ベルモッドの失態の後健人は米花街のあの博士の近くに住む事になった。それ以降ライムに連れられる時が多くなり特に行動制限はされない代わりにライムからの呼び出しが多くなった。何でも工藤新一と言う人物は生きているらしくその接点を持っている博士の監視をしておけと言うことらしい。ただしあまり接触はせず監視も一カ月に数回だけでいいらしい。それはライムが健人はバレないように監視するのは無理と言う判断なのでおびき寄せるための餌と言う扱いらしい。
健人(このままで本当に会えるのだろうか…)
まるで釣り餌だな、そう呟きながらココアを飲む。相変わらず自分の情けなさが逆に笑えてくる。結局自分の予想は外れた。あの場には志保はいなかった。自分の奥の手まで出したのに何の意味もなかった。それもライムに手玉に取られ今じゃライムのお気に入りだ。そんな事を考えているとライムの方から連絡が入る。
健人「俺です。」
ライム『よおサイン、定時報告だ。』
健人「…一応ドローンを配置していますが目立った事はありません。博士はいつも通り、子供の方はよく外出しているようですがそれ以外に目立った事はしていません。では定時報告に移ります。」
健人は戦闘向きのスタイルではなかった、体術に関しては普通で任務で使える程高くも無い。だから彼が技術に意識を向けるのは当然だった。ドローンを作ったのはほんの出来心だった、ライムの部下である以上何かしなければ盾にされて殺されるか巻き込まれて死ぬかのどちらかだった。だから何かしらの成果は出さなければならなかった、それが機械系の仕事だった。ライムの部下は実力派ではあったが技術者がほとんどいなかった。そのため武器等に関しては他の部門を頼る事が多かった。ライムの方もそれは何とかしようと技術者の育成に力を入れていた所にサインが入った。だが十分な結果が出せず急遽シェリーの監視役に回った。本人も少しは長生きできるかと思いほっとしていた。
そんな彼があの戦闘用ドローンを作れるようになったのは志保の影響だった。志保が行方不明になり健人はどうにかしようと捜索範囲を広げるためドローンの制作に着手した。最初は一般的なドローンを改造していたのだが志保の捜索のためと言ってライムから黒の組織が独自に開発したドローンが回って来た。それを幾つか使用して作成したのがあの作戦に投入した戦闘用のドローンだった。
健人「…以上です。工藤新一は帰って来ていません。」
ライム『ok、やっぱり頭がいい奴追うのは少し大変だな。ドローンの方も問題ないか?』
健人「一応あなたの言う通りに仕上げました、この一週間は恐らく誰も気づかれていません。」
ライム『技術班に頼まれていた偵察機の改良は上手くいっているな。』
健人「光学迷彩の試験テスト、一応バグ取りは終わりましたよ。これで問題なく使える筈です。」
ライム『夜頃に三機程回収に向かわせる。後明日の午後おれの仕事場に来い。』
毎日という訳ではないがライムの技術者が制作していたドローンを使い偵察を行っている。ドローンを制作、または修理できるのは現状ライムが選別した技術者たちと健人しかいないのだが現状で現場で試験を行って異常が無いのかチェックできるのは健人しかいない、と言うより技術者を前に出したくない方便にも聞こえる。せっかく見つけ出したお気に入りを前に出して消費するくらいなら使い捨てなら別に危険な試験を行わせてもいい。ライムの仕事場は荒事ばかりで恨みも買いやすい、これなら技術者たちは顔は覚えられないし標的にされずらい。顔を覚えられるのは健人だけ、俗に言う捨て駒と言う物だ。
健人はライムとのやり取りを終え電話を切る。
健人「…外に出よ。」
何かで気を紛らわしたい、別に行きつけの店何てないが周辺を知る意味も込めて見て回る事にした。
車が走る音、人の声、暇なためか耳に入ってくる音につい気になってしまう。とは言え夜まで暇なので街に出る以外やる事がなかった。ただため息だけが出てしまう、けど外に出てしまうと拠点まで戻るのがめんどくさく感じてしまう。ただ歩き景色を見る。するとアパートの前で何故か人が集めっていた。
「何があったんですか?」
「あぁ殺人事件だってよ。」
「殺人?」
少し気になりその場所から離れて小型ドローンを飛ばす、確かに上空から確認して見ると腹から血を流し倒れている男性とその近くに男性三人と女性二人がいた。その人たちは困惑した表情を浮かべながら死体を見ていた中年の男と大学生に子供たちがいる。
(あれ?毛利小五郎かあの人?しかもその隣にいる子供たちって…)
間違いない、あの名探偵だ。しかも子供たちの中にあの時の二人もいる。我ながら運が悪いのかいいのかわからない子たちだ。
(面倒事に巻き込まれる前に離れようかな。)
少し気になるが健人があの二人に会うのは不味い、あの子供たちはあくまで監視対象なだけであって接触してはいけない。あくまで自分の存在は知られずそして監視にも気づかれないようにしないといけない。自分は影の人間、しかも毛利小五郎にもあまり関りたくはなかった。
(…せめて無事だといいけど。)
そう思いながらもその場所を離れる事にした、ドローンをしまい歩き出す。別に罪悪感はない、何の関係もない自分があそこに行った所で邪魔になるだけだ。何の関係もない事件を解決できるほど頭もよくない、あくまで技術面が強いだけだ。事件性の解決のためそう言った技術面の一部は聞かれるかもしれないが名探偵ならそんな事も知っているだろう。
そう思いながら歩道を歩いているとその事件現場から悲鳴が聞こえた、そちらの方に振り向くとさっき事件現場にいた男性の一人が子供を攫ってナイフを振りかざしながら人込みに穴を空け逃げていた。それを毛利と大学生が追いかけるが人混みのせいで上手く動けないでいた。丁度進行方向には健人がいる。
「逃げてぇ!!」
すると例のブラウン髪の子供がそう叫んだ、まるで健人にそう言いかけるように。
恐らく犯人の進路上からどけば何の面倒事もなく終わるだろう、だけど掴まれいる子供の表情を見るとどうしても罪悪感に駆られてしまう。恐怖に怯え今にも泣きそうな顔、そして恐らくだが自分はあの男性を倒す事ができる。だがそうしてしまうとあの子たちと接点を持つ事になり監視の任務に何かしらの支障をおうかもしれない。
「…俺ってバカだよね。」
犯人の進路上に立ち待ち構える、すると犯人は怒鳴り声を上げながらこちらに近づいて来る。もちろん目を大きく開けながら、そこに目くらましようのライトを相手の目に当てた、もちろん失明をしない程度の出力でだ。
相手は急に入って来た異物に思わず怯んでしまう、その間に健人は相手のナイフを取り上げ子供を解放させた。そのまま子供を抱えながら後ろに引いた、だが相手は替えのナイフを持っていたようでそれを抜きこちらに向けて来た。こちらは子供を抱えているので避ける事ができない、そのため腕を盾にしてそれを防ぐ。本来なら衣服を貫通してそのまま腕に刺さる筈なのだが健人が着ている服はアラミド繊維でできた特注品だ。生半可なものでは傷をつける事もできないためナイフは刺さらないがそれでもかなり痛い。だが時間稼ぎは出来た、後ろから追いかけてきた大学生が見事な飛び蹴りを相手に直撃させ犯人をふっとばした。
「す、すげぇ。」
その技に見惚れながらも子供の安否を確認する、女の子のようで少し涙目になっていたがちゃんと返事を返してくれた。中々強い子だ。そしてその子の友達と思われる人物たちが集まって来る。
「歩美ちゃん!大丈夫!?」
「う、うん。このお兄さんが助けてくれたの。」
「ありがとうございます。」
「い、いえ。少し腕に自信があっただけで…」
「いえ私がいたのにありがとうございました。」
そう高校生にお礼を言われ小学生の子たちにも言われた、その後警察に事情聴取され例の子供たちと一緒に開放された。
「本当にありがとうございました!」
「い、いやいいんだよ。無事だったんだし…」
「にいちゃんかっこよかったぞ!」
「にしても本当によかったんですか?その病院行かなくて…」
「いや大丈夫、そこまで酷い怪我じゃないから…」
本当は違う、腕には青い痣ができているがそれを見せる訳にはいかない。あまり表の病院の方で記録を残す訳にはいかない。一応ナイフはかすったと言う事にした、人質にされた女の子は目を瞑っていたようで見ていなかったようでこの言い訳ができたのだ、本当の事を言ったら服が特殊繊維で出来ているのを持っている?何て言われたらどうしようもない、そのためあまりこういう事には関わるなと釘を刺されていたのだ。何故ならライムがそもそも面倒事が嫌いなためだ。ライムの部下である以上絶対にやってはいけないこと、もしこの事がバレた場合かなり不味い事であり
監視の仕事に響く可能性がある。そのためこの怪我の事についてはばれる訳にはいかない、早めに離れなければ。
「自分は用事があるのでこの辺で…」
「ま、待って…」
そう静止する声も無視しそのまま離れて行った、流石にこちらを追うことはなく後ろを振り向いても誰もいなかった。それを見て安堵の息を漏らしそのまま帰路を歩く、腕が少し痛いがこれ以上面倒事は不味い。
「待って。」
するとさっきまでいなかった筈の後ろから声を掛けられた、何処かで聞いたような懐かしい声、だがそこにいたのは小さな女の子だった。あの時ベルモッドといた女の子だ、となると監視対象なので適当にあしらってこの場を離れなければ…
「腕、見せて。」
そう言いながら手に医療箱を持ちこちらに近づいて来る。
「い、いやこれ以上は…」
「いいから見せなさい。」
「いやだから…」
「見せなさい。」
「は、はい。」
何故か押されてしまい途中の公園の椅子に座りそのまま治療を受けることになった、とは言え本格的なものではないので後で病院に行って治療を受ける必要がある。と言うか医療箱は何処から出てきたのであろうか?
「…何で我慢したの?」
「え?」
「だから、怪我してるのに何で我慢したの?」
「それは…まあその、色々あって…」
「…あんまり無理しないで。」
「でも…」
「し・な・い・で。」
「は、はい。」
何故こども相手に押されているのだろうか…と言うかこの感じ…
「志保さんみたいだ。」
「!」
「小さいのにしっかりしてるね、ちゃんと自分の意見も言えて…僕は言えないことの方が多いから…」
自分の意見を言えた時なんて最近ない、ただ言われた通りに動くだけ、何故だろうか。昔はもっと自分のことを言えたはずなのに…
「…そんなことない。」
「え?」
「…あなたは頑張ってるわよ。言葉では言えなくてもさっき行動で示してくれたじゃない。」
一瞬その言葉を放った子供が志保さんに見えた、目や髪も相まって本当にいるかのような…ただの子供の言葉、けど健人にとってはとても暖かかい言葉だった。
「…君本当に子供?何か本当に志保さんに見えるんだけど…」
「さぁ、私はただ思ったことを言っただけよ。」
「…ホントにしっかりしてるな、この子。」
自分の中にあった暗い物が消えて行く、他人の意見を聞くだけで肩の荷が軽い。やはり友人などから意見を聞いた方がよさそうだ。
「そうだ、スマホ貸しなさい。」
「何で?」
「あなた少し見てられないから、それにまだ助けてもらったこと返してないし。」
「い、いや流石に会って間もない子供に連絡先はちょっと…それに返す云々の話はあの時の子供が言うべきじゃ…」
「…何か言った?」
「い、いえ何も…」
結局そのまま押され連作先を交換することになった、一応仕事用ではなく自分の物をだしたので大丈夫だとは思うが…とは言えこれがばれたら怒られそうなので黙っておくことにしよう。
正論を圧で黙らせる灰原、まあ彼女も連絡手段はほぼ勢いでやってしまっただけなんですけどね…
IF話は色々いりますけどどれがいい? 今の所同居シリーズが上
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