ハイスクールDXD 巨獣の目覚め   作:プリンカステラ

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今回原作は8巻収録しているメモリー・オブ・おっぱいを収録しています


第三章 月光校庭のエクスカリバー編 外伝

もうすっかり初夏の香り漂うミーンミーンと世話しなく鳴いている。

 

本来爽やかな夏の到来に心待ちするはずなのだがオカルト部の一室で兵藤一誠が珍しく黄昏ている……。

 

そしてそれにも関わらず本来、人の気遣う性格をしている中島剣吾は一切無視している。

 

一誠からは何か聞いてほしいオーラが出ているが僕木場優斗を始めオカルト部部員が聞けないのは数日前の事が影響している。

 

 

数日前、部長がイッセー君の背中に抱きついても大きくため息を付くだけだった。

 

つまらなそうに部長がイッセー君に聞くと「すいません、この時期になると昔の事を思いだしましてね……。」

 

「昔の事?」「はい。」新しく入った部員ゼノヴィアさんも伊藤さん、コスモスさんを含め、剣吾君以外いたのでその話を聞いてみることにした。

 

皆でイッセー君を囲んだところでイッセー君が話し始める。

 

「あれは俺が小学生……!!」と突然カバンがイッセー君の顔面に直撃し気を失う。

 

投げた方向をみるとそこには剣吾君が部室の扉を開けたところだった。

 

「剣吾さん!?何するんですか?」とアーシアさんが代表して抗議する。

 

それを無視して全員を見渡し「……まだ、何も聞いてないですよね?」と聞いた。

 

「?はい?そうですが?」と戸惑いながら応えると

 

「一切聞かないであげてください。身内の恥を晒したくないんですよ……。」

 

「一応言っておきますけどあなた方が想像するような感動や悲哀エピソード欠片もありませんよ。」

 

そういうと部活に戻り復活したイッセー君も剣吾君の目を見てその日はそれ以降話さそうとしなかった。

 

それからしばしば部室だけでなく教室や校庭など様々な場面で黄昏いるイッセー君を見かけたが、そのたびに剣吾君が近くにいて話そうとすると容赦なく叩きのめし気絶させ退場していった。

 

剣吾君曰く「長くても2週間もしないで元に戻るからから放っておけばいいよ。人生で知る必要が欠片もないことだから。」とのこと。

 

 

そんなわけだから内心誰かに聞いてほしいというイッセー君に理由を聞くことができずにいた。

 

だが、中島君には悪いけどイッセー君の力になりたい。それは皆同じだったから作戦を考えた。それは

 

 

「剣坊いるか?」とオカルト部に訪ねてきたのは磯野敏博。アンギラスの巨獣器を宿している。

 

剣吾君とは幼少期の兄貴分だったみたいで剣吾君も基本は逆らわないようしている。

 

「何?磯兄?前から思ったんだけど呼び方統一すれば?どうでもいいけど。」

 

「そんなことよりちょっと付き合え。人手が足りないんだ。」と連れ出そうとする。僕たちを見ると何かを察したような表情をするが特に抵抗することもなくそのままついて行った。

 

「さて、イッセーどうしたの?悩みがあるなら聞くわよ?」

 

「うう、皆ありがとう……。剣吾に昔話したらもう二度とその話を他人にするなってかなり注意された。父さん、母さんにも話したら全面的に剣吾の味方になるし。」

 

と部長の言葉に応じイッセー君が話し始めた。

 

でその内容と言うのがイッセー君が7歳の頃学校を終えると近所の公園で紙芝居を読ませてくれたおじさんがいた。

 

その内容はとても子供に見せられない画風の……おっぱいが描かれた昔ばなしイッセー君曰くおっぱい昔話を毎日のように聞きに行った。

 

その際にご丁寧におっぱいプリンをお菓子としてプレゼントしたそうだ……。

 

おっぱいプリンを一瞬で吸い込むおじさんを尊敬しておっぱいプリンを吸い込もうとしたがどうしてもできなかった。

 

失敗するたびにそのおじさんに偉大さを感じたそうさ。

 

 

運命の夏の日 おじさんは警察に連れていかれた。

 

新作はどんな話だったのか?それを思うと未だに悔しく仕方がない!俺は大きなものを失ったという。

 

……うん、剣吾君今なら何故君があそこまで止めようとしたか痛いほどわかるよ……

 

 

 

「さて、そろそろ一誠の昔話を聞き終わったところだね。」「……なる程な、そりゃあ、あんまり人にしられたくないわな。」

 

「あの一誠君のおっぱい好きがそこで生まれたのね……。」

 

「そろそろ本気で警察に御用になるじゃないかという不安が現実的になってきたんですけどね……。」

 

「大丈夫でござるよ。剣殿。彼は善人でござるよ。」「……善人が盗撮や覗きをしませんよ。」

 

と僕中島剣吾は磯兄に連れられ彼の友人であるバランの巨獣器を宿すマイロン・ハリスさんとバラゴンの巨獣器を宿す佐々木理愛(ささきりえ)さんと共にバーベキューをしている。

 

なぜ連れてこられたのかもうわかっていてどうぜオカルト部で皆に話しているだろうからこっちにも知られるのは時間の問題だと思って話していた。

 

「でも、いいの?磯兄?鹿や猪勝手に捕って?」「問題ない、駆除してほしいと依頼があったから捕獲したんだ?文句ないだろう。それにこれ何か珍味だぞ!」

 

「すごい量だね・・・肉も魚も……これ何の魚?」「ブラックバスとブールギルが中心だな。」

 

「流石釣りが得意なだけあるね。」「外来種ならどんだけ食っても文句言うやついないからな!おかげで食費がほぼかからない。」

……

「磯兄、どんな食生活しているの?」「基本肉も魚も捕獲した外来種の肉を食べているな。野菜は理愛がやっている菜園からの大半だな。」

 

「空間転移してくれるから楽なんだよな。」「……すごいね。皆さんはそれでいいんですか?」

 

「別に不満はないでござるよ。調理はそれなりにできますし。」

 

「私はこいつらとは別に生活しているから。まあ、よく集まるけど。」

 

「美味しいですね。この唐揚げ、鳥何ですか?」「多分鳩かウシガエルだな。」

 

「へえ~、蛙なんて初めて食べましたよ。」「鯉の天ぷらもあるぞ!流石に洗いは俺達の腕では無理だ。」

 

「野生の鯉だからねえ、火を通さないと。正確には寄生虫とかきをつけないとな。」

 

「まあ、俺たちはその辺の毒や病気、寄生虫とか寄せ付けない体をしているからいいけど他の人たべたりしたらシャレにならんしな。ちゃんとそのあたりはしっかりしないと。」

 

「前から思っていたけど磯兄って本当に野生児だよね……。」

 

「本当、生まれてくる場所間違えたわね。」「でも、そのアウトドア術役に立つでござるよ。」

 

「いや、マイロン。お前の方が正しいから。俺のはあくまで俺だからいいんであって他人が真似するならどう考えてもお前の方が良い。」

 

「そういや……野犬が増えた地域あるんだよな?」

 

「……食べる気?日本ではクレームきそうだけど。」

 

「中華なら食うだろ?」「そうらしいね。ま、ただ殺処分するよりはそっちの方がいいかもね。」

 

「でも、あんた中華料理だけは作らないし食べに行かないわよね。」と佐々木さんが意味ありげな表情で笑いながら言う。

 

「え、そうなんですか?磯兄中華が嫌いってイメージが無いんですが?」

 

「違う違う、彼女が作る料理が一番おいしいから他で食べる気がしないっていうのよ。」

 

・・・・・「エエ―――!!?磯兄彼女いるの―――!!!!?」「……そんな驚くことか?」

 

「だって女っけないし!」「……お前の中の俺がどんなのか一度知っておく必要があるな……。」

 

「誰、誰?二人とも知っているの?」「もちろんでござるよ。確かリアス殿と同い年で今年で高校を卒業とかだったような?」

 

「っつてもあいつまともに学校に行ってんのか?大体家の都合で料理や拳法であんまり通えないって不満漏らしていたぞ。」

 

「でも学校では仲がいい友人も多いみたいですぞ。ご飯もよく作ってあげたそうですし。」

 

「料理人なの?」「一応中華料理屋だが実際は大抵の料理作ってくれるぞ。材料があれば。」

 

「あいつとはお前がいなくなった後に俺の親同士で許嫁にされたんだよ。まあ、顔も良かったから別に断る理由もないので受け入れた。探すのめんどいし。」と応え

 

「ただ、あいつがそれを受け入れているなら受け入れるし逆に他に好きな人ができたというならそれもう受け入れるつもりだよ。」

 

「へえ~、どんな子?」「多分一年以内に会う機会あるだろうからそん時に紹介する。万一他に好きな人ができったてフラれるパターンがあるかもしれないしな。」

 

「ちょっとあの子に限ってそれはないわよ。本当にあなたの事を慕っているんだから!!」

 

「う~ん、微妙に恋心と近所のお兄さんへの憧れを取り違えている節があるのが気になってな……。」

 

「で、料理上手いんだ?」「そうそう中国のハーフの為かはたまた受け継いだ才能か知らないが俺が食べた中華料理でアイツのが一番口に合って他で食べる気が無いな!」

 

「へえ~なんだかんだ言ってべたぼれじゃない!」

 

「まあ、おそらく俺が付き合える範囲でアイツ以上は求めるのはほぼ無理だろうな。それは分かる。だからこそ俺でいいのかなあって思う部分がある。」

 

「ねえ、写真だけでも見せて。」「駄目だ、後のお楽しみだ。」そんなやり取りをしながらバーベキューを楽しんでいた。

 

・・・まさかたまたま見つけたワニガメを何の躊躇も無くバーベキューの具に仲間入りさせるのは流石だと思った。まあ、それにさほど動揺せずに食べている僕が言えた義理じゃないか……。

 

そう思っていると一誠から電話がかかってきた。

 

 

俺、兵藤一誠はまさに全米が泣きかねないおっちゃんとの激烈な別れを語った……。ちなみにこのことを剣吾と父さんにも話した。……流石に母さんには話せなかったが

 

この時の二人が放った一言は「頼むから人に話さないでくれ。」の一言だけだった。

 

だが、あんな冷血漢の身内より温かい眷属の皆ならきっと共感してくれると思いその顔を見てみると……

 

全員呆れた顔をしていた……?何故だ?アーシアに至ってはまず話の内容が理解できなかったのか完全に?のマークしか見えてこない!!

 

「あらあら、イッセー君がスケベになった原点はそこだったんですね。」と朱乃さんは微笑みながらも冷静に突っ込む。

 

「うん、反応に困ってたよ。というよりもその人が変態だったから連行されただけだよね。」苦笑いする木場。違う!おっちゃんは変態じゃない!神だ!

 

「……日本人はよくわからん。」「いや、ゼノヴィア。それは他の日本人に失礼だよ。日本人は本来こういうどうしようない人ばかりではなく……っていうかイッセー君はどの国にも少数派だから。」

 

とゼノヴィアにフォローする木場。てめー!俺がどうしようもない人間って言いたいのか!?・・・否定できないけど。

 

「……子供にいかがわしい話をする男性。……変態そのもの。最低な話でした。」と半眼にして突っ込む子猫ちゃん。

 

「何だよ、その反応は!?今の俺があるのはそのおっちゃんのおかげだぞ!!」

 

目元を引きつかせる俺。それに対し部長が苦笑いながら応える。

 

「分かっているわ、イッセー。今のあなたを形成してくれたのは男性なのよね。・・・ただ、もう少し紳士的な話を混ぜてほしかったわね。」

 

「「人間にも色々な人がいるんですね・・・。」」とコスモスさんまで苦笑している。

 

「「でも、今の話歌織に聞かせたのはまずかったですね……。」」というと歌織ちゃんが目線を伏せて肩を震わせている……?

 

まさか、泣いてくれているのか?俺の話に。流石歌織ちゃん、分かる人には分かるんだよ。

 

「歌織ちゃん!分かるかい、俺のこの話……」「何ですか!今の話は!!」と激怒しながら立ち上がり叫ぶ!!さらにテーブルにあったものを片付けるとちゃぶ台返しする!!

 

「一誠さん!あなたの所業は目に余るものでしたが今のが原因ですね!!将来今の方のようにならないように更生させます!!」

 

「いや~!俺が俺じゃなくなっちゃう!!」と抵抗する俺を余所にモスラギアを解放させどこかに連れて行こうとする。

 

助けを求めようとするが皆完全に歌織ちゃんにビビっているし止められそうなコスモスさんも止める気配ないしここにはいない剣吾に助けを求め電話をする。

 

 

ここまでの状況を電話で聞いた剣吾は「去勢されないように気を付けてね。じゃあ、こっちはバーベキューに忙しいからじゃあね。」

 

「助ける気ねーのか!てめーは!」「ないよ。まず近くにいないから止められないし仮に近くにいても止める気ないよ。めんどくさい。」

 

「薄情者~!!」「うるさいなあ……じゃあ、きるよ。」「おい、待て!」俺の抗議を無視して本当にきりやがった、アイツ!

 

「……茶番はいいですか?ではいきますよ!」と連れ出される!!いやー!!去勢される!!だが俺の抵抗も空しく連れ出されていった。

 

 

ああ、気が重い。誰も俺の過去を共感してくれないどころか歌織ちゃんに徹底的に説教され精神ダメージは尋常じゃない。

 

いつもアーシアと部長と一緒の帰宅は楽しいのに今日ばかりは一切喜べなかった。

 

帰宅途中で公園に差し掛かった時、懐かしい音が聞こえた。 チリンチリン。

 

俺はその音の出所へ視線を向けた。驚きで自分の両目が大きく開かれるのが分かる。

 

懐かしい夢にまで見た光景がそこにあった。

 

そう、かなり老けているけど間違いない!あの顔昔の面影がある!気づいていたら無言で走り寄っていた!

 

「お、おっちゃんなのか?……」おそるおそる訪ねる俺の顔を見てすぐにほほ笑んだ

 

「坊やだろ、一目でわかったよ。大きくなったな。」「お、おっちゃん生きていたんだな。」

 

感動の再会だよ。俺だってすぐわかってくれた。目から流れる熱い涙を止めることができなかった。

 

「おかげさまでな。もう十年経つか。どうだ、おっぱいはもめたかい?」

 

「うん、もんだよ!いっぱいもんだよ!この人が俺が初めて揉ませてくれた人なんだ!」と俺の後を付いて来た部長を隣に引き寄せ紹介した。

 

感動的な場面なのに何故か部長は微妙なリアクションをしていた。

 

「そうか、そうか。それは良かった。10年もたてば坊やも彼女を持つか。立派なおっぱいじゃないか。大事にするんだぞ。」とおっちゃんも満足げに頷きながら言う。

 

「今からたくさんもんでおくんだぞ!それから分かったろ。 おっぱい吸いたいか?」

 

「ああ、分かったよ!!おっぱいたくさん吸いたいよ!」

 

「折角再開したんだ。……坊やあの時の続きを、見られらなかった紙芝居をしようか?」「うん!」

 

そんな感動的な場面にふと死神の足音が聞こえた気がした。

 

後ろで部長とアーシアが息を吞む気配を感じる……!?な、何だ!?

 

「なんですか!!?これは!!」と激怒した聞き覚えがある声が聞こえる!

 

ま、まさか!「一誠さん!あなたあれほど説教したのに全然堪えていますね!?」と歌織ちゃんが処刑人を思わせる空気を漂わせながら現れた。

 

見た目がいいのと黄昏時と言うのも合わさりまるで怪談のように恐ろしい!!

 

「おや、こっちのおっぱいも坊やのおっぱいかい?」「セクハラもいいところ!今すぐ警察に通報、いやこの場で成敗してくれます!」

 

「いやー!!おっちゃん逃げて!!俺がおっちゃんを守る!!」と内心ビビりながらも伊藤さんに立ち向かう俺。

 

その様子をいつの間見ていた子猫ちゃんが「最低です」と冷めた言葉を放った。

 

その後、ボロボロになっていく俺の様子を流石に見かねたのかグレモリー眷属が歌織ちゃんの足止めをしてくれたおかげで俺とおっちゃんはなんとか逃げ延び紙芝居を見ることができた。

 

そしておっちゃんとの別れの時が来た。

 

「おっちゃん、もう行くのか?」「ああ、ここもそろそろ危ないかな?また次の地を目指すさ。」

 

「やっと会えたのに?」「大丈夫、俺の思いは坊やに伝わったさ。坊やのようにバトンを受け継いでくれる者は必ず現れる。」

 

「おっちゃんは何も悪くないのに何でこんな目に合うんだよ!?」「……それが時代の流れってやつさ。誰が悪いわけじゃない。無論、俺を捕まえた警察官もな。」

 

「おそらく俺たちはこの先色々堅苦しい思いを何度もすることになるだろう。だが、そこでだれかを恨んじゃいけない。どんなに馬鹿にされ冷遇されてもおっぱいが好きならそれを乗り越えられる。そうだろ?」

 

「ああ、おっちゃん!おっぱいでどんな苦労も辛くないよ!」

 

「俺は安心したんだよ。君は立派な男になった。俺を意思を受け継いだ者がいる。だから俺はどんな目に合っても安心していける。」

 

おっちゃん、そこまで俺の事を!!感動できょう何度目か分からない涙が流れる!!

 

「じゃあな、坊や。また必ず会えるさ。 その時にはうまくおっぱい吸えるようにおっぱいプリン上手にすえるようになっているところ見せてくれよ。」

 

「うん!絶対うまく吸えるようになるから!おっちゃん~!!!またな~!!!」と大声で叫びながら自転車で去っていくおっちゃんの背中をいつまでも見送り続けた。

 

……数分後激怒している歌織ちゃんの姿を見てそんな感傷に浸っている場合じゃなくなったのは別の話。

 

 

 

 

 

 




このおじさんもおそらく今後登場しないと思いますが後に重要ポジションになったら笑えます。

原作の後書きで出会わなかったら一誠がどうなっていただろうかとありますがあの家系ですとおそらく多少目覚める時期が遅くなる程度で大差はないと思っています。

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