この大戦艦に祝福を!   作:カフェイン中毒

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仕事が忙しくて書く時間がとれんかった。許してクレメンス。


第13話

 魔王軍幹部、ベルディアがアクアによって浄化された。もちろん怪我人はいる・・・が死者はいない。万々歳といったところだろうか・・・

 

 「かった?・・・勝ったんだ!」

 

 「うおおおおお!生き残れた!」

 

 「武蔵さんとミツルギさんがやったんだ!」

 

 「ちょっと!?私が最後浄化したんですけど!?ねえ!?」

 

 ところどころからアクアの洪水から生還した冒険者たちの喜びの声が聞こえてくる。まあアクアにも言いたいことは多々あるが・・・さすがに今言うのはやめよう。

 

 「それじゃあ、僕はパーティーメンバーのところへ行くよ。君たちと肩を並べられてよかった」

 

 「御剣、その・・・この前は誤解させるようなことしてて悪かった。お前がいなきゃ俺は死んでた。ありがとう、助かったよ」

 

 「ああ、カズマを助けてくれてありがとう。・・・すまなかったな」

 

 御剣が行ってしまう前に、礼と謝罪をしなければと思い立ち、伝える。御剣はぽかん、とした顔をしたのち笑顔になり

 

 「うん、またどこかで一緒に戦おう!」

 

 そう言って、踵を返し自分のパーティーメンバーのところへ戻っていった。ちょっとボタンを掛け違えていただけで、彼とは仲良くなれるかもしれない。

 

 

 「さ!カズマ、アクア!楽しいお片付けの時間だ!」

 

 「え!?そんなのあんの!?」

 

 「いやよ!私は女神なのよ!?しかも功労者!もっとねぎらってよ!」

 

 「そうは言ってもな・・・あれ、お前のせいではないか」

 

 何か忘れていると思ったら目に飛び込んできた、アクアの洪水で半壊した正門と塀を指し示すと振り向いたアクアとカズマの顔がみるみる青くなっていく。

 

 「ベルディアのせい・・・・とかならない?」

 

 「やつはもういないから責任を押し付けられても実際働くのは私たちだぞ?」

 

 「おのれアンデッド!死んでも迷惑かけるなんて~~~!戻ってきて片付けなさいよ~~~!!!」

 

 「さ、うだうだしてないで片付けるぞ。めぐみんたちももう始めてる。ほら、いったいった!」

 

 カズマとアクアを引きずりながらすでに片付けを始めているやつらに混ざるため、私は歩を進めるのだった。

 

 

 翌日、あのあと日が暮れるまでがれき等の撤去をし、妖精さんに力を借りて応急処置を済ませそれぞれ帰路についた。で、今日はベルディア討伐の報奨金が払われるということで私たちはいまだ興奮冷めやらぬギルドへ足を運んでいるというわけだ。ちなみにカズマは筋肉痛でうめいているため、私が迎えに行った。

 

 「なんでベルディア討伐よりがれき撤去で疲れてるんだよ~」

 

 「そういうな。町中で襲ってきたあいつが悪い。恨むならベルディアを恨むのだな」

 

 そんな話をしながらギルドに入ると、すでに大宴会が開かれていた。顔を真っ赤にして出来上がったアクアが上機嫌に声をかけてきた。

 

 「あ!来たわね二人とも!もう遅いったら!ほら!お金受け取ってきなさいよ!魔王の幹部討伐のお金、私ももう受け取ったわ!まあほとんど飲んじゃったんだけど!」

 

 実に上機嫌なアクアがケラケラ楽しそうに笑っている。・・・相当出来上がってるな。がれき撤去の際私がクドクド説教を垂れて、泣きわめきながら仕事をしてたようにはとても思えん

 

 ちなみにこの世界は飲酒に関して年齢制限はないが、明らかに子供な人物には提供しないようになっている。坊主、ミルクでも飲んでな!が定型セリフになってるぐらいには。

 

 「飲ましてくださいダクネス!私だってもう大人です!」

 

 「何を言うか13歳。まだ早い、そこでジュースでも飲んでろ」

 

 今のめぐみんとダクネスがテーブルの上で繰り広げているやり取りがまさにそれである。うむ、さすがにめぐみんには酒は早い。急性アルコール中毒になられたら助けようが・・・・アクアがいるか。

 

 アクアたちと話をするカズマを置いて、先に受付に向かう。なじみの受付嬢は私を見ると顔を輝かせて手招きしてくれた。

 

 「ムサシさん!魔王軍幹部討伐、ならびにがれき撤去お疲れ様です!こちら、報酬になります!」

 

 「ああ、感謝する。ずいぶん重いな?」

 

 ずしん、とカウンターに置かれた頭陀袋には金貨がずっしりと入っている。金貨は10万エリスのものしかないのであの幹部が結構な賞金首だったことがわかるというものだ。

 

 「そりゃもう!幹部討伐の貢献度もそうですが、がれき撤去の際の妖精さんの働きのおかげですよ!妖精さんがいなきゃ4日はかかってたはずですからね!それにアクセル防衛のための待機依頼の分もまとめて入ってますから」

 

 「そうか、それはありがたい。なんと言っても欠航した分の利益の補填ができなかったからな。これで幾分かマシになるだろう」

 

 私の会社はギルドに依頼という形で集客を行っている。それがストップしてたが依頼自体は継続中、つまり金を垂れ流していたのだ。全国のギルドを対象にしてた分、垂れ流される金は膨大なものとなる。赤字もいいところだからな。

 

 「お、武蔵さん。すごい量だな」

 

 「おおカズマ。何、お前のパーティーは討伐そのものをなしたんだ。賞金総取りだぞ?よろこべ、きっと私よりも多い」

 

 「おお!それは期待が膨らむってもんだぜ!」

 

 つい、と受付嬢を見ると彼女は苦虫を噛みつぶしたような、気の毒なものを見るような顔でカズマを見つめ、口を開いた。

 

 「あー・・・サトウカズマさんですね?とりあえずこちらが報酬となります」

 

 「ちい・・・さい・・・!?」

 

 ちょこん、とカズマの手に乗せられた小さな袋を愕然とした顔で見つめるカズマと肩眉を上げる私に、受付嬢は畳みかけるように

 

 「実は、これとは別に特別報酬が出ていたのです・・・が・・・・」

 

 「なーんだー!もったいぶらずにくれればいいじゃねーかー!」

 

 「そのですね・・・3億エリス出てるのですが・・・ご存じの通り、アクアさんの召喚した水で壊れた家屋と正門、塀の修理費、補填として全額とは言わずとも、1部を負担してくれという話でして」

 

 カズマの顔が青くなり、後ろで飲んでいたアクアの顔に冷や汗が伝っている。私も思わずこのずっしりとした頭陀袋を後ろ手に隠してしまう。

 

 「ですので、大変いいにくいんですけど・・・弁済費として3億4000万エリス、頂戴いたします」

 

 「うそだ~~~~~~~~~~!!!!」

 

 お、おお・・・幹部討伐の立役者が一転、借金を背負うことが決定した瞬間であった。膝から崩れ落ちるカズマが顔面を地につけ慟哭しているのを気の毒な目で見つめる受付嬢という何とも言えない光景を見てしまい私は彼の肩に手を置いて、慰めの気持ちを表明するのだった。

 

 

 「武蔵衛門!お金貸して!」

 

 「私から借金してどうするのだカズ太くん。すまんが私にも助けられるのと助けられないものがあるのだ」

 

 「ですよね~~~~~~!!!」

 

 ギルドに響く喧騒が、カズマの悲痛な叫びをより際立たせる、そんな日だった。

 

 

 

 冒険者の朝は早い。と言いたいが、もう冬に差し掛かるというこの頃、一般的な冒険者たちは冬のたくわえを蓄え終え、各々実家に帰省するなり宿をとるなりで冬に冒険をするものは少ないのだ。つまり自堕落な生活をしているものが大半と言えよう。

 

 ベルディア討伐からある程度の日数が立ったある日、遅れていた海運業に精を出していた私が久しぶりにアクセルの冒険者ギルドに戻ると、血を吐くような声が聞こえてきた。

 

 「金が・・・・金が欲しい!」

 

 カズマであった。どうやら私のかわいい後輩冒険者は少し見ない間に職業を冒険者から金の亡者に変えたらしく、素寒貧の財布を見ながら目を血走らせて怨嗟の声を放っていたのであった。

 

 「どうしたカズマ。借金に悩まされてるのはわかるが、利息なし期限なしのまあ悪くない部類の借金だろう?少し返せば催促もなくなるのではないか?」

 

 「そうなんだけどさ!冬のたくわえが全然できてないんだよ!今日馬小屋で起きたらまつ毛が凍ってたんだよ!そのうち凍死するぞ!?」

 

 「おお、そうか。はたらけどはたらけど、というやつだな。冬のモンスターは危険なものも多い。素直にアルバイトでもしたらどうだ?」

 

 「もう募集がない・・・・」

 

 「本当に不憫だな・・・・。仕方あるまい。一つクエストに付き合ってやろう」

 

 「ほんとか!?武蔵さんがいれば大抵の依頼は何とかなるよな・・・・」

 

 「この近辺のもので頼むぞ。次の運行も近いからな」

 

 「ああ、わかった!」

 

 カズマがハイテンションでクエストボードを見に行って、一つ依頼を破って戻ってきた。決めるのが早いな

 

 「これ、どう?武蔵さん」

 

 「どれどれ・・・一撃熊の番の討伐、報酬は300万か・・・まあ悪くあるまい。アクアたちは?」

 

 「全員日雇いアルバイト。俺だけ募集に落ちちまったんだよ」

 

 「お前は運はいいはずなのにおかしなところで不憫だな・・・まあいい。サクッと終わらせて町に戻ってこよう。日帰りで行くぞ」

 

 「おう!敵感知とかそういうサポートは任せてくれ!だから熊はお願いします!」

 

 「私はお前のいっそすがすがしいくらいなその態度、嫌いではないぞ」

 

 私に隠れるだけではなく倒しに行ってもいいだろうに・・・まったく。

 

 

 というわけでサクッと終わった。なに?もっと詳しく?熊相手に私が後れを取るはずがなかろう。一撃熊が私を殴った際に一撃で仕留められなかったことに熊自身が驚いて腰を抜かしていたのをトンカチ構えたカズマが終わらせただけだ。今はアクセルに帰る道すがらカズマに私がいなかった間何があったか聞かせてもらっている。

 

 

 「雪精討伐したときによー、冬将軍ってのにあっちまって殺されたんだけどさ。アクアに生き返らせてもらう前にエリスって女神と会ったんだよ。どっかで会ったことあるような感じがしたんだよなあ」

 

 「まず1回死んでることに私は驚いてるが、まあ無事でよかったな。アクアに感謝するといい。女神エリスはこの国の国教の女神だぞ?どこかで会ってたとしたらその幸運はエリス様譲りということかもな」

 

 「ああ、そうそう!機動要塞デストロイヤーってなんなんだ?アクアたちに聞いてもデストロイヤーはデストロイヤーって答えしか返ってこなくてよ」

 

 「私はまだ見たことないがな。なんでもクモのような形をした城塞らしい。馬と同程度の速さで動き、魔法を無効化する結界をはっていて、通過した後にはアクシズ教の教徒くらいしか残らないとの噂だ」

 

 「逆にそれで残るって何もんなんだよあの駄女神の宗教は・・・・」

 

 「彼女に負けず劣らず頭がおかしいやつらだと考えておけ」

 

 具体的には石鹸と洗剤。これだけであの水の町のトラウマがよみがえってくる。正直もう行きたくはない。

 

 

 カズマと一撃熊の死体2つを乗せた妖精さんがその場で作り上げた台車を引きながらギルドにえっちらおっちら入っていき、熊の死体を渡して報酬をもらう。私はその中から50万エリス抜きとってそれ以外をカズマに渡した。

 

 「まあ手間賃だ。このくらいとるのは許せ。それ以外はお前のものだ」

 

 「武蔵さん・・・!この世界でいちばんやさしいのはあんただよ~~~!!なんでうちのパーティーのやつらが張り切ると貧乏になるんだ!」

 

 「まあ、それはだな・・・めぐりあわせが悪いとしか言えん。運だ運!」

 

 「俺は運がいいはずなんだよ・・・いいんだよ・・・な・・・?」

 

 「私に聞いて如何する。む、すまん。仕事の確認があるから席を外す」

 

 私が戻ってきたことに気付いた、私の会社への依頼を取りまとめている受付嬢が手招きをしていたのでカズマに断って席を外す。

 

 

 

 「ムサシさん!この前流れちゃった監獄島への移送依頼、むこうさんの準備が完了したのですぐ行ってほしいとのことです!」

 

 「む?たしかそれは別の船で完了したのではなかったのか?」

 

 「ああいえ、実は最低限の物資を運んだだけでとても足りないとのことでして・・・それにこの季節のあの海域は危険すぎて軍艦でも近づけなくて・・」

 

 「私にお鉢が回ってきたというわけだな。して、その海域の危険度は?前までとは別物だと聞いているが」

 

 「はい、この季節あの辺りはアンデッド系のモンスターがよく出没、さらには通常の巨大モンスターも大量にとの話です。去年までならシーズン前に運びきるんですが今年は・・・・」

 

 「私が依頼を受けたうえにベルディアが出たせいで大幅な遅延が生じた・・・と。わかった、責任は取ろう。3日後、ブラストからで構わないな?」

 

 「ええ、もちろんです!では、受理という形で受けとりますねー。では3日後、よろしくお願いします」

 

 しかしアンデッド系モンスターか・・・ん?アンデッド系モンスター?そうか、その手があったか!

 

 私は後ろを振り返り、まだカズマがテーブルの上でグダグダしてるのを確認したので、そのテーブルにバンッ!と手を突き、カズマを起こした。

 

 「わぁっ!?武蔵さん?どうしたんだよ?」

 

 「カズマ!君たちのパーティーに依頼をしたい!」

 

 彼らも金欠で困っていることだし、私も航路の安全で困っている。これならばなんとかなるだろう。




というわけでここから、まだ何も考えてないオリジナル編スタートです。あ!石を投げないで!ゆるして!だって書きたくなったんだもの!
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