【悲報】クラスごと異世界に拉致られた件について【マジやば】   作:火影みみみ

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壁lョェ・〃)コショッ・・.
壁|・ω・`)コッショリ・・・
壁|д・)ノ. 彡モサッ「最新話」


【第二回】オルクス大迷宮攻略実況プレイ【協力プレイモード】その2

 

367:スレ主

はい、と言うわけで次が最終階層(推定)になります

長い、すごい長い攻略だったわ

 

368:名無しの権兵衛

ようやくか

 

369:名無しの権兵衛

ほんと長かったな(もう何度目かわからない感想)

 

370:名無しの権兵衛

この台詞も何度言ったか分からんな

 

371:名無しの権兵衛

まあ、色々あったしな

 

372:名無しの権兵衛

オタ君が奈落に落ちたり、オタ君が進化したり、ユエさんとくっついたり(確定)

 

373:名無しの権兵衛

とても濃い日々でしたね……

 

374:スレ主

やべえ、思い出したら頭痛くなってきた……

Kさん、オタ君のこと好きだったのに「あ、その子は別の女の子にNTRちゃったよ★」って報告しなきゃならんのか

 

375:名無しの権兵衛

文面に起こすとひでえなww

 

376:名無しの権兵衛

生還に喜び、そしてNTRに泣く

まさに上げて落とす

 

377:名無しの権兵衛

やはりNTRは悪い文明

 

378:名無しの権兵衛

ま、まあ言うてKさんも付き合うどころか告白もまだだったし……

 

379:名無しの権兵衛

だが、広義で言えば抗議でそれもNTRに入ると言う

 

380:名無しの権兵衛

あれな、近所の憧れのお姉さんが、て奴

最近じゃBSSって言うらしいな知らんけど

 

381:名無しの権兵衛

わかる

 

382:名無しの権兵衛

悲しいのは《NGワードです★》ない

 

383:名無しの権兵衛

せやな(何書いたか察した)

 

384:名無しの権兵衛

わかる(上に同じ)

 

385:名無しの権兵衛

すまんな、久々に引っ掛かったわ

 

386:名無しの権兵衛

最近は皆慣れてきてめっきり見なくなったもんな、懐かしくもある

 

387:名無しの権兵衛

まあの

 

388:名無しの権兵衛

オタさんも準備万端って感じやな

 

389:スレ主

では行くべ行くべ

 

390:名無しの権兵衛

あいあい

 

391:名無しの権兵衛

ゴクリンコ……

 

392:名無しの権兵衛

いよいよラスボス戦か……

 

393:名無しの権兵衛

いろんな魔物が出てきたが、次はなんやろな

 

394:名無しの権兵衛

今までの階層にでてきた魔物ではないやろな

傾向から考えて一体、そして確実に凶悪な性能もちだろう

 

395:名無しの権兵衛

オラワクワクすっぞ!!

 

396:名無しの権兵衛

戦うのはスレ主たちだけどな

 

397:スレ主

わぁ、いかにもって部屋

 

398:名無しの権兵衛

高い天井、幾つもある柱、広い部屋

どう見てもボス戦ですありがとうございます

 

399:名無しの権兵衛

奥にでっかい扉が見えるな、あれがゴールか

 

400:名無しの権兵衛

ん? これどっかで見覚えあると思ったが、六五階層と同じじゃね?

 

401:名無しの権兵衛

>>400 あー

 

402:名無しの権兵衛

確かに、ちょっと豪華だがパターンとしては

となると

 

403:名無しの権兵衛

 

404:名無しの権兵衛

やべえほどデカい魔法陣が出てきた件

 

405:名無しの権兵衛

なんだ、またベヒモス君か!? 極ベヒーモスになって出直してきたか!?

 

406:名無しの権兵衛

光が、おさまる……

 

407:名無しの権兵衛

うっわ……

 

408:名無しの権兵衛

でっけえ

 

409:スレ主

八岐大蛇かな

 

410:名無しの権兵衛

もしくはヒュドラ……いや、どっちも首が足りないな

 

411:名無しの権兵衛

さてどうすんべ、神話に倣って首切って焼く?

 

412:名無しの権兵衛

酒を飲ませてみる? つ日本酒の樽6つ

 

413:名無しの権兵衛

騙し討ちじゃないんだから無理じゃね?

てか要らんもん送りつけんなwwww

 

414:名無しの権兵衛

おおう!? 炎吐いたぞあいつ

 

415:名無しの権兵衛

そんで直ぐにその赤い頭をオタさんが撃ち抜いたな、さすがっす

 

416:名無しの権兵衛

おん? なんかおかしくね?

 

417:名無しの権兵衛

ウッソだろおい、まじで再生すんのか

 

418:名無しの権兵衛

いや、あの白模様の頭が再生させたっぽい

 

419:名無しの権兵衛

ははーん、これはつまり頭一つに固有魔法一つって感じですな

 

420:名無しの権兵衛

なるほど、部位ごとにHPが指定されたタイプのボス戦か

くっそ厄介な

 

421:名無しの権兵衛

はよ白頭潰さなジリ貧やな

 

422:名無しの権兵衛

オタさんとユエさんもアタックするが黄色頭に防がれる

こいつは盾役か、一人でパーティー組めるとか羨ましいな

 

423:名無しの権兵衛

逆に言えば黄色が盾なら雷系魔法はないかもしれんな

色がかぶるし

 

424:名無しの権兵衛

確かこの世界だと風の上位魔法だっけ

 

425:名無しの権兵衛

せやな、確かこっちの講義でやったはず

 

426:スレ主

んじゃとりあえず回復白頭から潰すか

 

427:名無しの権兵衛

ほう? どうやって?

 

428:名無しの権兵衛

まずあの黄色頭潰さんと攻撃通らんよな?

 

429:名無しの権兵衛

憤怒の炎なら貫通しそうではある、身バレを考えると使えんが

 

430:名無しの権兵衛

そう言えば一度使ってたね、じゃあ何すんの?

 

431:スレ主

蛇に向けてマハマカジャマ

 

432:名無しの権兵衛

うっわ……

 

433:名無しの権兵衛

ヒデェ

 

434:名無しの権兵衛

なんてことを

 

435:名無しの権兵衛

え、何どうゆこと?

 

436:名無しの権兵衛

>>435 マカジャマとは作品ごとに異なる状態異常になるがおおよそ確率で魔法を封じると言ってもいいスキル

マハがついたので単体じゃなく敵全体にかかるようになった

 

437:名無しの権兵衛

つまりあの頭内何体かが魔法を封じられたわけで

 

438:スレ主

よし、黄色と白とついでに青もかかった

さあ、やっちまってくだせえオタさん!!

 

439:435

ひでえ(理解した)

 

440:名無しの権兵衛

おおう、黄色を貫いて白も逝った

 

441:名無しの権兵衛

他の頭が「え?」って顔してる

 

442:名無しの権兵衛

ちなみにオタさんとユエさんも似たような顔してるな

 

443:名無しの権兵衛

そらそうよ

 

444:名無しの権兵衛

まあな、防げると思ったらスキルが使えんとか意味不だし

 

445:名無しの権兵衛

やっぱステ異常って害悪だわ

 

446:名無しの権兵衛

さあさあ後は畳み込むだけですな

 

447:名無しの権兵衛

残党狩りタイム

 

448:名無しの権兵衛

おん!?

 

449:名無しの権兵衛

女の子の悲鳴!?

 

450:名無しの権兵衛

ん??

 

451:名無しの権兵衛

スレ主、ではないからユエさんか!!

 

452:名無しの権兵衛

え? なんぞ!?

 

453:スレ主

【悲報】ユエさん、恐慌状態になってる

とりま解除はしたが直ぐに元に戻る模様

犯人は、黒頭か

 

454:名無しの権兵衛

うっわ、バッドステータスも与えてくんのかよ

 

455:名無しの権兵衛

そりゃそうだもんな、あんだけ頭があるんだからどれかは妨害にふっててもおかしくない

 

456:名無しの権兵衛

てか、最初の解析でわからんかったん?

 

457:名無しの権兵衛

スキルは解析より鑑定やな

 

458:スレ主

鑑定や解析使うとな、目の前に文字がバーって出てくるんよ

それが六匹分となると鬱陶しいのなんのって

解析だけなら基本HPとMPバー、相手のステくらいだから

解析しか使ってたのが仇になったな

 

459:名無しの権兵衛

ああ、なるほどね

 

460:名無しの権兵衛

六匹分のスキルが常時表示は鬱陶しいな

 

461:名無しの権兵衛

てか、一体なのに六匹分なんやな

 

462:名無しの権兵衛

胴体は共有してても別個体扱いか

 

463:名無しの権兵衛

そこはよくわからんな、脳があるかないかか?

 

464:名無しの権兵衛

いやそんなことよりユエさんどうなった?

 

465:スレ主

今オタさんがなんとかしてるとこ、

そして私は残り四匹を引きつけてる、死にそう

 

466:名無しの権兵衛

思ってたよりピンチだった

 

467:名無しの権兵衛

ちょっと見えづらいな

 

468:名無しの権兵衛

まあ、こっちはスレ主視点じゃなくて全体表示だからな

 

469:名無しの権兵衛

わかる

 

470:スレ主

ちょっと待ってな、今オタさん側に切り替えるから

 

471:名無しの権兵衛

お、見えた見えた、柱の陰にいるな

 

472:名無しの権兵衛

おお、なんとか正気に戻ったみたい?

 

473:名無しの権兵衛

声は、流石に聞こえんな

 

474:名無しの権兵衛

音声はスレ主の聞こえたものしか聞こえないからね、致し方ない

 

475:名無しの権兵衛

「……よかった……見捨てられたと……また暗闇に一人で……」

「ああ? そりゃ一体何の話だ?」

 

476:名無しの権兵衛

おん?

 

477:名無しの権兵衛

んん?

 

478:名無しの権兵衛

え、わかるの >>475

 

479:475

まあの、読唇術くらい余裕余裕^_^

 

480:名無しの権兵衛

やべえリアル読唇術とか初めて見た

 

481:名無しの権兵衛

なるほど、古明地さとりの様なトラウマ喚起系か

 

482:名無しの権兵衛

ああ、ユエさんにとってはそりゃ怖いわ

 

483:名無しの権兵衛

一人ぼっちは、寂しいもんな

 

484:名無しの権兵衛

>>483 やめろ、やめてくれ

 

485:名無しの権兵衛

やめろ >>483 その術は俺に効く

 

486:名無しの権兵衛

アガがガガガがガガガがガガガががががガガガがが

 

487:名無しの権兵衛

!?

 

488:名無しの権兵衛

ンンンンンンンンンン!!?!?

 

489:名無しの権兵衛

え、この状況でキス!?

 

490:名無しの権兵衛

うわぁ

 

491:名無しの権兵衛

ヒュー、オタさん男前ぇ!!

 

492:名無しの権兵衛

やべえ、本当に草食系男子から肉食系男子になったんやなって

 

493:475

「ヤツを殺して生き残る、そして、地上に出て故郷に帰るんだ、一緒にな」

オタさんカッコよすぎ(*≧∀≦*)

 

494:名無しの権兵衛

惚れた

 

495:名無しの権兵衛

付き合ってください(27歳OL)

 

496:名無しの権兵衛

抱いてくだい(17歳高校生)

 

497:名無しの権兵衛

デート行こうや(20歳ホスト)

 

498:名無しの権兵衛

惚れた(88歳無職)

 

499:名無しの権兵衛

惚れ……ん?

 

500:名無しの権兵衛

今何か変なコメが混ざってた様な((((;゚Д゚)))))))

 

501:名無しの権兵衛

い つ も の

 

502:名無しの権兵衛

惚れました(10歳小学生)

 

503:名無しの権兵衛

まあホストもそうだが、米寿のご老人もいるのかこのスレは

マジでカオスだな

 

504:名無しの権兵衛

たまに変なコメが湧いてくる日常

 

505:名無しの権兵衛

結婚してください(5歳)

 

506:名無しの権兵衛

!?

 

507:名無しの権兵衛

いやいやいやいや流石に若すぎないか∑(゚Д゚)!?

 

508:名無しの権兵衛

年下すら虜にするオタさんの魅力よ

 

509:名無しの権兵衛

ほんと、進化して一皮も二皮もむけたよな

 

510:名無しの権兵衛

せやな、外見が変わるほどに

 

511:名無しの権兵衛

イエスロリータ、ノータッチ

 

512:名無しの権兵衛

ほら、そんなことよりオタさんらが戦線復帰するべ

 

513:名無しの権兵衛

おお、見逃すところだった

 

514:名無しの権兵衛

ネタに走るとついつい見逃すのよね

 

515:名無しの権兵衛

わかる

 

516:名無しの権兵衛

それな

 

517:名無しの権兵衛

その間にスレ主がガチでやべー状態になってるけどな

 

518:名無しの権兵衛

!?!?

 

519:名無しの権兵衛

え、なんでそんなことになってんの?????

 

520:名無しの権兵衛

うっわ、なんか大蛇がバーストモード的な変化を遂げておられる

 

521:名無しの権兵衛

あれだ、第二形態的な

 

522:名無しの権兵衛

さすが迷宮ボス(仮)恐ろしい((((;゚Д゚)))))))

 

523:名無しの権兵衛

うっわ、スレ主今あの巨体殴り飛ばしたぞ、人間が出していい膂力じゃねえΣ(・□・;)

 

524:名無しの権兵衛

【速報】スレ主、人間辞めつつある模様

 

525:名無しの権兵衛

やべえなスレ主、まあそれに半分くらい加担したのわいらやけど

 

526:名無しの権兵衛

せやな

 

527:名無しの権兵衛

さすがスレ主やなって

 

528:名無しの権兵衛

これ、オタさんいなくても勝てたのでは?

 

529:スレ主

オタさん、はよこい、死ぬ、早く、超高速でカモン

 

530:名無しの権兵衛

クッソワロタ

 

531:名無しの権兵衛

実はそうでもなかったな

532:名無しの権兵衛

スレ主も人間なんやなって(ベヒモス瞬殺するけど)

 

533:名無しの権兵衛

せやな(人間ってなんだっけ)

 

534:名無しの権兵衛

まあ誰しも得手不得手はあるって(あれよ、勇次郎だって分類上人間なのと同じよ)

 

535:名無しの権兵衛

わかる(わかる)

 

536:名無しの権兵衛

サイタマや斉木楠雄だって人間だしな(スレ主だってこの世界で努力した結果だもんな)

 

537:名無しの権兵衛

お前ら器用に会話すんなwwwww

 

538:名無しの権兵衛

てか >>536は本音と建前逆な件

 

539:名無しの権兵衛

お、オタさん達が戦線に復帰した

 

540:名無しの権兵衛

勝ったな、風呂入ってくる

 

541:名無しの権兵衛

>>540 おい馬鹿やめろ

 

542:名無しの権兵衛

風呂でも見れる件

 

543:名無しの権兵衛

せやな、じゃあゆっくり見守ることにするわ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いやあああああああああああああああ!?」

 

 時間は、ユエが悲鳴を上げたところまで遡る。

 

「ユエ!?」

 

 ハジメは即座に彼女の元へ走る。

 一方の不審者、変装した荒屋敷武威は改めて魔物とユエのステータスを確認して、なぜそうなったのかを理解していた。

 

(はぁ!? こいつ幻覚系技能持ってたの!? ああもう失敗した! 目の前で文字がごちゃごちゃ踊るのが鬱陶しかったから最低限みたら切ったのが裏目に出た!)

 

 彼女の解析と鑑定は同時に使用可能である。

 だがしかし、それは両スキルの情報が同時に視界に反映されるということであり、例えるのなら目の前に虫が飛んでいる様な鬱陶しさを彼女は感じていた。

 だから相手の現状がわかる解析を中心にして鑑定は最低限しか使わない様になったし、今まではそれで問題なかったから良かったのだが、此処に至ってその判断が裏目に出た。

 彼女に向けて異常状態を回復する魔法、《エナジードロップ》を使うが一時的しか効果が見られない。

 一時的には正気に戻る様だが、すぐまた恐慌状態に陥ってしまう。

 

(ユエさんの異常は治しても意味がなかった、つまりは今もずっと掛け続けられてるタイプのバッドステータス、ならそれはどうにもならないから南雲にぶん投げて、私は残りの四頭を引きつけて、できれば元凶を仕止めるのが望ましい……けど)

 

 彼女の勘、と言うべきものが警告する。

 本気を出さなければ死ぬ、と。

 自力では相手の方が上、青頭に掛けた魔法も効果が切れた、元々成功率がそう高くない魔法だがないよりはマシ、という理由でさっきから連発しているが、魔法は封じられても奴らの怪力までは封じることはできない。

 巨体であるということはそれだけでも強力な武器である。

 それが体長が30メートル以上ある様な怪物ならば頭を振り下ろすだけで彼女は圧死してしまうだろう。

 対してこちらの武器は砂鉄と魔法と怪力。明らかに元ネタがわかる様なものは使えない。

 一応界王拳を使うという手もあるが、デメリットを考えると今使うべきではない。

 

(う〜んこの八方塞がり感、好き好んで縛りプレイしてるわけじゃないのになんでこんなことになってるんですかね? 正直、レ級でも攻めきれるかどうか怪しい相手なのになぁ)

 

 そんなことを考えながら、彼女は魔力感知の視点をハジメの方へと切り替える。

 スレ民からの要望もあるが、彼女自身も彼らの状況を把握したかったのもある。

 ただ、結果論から言うのならば、現時点においてこれは悪手だったのだろう。

 こちらに来てから、特に二回目の攻略時からの彼女は魔力感知と通常の視界の二つから現状を把握してから攻撃することが主な戦闘パターンとなっていた。

 最初は使うだけで頭痛がしていた魔力感知も次第に慣れていき、今では第三の視界といっても良いほどに彼女に馴染んでいる。

 常人からすれば今の彼女は片目を塞いで戦っている様なもので、それについても彼女自身理解していたし、時間稼ぎ程度なら問題ないと思っていた。

 何より両眼があれば距離感も把握できるし、死角もそれほどできはしない。

 通常ならそれでも確かに問題なかったのだが、今回は相手が悪かった。

 

「っしゃぁ! 頭一つゲット!!」

 

 それは隙をついてようやく青色の頭を砂鉄の剣で斬り落とした直後のことだった。

 次はどれにするか、と考え始めた時、視界の端に何かが映った。

 

「……は?」

 

 それはハジメに頭部を貫かれ、絶命したはずの頭の一つだった。

 それが黄色か白色か彼女にわからなかったのは、あるべき筈の頭部がなかったからだ。

 彼の一撃は確かに頭部を貫いたが、それでもそれは風穴を穿つ程度で、頭部全部を失うほどの威力はなかったはずである。

 その疑問の答えは、すぐに齎された。

 頭部を失った首の、おそらく食道らしき空洞に眩い光が集まりつつあった。

 

「嘘やろまじでそういうこと!?」

 

 その光景を見て、彼女はすぐに理解した。

 六つの首のうち五つ、もしくは全てがあの様に頭を失っても動けるということ。

 頭を失った首はあの様に謎の光を集める行為ができるということ。

 そして何より、どう考えてもそれがこちらに向けて放たれる寸前ということ。

 

(マカジャマ……じゃ間に合わない、ならこっち!!)

 

 天眼により妨害系ではあれは防げないと判断した彼女は咄嗟にマカラカーンを発動する。

 マカラカーンとはマカジャマと同じく女神転生シリーズによく登場する魔法で、その効果は一度だけだが相手の攻撃魔法を完全に反射するというもの。

 魔法を張り終わった直後、極光が彼女へと直撃する。

 極光は彼女の手前で止まったかと思えば、それは一度球状に形を変え、再び同じ勢いのままそれは、()()()()()へ向けて反射された。

 

「んん!?」

 

 それに一番驚いたのは彼女自身であった。

 彼女の予想では発射した首に向けて返されるものと思っていたため、胴体へ向けて反射されたのは想定外であったからだ。

 

(あれ? 首に見せかけて実は胴体が本体だったパターン? 擬態的な?)

 

 そうも考えたが、その考えはすぐに否定される。

 まだ無事だった頭の一つが盾となり、その身を犠牲に極光を逸らす。

 そうして倒れる首の向こう、胴体だった部分から迫り上がってくる見たことのない七つ目の首があったのを、彼女は目にした。

 

「ああなるほど、本体はそいつか、中に隠れてたから解析でもぱっと見じゃわからなかったのね」

 

 意外な弱点が発覚したが、今はそれは重要ではない。

 彼女は跳躍する。すると直ぐ後に彼女がいた場所へ七つの極光が突き刺さる。

 そう、七つである。

 最早普通の方法では倒しきれないと考えた大蛇は残りの頭を全て放棄し、本体含めた全てを以って殲滅するという極めて攻撃的な方法を選択したのだ。

 

「魔物のくせになんて思い切りのいい、敵じゃなかったらペットにしたかったなぁ……」

 

 余裕そうにそう呟くが、実はそうではない。

 あの光の威力はまともに喰らえば死を免れない程の熱量を持っていた。

 なら避ければ良いと思うかもしれないが、彼女にはそうできない理由があった。

 

(避ける……ダメ、一部の攻撃が南雲もしくはユエさんに当たる、防ぐ……無理四つは防げても残り三つが直撃する、えーとえーと何か使えそうなスキルスキルスキル……あった!!)

 

 瞬間、彼女は極光の射線上から南雲達を逃すように彼らが隠れている柱とは反対方向へ逃げる。

 一方大蛇も先ほどから何度も何度もこちらの攻撃を封じてくる彼女を脅威と認識しており、見つからない彼らよりも武威を排除することに全力を注いでいた。

 だからこそ彼女の動きにも反応できたし、彼女の動きを先読みして偏差射撃を放つこともできた。

 一発目と二発目は当然避けられる。

 三発、四発目も同様。

 しかし、五発目、六発目となるといよいよ余裕が無くなったのか、彼女は大きく跳躍することによってそれらを回避する。

 そしてそれは大蛇の望んだ通りの行動だった。

 逃げ場のない空中、回避不能の状態に陥った彼女に本体とリチャージが既に終わっている四つの合わせて五つの極光を叩き込む。

 彼女は驚きの表情を浮かべ、光に飲み込まれて、消えた。

 極光が彼女を蒸発させたことを確認した大蛇は次の獲物へと狙いをつけ極光を貯める……が、突如襲った衝撃によりそれは途中で霧散することとなった。

 その衝撃は凄まじく、大蛇の巨体を吹き飛ばし、背後にあった柱を巻き込んで倒壊させてしまう。

 何が起こったわからなかった大蛇だったが、先ほどまで自身がいた場所を凝視することでその答えを得た。

 

「イッツ・ア・マジーック……なんちゃって」

 

 そこには、先ほど消し飛ばしたはずの仮面の女がいた。

 いや元々消し飛ばされてはいなかったのだろう。

 自身の他の頭と同じように、他者に幻覚を見せる能力を用いて途中から偽物にすり替わっていたのだと理解した。

 未だしたことのない強敵を前に、攻めあぐねる大蛇。

 隙を見せたら死ぬ。本能でそう理解した大蛇は最早彼女を矮小な獲物ではなく、自身と同等の怪物として相対することを決める。

 しかし、追い詰められているのは大蛇だけではなかった。

 

(やばいやばいやばいやばいやばい!! 流石にデカすぎたからか手に痺れが出てるし、こいつ賢いからあんな手は二度は通じないし、割とガチで超ピンチだし、あっちはあっちで何とかなったみたいだけどいつ攻撃して来るかもわからんからはよこいマッハで!!)

 

 表面上は平静を保ってはいるが、内心では荒れに荒れていた。

 彼女の持つスキル蜃気楼で幻覚を見せ、近づいたところで獣性の剛腕を伴った一撃を大蛇の胴体へ叩き込んだのだが、流石の重量差か彼女の腕に反動が現れていた。

 彼女の経験上、回復するのに一・二分はかかる。一秒の隙が死に繋がるこの強敵相手に、それは致命的なものであると言えた。

 しかし、運がいいのか悪いのか……いやこの転移に巻き込まれた時点で不運なのだがそれは置いておくとして、ここでようやく彼らが戦線復帰する。

 正気を取り戻したユエとここに来る前よりも強い絆で結ばれたハジメ。

 彼らは眼前の大蛇を前に、呆れたように話し出す。

 

「……何あれ?」

 

「おいおい、ちょっと見ない間にラスボスが第二形態になってねえか?」

 

「おや、君ともあろう人が怖気付いたかい?」

 

 揶揄うようにそういう彼女。

 対してハジメはそれを鼻で笑うと、好戦的な笑みを大蛇に向けながら返す。

 

「はん、誰に物を言ってやがる。邪魔をする奴は誰であろうと殺す。ただそれだけだ」

 

「ならよし、これ以上時間をかけてまたなにかされても堪らないからね。さっさとやってしまおうか」

 

 仮面に隠れてわかりづらいが、口元の笑みを隠し切れてはいない彼女。

 この二人とチート性能を持った吸血鬼のユエ。

 ただでさえ一人相手でもぎりぎりだった大蛇がどうなったかについては、語るまでもないだろう。

 

 




モチベーション維持のためにゲリラ投稿してみる
書き溜めてたやつをちょっと手直しした物なので、まだ続きは遅くなるかもしれない
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