この大戦艦に祝福を!   作:カフェイン中毒

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 なんか自分でTSタグつけてるけどほんとあってないようなもんだなって思う。ちょっとオリジナル続くけど許していただきたい。


第6話

 貿易特化街ブラスト。ここは文字通り大陸中、そして大陸を越え物が集まる商業の中心地のひとつだ。なぜこの町がそうなっていったか、理由は単純、そしてアクセルも似たようなものだが「魔王軍が来ない」これに尽きる。

 

 結果的にそうなっただけであって狙ってそうなった町ではない。その証拠に、この町の船着き場はあまり大きくない、まあ順次拡大しているわけだが・・・貿易都市としては比較的新しい街の一つだ。

 

 

 「おおおおお!!!すげえ!見たことないもんばっかりだ!」

 

 「うむ、ここはアクセルより商売が盛んだ。いろんな武器や防具、マジックアイテムが毎日たくさん取引されている」

 

 「へぇー・・・食料とかじゃないんだな」

 

 「もちろん食料とかもあるのだが・・・この世界は海路が未発達でな、海にいるモンスターも大きく、手強いのだ。船が沈むのもさして珍しくない。結果、日持ちしない食料は陸路での取引が主になったのだ」

 

 「そうなのか・・・ん?あれはなんだ?」

 

 カズマが指したのは屋台で山積みになっている緑色の丸い果実だ。

 

 「ああ、カカナッツか?私たちの世界のココナッツみたいなものだ。ただし、中にはココナッツジュースではなくココナッツミルクが入っている。ただ、木の実ではなく海藻の一種なのだがな」

 

 「名前からえらいバッタもん感が漂ってるんだが・・・」

 

 「そういうな、ここの名産で日持ちもするから世界中に出荷されてる珍しいものの一つだぞ?試しに飲んでみるといい」

 

 「うーん、じゃあのども乾いてるし一つだけ・・・」

 

 「私も一つもらおうか」

 

 屋台の店主にひとつづつ注文すると、山の中から二つカカナッツを出し直接俺たちに渡して。木で出来たストローを渡してきた。カズマは見た目ココナッツなせいか唖然としている。

 

 「割らねーのかよ!」

 

 「何だい兄ちゃん、カカナッツはそのままストローで刺して飲むものだぜ?」

 

 「そうだぞカズマ、既成概念にとらわれてはいけない」

 

 「俺がおかしいのか・・・?」

 

 「ちなみに早くとどめを刺さないと転がって逃げるぞ?」

 

 「これも動くんかいーーー!!てりゃっ!」

 

 カカナッツは見た目は未成熟なココナッツであるが、海藻なせいで簡単にストローを刺すことが出来る。ぷすり、とストローを刺して吸うとまろやかでクリーミーな甘みが口いっぱいに広がって思わず笑顔になる。あの塩辛い海からこんな甘いものがなぜできるのかは謎だがうまいなら詮無きことだ。

 

 カズマも私に倣ってカカナッツを飲むと、目を見開いてごくごく飲んでいる。気に入ったならよかった。

 

 

 カカナッツを飲み終え、指定のごみ箱(空いた皮は肥料になる)に捨てた私たちは早速ブラストのギルドへやってきた。冒険者ギルドはいく場所行く場所で形が変わる。ここブラストの冒険者ギルドは海賊風と言ったらいいのだろうか?まあ飾られた赤白の浮き輪やカトラス、錨とかが特徴的だ。

 

 ギルドに入った私たちを出迎えたのは受付嬢だ。あと商人が2,3人。どうせこの商人たちは私の船が欲しいとかそんな話だろう・・・よくあるのだ。

 

 

 「あ。武蔵さん!貿易特化街ブラストへようこそ!明日の運行についてですね?」

 

 「ああ、そうだ。後ろの方々は?」

 

 「あー、その武蔵さんの船と会社を買いたいという方々でして・・・そういう話はお断りしてるとご説明したのですが、直接話をすると聞かなくて・・・」

 

 「そうか・・・」

 

 「武蔵さんでいらっしゃいますね?単刀直入に申し上げますが、あなたの船と会社をお譲りいただきたい。なんだったらあなたそのものも買わせていただきたい。一冒険者が金持ちになるチャンスですよ?」

 

 話しかけてきたのは確かに豪華な身なりをしてる太った男だった。ははーん・・・私の体を見て私もお買い上げしたいという感じか?申し訳ないがお引き取りいただこう。

 

 「すまんがそういう話は一切断っている。これでも高レベル冒険者、貴様が奸計を巡らせたとて力づくで解決できるぞ?帰れ成金、ここには貴様の自由に出来るものなどない」

 

 「ぐぬ・・・ええ、そうですか。後悔しないようになさい」

 

 商人は肩を怒らせ取り巻きの一切しゃべらなかった二人を引き連れ帰っていった。カズマはあまりにもテンプレートな場面を見たせいかいうへぇ・・・という言葉が似合いそうな表情をしている。すまん、こんな面倒な場面に出くわして。

 

 「さて、面倒なのもいなくなったし商談だ。出発は明日午前10時、今日夜から荷物を積み込み向こうには8時間かけ午後6時に到着予定だ。ルートは・・・妖精さん」

 

 「アイアイマム!」

 

 妖精さんが広げた地図のブラストに指を当て、航路を示し別大陸までのルートを描く。2週間前にも同じルートだったからいつものことだが、カズマはこの世界の地図を見るのは初なようで興味津々だ。

 

 「はい、承りました。当日券の発行はどうされますか?事前にお伝えした予約分は完売ですが・・・」

 

 「ふむ、人員輸送の分だけこれだけ空きがある。申し訳ないが貨物のほうは満杯だ。では、これで頼む。積み込みは午後6時から、チケットの提示が必須だ」

 

 「はい、依頼を承認しました。では午後6時から担当の職員が波止場まで向かいますので・・・」

 

 「ああ、頼む。・・・待たせたなカズマ。飯を食いに行こうか」

 

 「えっ!?ああ、うん。・・・すごいんだな、武蔵さん。俺と同じ日本人なのに」

 

 「何をしょげているか16歳の小僧め。私は元社会人だぞ?お前より社会経験は豊富なのだ。お前もできるようになるさ」

 

 「そっか。そうだよな!で、ここで食べるのか?」

 

 「うむ、ここの飯は魚がうまいぞ。アクセルは肉がうまいが、ここは魚型モンスターが多いからな。アクセルと似たようなものだ」

 

 同じように併設されている酒場の席に座り、料理を注文する。届いた色とりどりの魚料理も食べながらカズマと話す。

 

 「この後どうすんだ?武蔵さん仕事できたんだろ?」

 

 「ああ、もう用事は午後5時までないが私は少し仕事をする。自由時間にしようか。どうする、買い物でもしてみるか?」

 

 「じゃあそうしようかな。なんかおすすめの場所ってある?」

 

 「そうだな、いくつか観光スポットがあるから行ってみるといい。・・・そうだな、妖精さんと一緒に行くといい。ほれ」

 

 ポケットから猫掴みした妖精さんをぶらーんとしてカズマの頭においてやる。さっきかしてほしいって言ってたのでちょうどいいだろう。

 

 「ヨロシクオネガイシマース!」

 

 「おお、よろしく・・・?」

 

 ちなみに渡したのは金剛風の妖精さんだ。妖精さんは元になった艦娘と同じような性格をしてるものがいる。いまカズマに渡した妖精さんは比較的金剛に近い性格だな。まあ提督ラブな金剛と違って誰彼構わず愛想を振りまく人懐っこい性格をしてる。どっちかというと遊んでほしがりの犬みたいな感じの妖精さんだ。

 

 「その子はこの町のことをよく知ってる。いい案内人になるだろう。では私は仕事に行く。また後でな」

 

 「あ、うん。いってらっしゃい。よろしくな、妖精さん」

 

 「フォローミー!ツイテキテクダサイネー!」

 

 カズマが妖精さんが落ちないようにバランスを取りながら出ていくのを確認し、他の妖精さんとギルドの職務室を借りて書類仕事を始める。しかし、カズマは気が利いていいなあ。妖精さんのこともそうだけど口の悪さの中にきちんとこちらを気づかう意思というものが見え隠れしている。

 

 弟がいたらこんな気分なのかと考えながら書類仕事を進めていると当日券が完売したとのことで職員から連絡があった。人数と持っていく荷物におかしなところがないかを確認して顧客リストを妖精さんと作成し、通達をする。今回はこれで大丈夫だな。

 

 「んぅ・・・っと。やはりずっと机にかじりついていると肩がこるな・・・さて、そろそろ時間か」

 

 ぐっと伸びをして化粧室で化粧をし直し、波止場まで足を進める。私がこのブラストを海運業の起点にしようとした最大の理由、それは波止場が一つしかないが、とてつもなく巨大であるということだ。それはもう、顕現させた武蔵(わたし)がすっぽりと縦に収まってしまうほどには巨大だ。 

 

 もっとも、本来なら船をいくつも留められる場所を私一人が占有するため、こちらのギルドとの綿密な調整と、行先への配慮が必ず必要になる。まあこれは私の巨体なら仕方のないことではあるが少々面倒なのも事実だ。だが、こんな無茶を押し通せるほど「安全」というものは得難いということだな。

 

 

 そうこうしているうちに波止場についた。もうカズマと妖精さんが待っているな、きちんと妖精さんの案内に従ったようで関心関心。

 

 「やあ、カズマ。ブラストは堪能できたか?」

 

 「えっあっ武蔵さん!?驚かせないでくれよ・・・いきなり後ろから声かけるなんてさ」

 

 「まあそういうな。せっかく気付いてなかったのだ、これくらいは茶目っ気があってもいいだろう?」

 

 「ええー・・・ところでこの子から「ワーイ」船があるって聞いたんだけど、どこなんだ?」

 

 「ああ、それはすぐ見せてやろう。ついてこい」

 

 「フォローハー!デスヨ!」

 

 「あ、うんわかった」

 

 私の後ろに妖精さんを肩にのっけたカズマがついてくる。少し見ない間にだいぶ仲良くなってるではないか・・・なんだか少々悔しいぞ、むぅ。

 

 波止場の縁まで歩いてきた私は振り返り、なんだかよくわからないという顔をしているカズマに向かって口を開く。

 

 「では行くぞ!抜錨!」

 

 「えっちょっそっち海・・・浮いてる?」

 

 いつもの肩掛け制服さらし姿になった私が海に直立してるのに目を見開いたカズマから15mほど離れて気合を入れなおし、さらに声を上げる。

 

 「艤装完全展開!総員、持ち場につけ!大和型戦艦弐番艦武蔵、出撃するぞ!」

 

 「ムサシ、シュツゲキ!」

 

 「ソウインハイチニツケ!」

 

 「ギソウ、テンカイシマス!」

 

 私の鬨の声とともに、私の体が海をかき分け上がってきた物体に押しのけられる。巨大な三連装砲、大きな上部構造物、現代の船と比べてなお巨大な物体がブラストの波止場に姿を現した。

 

下から現れた要塞と見まごうほどの巨大な船の舳先に仁王立ちで立つ私をあんぐりと口を開けてこちらをぽかんと見つめるカズマに破顔し、してやったりと大笑いしながら舳先から降りてカズマの下へ向かう。何とか目の前の光景から立ち直ったらしいカズマが私が縁に上がったのを確認して大笑いしだした。

 

 「ぶははははは!!!これはずるいぜ武蔵さん!こんなん誰だって驚くだろ!」

 

 「ふふふっ。では賭けは私の勝ちだな。あとで楽しみにしているといい」

 

 「ああ、うん!楽しみにさせてもらうわ!しっかし、すげえなあこの戦艦。もしかしてこれが特典?」

 

 「ああ、おおむねそうだ。そうだな、戦艦大和は知ってるだろう?」

 

 「おお、日本で一番有名な戦艦だよな?」

 

 「いかにも。これは大和型の弐番艦、艦名を武蔵という。これも、私自身さ」

 

 「武蔵さんが強いワケだよ。これはチートだわ・・・」

 

 「そういうな。さて妖精さんたち!仕事だ。順次チケットの確認と貨物の輸送、並びに艦内への案内を開始せよ!貨物は今から6時間、乗客は順次だ。行動開始!」

 

 「うわっ!?めっちゃ増えた!?」

 

 わらわらと分身しながら仕事を始める妖精さんたちに分身するのを初めて見たカズマが驚いた声を上げる。そんなに口を開けていると顎が外れてしまうぞ?

 

 「もがっ」

 

 「顎が外れてしまうぞ?閉じておけ。さて、担当の職員にあいさつをしたら私直々にこの船を案内してやろう。元の世界では沈んでしまった船に乗れるなんて幸せ者だな?カズマ」

 

 口を開けっぱなしのカズマの顎を掴んで閉じてやり、顔から手を離して歩き出す。すでに武蔵(わたし)が出現したことを察したギルド職員が列整理をはじめ、妖精さんたちがどこからか取り出し組み立てたタラップが船の後ろ側に接続されようとしてる。

 

 妖精さんの謎パワーによって作られた貨物搬入用の扉から次々荷物が運ばれるのを眺めながら担当職員を見つけたので話しかける。 

 

 

 「いつも世話になる。乗客の確認はこちらでやるから、貨物の確認を頼みたい。これが貨物のリストだ。彼女についていくといい」

 

 「お疲れ様です武蔵さん。いつもありがとうございます。武蔵さんのおかげで貿易の安全性がぐっと増しましたよ。リストですね・・・はい、確認しました。それでは失礼します」

 

 「ああ、頼む。何かあったら彼女らの誰かしらに伝えればすぐに私の耳に入る。それでは」

 

 「コッチー!ツイテキテー!」

 

 「あー!待ってくださいー!」

 

 妖精さんに半ば遊ばれながら案内された担当の職員を見送り、カズマについてくるように合図してタラップまで移動する。妖精さん謹製のタラップは組み立て式の割に丈夫で揺れることもない、相変わらず頭おかしい技術力をしているが気にしてはいけない。

 

 タラップを一足先に上り切り、カズマのほうに向き直る。上ってきたカズマに向かってピシィっと体が覚えている海軍式の敬礼をして

 

 

 「ようこそカズマ!貴君の着任を歓迎する!・・・なんてな。ようこそ武蔵(わたし)に。楽しんでいってくれると幸いだ」

 

 あと3日、キミにとって楽しい思い出ができるといいな、カズマ。




 すさまじい勢いでオリジナルの村とか設定量産してるけど大丈夫かな・・・このすば警察とか艦これ憲兵団とか来ませんように・・・


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