ハーメルンでは初投稿。
pixivに投稿した作品の加筆・修正版となります。

兄貴だけど女の子なクリーブランドを書いた作品で、私のアズレン二次創作の出発点ともなった作品でもあるので、気に入っていただけると幸いです。

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クリーブランドさんの悩み

「なぁ、指揮官」

「何だ?」

 クリーブランドは指揮官に問いかける。

「私が女の子らしくなるためにはどうすればいいと思う?」

 指揮官はしばらく考え込んだ。

「サングラスかけて風呂入るのをやめればいいんじゃないか?あれ、おっさん臭い」

「おっさっ!?さすがにそれは失礼すぎるぞ!というか、なんで指揮官が知ってるんだ!」

「覗いたからに決まって……冗談冗談!レーベから聞いたんだよ!」

 顔を真っ赤にして詰め寄ってくるクリーブランドに、指揮官は慌てて弁明する。

「まったく……それで、他には?」

「他って?」

「私が女の子らしくなる方法だよ。風呂でサングラス取る以外」

「と言われてもなぁ……俺から見ればクリーブランドは十分女の子らしいけどな」

「えっ……って、さっきおっさん臭いって言ってたじゃないか」

 ジトッとした目で指揮官を見るクリーブランド。

「あれは特定の場合だけだ。普段のお前は元気な女の子って感じだぞ」

「ほ、本当か?」

 クリーブランドは嬉しそうに表情を輝かせる。

「本当だ。むしろ、なんで女の子らしくなりたいって思うんだ?誰かに言われたのか?」

「……みんなから兄貴って呼ばれるんだ」

「あー……あれ気にしてたのか」

 いつも明るく、率先してみんなを引っ張るクリーブランド。周囲からは頼りにされ、その懐の深さと漢気から、いつしか彼女のことを「兄貴」と呼ぶ者が増えた。指揮官はその呼び名を「慕われてるなぁ」と微笑ましく見ていたのだが、本人は複雑な気分だったようだ。

「私は女の子なんだぞ!姉貴ならまだ分かるぞ!姉貴なら性別は女だからな!でも、何でよりによって兄貴なんだよ!男じゃないか!言っておくけど私は間違いなく女だぞ!見るか!確認するか!?指揮官との比べてみるか!?」

「落ち付けクリーブランド!脱ごうとするな脱がせようとするな!」

 錯乱して襲い掛かってくるクリーブランドに指揮官が抵抗していると、執務室の扉の方から「パシャッ」という音がした。2人の動きがピタッと止まり、同時に扉の方を見る。

 そこには、カメラを構えた青葉の姿。

「……」

「……」

「指揮官を襲うクリーブランドさん……これはウケるぞー!」

 そのまま青葉は走り去っていく。

「クリーブランド!奴を確保しろぉ!」

「りょ、了解!」

 クリーブランドと指揮官は青葉を追って執務室を飛び出した。

 

 15分後、クリーブランドによって青葉は確保された。

 

「うぅ、良いネタになると思ったんだけどなぁ……」

 先ほど撮ったスクープ写真を没収され、青葉はズーンと落ち込んでいた。

「ったく。クリーブランドも取り乱し過ぎだ」

「わ、悪かったよ……」

「そう言えば、2人で何の話を?」

「クリーブランドが女の子らしくなりたいって相談してきたんだ」

「あー、クリーブランドさん、みんなから兄貴って呼ばれてたもんね」

「なんで兄貴なんだよ……せめて姉貴だろ……」

 部屋の端っこで体育座りをするクリーブランド。周囲の空気がどんよりしている。

「まぁ、見ての通りだ」

「うーん、クリーブランドさんは十分女の子らしいと思うんだよねぇ」

「兄貴って呼ばれるのが複雑な気分らしい」

「……つまり、兄貴って呼ばれるのを気にならないようにすればいいんだね」

「どうするんだ?性転換でもするのか?」

「あんたは鬼か。まぁ、任せてよ」

 そう言うと、青葉はクリーブランドに近付いた。

「クリーブランドさん」

「なんだ……?」

「女の子っぽくなりたいんだよね?それならちょっと指揮官の前に立って」

 クリーブランドは青葉に言われた通り、指揮官の前に立つ。

「これでどうするんだ?」

「それは……こうする」

 青葉はクリーブランドの背中を押した。

 クリーブランドはバランスを崩し、指揮官の胸に倒れ込み、指揮官もクリーブランドを思わず抱き留め、まるで指揮官がクリーブランドを抱きしめるような形になった。

「えっ」

「えっ」

 一瞬ポカンとなる2人。直後、我に返ったクリーブランドの顔が見る見る赤くなる。

「えぇえええええええええええええええええええええ!?」

「ちょっ、青葉!?」

 2人が我に返った時には、既に青葉は2人の様子を写真に収め、執務室から撤退したところだった。

「マズい!クリーブランド、もう一回青葉を……」

「あわわわわわわわわわ」

「……アカン、オーバーヒート起こしてる」

 指揮官に抱きしめられた恥ずかしさで、クリーブランドは思考を停止させていた。

 仕方なく指揮官は自分で青葉を追いかけたが、結局指揮官では青葉を捕まえることができなかった。

 

 翌日、青葉の出す新聞の一面には「恋する乙女クリーブランド!」という見出しと共に、指揮官に抱きしめられて顔を赤くするクリーブランドの写真が掲載されることになった。

 その写真のクリーブランドは、間違いなく「可愛らしい女の子」だったと、皆は口を揃えて言うのだった。

 

 

「ちなみに、調べによるとクリーブランドさんの趣味は盆栽らしいよ」

「盆栽……おっさん通り越してじじ臭い」

「じっ!?だから、女の子に対して失礼だぞ、指揮官!」




誤字・文章の誤りなどがあればご指摘お願いします。
もちろん、作品自体の感想もいただけると喜びます。

今後も投稿していく予定なので、よろしくお願いします。

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