【万国(トットランド)】
彼の海にて畏怖されている四人の海賊、ゆえに四皇と言われている。その四皇の一人に「ビッグ・マム」と呼ばれている女傑がおり、「万国(トットランド)」とは彼女──シャーロット・リンリンが治めている地の名前である。
彼の海賊団は主に血の繋がりのあるビッグ・マムの子どもたちで構成されており、その中の一人に「チョ子」という名の和装姿のおかっぱ頭の黒髪の少女がいる。
彼女の名を示す通り、彼女は全身からチョコを生成できるチョコレート人間である。しかし、そうして生み出されたチョコは本物のチョコと比べると味はかなり落ち、口にすることは可能だが食用に適してるとは言い難い。
……だが彼女は彼女の能力で生み出したそのチョコならば自分の意思で変幻自在に形や強度を変えることが可能であり、彼女はその能力をもって戦闘や工作等を行うのである。
そんな彼女は他の兄弟や姉妹たちと一緒に彼の国にて仲良く暮らしており、自分を産んだ母であるシャーロット・リンリンには感謝していた。
もっとも彼女は感謝することはあっても尊敬することは微塵もしていなかったが……
それは彼女が幼い頃、他の兄弟や実の父親が癇癪を起こして暴れる母から彼女を守るために母の前に立ちはだかり、そのせいで自分の目の前で寿命を吸い取られて殺されたことが原因の一つである。
そのため母と接する際は笑顔で接しているものの、内心は酷く軽蔑していた。
そして、このままこの地にいれば、いずれ自分も他の兄弟のように殺される。……と思うようになり、この地から逃げることを考えるようになった。
そんな矢先、彼女は海軍の英雄であり、その孫だという「モンキー・D・ルフィ」の存在を知る。
“──海軍の英雄であるガープ。その孫が海賊に堕ちれば面白いと思いません?”
玉座に座る大柄な女性の前に両膝を床につけて跪く幼い少女が顔を上げて朗らかにそう宣うと、大柄な女性──シャーロット・リンリンは狂ったように笑った。
シャーロット・チョコ、彼女が7歳の時の話であり、モンキー・D・ルフィが旗揚げする10年ほど前の話である。
【フーシャ村】
東の海(イースト・ブルー)と呼ばれる海の一角にあるドーン島。その島にはゴア王国という王国があり、その辺境にある小さな港村の名がフーシャ村である。
その港村に彼女を守るために年配のメイドと如何にも執事然とした老齢の男を伴って彼女がやって来た。
表向きはシャンクスがこの地にやって来た理由を探るためと村人たちには告げて、海軍の英雄の孫を海賊へと仕向けることを伏せて……。
もっとも彼女たちが努力することなく件の孫は海賊に対して憧れを抱いており、わざわざこの地にやって来た彼女たちは拍子抜けしていた。
──だが、海賊への憧れが急に消え失せる可能性も考えて彼女たちは引き続き村に滞在することにし、彼女は電伝虫で母にそのことを告げて許可を得た。
その後、彼女は件の孫が途中で死なないよう連れてきた配下に彼を鍛え上げるよう命令を下す。英雄の孫もまた己を強くしてくれるなら、と快く引き受けた。
(──海軍の英雄の孫ならば、鍛え上げれば、母を殺せるかもしれない……)
ふとそんなことを思った彼女は自然に浮かべた笑みを隠すために着物の袖で口元を覆った。……同時にその視線は遥か先にある故郷、
それから10年後、彼女は件の孫とともに港村を旅立つ。
「──そんな舟で大丈夫なの……?」
半ばあきれた感じで問う彼女の容姿はこの10年で著しく変化した。髪は腰まで伸びて艶やかさを伴い、年齢不相応な落ち着きが感じられる。その彼女の傍らには相応の年月を得て白髪が目立つようになったメイドと執事が彼女に対して恭しく頭を下げている。
そんな彼女が乗る船は航海に耐えられるよう頑丈に作られた代物であり、対して青年へと成長した件の孫の舟は手で漕いで動かすボートであった。
青年曰く、船は自分で見つけて気に入ったのを使いたい。
……とそう愉しそうに語る彼に彼女は諦め、出航することを決めた。
こういう船出も悪くはない。
そんなことを思いながら彼女は先を進む青年の後を追う。
( ´・ω・)にゃもし。
▪️久しぶりの息抜き短編よー。勢いで書いた。
▪️ヤミヤミのは少しずつ書いとるよー。
▪️過去にチョコレート人間を書いた人おったけど、その人の作品が消されてね? → 我輩なりのチョコレート人間を書くべ
▪️気に入らない部分もあるけど個人的に好きだったのよね。
▪️削除したTSサイタマとかも、もう一度書きたいのー。