかなり込められて痛むが気に しない。イープはどうせ発動が遅いが自然系である "ドロドロの実"を食しているのだ。怪我だって必ず治る。それにこの程度で一々反応していたらあの島 で本当に死んでいたであろうことが三桁を軽く越す 。

 

しかしやはりその一撃で軌道がずれたのだろうか、 イープの一振りは空を切る。そしてミホークはイー プの左肩に刺さった"夜"を抜こうとするが、僕は"夜"の無駄に大きい鍔を左手つかんでそれを阻止する。 なんとも無茶苦茶な戦い方だが、『肉を切らせて骨を断て。楽しいことにリスクが無いわけなんか無いだろう?最っ高のメインディッシュのためならどん なスパイスも使うべきだ』というラヴィサメが三年間言い続けたモットーをイープは貫く。イープは|最高のメインディッシュ(勝利)のためならどんな|スパイス(命の危険)も使うし楽しめるだろう。

 

そして"夜"を引き抜けなかったせいで態勢を崩したミホークの顔に向かって一々は"帝"を突くように振るう。しかし今度はミホークが"夜"を手離してイー プの脇腹に蹴りを入れてきたことよってイープの態 勢が崩される。その隙に僕の肩から夜を抜くミホーク。

 

「あぁぁぁぁああ!」

 

"夜"の刀身が長いからより痛いだろうがやはり二人はこの程度では止まらない。

 

「まさか今のを避けるとわね」

 

「まさか先程のを避けないとわな」

 

「これは殺し合いじゃなくて勝負だからね。効果も有効も技ありを何百回とら無かったとしても、たった一回の一本でいいんなら無駄なことはしたくないからね」

 

勿論これは勝負だったら、の話だけどね。とイープ は笑って付け加える。

 

今度は"帝"を水平に構え、

 

「『剃』」

 

急速にミホークに近付いて、腹に向かって"帝"を振るう。しかし同時にミホークの"夜"がイープの首に迫る。これをイープはかわしてミホークの後ろに回り込み、背中に"帝"を突き立てようとするも、第六感が警鐘をならし悪寒を感じたのでイープは後ろに跳ぶ。

 

その瞬間にイープの頭があった所に"夜"が通り過ぎ 、イープの鼻先を少し切る。

 

双方かなり本気を出してこのままでは流血では済まないほど闘いは過熱してきている。今の一撃も完全にイープを殺る気だったことからもそれが分かるだ ろう。

 

取り敢えずイープは少し離れてから息をついて間合 いを取る。それによって再び訪れる膠着状態。しかしこれもまた直ぐに破られる。

 

イープがミホークの目の前に移動し今度は心臓に" 帝"を突き立てようとする。 しかし今度は"夜"に"帝 "を払われて回避される。しかしイープはその払われたときに生まれたエネルギーを殺さずにそのまま利用して回転して背中に斬りかかるもそれは"夜"に 受けられて成功しない。だがここでイープの攻撃は止まらない。

 

イープは"夜"に這わせるように"帝"を振ってそのままミホークの首を狙うもミホークは上を見るように してかわす。ならば、と今度は距離を取って、引きながら"飛ぶ袈裟斬り"を放つも今度は横に跳んでかわされてしま う。

 

そうして互角の切り合いは数時間続いた。いや、こ れは切り合いとは呼べないだろう。なぜならイープ は頭、首、心臓、お腹等の急所を狙い全てかわされたり、受け止められたり、受け流されたりと捌から れているが、 ミホークは手や足などの末端を狙い少しずつではあるが確実にイープにダメージを与えている。それによってイープは手足を切られてボロボロに、 対照的にミホークの方は服がよれているが全く傷が見当たら無い。

 

しかしこの場では"世界最強の剣士"を相手にこんな状態になってもまだ互角に打ち合えるイープの頑張りを褒めるべきだろう。尤もスコウェルト・イープ は"世界最強の剣士"相手に"互角"程度じゃ決して満足しないだろうが。

 

しかし今度こそ勝負に終止符が打たれる。

 

最初と全く同じように跳びながら打ち合い、着地した瞬間にミホークに接近し、首をとろうとイープは "帝"を振るう。そしてそれに合わせるようにミホー クも"夜"を突き刺そうとして突き出す。ただし今度はイープの腹に。下手すれば致命傷にも関わらず今回もイープはそれを無視し、今度はミホークの首に帝を突き付ける。

 

そして、

 

「『紙絵』」

 

サクッ

 

とかわしきれずに"夜"が僕の脇腹に刺さる。しかし 『紙絵』のお陰げで急所は外せたから、

 

「僕の勝ちだね」

 

とだけ言って勝者は意識を失った。

 

その後医務室のベッドの上で目を覚ましたイープは まず 医務室の先生に無茶のし過ぎだと怒られた。 どこの世でも医者は強いものである。少し手を抜いたとはいえかなり本気で来た"王下七武海"の一人" 鷹の目"ジュラキュール・ミホークに勝ったスコウ ェルト・イープもこの時は何も言えなかった。

 

因みにこの後重症を負ったが四才児が王下七武海の 一人に勝利したという大番狂わせを起こしたことでスコウェルト・イープの海軍入りが正式に許可され た。ただし階級は雑用係であるが。何やら一応は年齢を意識した采配らしい。王下七武海クラスの雑用係。すこし間違っているような響きである。

 

また、雑用とは言え"鷹の目"に勝利し、その闘いっぷりを見ていた者がイープの二つ名を考えたらしい 。その二つ名はイープの得物が"帝"であり、"世界最強の剣士"に勝った剣技は"剣の王"の様であったことからスコウェルト・イープの二つ名は"剣帝"と なった。

 

"剣帝"スコウェルト・イープ。

 

これが一時期都市伝説で海軍最強と呼ばれる海軍将校の名前である。

 

イープ本人は結構カッコいいからという理由でこの 二つ名を気に入っているらしい。




小ネタ等の解説

勝負は苦手……勝負≠死合い
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