伝説の転生者の物語   作:ゆっぴー

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第四十話 フーシャ村で崩壊者は初めての試運転を

前回の山賊たちとの絡みから数ヵ月が経った。今ではサクラとルフィの仲は中々良好になっている。

 

そしてサクラはエースとサボと一緒によくマキノの酒場に来るようになったが三人でいるときは何故か奇跡的にルフィと会うことはなかった。

 

「もう船長さん達が航海に出てながいわね。そろそろさみしくなってきたんじゃない?ルフィ」

 

とカウンター席に常連のサクラとルフィしかいない酒場でマキノがルフィに聞く。

 

「ぜんぜん!おれはさみしくねえぞ!」

 

「とか言いつつ夜な夜な枕を濡らしてんじゃねえかじゃん、ルフィ?」

 

ときっぱりとルフィは否定するも、サクラが茶々を入れる。

 

「枕をぬらす?おれはいつも肉の夢を見て枕をぬらしてるぞ?」

 

「……いやお前はもうそれでいいじゃん」

 

しかしこれはルフィには早すぎたのかもしれない。

 

「むっ、今馬鹿にされたきがするぞ!」

 

「違うわよ、ルフィ。サクラはルフィはありのままのあなたが良いって誉めてるのよ」

 

「おお!そうだったのか!なんかありがとうな、サクラ!」

 

「(ルフィ、マキノさんに言いくるめられてんじゃん…)」

 

流石は酒場の店主マキノである。相手を宥めるのなんかはお手の物だ。

 

そんなときにある団体が来客する。

 

「邪魔するぜェ」

 

「!!」

 

「げ」

 

山賊たちの来客にあからさまに嫌な顔をしたのはルフィだ。サクラの方はやっと来た、とテンションが最高潮である。前回は不幸な事故があり八百万ベリーもの大金を逃してしまった。しかしサクラ今回は逃すつもりはない。それに能力の本気を人に試す良い機会だ、逃す訳がない。

 

「今日は海賊共はいねェんだな、静かでいい…また通りかかったんで立ち寄ってやったぞ」

 

と言いながら山賊の棟梁のヒグマが席に座り机を叩きながらマキノを急かす。

 

「何ぼーっとしてやがる、おれ達ァ客だぜ!!酒だ!!!」

 

ここでサクラはタイミングを完全に間違ったことに気が付く。ここで山賊を一網打尽にすることはサクラにとっては朝飯前だ。だが確実に相手は抵抗し周りは巻き込まれる。ゴム人間のルフィは大丈夫かもしれないがたたの人間のマキノは万が一流れ弾を食らうなんてことになったら洒落にならない。もし流れ弾が当たらなかったとしても確実に店は滅茶苦茶になるだろう。

 

だからサクラは山賊が店に入る前に、広い道で叩き潰すべきだっのだ。それに気が付いたサクラは自分の浅はかさを悔やむ。

 

「はっはっはっはっは!!」

 

「あの時の海賊共の顔見たかよ?」

 

「酒ぶっかけられても文句一つ言えねェで!!」

 

「情けねェ奴らだ!!はっはっはっはっはっ!!」

 

と店内に来て酒が回ると直ぐに酔い、山賊達はシャンクス達を好きなように言う。

 

「おれァああいう腰ヌケ見るとムカムカしてくんだ。よっぽど殺してやろうかと思ったぜ」

 

実際にいざこざが起こればシャンクスが直々にでたならば山賊達は束になって掛かっても秒殺されるとわかっているサクラにとっては、今はいざこざを起こさない為に笑いを堪えるので必死だ。ここは無法地帯のごみ山ではなく平和なフーシャ村の酒場なのだ。TPOは弁えなくてはいけないのだ。

 

「海賊なんてあんなモンだ。カッコばっかで「やめろ!!!」……ああ!?」

 

しかしルフィは堪えきれなかった。好き放題言うヒグマをルフィは怒鳴り付ける。

 

「シャンクス達をバカにするなよ!!!腰ヌケなんかじゃないぞ!!!」

 

「やめなさい、ルフィ!!」

 

マキノが止めに入るがルフィは止まらない。

 

「シャンクス達をバカにするなよ!!!!」

 

それに対して沸点の低いヒグマはぶちギレた。

 

「ナメたマネするんじゃねェ、ガキが」

 

ヒグマはガッチリとルフィの肩を掴み店の外に出て、他の山賊達もそれに付いていく。当然酒の代金は払っていかない。

 

「ルフィ!……村長に知らせなくちゃ!」

 

とマキノは急いで店を出ようとするが、サクラがそれを止める。

 

「その必要はないじゃん」

 

ぼすっ、と札束をカウンターに置いてサクラが振り返る。

 

「ここに五百万ベリーあるじゃん。これをこいつらの代金ともしもの時の村の復興費にしてくれじゃん」

 

「え?え?」

 

としかしマキノはいまいち合点がいかない様子だ。

 

「要は俺が山賊を止めてくるじゃん」

 

「え!?そんなの無理よ!だってあの人達は山賊なのよ!?子供がどうにか出来る相手じゃないのよ!」

 

漸くサクラのしようとしていることが分かり、それをマキノは止めようとする。しかしサクラは止まらない。そもそもサクラは止まる必要がないのだ。なぜなら、

 

「千二百万ベリー」

 

「え?」

 

「俺が倒した最高の賞金首じゃん」

 

カウンター席から宙返りで店の出口まで行きサクラは少しカッコつけて、しかし嘘つきではないので括弧は付けずに言う。

 

「つまり凄腕賞金稼ぎ"三悪童"のサクラにとってはあんなやつらなんて朝飯前じゃん」

 

 

 

「本当におもしれェ体だな」

 

「本当だな。殴っても蹴っても効いてないらしい」

 

サクラが外に出ると山賊がルフィを囲んで好き放題していた。

 

その光景にサクラはぶちギレる。前回は不幸な事故によりそうはいかなかったが、サクラは友人がやられていて相手を許すほど優しくはない。"向こう"にサクラがいたときも友達を守るためなら複数人の男子に喧嘩を売ったほどだ。しかも忘れがちだがサクラは"向こう"では女であるのにも関わらずだ。

 

「山猿が…調子乗んなじゃん!」

 

ぶちギレたサクラはダッシュで山賊達に近付き、近くにいた山賊の顎を殴る。顎にサクラの覇気を纏った必殺の右ストレートを食らった男はその一撃で意識を刈り取られ倒れた。

 

「てめェはあの時のガキか!」

 

突然仲間を倒されたヒグマはその下手人の幼い容姿に驚く。

 

「"自称"第一級の犯罪者で懸賞金"たった"八百万ベリーのヒグマ、その首は俺がもらうじゃん」

 

とカッコつけてポケットに両手を突っ込み余裕の表情でサクラは言う。

 

「賞金稼ぎか…まあ怪我せんうちに逃げ出しな。それ以上近づくと撃ち殺すぜ、ガキが」

 

とルフィを痛め付けることに夢中なヒグマはサクラの相手は面倒だと逃げ出すように言う。

 

しかしサクラは従わない。どんどんヒグマに近付いていく。

 

「てめェ聞こえなかったのか!?それ以上近づくな。頭吹き飛ばすぞ。ハハハハ!!」

 

とそんなサクラのこめかみに山賊の一人が銃を突き付ける。

 

それにサクラはニイと、悪人のような笑みを浮かべてバンと、迷わず銃の引き金を引いた。

 

「なっ…!?」

 

自分のこめかみに標準が合わせられている銃の。しかしサクラは倒れない。|超人系(パラミシア)"ボロボロの実"を食したサクラに覇気を纏っていない一撃なんて攻撃していないことと同義だ。

 

「ほっじゃん」

 

と自分の銃の弾丸を頭に食らった筈なのに倒れない目の前の子供に驚いている山賊をサクラはともえ投げの要領で上に投げ飛ばす。そして両手をその上向きになっている山賊に向かって"壊し"投げ、右手と左足を掴む。そして壊した両手を山賊を掴んだまま引き寄せる。そして落ちてくる山賊の背骨をサクラは、

 

「『垂れ桜』」

 

回し蹴りでへし折る。

 

「人数をかけろ!剣持ってる奴で囲んで切り刻め!」

 

銃が通じないと分かると直ぐに剣に切り換えるようにとヒグマは部下に指示する。そして棟梁の言うことを忠実に部下はこなすがしかし残念ながらサクラの能力はそんなことでは破れない。

 

ボフッと乾いた音が軽く鳴り、サクラが散り散りに"壊れる"。

 

「「「「!?」」」」

 

「消えた!?」

 

それに山賊達は驚き、ヒグマは逃げたと勘違いする。当然それは勘違いで、サクラは逃げてなどいない。

 

唇だけを直してサクラの唇はサクラの最高の手札の内の一つの名前を紡ぐ。

 

「酔ヒ倒レルホド飲メ花見酒『桜吹雪』!」

 

ゴッと散り散りに"壊れて"いたサクラの全身が一気に唇に流れ込みサクラを作り上げる。延長線上にいた山賊の体を貫通して。

 

数万もあり拳銃以上の速さが出るサクラの破片は最早散弾だ。凶悪な威力のそれは一瞬で山賊達を血の池に沈める。

 

「いやーこの能力、中々使い勝手が良いじゃん」

 

そんな惨劇を起こしたにも関わらずサクラは一人ヘラヘラと笑っている。

 

 

 

それから一分もかからずにヒグマ以外の全ての山賊が地面に倒れ伏した。しかも今回は能力を全く使わずにだ。伊達に数年間覇気使いをやっているわけではない。確かに覇気使いが絶対的強者とは限らないが平和ボケした|東の海(イーストブルー)のさらにど田舎でいきがっている半分チンピラのような犯罪者には十分である。

 

「港に誰も迎えがないんで何事かと思えば…いつかの山賊じゃないか」

 

ここでシャンクスが来るが遅すぎた。もうこの山賊達はサクラの獲物だ。誰が何と言おうともサクラの獲物だとサクラは決めている。

 

「ルフィ!お前のパンチは銃のように強いんじゃなかったのか?サクラに任せっきりじゃないか」

 

「……!!うるせェ!!」

 

とシャンクスが茶化すが、踏みつけられているルフィは怒鳴る。

 

「じゃんシャンクス、こいつらは全員俺の獲物じゃん。手出しは無用って言うか絶対出すなじゃん」

 

「わかってる」

 

とサクラとシャンクスはヒグマを無視して会話するがヒグマは怒らない。何故ならこの会話の終わりが自分の寿命と分かっているからだ。寧ろ自分を無視してじゃんじゃん話し込んでほしいくらいだ。

 

「その代わりに面白いものを見せてやるじゃん」

 

と会話と自分の寿命が終わったとヒグマは顔面を真っ青にしながら悟る。だが最後に少しだけ自分の運に賭けてみる。

 

「来いガキ!!」

 

「うわっ!!くそ!!はなせ、はなせェ!!!」

 

ボウンと煙幕を張ってルフィと共に消え去るヒグマ。

 

「ルフィ!!し!し!しまった!!油断してた!!ルフィが!!どうしよう、みんな!!」

 

「うろたえんじゃねェ!!お頭この野郎っ!!みんなで探しゃあすぐ見つかる!!」

 

「……ったくこの人は…」

 

それに狼狽えるシャンクスにそれをしかりつけるラッキー・ルウ。そしてそんな光景に呆れるベン・ベックマン。そしてサクラは、

 

「あっはっは!」

 

笑っていた。

 

「あいつのミスは人質を連れていったことじゃん」

 

そうサクラはさっきのルフィの飲み物に自分の"壊れた"髪の毛一欠片仕込んでおいたのだ。もしもヒグマがルフィを連れずに逃げていたら運が良ければ逃げ切れたかもしれないが、ルフィを連れてきてしまったら百パーセント逃げることは出来ない。何故ならサクラは自分の"壊れた"部分に体を集めることが出来るからだ。つまりヒグマは発信器を持って逃げ出していたことになる。

 

「『桜前線』」

 

そしてサクラはルフィの元へ体を"壊して"向かっていった。

 

 

 

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