【悲報】クラスごと異世界に拉致られた件について【マジやば】   作:火影みみみ

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……おやKさんの様子が?


幕間 深淵よりの訪問者

「……よし、完全に死んでるな」

 

 メルド団長が近づき、剣を刺して確かめる。

 オルクス大迷宮第七十階層、その最奥に設けられた広い空間に彼らはいた。

 彼らの前に横たわるのは彼らよりも何回りも大きな魔物の屍骸。もちろん、たった今彼らが倒したこの階層のボスである。

 

「や、やったー!!」

 

 誰かが歓声を上げると、それに続き何名もの人間が喜びの声を漏らす。

 誰もが笑いあい健闘を讃えあうその中で唯一残念そうに周囲を見渡す少女の姿があった。

 治癒師、白崎香織である。

 彼女は目的の人物がこの階層にもいないことを確かめると、残念そうにため息をついた。

 そう、他の人間はこの迷宮を攻略することを目標にここのダンジョンへと潜っているのだが、彼女ただ一人は別の目的を持ってこの場へとやってきていたのだ。

 

「香織」

「雫ちゃん……」

 

 彼女の親友、八重樫雫が声をかける。

 八重樫ただ一人だけが彼女の心中を察することが出来ていたのだ。

 

「ここにもいないわね。南雲君」

「うん。奈落ももっと下の階層に続いてるみたいだし、もっと下の方に落ちてるのかも……。もし、最後の階層まで落ちてたら、私は」 

「だ、大丈夫よ香織! 彼ってああ見えて結構しぶといところあるし、今もきっと何とかして生き延びてると思うわ! だからネガティブなこと考えるよりも、早く彼を助けるためにも強くなることだけ考えましょう!!」

「雫ちゃん……うん、そうだよね。南雲くんを助けられるのは私しかいないものね」

 

 雫の必死のフォローのかいもあって何とか香織の精神の均衡を保つことに成功するが、彼が単独で生き延びてる可能性が余りにも低い、いや殆ど無いことは彼女自身がよく理解していた。

 あのような底が見えないほど地下へ落下すればその時点で普通は死ぬし、何よりもここ光も水もない地下深くで魔物も徘徊している危険地帯、そのような魔境にクラスで最弱の南雲ハジメが生きているとはどうしても思えなかったのだ。

 しかし、今は嘘でも親友の精神のケアになるなら使う他ない。

 今香織を支えているのは彼を救出するという信念のみ、もしそれをなくしてしまえばどうなるかは……想像に難くない。

 さて自分も頑張らないと、そう彼女が思った時だった。

 

「まて、誰か来る」

 

 先に気がついたのは天之河だった。

 魔物が出現した場所の奥、誰かが近づいてくる足音が聞こえたのだ。

 

「まさか、人間?」

「いや、他の冒険者がこの深部までこれるはずがない。となれば……魔族か!」

 

 魔族と聞き、その場にいた全員に緊張が走る。

 各々が武器を構え、今なお階段を上ってくる者を迎え撃つべく警戒態勢をとる。

 足音が大きくなり、そして件の人物がついにその風貌を表した。

 

「おや、こんなところに人間とは珍しいな。何時の間に外の人間がここまで来れるようになったんだ?」

 

 それは一言で言うと変な格好をした不審者だった。

 顔の上半分を薔薇の仮面で隠し、赤い髪に赤い服を身につけた自分たちと同じ年くらいの少女は彼らを見渡してそう呟く。

 些か奇妙な風体ではあるが、その言葉や雰囲気からは敵意を微塵も感じ取れないのがわかった。

 

「あなたは、一体?」

「名乗るならそちらから……と言いたいとこだが、私はあんたらに興味ないし別にいいか。私はルビーローズ、ただの旅人だよ」

 

 バサァ、と彼女は意味もなくマントを靡かせる。

 呆気に取られる彼らを背にし、一人前に出る人影があった。

 メルド団長である。

 

「すまない、私は王国騎士団長のメルドというものだが。一つ尋ねてもよいだろうか?」

「内容にもよるが、まあ言ってみな」

「ならば聞こう。貴女はこの部屋の奥から来たように見えたが、何故そのような場所いたんだ?」

「もちろん、それは迷宮攻略の帰りだからさ」

「……なるほど、ならば貴女はここより下の階層も既に攻略が済んでいると考えても構わないだろうか?」

 

 それは通常では考え難い質問であった。

 何しろついこの間まで人類の最高到達点であったベヒモスを倒したのが彼らであり、その先には誰も進んでいないことは今回の探索の前にも確認していたからだ。

 

「メルドさん!?」

「まさかそんなはずありえません。どうせベヒモスの時と同じで何かしらのトラップを踏んで下の階層に飛ばされただけかもし「ああそうだが、何か?」れないです……し……」

 

 たった今まで団長の言葉を疑い、最も現実的と思われる可能性を説いていた騎士の男は彼女の放った言葉を受け止めきれずに停止した。

 同様に勇者たち一行も彼女のこと信じきれずに動揺していた。

 しかし、その中で2人だけがその言葉が真実であると確信していた。

 一人は勿論質問した本人であるメルド団長、もう一人は彼女が階段から姿を現してからずっと親友の前に立ち、鞘にしまった刀の柄から手を離さず臨戦態勢を続けている八重樫雫である。

 メルド団長は自身の経験から彼女がこの場にいる者すべてが束になっても敵わない程に強い存在であると感じっていた。いくら奇抜な格好で誤魔化していたとしても、強者独特の空気までは誤魔化しきれずにいたのだ。

 対して八重樫雫であるが、こちらもほとんどメルド団長と同じように彼女が強者だと感じとってはいたのだが、少し前まで一般人であった彼女がここまで警戒をし続けているのには彼女の実家が関係していた。

 

 あれは彼女が初めて荒屋敷武威と出逢った翌月、前回はあちらが八重樫の所へ赴く形を取っていたが、今度は彼女たちが赤羽流の道場へと足を運んでいた。

 なお、今回は前回のような子供混じりの交流試合をするのではなく、雫以外は皆高校生以上という高学年のメンバーであったことを不思議に感じていた。

 当時、まだ彼女は中学生であったものの、あの時受けた衝撃は今でも忘れられずにいる。

 彼女の祖父である師範が扉を開くと、そこには鬼がいた。

 人の形をした鬼が、赤く染まった棍棒らしきものを武器に殺し合いをしていたのだ。

 驚き彼女は目をこする。再度視線を戻すと、そこには鬼ではなく人がいた。棍棒に見えたのは木刀であった。……血で赤く染まっているのには違いないが。

 唖然としている彼女をよそに師範と門下生たちは道場へと足を踏み入れる。

 彼らに気づいた高齢の男性、赤羽流の師範が彼らを出迎え、試合ならぬ死合を演じていた二人に声をかけ、死合を中断させた。

 二人はやや不満そうであったが、これは彼らが死合に時間を掛けすぎていて予定時刻を大幅に超過していたことが原因なので仕方ないことと割り切った。

 この時点で雫はここに来たことを後悔していた。

 何しろ死合をしていたその二人だけではない、子供特有の敏感なその気配察知能力というべきその感覚で雫はこの道場内にいる赤羽流の門下生たちが同じような雰囲気を纏っていることに気づいたのだ。

 あとから聞かされたことだが、あの場にいた赤羽流の門下生たちはみな修羅と呼ばれる段階に至った者かそれに近い人たちが集まっていたという。

 なぜこのような場所にまだ幼さが残る雫を連れてきたかといえば、一言で言うならば彼らの気配を覚えさせるためであった。

 祖父曰く「外でこういう空気を纏った人に会ったら一瞬たりとも気を抜ぬくな。もし目を逸らしたり、隙を見せたら死ぬと思え」だという。

 言われた当初は彼女はそれを冗談の一種だと思っていたし、それを言った直後に赤羽流の師範に「儂らは犯罪者か何か」と後頭部に軽く手刀をいれられていたことから間違いないと思っていた。

 …………まあ、その安易な考えもその場にいた深夜アニメの見過ぎで船を漕いでいる少女によって改めることになるのだが、それはまた別の話。

 

 閑話休題。

 長々と何が言いたかったかといえば、八重樫が彼女から感じる気配や威圧感といったものが過去に経験したとある道場のそれと酷似していたということである。

 

(……まずいわね。光輝や香織……メルドさんも気づいてないみたいだけど、あの女から感じる空気というか気配、少しでも敵対する気配をこちらが見せたら躊躇なく殺しに来るタイプの人のそれよね。まさかこんな所で赤羽流の人と同じ人(修羅)に出会うなんて本当についてないわ……)

 

 決して敵対するような素振りを見せず平静を装いながらいつ攻撃されても反応できるようにその女の一挙手一投足を見逃さぬように全神経を集中させる。

 最悪の場合、雫が捨て身で時間を稼ぐしかないかなどと考え始めたその時だった。

 ルビーローズの返答を聞き、考え込んでいたメルド団長がその重い口を開いたのだ。

 

「ならば、貴女の実力を見込んで頼みがある」

「頼み?」

「ああ、もし良ければなのだが、ここより下の階層から私達の代わりに彼らのオルクス大迷宮攻略を手助けしてはくれないだろうか?」

 

 その言葉を聞いた勇者たちや他の騎士団員に再び動揺が走る。

 無論、彼とて考えなしでこのような提案をしたわけではない。

 確かに風貌は怪しいの一言に尽きるが、それを差し引いても魔人に対する戦力の確保はハイリヒ王国にとって最重要課題であった。

 単独で迷宮に潜れる実力があり、会話した限りでは人格破綻者のような傾向はみられない。

 ただでさえベヒモスの一件以来戦力となりえる召喚者たちが減少してしまったのだから、多少風体が怪しくとも彼女をハイリヒ王国の戦力として取り込みたいと考えていたのだ。……成功確率が著しく低いことは彼も承知であるが、やらないよりはやったほうが多少はマシと考えてもいた。

 急な提案に驚き、さてどうしたものかと彼女が考えていると、納得できない様子で天之河がメルドに詰め寄っていた。

 

「メルドさん!? どうして急にそんなことを!? まだ俺たちには貴方の力が必要なんです! ここで諦めるなんて言わないでください」

「いいや、俺たちはここが限界だ。さっきの戦闘でもお前らを引っ張るはずの俺たちが足を引っ張ってばかりだったからな。戦闘面において教えられることは教えたつもりだ。もう俺たちの助けは必要ないだろう」

「メルドさん……」

「そう悲しそうな顔をするな。俺たちは地上で待機することにはなるがここで別れるわけでもないんだぞ。……ただ、未知の階層に対しての備えは必要だ。だからこそ貴殿の力を借りたいのだが……どうだろうか? 無論、報酬は弾ませてもらおう」

 

 途中からルビーローズへと話を振り返答を促す。

 仮面のせいで視線が分かりづらいが恐らく天井付近を眺めていた彼女は呼びかけに応えメルドへと向き直る。

 そうして出した彼女の答えは否であった。

 

「理由を聞かせてもらってもいいだろうか?」

 

 残念そうにそう尋ねるメルド。

 元々受けてもらえれば万々歳といった提案であったが、やはり断られた理由くらいは知っておきたかったのだ。

 

「なに単純なことだ。この後すぐに別の場所へ行かなくてはならないからな。余計なことをしている暇がないって話だよ」

「……そうか、残念だがそれでは仕方ないな」

「そう気を落とさなくともそこの奴らなら近いうちに百層にはたどり着くだろうさ。…………まぁ、最下層は無理だろうけど」

「? すまない、最後のほうがよく聞き取れなかったのだが?」

「いや、気にしなくていい。独り言だ」

 

 思わず出た本音を誤魔化すように彼女は視線をそらす。

 すると逸した先で二人の少女と目があった。

 そう、未だ警戒を解いていない雫と何か尋ねたそうにこちらに熱い視線を向けている香織である。

 それをみてそう言えばと、ルビーローズはメルドに問掛ける。

 

「この中に八重樫雫と白崎香織と言う少女はいるだろうか?」

「……何故、彼女たちの名を知っている?」

 

 目を細め、逆に彼女へ問い返す。

 この二人は勇者である天之河のパーティーの一員であり、ハイリヒ王国における最重要戦闘員と言っても過言ではない。

 今回初めて会ったはずのその女が二人の名を知っているのだから警戒するのも当然だろう。

 

「何、ちょっと言伝を頼まれてね。できれば二人と内緒話をしたいんだが構わないか?」

「内容にもよるが、できれば遠慮してほしいというのが本音ではある。俺か騎士団の誰かが立ち会うなら許可しよう」

「まあ確かに、こんな風体のやつと内緒話なんて良い子にはさせたくたいわな……。さてどうしたものか。このままじゃ折角の南雲ハジメの忠告も無駄になりそうだ」

「……何!?」

 

 彼女の口からこぼれた名は嘗てこの迷宮を探索していた彼らの仲間であり、奈落に落ちて命を落としたとされる少年の名前であった。

 まさか生きているのか?そうメルドが動揺し迷いが生じたその隙に目の前の親友を押しのけ、ルビーローズの前へと駆け寄ってくる姿があった。

 

「南雲くん!? 今、南雲ハジメって言った!?」

 

 白崎香織である。

 今の今まで喉から手が出るほど欲しかった想い人に関する手がかり、それが唐突に現れたのだから無理もないだろう。

 

「たしかに言ったが、君はどちらかな?」

「あ、私が白崎香織です。あちらで刀を持ってる髪を後ろでくくってる女の子が雫ちゃんです。……あの! 南雲くんは、生きてるんですか!」

「無論だとも。でなければ私に言伝など頼めまい」

「……だったら何かその証拠みたいなのを見せてくれませんか? 何でもいいんです。南雲くんが話したこととか、彼から貰ったものでも」

「証拠、証拠ねぇ…………ああこれはどうだろう」

 

 そう言って彼女が腰に手を回すと、そこから長方形の鞄のようなものを取り出した。

 

「あの、それは?」

「まあ見てな」

 

 彼女が何をどう操作したのかその場にいた人間にはよくわからなかったが、その鞄のようなものは機械音を立てながら大鎌へと変形したではないか。

 

「ほう、大鎌とは珍しいな」

 

 感心したようにメルドは呟く。

 確かにハイリヒ王国の騎士にも大鎌使いはおらず、彼が知り合っている冒険者にすら大鎌を使うものは少ない。

 

「………………」

 

 香織は大きく目を見開いてそれを凝視する。

 彼女の知る錬成師はこのような繊細な機能を持たせられる錬成をするものはいなかった。それは召喚者である彼も例に漏れず簡単な錬成しかできなかったはずだった。

 しかし、こちらでは存在しないメカチックな武装、変形というオタクらしい彼好みの機能、この2つが示す事実は一つしない。

 

「ああ、良かった……本当に、生きてたのね、南雲くん」

 

 香織はへなへなと地面へと座りこむ。

 今の今まで喉から手が出るほどに欲した彼が生きているという知らせが手に入ったのだから、安堵で力が抜けても不思議ではない。

 ほら、立ちなさいとルビーローズは手を差し伸べる。

 すみませんといいその手をつかんで香織は立ち上がる。

 軽く土埃を彼女が払ったのを確認して、ルビーローズは話を続けた。

 

「私は言伝を伝えたいと思うのだがどうやらそれは少し難しいらしい。なので判断は君に任せよう。受け取るか否かを君が決めるといい。私はそのどちらでも構わないが」

「あの、騎士の人と一緒に、というのは駄目ですか?」 

「ああ、内容が内容だからね。できる限り余計な人には聞かせたくないな」

「……なら、皆に離れてもらって、私達はあちらで話しましょう。見えない場所に行くんじゃないんだし、それならいいですよね?」

 

 前半はルビーローズ、後半はメルドへと提案する香織。

 既に彼女の意志は固く、南雲ハジメからの言伝を聞くまでは梃子でも動かない腹積もりだとその瞳が物語っていた。

 メルドはやや不安はあるが仕方がないと割り切ることにした。

 彼自身としても死んだと思っていた召喚者の少年に関する手がかりをここで失うのは得策ではないと考えていたこともあり、香織の言うとおりに彼女たち以外を遠ざけて話しやすくするつもりでいた。

 幸いなことにルビーローズもその提案を許諾してくれたことも足り、メルドも許可を出そうとしたときであった。

 

「なら俺も聞かせてもらおう。南雲は大切な仲間だったんだ。聞く権利なら俺たちにもあるはずだ」

 

 香織を庇うように前に立ちそう言い放ったのは光輝だった。

 怪しい人間と幼馴染二人だけで話させるのが不安であったというのもあるが、()()()()()()()仲間からの言伝に多少なりとも興味があったということもまた事実であった。

 彼は強くルビーローズを見つめる。

 自身が誠意を持って頼み込んでいるのだから、きっと彼女もわかってくれると信じて疑っていない瞳であった。

 

「駄目。これを聞けるのはさっき言った二人だけだ。例外は認めない」

 

 しかし、その希望は儚く崩れ去る。

 なおも食い下がろうとする彼であったが、それは直ぐ側にいた香織によって阻止されることとなった。

 

「光輝くんはちょっと下がってて」

「香織!? けどそれは」

「私達は大丈夫だから、信じて」

 

 そう言われては流石の彼も黙る他ない。

 何か言いたそうに口を開きはするものの、彼女を説得し切るだけの材料が見当たらないからだ。

 

「光輝、ここは黙って見守っていた方がいいぜ」

「龍太郎、だけど――」

「そうだよ。格好は怪しいけどいい人そうだし、ここは二人に任せよう」

 

 龍太郎と鈴にすら引き止められ、渋々引き下がる光輝。

 ただし、いつ何があってもいいように何時でも二人の元へ駆けつけられるようにルビーローズを警戒し続けてはいた。

 そんな彼の視線をどこ吹く風と無視してルビーローズはこの空間の端、壁際に二人を誘導する。

 

「さて、一応念の為だが盗み聞き対策はしておくか」

 

 彼女が顔の前で右手の人差し指と中指を立てると、彼女たちを囲むように白く透明な立方体が出現したではないか。

 

「な!? 香織、雫!!」

 

 異変を察した光輝がすぐ様聖剣を抜き白い壁に斬りかかるが、ガキンと音をたてるばかりで壁には傷一つついてはいなかった。

 

「そんな!?」

 

 認められず彼はその後も二度三度と聖剣を振るうものの、その壁が揺らぐことはない。

 その上剣が衝突する音すらほとんど遮断され内部には届いていない有様であった。

 その後すぐ龍太郎に羽交い締めにされ、皆の元へと連れ戻される光輝であったが、その瞳は焦りと焦燥が見て取れた。

 

「うそ、光輝の攻撃でもびくともしないなんて」

「凄いね。もしかしなくても鈴ちゃんのより固いのかも」

 

 それを見ていた両名もその壁のあまりの強度にただ驚くばかりであった。

 

「あー、二人共そんなの見ててもつまらないだろうから、さっさと本題に入るがいいだろうか?」

 

 コホンと、わざとらしく咳を鳴らす。

 それもそうだと二人は彼女方へと向き直る。

 

「じゃあ心して聞いてくれ。彼からの言伝は、“自分を故意に奈落に落としたやつがいる。狙いは白崎だ”だよ」

「なんですって!?」

「そんな、嘘……」

 

 雫は驚きのあまり警戒を忘れ、香織は両手で口を覆い信じられないといった表情を浮かべていた。

 

「無論本当だとも。付け加えるなら彼はこうも言っていたな。“火球が急に自分へと迫ってきた”と」

 

 それは彼女がハジメと再会した時に彼から聞いた話である。

 あの状況において彼を避けてベヒモスへと放たれた魔法が進路を変えるというのは本来ありえない事態であり、故にあれは魔法の制御を誤った事故として考えられ、クラスメイトの間でも禁忌として扱われていた。

 しかしそこに被害者の証言が加わればどうだろう?

 あれが事故ではなく故意にやったものだとすれば、見事に対象を処理でき尚且今も犯人は悠々とあのクラスメイトの中にいるということになるのではないか?

 

「で、でも私達は仲間なのよ! そんなことをしてなんの意味があるの!?」

 

 彼の言伝を信じきれず思わず問い返す。

 

「ふむ、確かに普通なら彼の勘違いで終わる話かもしれんが、だからこそ言伝の後半部分が重要になってくるわけだ」

「後半って何よ? 大体狙いが香織だなんて意味が「続きを聞かせてください」香織?」

 

 振り向くと、真剣な表情でルビーローズの顔を見つめる親友の姿があった。

 

「私が狙われてるなら無関係じゃいられない。それにもしそれが本当だとするなら……南雲くんが落ちたのは私のせい、かもしれないですよね。なら、私は続きを聞かなくちゃ駄目、だと思うの…………」

「香織……貴女」

 

 見ると表情こそ平気なように振る舞って入るが杖を持つ手が震えているのがわかる。

 無理もないだろう。今まで事故だと思っていたものが実は殺人(正確には未遂)でそれを引き起こした一因に自分が関係しているかもしれないというのだから、心中は穏やかではないだろう。

 それを知ってか知らずか、ルビーローズは一度頷くとさっさと続きを話し始める。

 

「まぁ彼本人は気づいてないみたいだったが、その様子だと白崎君は随分と彼のことを好いているようだね」

「え? ……はい、そうですが」

 

 急に全く別の話になったと感じ呆気にとられる彼女。

 しかし、それは間違いであったとすぐに気づくこととなる。

 

「動機は単純だ。君は彼を好いていた。それを気に食わなかった誰かが邪魔な彼を消したがっていた。そんな時に訪れたあのアクシデント。大量に飛び交う魔法の中、一つぐらいそれたところで誰がやったかわからない。きっとその人物もそう考えたのだろうね。だから衝動的にやった。唯それだけだろう」

 

 二人は絶句していた。ここまで言われてなぜ犯人が彼を奈落へと落としたか理解できないほど頭が足りないわけではなかった。

 確かに香織がハジメを好きなことはクラスメイトの殆どは知っていたし、それを応援してくれる人もいた。

 だがしかし、本当にそんな理由で人を殺そうとする人間が、それもクラスメイトの中にいるとは信じたくなかったのだ。

 けれど、そう考えると彼の言伝の内容も信憑性を帯びてくる。

 もしあれがハジメに嫉妬した人間の犯行なら、確かに次に狙われるのは香織だ。

 すでに人一人殺そうとした人間だ。次にどんな凶悪な手段を使ってくるか予想もできない。

 この言伝を他のクラスメイトにすら伝えられないのも納得だ。何しろ犯人がクラスメイトの中にいるのだから知られればどんな行動をするか分かったもんじゃない。

 そしてその容疑者の中で雫だけが外された理由も理解できた。

 クラスメイトの中で良識を持ち香織と四六時中一緒にいても不思議ではなく秘密を守れる人物、全てに当てはまるのが雫であっただけのことだ。

 何しろ香織は非戦闘系天職、もし犯人が戦闘系天職だった場合彼女一人では身を守りきれない可能性も大いにある。

 ならばこそ彼女の守り人として雫に白羽の矢がたったのだろう。

 ………………まぁ本来この役目を負うべきクラスメイト最強の勇者はその思考回路からこの言伝を伝えられないことも理解してしまったのは悲しいことではあるが。

 はぁ……と、雫は深いため息をつく。

 この世界に呼び出されてからというもの心休まる暇がない。魔人族との戦争、命懸けのダンジョン探索、そしてクラスメイトによる殺人未遂。あちらでは考えられなかった厄介な出来事がどんどん押し寄せてくる。正直なところ全部投げ出してしまいたいが、雫の良心がそれを許さない。

 それに、と彼女はちらりと直ぐ側の親友に目をやる。

 自身でさえかなりショックを受けた内容だったのだ。言い方は悪いが原因の一つである香織は更に強い衝撃を受けたに違いない。

 

「まぁ言伝はここまでなのだが、何か聞きたいことはあるかい?」

 

 考え込んでいた彼女たちはルビーローズの質問で一気に引き戻された。

 

「あの、南雲くんは大丈夫でしたか? ……その、怪我とかしていませんでしたか?」

「あぁ……まぁ左腕を失くしちゃいるが無事っちゃ無事だ。あっちには頼りになる仲間もできたみたいだしな」

「腕が……ううん。生きていてくれただけでも嬉しいよね! でも、仲間ってなんですか?」

「そうよね。もしかして貴女みたいに単独で奥まで進んでる人がいたとか? その人に保護されてたから南雲君は生きてこれたってことかしら?」

 

 一先ず彼が生きていてくれたことに安堵する香織と雫。

 しかし、彼女が発した仲間という単語にどこか不穏なものを感じた香織は思わず聞き返した。

 

「ええっと……済まない。流石に他の人のことを話すのはマナー違反だと思うので詳しく話すわけにはいかないが、彼にとってとても信頼できる仲間なのは確かだし、あの子も彼を裏切ることはないと保証「あの子?」……するよ」

 

 ルビーローズがあの子と口走った途端、香織の目の色が変わった。

 それはまるで目の前で餌を掻っ攫れた獅子のような瞳でルビーローズを見つめている。目を真ん丸に開け瞳孔も大きく開ききっている。

 

「あの子って、もしかして、女の子、ですか?」

 

 ぎこちない口調で彼女は詰め寄ってくる。

 あの子という言葉のニュアンスから、今彼のそばにいる人間がどのような人物であるかを女の勘ともいうべき何かで感じ取ってしまったのだ。

 その只ならぬ雰囲気に押されルビーローズと雫はともに一歩下がる。

 

「そう言えば、もう一つ気になってることがあったの……。ルビーローズさんがここまで上がってこれるなら、どうして南雲くんも一緒じゃないのかなって……。もしかして、私達の元へと帰ってくることよりも、その人と一緒にいることを選んだの?」

 

 しかし逃すまいと香織も一歩こちらへと近づいてくる。

 ああ、これは無理かなと観念した彼女は大人しく今ハジメの側にいる子について話しだした。

 

「……君には悪いと思うが、私が見た限り、彼らはいいカップルに見えた。正に相思相愛といった有様だったな」

「ぐふっ!?」

「か、香織!? しっかりして香織!? まだ傷は浅いわ!」

 

 なんの悪意もない言葉が香織の胸を貫いた。

 そのまま片膝を付き片腕を地面へ、もう片方は杖へと寄りかかる。

 先程とは別の意味で心配になった雫は彼女へと寄り添いよしよしと背中を擦っている。

 

「雫ちゃん、それ吐いてる人にするやつだよ」

「え!? ご、ごめん混乱しちゃって……色々なことを伝えられてちょっと処理が追いついてないのかも」

「うん、わかるよ……。まさか奈落に落ちた先で寝取られるなんて!」

 

 ミキリ、と何かが軋む音がする。

 二人がその方向へと視線を向けると地面へとついた彼女の掌、それが固い岩盤へとめり込み一部を砕いていたのだ。

 

「か、香織さん? あの、正確には告白もしてなかったんだから寝取られるのはちょっと違うんじゃないかな?」

「私もそう思うぞ! そも色恋沙汰は先手必勝と相場が決まっていてだな」

「二人はちょっと黙ってて」

「「はい」」

 

 意味もなく正座し始める二人。

 特に誰が悪いというわけではないのだが、こうでもしていないと落ち着かないのだ。

 

「君の親友、少し怖くないか? いつもああなの?」

「いや、南雲君関係で暴走気味になることはあったけど、流石にここまでじゃなかった……はず」

 

 後半から自信が無くなり明後日の方向へ視線をそらす。

 今も匣やら何やらブツブツ呟きながら虚空を見つめている香織。一体彼女はどこへ向かっているというのだろうか。

 

「でどうするのよ? うちの親友ったら最悪の場合南雲くんの彼女さんに襲いかかりそうな雰囲気になってるんですけど?」

「その子なら今の勇者でも傷一つつけられやしない強者だから被害に関しては問題ないはずだ。……ただ問答無用で襲いかかった場合一瞬で白崎君が消し炭にされる恐れがあるが」

「駄目じゃない!? ていうか何よその子光輝よりも強いって……。貴女のこともそうだけど、そんなに強いなら私達呼ばれた意味がないじゃない」

「あぁ……。まぁ私もその子もハイリヒ王国の住民ではないし、戦力的な意味でこの国が困窮しているのは間違いないはず……何だけども」

「? 何よ歯切れが悪いわね。何か他に隠していることでもあるのかしら?」

「いっぱいあるが?」

 

 その言葉に呆れ、まるでチベットスナギツネのような目で彼女を見つめる雫。そもそも顔すら隠している不審者なのだから今更か、と諦めて彼女は前の方を向きながらルビーローズへと話しかけた。

 

「…………そう、ならこの際だから色々と聞かせてもらおうかしら。香織はまだトリップから帰ってこないし、今のうちに状況を整理しておきたいわ」

「成程。で何が聞きたいんだぃ?」

「そうね……まずは確認なんだけど、貴女はオルクス大迷宮の最深部にまで到達したのは本当なのよね?」

「無論本当だとも、私の命にかけてそれは真実だと保証しよう」

「OK、なら次の質問。貴女は一体()()()から上ってきたの?」

 

 視線はそのままに、彼女は尋ねる。

 今さっき何処から上がってきたか聞いておきながらそう尋ねるのは傍から聞けば意味がわからない質問ではあったが、それが意図するところはキチンとルビーローズに伝わっていた。

 

「へぇ、質問で返すようで悪いが、どうしてそう思った?」

 

 彼女は感心したようにそう尋ねる。

 

「貴女が強すぎるのよ。殆ど勘と推測の域を出ないけど、初めてベヒモスと遭遇したあの時でも冷静に対処していれば勝機はあったわ。けど、あの時よりも数段強くなった私達が束になっても、貴女に勝てるイメージがわかないのよ。事実光輝が手も足も出ない結界を張り続けてるのに貴女ったら全然疲れる気配もないじゃない。最初こそ上級魔法か何かかとも思ったけど、貴女からすればこれも小技の一つなのでしょ?」

 

 雫がそう話し終えると隣からパチパチと軽く手をたたく音がする。

 ちらりとそちらを見れば器用に立てた指をそのままに拍手している彼女の姿があった。

 

「流石だね。この状況で周囲をよく見て思考し続けてる。あそこで心配そうにこっちをチラ見してる奴も見習ってほしいな」

「あははは……で、一体何階層なの?」

 

 苦笑いを浮かべつつ、話を戻す。

 

「本当は言うつもりはなかったし、あそこに居る奴らに話さないという条件ならば教えよう」

「………OK。それでいいわ」

 

 少し考え、了承する。

 今彼らに本当の階層数を伝えても伝えなくても大して変わらないと考えたからだ。

 

「ならば教えてしんぜよう。オルクス大迷宮、その真のゴールは地上から数えて第二百階層だ」

「二百!? …………はぁ、誰よ百階層で終わりって言ったのは。その倍もあるじゃない」

「わかる。私も初めて知った時は驚いたさ。まぁ、誰も最終階層に到達してなかったみたいだし、噂を鵜呑みにするのが間違いだったんじゃないかな」

「違いないわ。…………ところで結局彼は何層に落ちてたの?」

「ああ……恐らく百一層辺りだと聞いている」

「なにそれ。そんなに落ちてよく生きてたわね」

「全くだ。彼は死神に嫌われていると見える」

「はは、こっちでもそんな言い方するのね…………ねえ、やっぱり百階層以降は私達じゃ厳しそう?」

「そうだな。今のまま行けば間違いなく全滅する。順当に成長すれば攻略も可能だろうがあと最低一年以上はかかるし、確実に犠牲者も出るだろうな」

「一年か……」

 

 ゴールと思っていた物が実は通過点にすぎなかったという事実と、攻略にかかると思われる時間を知り物思いに耽る雫。

 そもそも、オルクス大迷宮を攻略できたからと言って帰れるという単純な話ではない。彼らの目的は魔人族に対処するために強くなることなのだから、ぶっちゃけた話それに見合う強さとなれば途中で攻略をやめても構わないのだ。

 しかしこの後に待ち受ける魔人族との戦争においてレベルを上げすぎて損をするということはない。きっと光輝辺りが限界まで突き進むように皆を先導するだろうと雫は考えた。

 

「私たち、本当に帰れるのかしら…………」

 

 彼らをこの世界に呼び出したエヒトと呼ばれる存在。その神とかいう存在ならば彼女たちを地球に帰してくれるかも知れないという。そんな見たことも聞いたことない存在の、しかも契約でもましてや口約束ですらない希望的観測に彼らは縋るしかなかった。例えどんなに望みが薄かったとしても、それがなければ動くことすらできないのだから。

 …………ただ一人、この世界を救えば日本へ戻れると本気で信じている人間もいるが、敢えて言及は避けておこう。

 

「ちゃん……雫ちゃん!」

「え!? あ、ごめんちょっとぼーっとしてた……」

 

 急に声が聞こえたと思えばすぐ近くに香織の顔が迫っていた。

 香織は心配そうに雫の顔を覗き込んでいて今まで何度か声をかけられていたのだと察するには十分であった。

 

「それより、元に戻ったみたいで安心したわ。さっきまでの香織ったらまるで鬼か般若みたいだったもの」

「あはは……それについては今考えてもしょうがないということで結論がついたの。仕掛けるとしたら南雲くんと再会した時になるだろうから、その時までに準備しないとね」

 

 何を、とは怖くて聞けなかった。

 どうやら彼女の親友はいつの間にか自分の理解ができない場所へと行ってしまったらいし。

 彼女は神というものはあまり信じてはいないが、この時だけは南雲ハジメが香織と再会しても何事もないように心の中で全力で祈る他なかった。

 

「さて、大体話し終わったから結界を解くぞ」

 

 そう言って彼女がその指を解くと彼女たちの周囲を覆っていた堅牢な結界は空気に溶けるように消えていった。

 

「香織! 雫! 無事だったか!?」

 

 結界が消滅した途端、光輝がこちらへと駆け寄ってくる。

 

「大丈夫よ、ただ話をしただけだし。ねえ香織」

「うん。みんなには話せないけど、やるべきことも見えてきたから、十分収穫があったと思うよ」

 

 そのやるべきこととは何か非常に気にはなったが、恐らく知らないほうがいいのでスルーする二人であった。

 

「そうなのか……。だけど()()()()()()()と思っていた彼が生きていたのは良かったじゃないか! これは一刻も早く彼を迎えに行かなくちゃな」

「…………そうだね。早くこの迷宮を突破して会いに行かないとね」

 

 思うところはあったがここで変な反応をすれば犯人に気づかれると思い表面上は同意したように見せる香織。

 …………まぁ、最早彼女にとって重要なのは彼を救うよりも彼をどうやったら手に入れられるかにシフトしているのだが、それは一人を除いて察することはできていなかった。

 

「ルビーさんもありがとうござい……あれ?」

「嘘!? 今さっきまでここにいたわよね!?」

 

 彼女たちが視線をルビーローズに移すと、そこにはもう彼女の姿はなかった。

 その場にいた全員で彼女を探すがどこにもその姿を捉えることはできなかった。

 彼女はまるで煙のようにその場から消えてしまっていたのだ。

 夢か幻か、それとも幽霊だったのかとすら思い始めた人が現れ始めた頃、雫はふと自身の刀の柄に小さな紙片が結ばれていることに気づく。

 先ほどまでは確実にこんな物はついておらず、あの不審者が雫の目を盗んで括り付けて行ったことは火を見るよりも明らかであった。

 少し考え彼女は結び目を解き、中を開く。するとそこにはトータスの文字でこう書かれていた。

 

【この先に転移の魔法陣があるからそれを帰るときに使うといい、ではまた何処かで会おう!】

 

 文字の終わりに小さく薔薇の仮面を被った彼女のデフォルメされた絵が描かれている。

 無駄に上手いのが腹立つなと思いつつ、雫はそれを懐にしまった。

 

「はいはい。消えた人にいつまでも構ってないでこの階層を探索するわよ。もうそろそろ魔法陣とかあってもいい頃だし、そういうのを見つけたら今日はもう終わりにして帰りましょ」

 

 ぱんぱんと手を叩き皆の意識を自身へ向けつつそう提案する。

 それもそうだな、と雫の提案は特に異論の出ないまま受け入れられ、そう探索が開始されてまもなく転移の魔法陣が発見されることとなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、もうそろそろこの格好とはお別れかな?」

 

 用件を済ませ、既にオルクス大迷宮の外に出ていた彼女は仮面を外す。

 

「最初は用済みになったら分解しようかと思ったけど、案外長く着けてるうちに愛着って沸いてくるもんだね。今じゃ着けてないと違和感があるもん」

 

 クルクルと人差し指の上で仮面を器用に回転させる彼女。

 

「まあ、どこで誰と会うか分からないから変装セットは今後も必要なんだろうけど、それよりも目立たない格好に変えたほうがいいよね」

 

 仮面を月衣にしまい、自身の格好に目をやる。

 派手な赤い服装、インパクト重視でこの格好にしてみたが今度の相手は世界を牛耳る神とソイツが支配する宗教組織、できる限り目立つ格好は避けるべきだと考えたのだ。

 

「……ま、まずは魔物素材を売っぱらって、他の服を買うとしますか」

 

 そうして彼女は軽い足取りで、人混みの中へと消えていった。

 




おめでとう、Kさんは漆黒の意志を手に入れた
何て冗談はさておき、無事に病んでしまいました、不思議だね?
次はヒロアカかギアスあたりを投稿したいなってぼんやり考えてる
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