バイオハザード 生物兵器の彼女は何を思うのか 作:コーちゃん元帥
街道から少し離れた崖から眺める者がいた。
F-101-5コードネーム『ファイブ』
F-101-6コードネーム『シックス』
フェアリー量産計画、第一期の個体だ。
セカンドの教育係を手伝いながらも日々任務をこなしていた。
「ファイブ、ターゲットが来る」
『はいはい、さっさと終わらせるよ。どーせボーンでしまい』と狙撃銃で観測しながらうつ伏せでじっとしているシックスがそう伝えるがめんどくさそうにファイブが無線に答える。
この2人は個体差がハッキリ現れておりファイブは楽天家、シックスは超真面目な堅物、しかも能力まで個体差が生じたのでぶっちゃけ失敗例と称されているがその代わりタッグで組ませると他のフェアリーより高い結果を出すのでよく2人で任務に当たる。
そしてファイブが街道を走る高級車を見つめる。
任務は要人暗殺だ。
あるポイントを通過する時、ファイブは起爆スイッチを押した。
そうすると先頭車両は派手に吹き飛び後方に下がれないように爆弾で滅茶苦茶にした。
慌てて守りを固め始めたがそこでシックスの狙撃が始まる。
因みに狙撃銃と言っても対戦車ライフルを更に大型化しBOW用に製造された50ミリ多目的狙撃銃だ。
シックスの能力も合わさり3キロからの狙撃が可能だ。
そしてたかだか防弾仕様の車の装甲など容易く撃ち抜き車が盛大に爆発するが更にファイブが追い撃ちでBOW用マシンガンを掃射し要人は護衛諸々識別不能な肉塊に早変わりした。
「おーいシックス、目標達成だけど迎えは?」
『事前に聞いてたでしょ、ここから南西に5キロの所に車があるからそれまでは歩きよ』
「えー、めんどくさいシックスが取ってきて迎えに来てよ」
『歩きなさい!姉さんの名に傷でも付ける気?』とこの会話だけでもどれだけ個体差が出てるのか分かるものだ。
はいはいとファイブは栄養補充目的で比較的に形が保たれてる死体を手軽サイズまで分解して食べ歩きしながら向かうというおぞましい行為をしていた。
だがそれを咎めるものはいない
そして車まで合流したがシックスは不機嫌であった。
原因は言わずともファイブがあまりにもまったり合流してきたからだ。
「ファイブ遅い!これぐらいの距離もう少し早く来れるでしょ!」
「いいだろう?まだ時間はたっぷりあるんだし」と詫びれもしないで人肉を食べる。
「あーもう、それに口元ぐらい拭きなさい!一般的に誤魔化すのにも限度があるでしょ!!それに早く着替えなさい!!」
「分かったよ………けどよぉ、もう少し肩の力抜けよなリラックスリラックス!」とのんびり着替えるファイブを見てシックスはわなわなと体を震えさせ
「誰のせいだと思ってるのーーーー!!!!!」
そして車を走らせるシックスとカチャカチャと爆弾を弄るファイブだが運転中のシックスはどこか楽しんでいた。
「なあ思ったんだけどシックスはなんでそんなに乗り物が好きなんだ?」
「別に機械は良くも悪くも乗り手の腕を裏切らない………それだけよ」
「そうか……」
「ねぇ、ファイブはいったい姉さんから何を学んだの?」
「なんだよいきなり?」
「真面目な話よ。ファースト姉さんから何を学んだのか………気になるに決まってるじゃない」ファーストは個人に合わせて教育内容を柔軟に変え全員に何かしらの道を示した。
セカンドは実質ファーストの下位互換ながら背中を追いかけ、サードは他より肉体面に恵まれながら社会潜伏能力が高くフォースは学習能力が高く知能が優秀、なら失敗例と呼ばれたもう一人の私、ファイブが何を学んだのか気になった。
「わたしが学んだのは『責任』だよ」
「責任?」
「そのまんまだよ。姉さんは毎日めんどくさがる私にこう言ったんだよ」
『あなたがどれだけだらけようが構わない、けどどんな行動にも責任は必ずある。それは言葉では決して言い表せない、だから、もしどんなことがあってもそれはあなたが行動した結果であり背負わなきゃいけない責任でもあるの、長く話しちゃったわね。じゃあ勉強から始めましょ、今日は玩具弄りよ』思い出せばあれからなんとなく方向性が決まり気づけば真逆のシックスと連携訓練が始まりケンカしながらも今では2人で任務に就いてる。
不思議な事だ。
シックスもあまりにも不器用過ぎて失敗例と呼ばれたが射撃それも超長距離射撃と乗り物の運転及び操縦技術の高さをファーストが見出だしてくれたおかげで単体では価値がないと判断されたがその2つの才能が存在価値を示してくれた。
だからファーストを姉と認め更には崇拝してる。
そしてそんな話を聞けたシックスの胸に引っ掛かってた何がストンと落ちた。
実はシックスも別の意味で『責任』を教えられていた。
言葉は違えど結局は同じだ。
「はぁー、なんでファイブと組まされたのかなんか納得したわ」
「なんだよ。変なの…………まあいっかほれ写真もーらい!」とファイブはいきなりカメラを取り出してはシックスを撮った。
「なにするのよ!?」いきなりのフラッシュで運転が危うくなったので怒るがイタズラを成功させたファイブは詫びれもしないで
「今のシックスの顔良かったからな、姉さん達………いや妹達に見せるのも良いかもな~ 」
「ちょっと消しなさいよ!恥ずかしいでしょ!!」
「や~だよっと…………それにお客さんが来たようだよ」と後ろを見ると黒い車が5台、遥か後方から猛スピードで追っかけて来る。
「まったくファイブがのんびりするからよ!」
「その割にはシックスだって風に当たりながらまったり走ってるじゃんお互い様だよ」
「もう、運転は任せなさい!だからファイブは」
「後ろの追っ手を始末すれば良いってことだよな?…………今頃、姉さん達はどうしてるかな?」社会潜伏実験をしてる3人を思い出す。
面白い土産話があれば良いなと思いつつシックスは笑う
「心配いらないでしょ?私達の姉さんよ」確固たる信頼からくる迷いない言葉がファイブを満足させ
「だよな………さーて派手に行きますか」と武器と爆弾を手に戦闘を始めるのであった。