伝説の転生者の物語   作:ゆっぴー

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第四十三話 不確かな物の終着駅で悪童は矜持の行動を

「じゃあ三、二、一で突入するじゃん」

 

|不確かな物の終着駅(グレイ・ターミナル)のごみ山のとある小屋にサクラたち三人がいた。

 

「三」

 

サクラが左手の指を三本立てる。

 

「二」

 

薬指を折り畳んで言う。

 

「い「じゃあもういい!!……死ねよ」ちっ、突入じゃん!」

 

数えている最中に急遽予定を変更して三人で小屋の壁を突き破って攻め入る。

 

「「やめろォ~~~~~~!!!」」

 

「…コイツだァ~~!!ポルシェーミさん!!」

 

「金奪ったのコイツです~~!!!畜生ォ!!!」

 

「エ…エーズ~~~~!!!」

 

突然の襲撃者に混乱する海賊達と救世主の登場に泣きながら歓喜するルフィ。しかし唯一ポルシェーミだけは一人冷静だった。いや、寧ろ突然の襲撃者に歓喜したほどだ。何故なら、

 

「自分から来てくれるなら話は早ェ!!!口が堅くて困ってたんだよ、てめェのダチが!!!」

 

これでやっと船の金が見つかる、これで船長に殺されずに済むからだ。

 

「く!!!」

 

ポルシェーミに首根っこを掴まれたエースは思わず呻き声を漏らすが、いつも弟を想っているサクラは持ち前の愛銃"花火"で雑魚を無力化していてエースのフォローには動かない。いや、動く必要がない。

 

「サボ!!!」

 

「ん?」

 

エースの合図にサボが後ろから迫る。ポルシェーミが気づいて後ろを振り返るがもう遅い。

 

「ウォリャアア!!!」

 

ガン!!と鈍い音を立ててサボの黒い鉄棍がポルシェーミの頭に吸い寄せられて、ポルシェーミが床に沈む。

 

「ポルシェーミさん!!!」

 

「黙れじゃん」

 

自分等の最高戦力が沈められて悲痛の叫びを上げる海賊だが、その声はサクラのうずまき管を無駄に刺激してサクラをよりイライラさせる。

 

バンバンバンバンと花火で海賊の四肢を正確に撃ち抜き、弾が切れたら即補充する。その補充の早さと絶妙な間合いから誰もサクラには手を出せずにいた。

 

「逃げるぞサクラ、エース!!!」

 

倒れている海賊の一人からサボはナイフをかっぱらいルフィを救出。そのまま逃げることを提案するが、

 

「先に行け!!!」

 

「!!?バカお前…!!」

 

「一度向き合ったらおれは逃げない……!!!」

 

エースは当然逃げない。いや、目の前の敵達が仲間を追わない様に敵を逃がさない。これがエースの不本意ながらの父親だった男との共通点だ。

 

「加勢する、秒殺じゃん。だからサボはルフィの治療でもしてるじゃん」

 

とサクラがエースの横に立つ。敵はもうポルシェーミ一人ならサクラの仕掛けで充分だ。

 

「……任せたぞ!!」

 

とだけ残してサボは走って新しい隠れ家へと走る。サボのやっているこれは決して逃走などではない。自分達"三悪童"の最強でリーダー的存在、そしてなによりも自分達の長兄が戦いに参加すると言い、そして問題無いと言っているのだ。そうであればサボにはもう参戦する余地は無い。というかエースにすら参戦の余地があるのか怪しいほどだ。

 

そもそも、

 

「オイ…少し魔が「黙るじゃん『手鞠桜』」ガフッ」

 

サクラの"ボロボロの実"はサボの中では人がどうにか出来るものではないと思っている。サボはサクラから"ボロボロの実"の弱点を聞かせられているがそれでもサボは勝てる気がしない。エースは最近サクラに触れる様になったらしいが本気のサクラの前では二人がかりで一分持てば奇跡なほどだ。

 

「はい、帰るじゃん」

 

原作とは違いポルシェーミをサボが逃げる間も無く秒殺したサクラは振り返って笑いながらポカンとしている三人に言った。

 

 

 

「熊じゃん熊じゃん熊飯じゃん♪今日の夕食熊飯じゃん♪」

 

作詞作曲サクラの即興で考えついた熊の歌を歌いながらサクラは新しい隠れ家の掃除とかをしている予定となっている三人に合流する。

 

「なーところでよ、おれに一つ問題ができた」

 

「?」

 

しかしルフィとエースはサクラが予想していた通り喧嘩していたが。そんな二人を遮ってサボが口を開く。

 

「おれは今までこのごみ山に住んでたけど…今日をもっておれ達四人、完全に海賊達に命を狙われる事になりそうだろ…」

 

「ふふん、そんなの俺が居れば問題無いじゃん」

 

とサボの懸念をサクラは否定する。サクラにはまだ試したことは無いが理論上では覇気使いの攻撃すら捌く手段を持っている。それなのに|東の海(イーストブルー)の一海賊に不覚を取ることなんてあり得ない。しかしそれでも問題はある。

 

「でもサクラが居ない間におれ達が襲われたら…」

 

とサボが本当の不安を口にする。確かにサクラは自他共に認める東の海最強だし、サボは当然そこにケチをつける気は更々無い。だが、サクラがいくら東の海で最強無敵の存在だったとしても限界は確かに存在する。例えばサクラが町で仕事をしている最中にブルージャムがサボ達を襲ったら間違いなく皆殺しに遭うだろう。

 

「じゃあ効率は落ちるけどこれからは四人一緒に仕事をするじゃん」

 

「ああ、そうだな」

 

とサクラはそれに対して即座に答えを出す。確かにリターンは減るがその分りすくも減るサクラの作戦にサボも同調する。ルフィとエースは未だ口喧嘩をしていて話し合いには参加していない。

 

「だけどまだ一つ問題がある」

 

「エースのことだろ?分かってるじゃん」

 

とサボは頭の中にあるもう一つの問題を言おうとするがサクラもそれはわかっているようで解決策は話すまでもなかった。

 

 

 

「どういうこったこりゃあ~~~~~!!」

 

サクラたちがルフィを救出した翌朝、と言っても日は完全に昇りきっているため早朝ではない、とある大きな一軒家に怒号が響く。これ程までの大声であれば普通は近所迷惑なのであるがこの家の周りには民家一つ無いからその必要もない。

 

「エース!!ルフィ!!そいつらは誰だ!!?何でガキがもう二匹増えてんだよ!!!」

 

「お前がダダンかじゃん?俺はサクラじゃん」

 

何故なら誰も態々山賊の隣に住みたくは無いからだ。

 

「サクラ!!?知ってるよその名前」

 

サクラが自己紹介するとダダンはエースから話を聞いたことがあるのかその名前に聞き覚えがあるという。

 

「おめェもよっぽどのクソガキだと聞いてるよ!!」

 

サクラは多分その話の出所であるエースは後で一回シメとくことを心に決め、今はダダンと挨拶をかわすことにしておく。

 

「そうかじゃん。俺はダダンがどうしようもないアバズレだって聞いてるじゃん!」

 

「余計な情報持ってんじゃねェよ!!」

 

「おれはサボ。おれもダダンはクソババアだと聞いてるよ!!」

 

「もうやだこのクソガキども!!」

 

サクラと違い純粋な笑顔で毒を吐くサボにダダンは早々匙を投げる。やめて、ダダンのライフはもうゼロよ!

 

 

 

「じゃん、挨拶も済んだことだし早速仕事に行くじゃん」

 

「おめェらァ!!ショバ提供してんだから働きやがれェ!!!」

 

「ルフィ!!ついて来れなくても置いてくからな!!」

 

「ついてく!!」

 

挨拶も早々に終わらせてサクラは三人を引き連れて森の方へダッシュで逃げエースとサボもそれに続く。ルフィの心配をしているところを見るとエースもルフィに対して仲間意識ができてきたようだ。

 

 

「ゴムゴムの~~~~"|銃(ピストル)

"!!!ぶ!」

 

「はぁ、何やってんじゃん」

 

いつもやっている一日百戦の修行でこれが最後の一戦、サクラ対ルフィのカードでルフィがいつも通り自爆する。因みに今のところルフィはサクラに0勝三十四敗、エースとサボに0勝三十三敗。エースがサクラに0勝三十三敗、ルフィに三十三勝0敗、サボに十七勝十七敗。そしてサボはサクラに0勝三十三敗、ルフィに三十三勝0敗、エースには十七勝十七敗である。

 

サクラは能力の有無に関わらず四人の中で最強無敵を誇っている。

 

「お前その能力意味あんのか?」

 

呆れたエースが溜め息と共にルフィにこぼす。

 

「くっそーうまくいかねェ。俺の考える通りになればお前らなんかケチョン×二ケチョン×二だからな」

 

「はいはい、でも能力をルフィが使いこなせたところで俺には絶対勝てないじゃん『手鞠桜』」

 

サクラは駄々をこねるルフィをパパっと沈めて今日の分の試合を消化する。実際サクラはルフィが"ゴムゴムの実"の能力を使いこなして『ギア|2(セカンド)』や『ギア|3(サード)』を使えるようになったとしても負ける気はしない。

 

"覇気"というものが存在する限り能力だけで戦闘の優劣をつけるのは間違ってはいるのだが、サクラの"ボロボロの実"は謂わば|超人系(パラミシア)"バラバラの実"の上位能力で斬撃のみならずルフィと同じく打撃すらも無効化できる。更に言えば能力の熟練度だってサクラとルフィには雲泥の差があるし、サクラは未だ見せてはいないし使ったことも無いが戦術級の技をまだ隠し持っている。 加えて言うなら、サクラは"覇気"すら無効化できる手段すら持ち合わせている。

 

ついでに言うとサクラは"覇気"や身体能力においても外の三人とは一線を画すレベルである。

 

「ルフィは今日もサクラとおれとエースに全敗。サクラは今日も全勝。おれとエースは十七対十七か」

 

サボがルフィの傷口に然り気無く塩を塗り込む。これが無自覚でやっているのだから怖い。

 

「お前らおれが十歳になったらブッ倒してやるからな!!」

 

「そん時ゃおれ達十三だ」

 

「そん時ゃ俺は十七じゃん。早く夕飯の調達に行くじゃん」

 

捨て台詞をエースに捌かれているルフィにサクラは追い打ちをかけてサボと一緒に夕飯のワニを狩りに森の川の方へ歩いていく。

 

後ろの方で、

 

「じゃあおれが十七歳になったらブッ倒してやるからな!!」

 

と根本的に何も解決していないということに気がつかず叫んでいるルフィがいたが、いつものことなのでそこに突っ込む人間は誰もいなかった。

 

 

 

「よしワニいくじゃん」

 

「待て、サクラが行ったら修行になんないからここで待機な。今日はおれ達の番だ」

 

殺る気満々"花火"を構えるサクラにサボが待ったをかける。サクラの銃の腕前ならば早射ち百発百中でワニの屍の山を築けるだろう。だがそれではいつまでたってもエースたち三人の力にはならない。だからサクラと三人で狩りのローテーションを組むことにしたのだ。

 

 

 

この日はワニ皮も高値で売れて良い酒も仕入れられたのでサクラもご満悦だった。

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