伝説の転生者の物語   作:ゆっぴー

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すみません、前回の投稿から約八ヶ月ですね。お久し振りです。

この数ヵ月間色々ありました。何故かハーメルンが使えなくなったり、その抜け道を見つけてみたり、書き溜めを作ってみたり、話増やしてみたり、改稿してみたり…。

受験生ゆえに投稿は週一より少なくなるかなぁ…?今テスト間近だし…。でも第一章は結構ハイなペースで出したいなぁ

因みに、この話は分かる人は分かりますけどハーメルンに来てから書いた話です。ドンキホーテ・ドフラミンゴの二つ名が"天夜叉"と判明し、そしてなんと海軍本部元大将でネオ海軍総帥Zこと"黒腕"のゼファーが登場!!二次ふぁん時代では絶対に書けなかったお話です!!!


第七話 偉大なる航路で紅鶴は綿密な強襲を

「これからお前の教官となるゼファーだ。階級は特にない」

 

港で右手を出しながら挨拶するのはまだ両手のある後のネオ海軍総帥ゼットこと、"黒腕"のゼファー元海軍大将だ。彼は全力で『剃』と『月歩』を駆使して何とか時間ギリギリに間に合ってきたイープを温かく迎えた。

 

「僕の名前は「"剣帝"スコウェルド・イープだろ?」そうだよ。よろしくね、ゼファー先生」

 

イープはそんなゼファーの差し出された右手を笑いながら握って応えた。しかしイープの内心は決して穏やかなものではなかった。なぜならばイープはこのときゼファーの力を計れなかったからだ。いや、厳密には計れないことが計れたからだ。こんなことはイープにとってラヴィサメ以来初めてである。

 

 

しかし一方のゼファーも驚きを隠せずにいた。ゼファーは確りとイープがゼファーですらもう遅刻確定な時間にクザンの家を出たのを"見聞色の覇気"て確認していた。しかし結果はギリギリではあるものの間に合ってきたのだ。つまり速度だけに関してはイープは自分の上にいるということなのだ。確かにゼファーは自分の老いを感じてはいるものの、そこらの新兵に負けるつもりは無い。だからイープは自分を越えるほどの才能を持っているということだとゼファーは直感した。

 

 

そうして見た目穏やか、中身は戦々恐々としたイープとゼファーの邂逅は終わった。また時間ギリギリにここに来ることになった原因のクザンを後でぶん殴ると二人して決意したのはまた別の話。

 

 

「お前の耳に入れておきたいことがあるんだが、ジョーカー」

 

暗い部屋にいるのは男二人。見た目では分からないが雰囲気で彼らの関係が主従関係であることが分かる。

 

「フッフッフ、オレに伝えたいこととは何だ?」

 

主と思われる男は笑ながら応える。

 

「海軍の情報だ。新しく入った"剣帝"スコウェルド・イープ。階級は一等兵。こいつは本気でないとはいえ王下七武海の"鷹の目"ジュラキュール・ミホークと"英雄"ガープ中将、"仏"のセンゴクペアを打ち破っている期待の新人だ」

 

「……!?ほお、だがそこまでの実力があるのに何故一等兵なんだ?」

 

男の報告に主は疑問を投げ掛ける。

 

「それは簡単だ。"剣帝"がまだ四つのガキだからだ」

 

「……フッフッフ、成る程。ソイツは将来危険な存在になるな…で、"剣帝"の現在の所属はどこだ?まさかマリンフォードの温室でぬくぬくと過ごしてる訳じゃ無いだろう?」

 

「ああ、そうだ。今現在の"剣帝"の所属は"黒腕"のゼファー元海軍大将の教導部隊だ」

 

「……!?"黒腕"のところか…フッフッフ、計画を前倒ししなくてはならなくなったが仕方がないし問題ない。ブリーに連絡しておいてくれ『あれ実行する』と」

 

物語は加速する。

 

 

 

イープの預かり知らぬ所で不吉な会談があってから一月たった頃、現在イープはウォーミングアップで他の船員を軽くほぐしてゼファーと組み手をしているところだ。

 

「ソコはそうじゃねェだろォが、イープ!」

 

黒い左手で軽く"帝"を持つ右手を流してゼファーは無防備なイープの脳天に拳骨を落とす。

 

「いったー!」

 

「全く、何時もいってるだろォが速さは力より大事な要因だが「速さだけじゃどうにもなら無いやつもいる、だよね?分かってるよそんなこと…」だったらちゃんとやりやがれ!!一からやり直しだ!!」

 

「っーーーー!!」

 

踞りながらも何とかゼファーの何時もの言いつけを復唱したがその言い方が気に食わなかったのか、再び脳天に拳骨を落とされるイープ。

 

「テメェらも何時までも寝てんじゃねェよ!テメェらも一からやり直しだ!!」

 

ゼファーの怒号で復活した船員を今度はゼファーが吹っ飛ばす。イープは午前の分はもうこれで終わりなので、立つことも億劫なのか転がりながら船内の食堂に向かった。

 

 

「「……海賊?」」

 

イープとゼファーは九時の方角に顔を上げて午後の組み手を中断した。

 

「距離は…3km弱かな?じやあ行ってくるよ、『月歩』!ヒャッハー!!」

 

イープは奇声を上げながら自分のことを止める声を無視して海上を駆け出す。

 

 

途中飛んでくる大砲なんて基本無視、邪魔ならば蹴り飛ばすだけのことと言わんばかりに海賊船に向かってイープは直進する。

 

 

「イープ一等兵は大丈夫だろうか?」

 

「問題ないだろ。なんてったって"あの"イープだぜ?それこそ"四皇"じゃなきゃイープ一等兵を倒せねーよ」

 

「そりゃそうだ………うえ?」

 

後輩のイープを一応は心配する海兵だがイープの武に対する信頼が強いのかイープの身を案じる声は少ない。そんな他愛の無い会話をしていた海兵の一人が突然刺されすっとんきょうな声を上げる。しかも下手人は同僚。

 

「お前!何をやっている!!」

 

「違う!俺は何も……」

 

下手人の海兵に他の海兵が詰め寄るが今度はその下手人が持っていたナイフを首に突き立てて自殺してしまう。

 

「おい!これはどういうことだ!?」

 

混乱察知した上官が怒鳴りながら看板に上がる。そしてその上官を撃つ海兵。

 

「な!?体が勝手に…!」

 

下手人の海兵が泣きながら他の同僚を撃ち殺す。その海兵を取り押さえた者も他の海兵に殺される。そして互いに疑心暗鬼になり殺し合いが始まるのは当然の流れだった

 

「落ち着け、テメェら!!」

 

……この船の艦長がゼファーではなかったら。看板に出てきたゼファーはまず周りを静めて的確に指示を出す。

 

「覇気の使える奴はここに残り、他は船内の食堂で待機!」

 

ゼファーのこれまでのとは質の全く違う怒号に唖然として固まる海兵たち。

 

「返事は!?分かったんならさっさと動け!!」

 

「「「了解!」」」

 

 

 

「出てこいよ、"天夜叉"ドンキホーテ・ドフラミンゴ!」

 

「フッフッフ、流石は海軍大将。バレてたか」

 

ゼファーの怒りの声に仕方なくといった雰囲気で見せるドフラミンゴ。その表情は海軍大将を前にしているにもかかわらず余裕の笑みを浮かべている。

 

「えらく余裕じゃねェか、かァーいーぞォーくゥー!!」

 

「そうだな。ゼファー、お前は勘違いしている。"覇気使い"を集めれば俺をどうにか出来ると」

 

ガクン!と首を乱暴に上に振った瞬間に殆どの海兵の意識が失われる。

 

「これは…"覇王色の覇気"!?」

 

ギリギリで意識を保った女海兵アインが驚きの声を漏らす。

 

「フッフッフまず一番弱い奴から、戦いの常識だ」

 

アインを狙いに定めてドフラミンゴが一気に飛び出した。

 

 

 

同時刻、イープはドフラミンゴに呼ばれた傘下の海賊ブリーの船の船長室に突っ込んでいた。文字通り軍艦から船長室の最短距離の船の側面をぶち抜いて。

 

そして横一線でイープは軽くブリーを二等分して頭を踏みつけて言った。

 

「海軍だよ。投降してね、そしたらこっちからは手を出さないからね」

 

やってることと言ってることの順番が逆である。

 

「あーあ、だから素直に投降してって言ったのにね。言わんこっちゃないよ」

 

だから順番が逆である。

 

「まっ、海賊なんて掃いて棄てるほどいるから別に死んでもいいよね」

 

カラカラと笑ながら独り言を呟くイープの顔には罪悪感や良心は全く浮かんでいなかった。

 

「な…んで……?話が……違「ウゼ」」

 

羽虫を潰すのと全く同じ声色で呟いて、イープはそれと大して変わらない心境でブリーの頭を踏み潰した。ブリーが誰からどんな話を聞いていたのかはイープには全く興味がない。何故ならそんこと全員殺せば変わらないからだ。

 

「ゼファーせんせぇも中々面白そうな人とランデブーしてるみたいだし僕も早くあっちに戻ろっかな」

 

イープがそう言うや否や、イープはブリーの海賊船を真っ二つにした。これの目的はこの海賊船を沈めることではない。そんなこと二の次である。目的はこの海賊船の帆。イープはそれを手に取り軍艦に向かって投げつけてその帆に乗った。イープは『バホバホ』言ってる魚人の能力者を参考にしたのだが意外と出来るものである。

 

「たっだいまー!!イヤッハー!!」

 

そしてイープは奇声を上げた。

 

「ああ、イープか…」

 

増援が来たにも関わらず、しかしゼファーの声に力が入っていない。それも当然だ。ゼファーの右腕は切り落とされ、全身には深い浅いはあるもののくまなく切り傷が刻まれ、挙げ句の果てに部下は三人を残して皆殺しにされて動揺した精神。いくら海軍大将といえど消耗しても仕方がない。

 

「フッフッフ、お前が"剣帝"イープか」

 

逆にドフラミンゴの声は明るい。それも当然。人質を取り、あえて部下を狙い庇わせ、ついでに部下を嘲笑いながら皆殺しで海軍大将を虫の息に追い詰めることに成功した。さらに目的のイープの方もドフラミンゴの予定通り自分達の面汚しの方に向かい、残念ながら消耗はしなかったものの、殆ど事が終わりかけた時に現れてくれた。

 

ここで笑わず何時笑う?ここ嘲らずに何時嘲る?ここで調子に乗らずに何時調子に乗る?そして、此処で殺さず何時殺す?

 

「うん、そーだよ」

 

イープはドフラミンゴの"覇王色の覇気"に当てられて、しかし、ふやけたような笑みを浮かべながら内心ドロドロとした殺意を必死に抑えながら答える。

 

「だったらどうするのかな?」

 

「お前を殺す。安心しろ、皆殺しだ」

 

ドフラミンゴの返答を合図にイープの縦一閃の斬撃がドフラミンゴを襲うが、ドフラミンゴはそれを難なくかわし、指に付いている十本の糸でイープに反撃する。

 

「ふーん……中々トリッキーな動きをする上に見えづらいけど…まぁ、それだけだね」

 

しかしイープはそれを足止めにもならないと言わんばかりに馬鹿にしながら糸を切りドフラミンゴに迫る。

 

だがそれがドフラミンゴの狙いだった。右手の糸を複雑に絡ませ五体の死体を支配下に上下背後左右から襲わせ、ドフラミンゴ自身も正面から左手で襲い掛かる。

 

「味方に囲まれたこの状況。お前ならどうする、イープ?」

 

「うーん、そうだね……こうかな?」

 

ドフラミンゴの問いにイープはドフラミンゴの右手の糸を断ち切ることで応える。こうすれば左右上下背後から迫る五体の全てに同時に対応出来る。まさに一石五鳥の一手だ。

 

糸を切った勢いを殺さずイープは帝で斬りかかるが、それはドフラミンゴにかわされ逆に左手の糸の斬撃を食らってしまう。

 

流石に五本の不規則な斬撃を『紙絵』でかわすことは出来ないとイープは判断したが当然ただイープも何もせず斬られる訳にもいかない。最高の『鉄塊』、『鉄塊・剛』で皮膚斬らせても肉は斬らせない。

 

「戦況は僕かな」

 

バッと両手を広げてイープは余裕の宣言をする。傍目から見ると傷だらけのイープに得物を一つ失ったドフラミンゴで戦況は五分五分だろうが、当人たちは違う。ドフラミンゴはタダで得物を一つ差し出してしまったのだ。本来であればイープの四肢のどれかは道連れにしなくちゃいけなかったのに、派手に見える傷は全部浅い。これで勝負は大体決した。尤も、最期まで何があるか分からないのが殺し合いだからどっちも緩まないが。

 

「フッフッフ、それはどうか…!」

 

ドフラミンゴが今にも飛び掛かりそうに構えているなか金色のレーザーが横槍をいれる。

 

「……戦況はお前"ら"にあるみたいだ」

 

「あーあ、ボルサリーノ…」

 

ドフラミンゴは計画を達成しきれず、イープは折角のご馳走で消化不良をおこして、不満顔をする。

 

「フッフッフ…お前が生きていればまた会うだろう」

 

「それは無いかな」

 

ドフラミンゴは捨て台詞を吐いて『空道』で去ろうとするが、イープはその捨て台詞を否定する。何故なら、

 

「狙撃『大槍』!」

 

イープは生きててもドフラミンゴが死んでいるからだ。しかしそのまま『はい、そうですか』と刺されるドフラミンゴではない。ドフラミンゴは残った左手の糸で瓦礫を操りかき集めて壁を作る。

 

イープの『大槍』はそれを拮抗したものの一撃で破壊したものの、

 

「流石は鳥だね。飛ぶのだけは速いね」

 

見事に逃げられてしまった。

 

 

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