恐竜達の住まう世界のうちの1つ、アイランド。そのアイランドを統べる四皇の1人、渋谷ハジメのもとに1人の青年がやってきた。
「…エビオ君、どうしたの?なにかまた手伝って欲しい事とかあるの?」
ハジメのおちゃらけた調子の言葉。しかし、青年――エクス・アルビオは答えない。
「どうした?何かあった?」
「…僕は」
エクスが顔を伏せる。
「僕はずっと、ハジメさんに迷惑を掛けてきました。だからいつもその恩返しをしたいって考えて、でもその度にまたハジメさんに迷惑ばかりかけて…」
エクスの吐き出す言葉にハジメは優しい笑みを浮かべる。
「新しい世界に行くのはずっと前から分かりきってた事だったのでいいんです。でも、僕はハジメさんにまだ何も返せてない…!」
エクスの足元に雫が落ちて地面に溶けて行く。
「僕はね、エビオ君。エビオ君がうちのトライブに入ってくれた事にすごく感謝してる。1度道を間違えた僕をこんなに慕ってくれて、いつもたのしそうな姿を見せてくれる。僕は、それだけで十二分に貰ってるよ」
ハジメの言葉に、エクスは自分の手をぎりぎりと握りしめる。
「違う…違います。僕は…ッ」
「エビオ君」
ハジメの言葉に導かれるようにエクスが顔を上げる。
「今まで僕に着いてきてくれて、ありがとうね」
「ッ、ハジメ…さん」
エクスの青い瞳から涙が溢れ、エクスの頬を伝っていく。
「エビオ君はエビオ君が思ってる以上に凄い。だから、僕なんかじゃなくてもっと君を理解してくれる人と組むべきだよ」
「僕、は…っ!まだ、ハジメさんと、一緒に…!」
「ジュラシックワールドは、これにて解散します。エビオ君も、りりむちゃんも、ロアちゃんも、星川さんも雪城さんも。僕に着いてきてくれたみんな、僕の大切な仲間だから。だからこそ、僕のせいで成長出来ないなんてことにはなっちゃいけないんだ」
「ハジメさん…っ!」
「お疲れ様。強くなったね、エビオ君」
ハジメがエクスの体を抱きしめる。
「機会があったら、向こうで、また――」
「えー何それ、めちゃくちゃ良い話じゃん!」
「でしょ。あん時俺もうめっちゃ泣いちゃって。それでハジメさんの服汚しちゃって」
「うわ、汚ぇ!」
「んで、ハジメさんが困った感じで笑ってて、俺も釣られて笑って。
「ジュラシックワールドってめちゃめちゃ空気よかったよね。トライブが仲良さげだったもん。羨ましいわ。こっちなんてただ終わったから感動エピソードとかないしね」
「え、ヒム感動したの?」
「え?めちゃくちゃしたけど」
「マジ?実は今言ったやつ全部嘘」
「は?」
「ぜんっぶ、嘘。」
お目汚しすみません。