「いいかお前ら?」
雑居ビルの中には黒い服を着た一人が一つの部屋のドアの前で仲間に声をかける
「いつでもいいですよ」
「はい」
そう暗い中頷くのが見える、それを見た先頭の男は目の前のドアを蹴飛ばし開けると中に入った
「動くな!」
そう銃を前に向け構える、そして後ろから仲間も入ってきて左右に展開し銃を構えたがそこには誰もいなかった
「いない?」
男たちがここに来たのはある男を探していたからだ、その男の居所をつかんだのでここに来たのだが
「ガセネタを掴まされた?」
「上官のジョディーさんからだぞ、そんな筈は」
そう二人が顔を見合わせたその時真ん中にいる男の前に何か降ってきた、その影は男の喉元に伸びると血飛沫を上げながら貫いた
「!」
二人は直ぐに距離をとり銃をその影に向けて放とうとするがその影が移動し他の男に近づいてきた
「撃てぇ!」
そう言いながら銃弾を放つがその影にことごとく避けられた、そしてその影が男の前から消え首もとに痛みが走った
「あ」
そうまぬけな声を出しながら地面に倒れてしまう男、だが残った男はそんなものを見ている暇がなかった
「来るなぁ!?」
影が男に迫りこさせないように乱射するが効果はなし、しかもその持っている腕と銃を持っている手を掴まれそのまま自分の顎につきつけられた
ライム「甘いなぁ最近のエリートは」
その影がようやっと姿を表した、月明かりに照らされた銀色の髪が反射し若干顎にも髭が生えている、顔にシワも出来て年齢を感じさせるがその目だけはどの生き物よりも鋭かった
「あ、く、くそ」
ライム「まあ、暇潰しにはなったかな」
「や、やめ」
それをいい終える前にライムの指が引き金を引かれた、その場所に乾いた音が響くと同時に男の顎の下から血が流れだし男はそのまま倒れてしまった
ライム「さてと」
ライムはスマホを取り出し画面に撮されている米花町の地図を見ている、そこには道路と思われる所を通っている赤い点とそれとは別にそこから離れている所にあるオレンジの点があった
ライム「まあ動かない訳ないよな」
あれ程匂わせたから動くかもとは思ったが以外と効果があったようだ、夜の月明かりが窓から入り込みビルの中身を照らす、そこには人が縛られておりライムが椅子に座っていて隣に部下が三人程たっている
ライム「にしても中々面白い事考えるよなあいつらも」
そして眺めていた二つの点が接触した、それを見たライムは立ち上がり銃を縛り上げている人に向ける、それを見た人はそれをやめるように言おうとするが口が塞がれており何も出来ない
ライム「ありがと、ご苦労だったな」
そして引き金に指がかけらる、そしてビルには一瞬の光が上がったが静寂と共に消え去った
ベルモッド(っ!痛いわね。)
そう撃たれた部分を触る、幸い銃はショットガン、そのため防弾ジャケットで防ぐ事ができ体には当たっていないが衝撃で骨が折れたようだ。自分を撃った人物を見る、冷たく細い目をしたニット帽の男がショットガンをこちらに向けておりその横で自分と対峙していた女性がいる。
赤井「動くな、この距離だ。お前が動くよりこっちが早い。」
そう銃を動かし威嚇する。こちらは既に一発腹に受けている上に既にこちらに銃を向けられている。しかももう一人の女性もこちらの方に銃を向けているためどう転んでも先に撃たれるのが落ちだ。とは言え捕まる訳にはいかないが正直打つ手がない、一瞬でも何か気を引けさえすれば…
そう思考を巡らしていると何か音が耳に入ってきた。視界を敵に向けたまま耳をすませると何か空を切る音が聞こえて来た。赤井の方もそれに気づいたのかチラリと上空に目を移す、すると何かが飛んでいた。
赤井(あれは…ドローンか?)
どうやらドローンのようで一般的なドローンとは違い黒い迷彩塗装がされ見た目も普通のドローンより大きい。そしてベルモッドの方に視線を戻すとベルモッドの方もそれを不思議そうに見ていた。どうやらベルモッドの方も知らないようだ。
出来事には何らかの意味がある。例え無意味に思えるような物でも理解を辿ればその理由は解明される。ならこのドローンが何故いるのか、ジョディが知らないとなるとこっちの味方ではない、となると恐らく敵に関係するものの筈だ。とは言えベルモッドの表情を見るに彼女も知らない。ならどちらかの味方となるがこっちの可能性はない、ベルモッドが変装しジョディの仲間をここから退去させたからだ。ならこれは敵の可能性が高いがベルモッドは味方が来るのは予想外のようだ。この状況の中もし第三者の敵がおり打つ手といったら…
そう思ったのも束の間、赤井たちの前に何かが転がって来た、円柱状のスモークグレネードだ。それが弾け周りが煙に包まれる、それと同時に上空から火花が見え銃弾の雨が降り注ぐ、急いでジョディを抱えコンテナの後ろに隠れる。どうやらあのドローンに銃が取り付けられていたようだ。
赤井「あいつは…」
ベルモッドの方はそれに乗じて車で逃げたようだ。直ぐ様腰に下げてあった拳銃を持ちドローンの方に向けて発砲する。命中はしているようだが手応えを感じない上に止む気配がない。どうやら装甲も装備しているようだ。そしてしばらくすると銃撃が止みその瞬間に顔を出し銃を向けたが上空には既におらず周りを見ても既に逃げた後のようでしかも子供の一人がいなくなっている。
赤井「ガキが一人いない。連れていかれたか…それに」
チラリと既に倒した筈の敵の方を見るとやはりいない、どうやらあのドローンに気を取られている間に一緒に連れていかれたようだ。それに残った車の方もやられている、どうやらあの銃撃でもう動きそうにもない。
赤井「良いようにやられたな。」
赤井(とは言えさっきまで狙撃手はいた筈だ、あのドローンが気を引いているうちに連れていったのならまだそう遠くには行っていない筈だ。)
ベルモッドを助けたのなら恐らく彼女を追えばその人物もわかる筈だ。一応ベルモッドと戦う前に応援は呼んでいるため後処理を頼み自分は追った方がいいだろう。とは言え今から追って間に合うかどうかはわからないが伝手を使えば窓ガラスが割れた車の後は追えるはずだ。
その時
お~い
その間抜けな声の方向に振り向く、そこにはコンテナの上で誰かが立っていた、その手には機関銃を持ちそれをこちらに向けてこう言った。
ライム「ハロー。」
その声と同時にその銃から弾が発射された、赤井は既に隣で倒れていたジョディーを抱えコンテナの影に隠れた。それを追い打ちをかけるようにすぐさまコンテナから飛び降り隠れた赤井に向けて発砲する。赤井はジョディーを抱えながら逃げるが恐ろしい事に相手は撃ちながらしかも追いつきそうな速度でこちらに迫って来る。
赤井「ジョディー次のコンテナを曲がったら走れ!時間を稼ぐ。」
ジョディー「で、でも。」
赤井「いいからいけ!」
そう次の角を曲がりジョディーから手を離しすぐさまライムの方に戻り拳銃を発砲する。だがライムはそれを掻い潜りながら速度は緩めず突進を喰らわせた。赤井はぶつかる直前腕を盾にしたがそのまま吹っ飛ばされコンテナに叩きつけられた。
赤井「腕が折れたか、馬鹿力は変わらずか。」
ライム「そう言うお前は髪短くなったな、てっきり女みたいに変なコンデシション持ってるのかと思ったぞ。」
そう機関銃を赤井に向けるライム、赤井の方は突進のダメージが酷いのか腕を抑えている。ジョディーはそれを見て拳銃を取り出しライムに向けて発砲するがライムはそれを見て回避した。
ジョディー「避けた!?」
赤井はその隙をみて機関銃を蹴り飛ばす、そして懐に入るがそれを肘打ち、頂肘を放ちカウンターを入れる。
ライム「俺に接近戦で勝てると?」
そう余裕そうに手を鳴らしながら見下すライム、ジョディの方は肩で息をしながら銃を向けている。ライムはそれに構わず赤井の方を見続ける。それをさせまいと撃つために引き金に手をかける。だが突然横から来た弾丸にその銃が落とされる。
部下「ボス、手筈通りです。」
ライム「おう、シェリーだと思ったんだが…結構いいのが釣れたな。さて…」
そう再び銃を向ける、赤井の方は動かずただその銃口を見つめる。
ライム「顔面に一発入れれば流石に死ぬだろ。」
ジョディ「秀一!」
ライム「それじゃ…」
引き金を引こうとした時後ろから発砲音が聞こえた、思わず姿勢を屈め後ろを振り向くがどちらかと言うと部下の方に撃たれたようだ、肩から出血をしている。
?「動くな、撃つのならこっちが早いですよ。」
ライム「お?こりゃまた珍しい顔だな。」
?「ええそうですね…お久しぶりです。先生。」
ライム「よおカシス、久しぶりだな。元気にしてたか?」
カシスと呼ばれた金髪の男性がそう狙いをつける、ライムは機関銃は下げたままカシスの方を見続ける。ライムの方は何故か笑みが消えずただカシスは鋭い目つきで銃を向けている。
カシス「動かないで、赤井いまお前さんの仲間を呼んだ。後数分でこっちに来る。」
赤井「念のためお前を呼んでおいて正解だったな。」
カシス「まあ雇ってもらってる以上仕事はするよ。」
ライム「何だ今はこいつらの手伝いをしてんのか、お前も随分甘くなったな。」
カシス「あんたは変わらないな、まだこんな仕事してんのか。」
ライム「逆にしてないと思ってたのか?」
複雑な関係なのかさっきからカシスと呼ばれる男性の顔つきが厳しくなっていく、ライムの方は銃を向けられているにも関わらず笑みが消えていない。思わずその疑問が気になり聞いてしまう。
カシス「何がおかしいんだ?」
ライム「ああそうだな~お前は相変わらず…」
そう上に向けて指をさす、カシスたちはそれに向けてゆっくりと上を見る。そこにはさっきいたドローンが銃口をこちらに向けていた。
ライム「詰めが甘いと思ってな。」
そしてさしていた指で音を鳴らす、するとドローンから銃弾が発射された。カシスはすぐさまその場から退避しそれと同時にライムの部下がスモークを投げ煙が焚かれる。ライムたちはすぐさま脱出する。赤井たちを確保したいのは山々だが応援を呼ばれた以上こっちが危うい、そのため応援が着く前に退避しておく必要がある。
ライム(いや~まさか助けてもらえるとはねぇ。)
ちなみにあのドローンが誰が操作しているのかはある程度予測できるがそれならなおさら助けてもらえるのは不思議だ。とは言えこっちとしては使える駒が増えてこちらとしては嬉しいが。
カシス「くそ!まてコラァ!」
カシスの方は動こうとするがドローンの銃撃が意外と正確で動けない、赤井の方は突進の威力が予想より強かったのか腕を抑えて肩で息をしている。ジョディーの方も似たようなもので今動けるのがカシスしかいない。だが今は動けないので取り敢えず仲間に連絡を入れる。
カシス「港の西口付近に逃げた!そっちの方に行ってくれ!」
男『え?と、と言うか大丈夫なんすか?そっちで銃声が…』
カシス「いいから早くしろ!あいつデカいくせに逃げ足早いから逃げられるぞ!」
男『わ、わかりました。』
そう電話を切り終えドローンの方を確認する、顔を出した瞬間撃たれ直ぐに顔を隠す。狙われている以上動けないと思ったがそうでもなさそうだ。
カシス「あれだけ撃って一発も当たってない…もしかして…」
そう一度思いきってコンテナの影から出て見る、すると案の定ドローンが射撃するが弾は当たらない。
カシス(見た目の割にポンコツだな。)
照準が甘いのかそれとも操縦者が素人なのかわからないがさっきから弾が当たらず地面に当たるだけ、まるで威嚇射撃のようだがそれなら何とか動く事ができる。プロペラは装甲版があるため下からじゃないと当たらない、上手くコンテナに移動しながら下に潜りこむ。するとこちらの方にドローンが向くためプロペラは撃つ事は出来ない、だが…
カシス「赤井さん!」
赤井「わかっている。」
その意図を悟っていた赤井が既に拳銃を構えていた、カシスの方が上手く移動しプロペラが当たる位置に仕向けさせた。赤井の方も腕は折られたがそれでも片腕が残っておりしかも街灯に当てられプロペラの位置が見えている。赤井はすぐさま引き金を引き見事プロペラに直撃させる。ドローンはそれを受けて安定が取れず不規則な動きをしている。そして流石に無理と判断したのかドローンは高く飛び上がりそのまま何処かへ消えて行った。
カシス「俺はあいつらを追います。」
赤井「あぁ頼む。」
その返答を聞きそのままカシスはライムの後を追う、そしてライムの方を見つける事ができたがそれでもかなり遠い。と言うのもライムがかなりアクロバットのような動きをしながら移動しており部下の方もそれに何とかついていくように逃走している。
カシス(パルクールみたいな動きしやがって!)
コンテナや施設を乗り越えて行っているためかなり距離が離れている。カシスも何とか追いつこうとしているが運動能力の違いなのかまったく追いつけない。だがライムが行こうとしているその先にはFISの構成員がいる。
FIS「止まれ!」
だがそれを聞かずにそのまま直進していきさらに持っていた機関銃を乱射し始めた。移動しながらの発砲なので弾はばらけているがそれでも牽制程度にはなりライムのお得意の接近戦に持ち込めた。相手が射線を切っている間に近づきそのままあびせ蹴りが直撃する。そしてライムは倒れた状態から下半身を上にして回転し回転蹴りを放つ。それに反撃するようにライムから離れた人が拳銃を発砲するがライムはすぐさま起き上がり前に転がるようにして回避しそれと同時に拳銃を取り出し相手の肩を撃ち抜き体制を整えて頭を打ち抜く。そしてそれが終わる頃に部下が到着する。
カシス「相変わらずふざけたやつ!」
いきなりの移動であったため構成員が間に合わなかったと言うのもあるがそれでも今この場にいたFISが瞬殺された。伊達に幹部を務めていないと言う訳か…
カシス「ライム!」
ライム「お?」
ようやっと追いつきそのまま発砲するが当たり前のように避けられる。そしてライムが拳銃で威嚇射撃を行いその間に部下が逃げて行く。カシスは負けじと射線を切りながらも撃ち続けるがライムは部下が逃げたのを確認するとそのまま続くように逃げる。カシスの方も逃がさないように同じ経路で追おうとするがコンテナを乗り上げた途端ライムの足が迫って来た。
カシス「!?」
それを咄嗟に避ける、黒い靴が顔を掠める。だがライムは避けるの見て直ぐ様逆の脚で蹴り込んできた。カシスはそれを大きく避けるがライムはそれも見越してそこに回し蹴りを入れた。
カシス「ぐぅ!」
何とか受け身を取るが起き攻めのように蹴り上げがくる、それを腕で受け止めその勢いを利用して起き上がる。それと同時に拳銃を向けるがそれを持っていた機関銃を利用して殴り飛ばす。後ろに下がるがあまり距離を取らず接近戦に持ち込めるところを保っておく。
カシス「そんな重たいもんを棒みたいに振り回しやがって…」
ライム「棒術と中国武術を混ぜた。意外と使いやすいぞ。」
そうまるで重さを感じさせないようなシャドウコンビネーョンを見せる。本来機関銃の重量は平均20~40、ライムが持っているのは軽機関銃なので5~10ほどあるがそれでもとても棒術ができる程の長さじゃない。しかも殴っても故障しないようにいじっており重さが増している。
カシス(当たったらダメ、かと言って離れると撃たれる。例え銃が無くても対人格闘がくる。ほんと敵に回ったらどうしようもない。)
ライム「おいおい考えは動きながらしろって教えなかったか!?」
そう機関銃をこちらに向ける、それを見て懐に潜るが二連蹴りがくる。それを防ぐがその隙に銃で殴ってくる、それは防げないと判断して避けるがすぐに持ち替えてきた銃が横からきた。避けられないと判断して腕で受け止めるがかなり鈍い音が響きそのまま吹っ飛ばさっれる。
そのまま転がっていきその隙に銃を持ち替えられ発砲される。カシスはそのまま転がって行きコンテナの上から落下する。何とか受け身を取るが完全に腕をへし折られた。
ライム「次はちゃんと勉強しておけよ。また会おうや。」
言い残しそのまま自分も逃げる。カシスの方はダメージが酷いのか動けずそのまま腕を抑えたまま蹲っていた。その後ようやっと到着した他の構成員が来た時には既にライムたちは引き上げていた。
ベルモッド「まさか君に助けられるなんてね。」
健人「……」
痛む腹を触りながら健人の車の後部座席で寝ているベルモッドがそう呟いた。そしてその車のトランクの中にはさっきのドローンも載っていた。実はあのドローンは健人が作り出した物だ、志保の捜索の幅を広げるために開発していたドローンを遠隔で支援を行えるように改造したのだ。
ベルモッドを追った所で自分は実戦には弱い、そのため先にドローンで状況がどうなっているのかを確認していたのだ。もし志保がいた場合自分が行き一緒に何処かへ逃げる予定だったのだがまさかCIAがいたとは予想外だった。目的とは違い退避してもよかったのだが自分はあの男の命令を無視した立場だ、何か言い訳になる理由を作らないと不味い事になる。そのためホントは嫌だったがベルモッドたちを助ける事にしたのだ。
ベルモッドが戦っている間にカルバドスを車に避難させると同時にスモークを投げ逃げるための隙を作りだしその後誰もいない方の車両をドローンの銃で破壊、そして威嚇射撃で動けなくした後すぐさま退避した。運よく発信器をつけた車の方を使用したので後を追うのは簡単だった。カルバドスを安全な場所に移した後彼女を追っていたのだがジンから連絡が入り彼女を迎えに行くように言われ今に至る。
ベルモッド「あなたよねライムがよく可愛がっている坊やって言うのは、噂より結構動けるじゃない。」
健人「……」
ベルモッド「あら、おしゃべりは嫌いかしら。」
気を紛らわすように喋りかけるベルモッドだが健人は無言のまま運転を続ける、街に入る訳にはいかないので人気のない道を進み合流場所を目指す、カルバドスは既にライムの方で回収してもらい合流するだけなのだが健人には聞くべき事があった。
健人「一つ聞いていいですか?」
ベルモッド「何かしら?」
健人「あんな所で何していたんです?」
健人にとってはそれが一番の疑問だった、追跡装置はつけはしたがあれには盗聴機能はない。そのため音声は録音できなかったのでドローンから送られた映像でしか判別できないがそれでも今一わからない。CIAを追うにしても何故あんな所に子供がいたのかわからない。しかも最後に来た子供もよくわからない、何だか言っていたが見つからないように遠くにいたので音声も聞きとれなかったのだ。
それにベルモッドが何をしているのかわからないがあの博士の事も気になる。もし志保の手がかりが掴めるなら少しでも情報が欲しい、とは言えあの秘密主義のベルモッドが素直に話すとは思えない、そのため少し強引に行く事にした。
健人「一応言っておきますがこれは俺の上司の命令です。自分のドローンでの撮影した動画もありますので嘘は駄目ですよ。」
ベルモッド「ただFBIを引っかけようとして失敗しただけよ。予想外の人物がいたものでね。」
健人「…あの赤井ですか?」
ベルモッド「知っていたの、ええそうよ。まさか彼がいたとは意外だったわ。油断していた、少し好きにやり過ぎたわね。」
健人「珍しく弱気ですね。」
ベルモッド「えぇ今回でよくわかったわ…今度からはよく考えて動かないとね。」
そう何故か嬉しそうに笑みを浮かべるベルモッド、それをミラーで見た健人は不思議に思ったがそれでも子供がいた理由がわかなかった。
健人「あの子供たちは?」
ベルモッド「ただ巻き込まれただけ。」
健人「…人質にしましたよね。何故ですか?」
ベルモッド「念のためよ。でももう返したから大丈夫よ。」
健人「そんな状態でどうやって返したんですか。」
ベルモッド「あの子のスマホを使ったのよ。声を真似てね。」
健人「それにしては最後の子は自分から来ましたけど。」
ベルモッド「恐らくお友達のために助けにきたんでしょう。勇気のある子だわ。」
すると急に車が止まってしまった。ベルモッドの方はそれに驚き思わず健人の方に視線を向けるとこちらに銃を向けられていた。その健人の視線からも怒りが込められており運転席から少し身を乗り出しこちらに銃を向けていた。
健人「ふざけるな、子供の命巻き込んでおいて何偉そうに言っている。それにあんたが訪ねようとした家にはあの博士がいた。ピスコの奴が持っていたパソコンに入っていたゲームにあの博士の名前があった。偶然とは思えない、何か知ってるんじゃないのか?」
ベルモッドがいた現場にはあの博士の子供がいた、最後にタクシーで来た子だ。それだけじゃない、最初にいた子供ももよく博士の家で見かける子だ。それにこれは風の噂だがあのピスコがいた所に志保さんがいたと言う話だ。どれもこれもあの博士が関係している。もし、もしだあの博士が志保さんの事を知っておりそれをベルモッドが追っていたとしたら話が繋がる。たとえそうじゃなくても何かしら知っている筈だ。
ベルモッド「…聞いて見るのとは全然違うのね。」
健人「やっぱり…」
ベルモッド「でも残念ながらあなたのお望みの情報じゃないわ、あの博士は関係ないしあの子供たちが来たのもただの偶然、シェリーは関係ないわ。けどそうね、私を助けてくれたお礼に一つだけ教えて上げる。シェリーはこの街にいるわ、恐らくずっとね。」
健人「何故そう言える。」
ベルモッド「あの子にとってはここが居場所だから、それにあの子はここにぐらいしか伝手はないでしょうし。」
健人は彼女を見続ける、嘘を言っているようには見えなかった。それがわかった健人は銃を下ろし席に座り直す。となると自分はただ幹部の一人を助けただけだ。志保の情報を得られると思ったのにわかったのはここにいると言うだけ、だがどうやら志保はここに長く滞在するようだ。なら探しようはあるが…
健人「…何故それを自分に?秘密主義者のあなたが珍しいですね。」
ベルモッド「だから助けてくれたお礼よ。それにあなたなら話してもいいでしょう。その上司に話はしなさそうだしね。」
それを聞いた健人は紛らわすように車を走らせる。ベルモッドはそれを見ながら苦笑し車の窓を見ながら一息ついた。
健人「ほらおりますよ、掴まってください。」
目的地についた二人は先についていたライムたちの部下にベルモッドを引き渡すため立たせようとしている所だ。
ベルモッド「あら、紳士ね。」
健人「そんなのいいですから早く立って下さい。」
そう急かすように立たせた後医療班に引き渡す、そして健人はそのままライムの車の方まで行く。すると車の窓が開き席に座っていたライムの顔が見えた。
ライム「…待機していろっと言ったが?」
健人「……すみません。」
そう威圧のある声が響く健人の方はいやいや謝罪するが無言の間が開く。
ライム「…ちなみに確認しておくがあのドローンはお前のだよな。」
健人「…はい。」
そう言うと健人は自分のドローンを動かしライムに見せる。ライムはそれを観察する。
ドローンおよびプロペラ箇所に装甲で覆われており、さらにドローンの体から出ている銃身を見ると口形はサブマシンガンと変わらないようだ。だが少し後付けが多いのか不器用な格好をしており所々コードや中身が見える。
ライム「よく出来ているじゃないか、こんなの作れるとわかっていたのなら少しこき使ったんだがな。」
健人「……」
ライム「今回の命令違反だがまあ結果的に俺たちは助けられた訳だ。まあお前がこんな芸当ができるって知ってたのなら使ってたんだがな?」
今まで健人がこの事を隠していたのはあまり手の内を見せたくなかったからなのだが流石にそんな事は言えなかった。志保の捜索のためドローンの他にもやっているのだがそれも言う事になりそうだ。
ライム「今回の命令違反は別にいい、ただし違反は違反だ、少し俺の仕事を手伝え。」
健人「仕事って言うのは?」
ライム「色々だ、仕事によって変わって来る。たまに呼び出すからお前はここで志保の捜索を続けていてもいい。それとも別の場所に飛ばしてほしいか?」
ライムの仕事となると一筋縄ではいかない物ばかりだ。そんなものに呼び出される何て健人にとっては最悪でしかない。だがもしこの話を蹴ったら志保の捜索が出来なくなる。と言うよりも志保がここに潜伏しているのはバレているようだ。健人には選択し等はなかった。
健人「…わかりました。その話、受けます。」
ライム「そうか…今日はもう帰れ。お前の車は見られたか?」
健人「いえ、港から離れた位置に置いていたので見つかってはいません。監視カメラも人の目も避けたので多分姿も見られていない筈です。」
ライム「車を変える必要はないかが一応あそこにある車使って帰れ、念のためだ。呼び出すときはお前の電話を使って知らせる。」
そう言い終えると車の窓が閉じ車はそのまま走り去った。健人の方は言われた通り車を変えて帰る事になった。
ライム「…どうも引っ掛かるな。」
車の中でライムは色々調べていた中、疑問が幾つか浮かんでいた。ベルモッドが相手をしていた人物たちについてだ。FBIを相手にするにしては何故あの家に来たんだ?調べては見たがFISの足跡何て見つからなかった、ベルモッドがわざわざFBIを追う程の奴か?あいつは俺と同じように興味がある奴以外には見向きもしない筈だ。
ライム(FBI連中を追うなら別にわざわざ外国からこっちに飛ばなくてもいい筈、それにどうやって日本にいるFBIの連中の情報を得られた?)
仮にFBIの施設に入りそんな事が出来たとしても襲った相手はベルモッドが興味ありそうな人間ではなかった。謎だらけで少し気掛かりな事が多い、だが一番わからない事があった。
(戸籍不明のガキが二人…何かどっかで見たような気がするんだが…)
色々調べては見たがその中に戸籍が不明な子供が二人いる。一人は男、もう一人は女、どれもあの博士の親戚となっているがそんな親戚はいなかった。と言うよりもあの博士研究ばかりしているので同じ研究を行っている人ぐらいしか接点がなく親戚と会うの何か数えるぐらいしかなかった。
例え百歩譲って親戚の子供を預けるにしても数回程しかあった事がないような人に預けるか?
(…まあいいか、工藤と言う人物が生きているのはわかった。他の情報とも照らし合わせても生きている事は確かだ。)
あの時森にいた博士に連絡をしたのはライムだ、さり気なく聞いてみて聞けるかどうかわからなかったがまさか一発できけるとは思わなかった。
恐らく兄貴に殺されかけて逃げ延びたと言う事だろう、毒薬が何で効かなかったのか少し気になるが現段階でシェリーと接触してそうなのはコイツだ。あの博士と連絡を取るかも知れないし近くに部下を置いておく必要がありそうだ。
(近くのマンションでいいだろう。丁度健人が住んでいる場所だな。それに相手は仮に探偵だからな、日にちにバラけさせて監視させてあの男が帰って来るのを待たせた方がいいか。後は知り合い連中に網を張るのが正解かな?)
シェリーが関わっているのならこれぐらいすべきだろう、健人は当然として後三人程置いておくのがいいだろう。とは言えFBIがいるので電話傍受は少し難しいが…それでも何らかな情報は得られる筈だ。
「…にしてもあいつ機械いじれるのか。」
それだけは知らなかった、ただの無能かと思っていたがどうやら意外と使えるようだ。
(とは言えあまり好き勝手されても…いやシェリーを探させるのならあいつの勘は必要か。)
シェリーを見つけるにはどうやら俺たちには向かないようだ、それにあまり健人の行動を制限させすぎると下手したら最後まで会えない可能性がある。なら少し好きにさせて探させる方がよさそうな気がする。今後の事に頭を悩ませるライム、暖かい吐息を消すように寒い夜空が広がっていた。
ライム君も結局ドジンと同じになってしまった。まあ薬の結果はシェリーしか知らないし仕方ないけど…
IF話は色々いりますけどどれがいい? 今の所同居シリーズが上
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平和な学園生活
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灰原と同居している原作シリーズ
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他の人キャラの話