バイオハザード 生物兵器の彼女は何を思うのか 作:コーちゃん元帥
今日も真っ白な部屋から始まる。
ルールシアから貰ったクリスマスプレゼントを常に着て待機してる。
今日もハンターと遊ぶのかな?
それとも勉強なのかな?
どっちもやりたくって身体が落ち着かないと言うらしい
最近は[知恵の輪]を壊さないように外すのが楽しい
もちろん本や勉強も楽しい
引き金を引くと大きな音を出すおもちゃも楽しい
ご飯も楽しい
カチャカチャといじってるといつも通り扉が開いた。
「来いF-101、いつもの遊びだ」とこれでなん度目になるか担当とやらの人………ハンバレンストが迎えに来た。
部屋を出て他の人とすれ違う
おはよう、元気か?大丈夫か?と色々なあいさつと言う言葉を学んだ。
意味はあまり分からない
でも朝はおはようが正しいと判断
元気か?は分からない、大丈夫か?は身体に異常があるかだと判断した。
身体に関してはオールグリーン遊ぶことに支障なし
そして今日はなんか広いって所に来た。
「今日もハンターと遊ぶ?」
「違うな今日の遊び相手は……あいつだ」ハンバレストが指を指した先には最初に自分が入っていたんだと教えてくれたカプセルに似たのにみんなより大きな奴が入っていた。
「あれはT-078訓練用タイラントだ。ハンターよりも遊びがいがあるぞ」
「ハンターよりも遊びがい?」
「おおっと難しかったか、なぁにハンターより面白く遊べるぞ」面白くは分かっていた。
楽しいことがあると教えてもらった。
自然とにやついてしまう
「おお、分かったか?では頑張りたまえ」とハンバレストが広いって所からいなくなると最初だけキィンとする音がするのから声が聞こえた。
『ではF-101、遊びを始めるぞ………ああそれとそれに勝てたら新しいおもちゃをあげるから頑張るように』とカプセルからバチャバチャと水が流れてT-078の心臓が動き出す。
タイラントが次第に覚醒するとF-101を見据える。
「ハンターより元気そうってやつ…………楽しそう」それに新しいおもちゃが欲しい………早く遊びたい
タイラントは雄叫びをあげるとまっすぐ突進し常人なら即死は免れない凶悪な爪を振り下ろしてくる。
だが大振りなんてF-101からすればハンターと同じように遊んでる感覚でしかなかった。
「元気だね」活きの良い遊び相手だと分かると興奮する。
「お返し」と無防備は腕の関節を殴ると簡単に折れた。
だがハンターとは違い骨が折れただけで千切れたりすることはなかったことから余計に楽しくなってきた。
タイラントは怒っているのか大振りの攻撃を繰り返すが当たることはなく
なんとも呆気なく長々遊んで早くも一時間になるがF-101に傷一つ付かず余裕で勝利した。
タイラントはもはや機能停止に近い
『よくやった。ご褒美として新しいおもちゃでそいつともう少し遊んでやれ』とゲートの一部が開き巨大な銃器が置かれていた。
これはタイラントの中でも追跡者の名称を付けられたネメシスが装備していたマシンガンの改良型だ。
F-101は喜んでおもちゃを使いそして至近距離から掃射、弾を使いきる頃にはタイラントはミンチになっていた。
『よし今日の遊びは終わりだ。このあとは勉強だぞ』
(やった!勉強だ)おもちゃを片付けてお勉強部屋に移動した。
その日、研究員達は会議にてF-101の今後の方針を決めていたが本部からある依頼が来ていた。
「バイオハザードが発生した研究施設から研究データ及びウイルスサンプルの回収かぁ」
「だが現状、F-101に出来るのか?」
「覚えが良いからな、あらかた電子機器の扱いも覚えた。そして過酷な環境だから知能を含めたテストとして最適だとでも思ったんじゃないですか?」基本的な軍事行動ならもう覚えてる。
電子機器の扱いもわけなく行える。
「戦闘能力に関しては文句はないだろ、訓練用とはいえタイラント型を余裕で倒したんだからな」
「なら私達でバックアップすれば問題はないでしょ?」予算だって今回の結果を提出すれば増やしてくれる約束であり、そうでなくても潤沢な予算があるので万全なバックアップは出来る。
「そうだな………成果はこの短期間で上々、あとは実戦でのデータを採るのが良いだろう」あの幹部養成機関があるあの洋館でもタイラント型の試験をしてる話だしな………まあ一度閉鎖してからの再利用らしいが………
「ではF-101に準備させるがもういい加減ナンバーでは呼びづらいのでコードネームを決めようと思うんだが何かないか?」と一人の女性が答えた。
「安直だけどピクシーで良いんじゃないかしら?幹部からフェアリーの頭文字を型番にするぐらいだし」とみんなもそれに納得した。
「今回、成功すれば量産計画も実行に移せるだろう、各員準備を始めろ」と研究員は各々準備しだしたのであった。
そして4日後……………
ある研究施設の隠し通路の付近に複数のヘリが着陸する。
研究員達はまさかあの『死神』が指揮する部隊、アンブレラの特殊部隊『U.S.S』のアルファチームに所属する死神ハンクとその隊員達、一個小隊が同行することになるとは…………
「いいかピクシー、あの軍人と一緒に仕事をして来るんだ。言う通りにすれば失敗なんてないさ」
「了解」と仕事を理解させているために普段の陽気さはなくなり冷徹なマシーンになっていた。
作戦内容も理解しており単独での行動及び組織的行動が可能かのテスト、研究データとウイルスサンプルの回収の援護だ。
そこに一人の隊員が近づいてくる。
「アルファチームのハンクだ。そいつが例のタイラントか?」ガスマスク越しでも感情を感じさせないがそれがハンクだ。
「ああ、この子がそうだ。コードネームは『ピクシー』だ」
「報告には聞いていたが…………役に経つのか?」
「それは保証する。戦闘能力に関しては文句ない、あとはこの実戦等から採れるデータを待つばかりだ」
今回のピクシーの装備
・防刃防弾耐熱型特殊コート
・BOW用銃器(ハンドガン、マシンガン)
・電子端末
・軍用装備一式
・高カロリー栄養補充用飲料
「どうだ?使えそうか」
「使える。問題なし」そりゃそうだ。
さんざん遊んだおもちゃだからだ。
「よしならピクシー…………行ってこい」それからしばらくして搬入用のエレベーターで降りた。