いつもどおり原田と荷物整理をしていたら
小須田元部長は気がついたら鎮守府にいたらしい。

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思いつきの短編です。
続くことはない


小須田提督の決断

 

深夜ある墓の前に

タタタタタタタッと異様なほど小刻みに歩幅を刻んで荷物を運ぶ男がいた。

 

「よいしょっと、ふう」

 

その男荷物を置いて墓の前に座り込むと一息つく、そこに別の男がやってきた。

 

「小須田さん、見てくださいこのお酒、小須田さんがとても気に入ってたやつの限定ものですよ!」

「おお!本当かい原田くん!わざわざこんなところまで持ってきてもらってすまないねぇ」

 

「ちょっとまっててください、今注ぎますんで」

そういって原田と呼ばれた男は墓の縁に置いたグラスに酒を注いでいく

 

 

「おっとっとっと!もういいよ原田くんこぼれてるよ!」

俯いた姿勢のまま酒を注いでた原田は酒を溢れさせてしまった。

 

「ああ!すいません、ちょっと目にゴミが入ってちゃんと見てませんでした」

「いいよいいよ、それよりどうしたんだい?君がここに来るなんて珍しいじゃないか」

 

原田はしばらく考え込んだ後、ポツリポツリつぶやくように話し始めた。

「最近小須田さんの古い荷物が見つかりまして、このまま全部取っておくのも大変なので、

この際いらないものを処分してしまおうと思いこちらに来させていただきました」

「あーあー古い荷物、たしかに原田くんの家に預けっぱなしにしてたね!

いいよ!全部捨てても大丈夫だよいまさら使えるものもないだろうし」

 

「ちょっとまってください今持ってきますね・・・」

「なんだ持ってきてくれるのかありがとう、私も手伝いたいが最近腰が痛くてね、まかせたよ」

そう言って原田は荷物を取って戻ってきた

 

「これなんですけど」

「おお懐かしい!これは私が今まで出向したときにいらないものとして処分してきたものじゃないのか!取っててくれたのか!」

 

 

「いつか出向が終わったときに返そうと押入れの中に入れてて忘れてました、このまま置いておくのも呪われそうでいやなので、

見せながらいるものと要らないものを分けようと思って」

「呪われるって私はそんなことしないよw」

 

「ちょっとまってください」

「ん?どうしたんだい原田くん」

 

原田は立ち上がり墓石の裏にまわりあるものを持ってきた。

 

「これこれ、やっぱりこれがないと始まらないなぁ」

そういって2つのダンボールをお墓の前に置くそのダンボールには【いるもの】【いらないもの】と書かれていた

 

「え?原田くんそれどこから出したの?お墓の裏に今まであったの?全然私気が付かなかったよ!?

アトランティスのときといいその箱どこから出してるの?ねぇ!」

 

 

「これは名刺か・・・これはいらないなぁ」

「無視ですか・・・まぁだよね、もう会社も退職しちゃったし要らないよねぇ」

 

「おおこれは小須田さんの耳あて、総務の女性から渡されたといってましたね」

小須田が困惑している間にその男はそそくさと持ってきたものを分ける。

 

「ああそれね、いつの間にかつけるのが癖になっててね、結局最後まで外せなかったんだよねぇ」

 

「これは・・・必要ですね小須田さんこれがないと落ち着かなそうだし」

「そうだねぇもうこれが私と言っても過言ではないくらいのアイデンティティだものねぇ、ん?原田くんそのスーツとかは?」

小須田は原田が手に持つスーツを指差す。

 

「これは・・要らないですね」

「まぁ会社もやめちゃったしねえ、お?その帽子は私が潜水艦の艦長やってた時のやつだね」

そう言って原田が手荷物帽子を指差す。

 

 

「これは必要ですね、あとこの船長の服も・・・この服とても原田さんに似合ってましたよ」

 

「そうかい?お世辞とはいえ嬉しいよ原田くん、深海の中は初めは恐ろしかったけどなれてしまえば楽しかったねえ、

また海の世界に行ってみたいものだよ」

次々にこれはいる、これは要らないといって荷物を分けていく。

 

 

 

「最後の荷物だ・・・これは」

そう言って原田が手に持ったのは携帯電話だった、今どきのスマートフォンやパカパカ開くやつではなく、

家庭の電話の子機みたいな形の古い携帯。

 

「ああそれそれ、実はこっそり荷物の中に隠してたんだよ!やっぱ死ぬまでこの携帯電話を持とうと決めていたからね!」

「これは・・・要りますね、って言うか要らないって言ってもまた荷物に入れられてそうですね」

そう言って原田は携帯をいるものに入れる。

 

 

「よくわかってるじゃないか原田くん・・・?どうして泣いてるんだい?」

気がつけば原田目からはとめどなく涙が流れていた。

 

 

「どうして、どうして戻って来てくれないんですか小須田さん、

あなたならまたひょっこり戻ってきてくれると思ってたのに・・・」

そう言って原田は目の前のダンボールにもたれかかる。

「原田くん・・・」

 

 

原田はポツリポツリと歌い出す。

「頑張れ、負けるな、力の限りいきてやれ・・・・」

 

 

「・・・・・ありがとう原田くん、私は今までいろんな体験を経験してきた、

その思い出の中にいつも原田くんが駆けつけてくれる姿が見えるよ。

本当にありがとう原田くん」

 

 

「小須田さん今日お祈りに行ってきました。

原田さんが好きだった海に生まれ変わったら連れてって上げてくれって、神様に頼んできましたよ」

「原田くん・・・・」

 

その時突然箱の中の携帯から着信が来た

「ん?私の携帯がなってるぞ原田くん」

 

しかし原田は全く気づかない。

「一体誰からなんだ・・・ますえか!?」

 

思わずつかめないはずの携帯に手を伸ばす

 

「!? つかめた!つかめたぞ原田くん!!」

 

持てないはずの携帯を持てて焦る小須田、だが着信がきになり電話に出ることにした。

 

 

「もしもし小須田ですが」

 

電話にでた瞬間小須田の意識は急激に落ちていく。

 

「こ・・これは・・・はら・・・だくん・・・・」

 

 

電話が落ちた時その場にいたのはダンボールにもたれかかってなく一人の男だけだった。

 

 

 

 

「・・・ここは?どこの港だ?」

 

小須田は今、ある鎮守府にいた。

 

 


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