夏の香りが漂い爽やかな空気の中正に青春という感じでテニス部の女子が汗を流している。いつ見ても女子のテニスウェアは素晴らしい!
フェンスの向こうで生足、太ももを惜しげもなく披露するミニスカート!い~や~眼福、眼福!!
と俺兵藤一誠がフェンスから興奮してみていると「いや~!!野獣の兵藤よ!こっち見ないで!」とテニス部女子から猛抗議を受ける!!
「う、うるさい!減るもんじゃないだろうが!」
「あんたに見られると大切な何かが減るのよ!!見たければ木場君連れてきなさい!!」
「駄目!最近太ったからこんな姿木場君に見せられない!」何、木場が一緒ならいいのか!?そんなにイケメンがいいのか!?木場お願いします!一緒に来てください!お前がいれば見放題なんだ!!
そう思っていると後頭部に強い衝撃を受ける!?痛みに耐えながら顔を上げるとおそらく肘打ちしたと思わせる体勢をしたままで俺の義弟中島剣吾(なかじまけんご)がいた。
その表情は何かに怯えているような焦りの感情を隠せずにいた。
「やっとみつけた!!水泳部の方かと思ったら当てが外れた。……まったくお前は本気で捕まるぞ!」
「俺は別に何も」「黙れ!ただでさえ覗きの前科がある奴が見ていたら誰だって嫌がるわ!!大人しくしろって言ったろうが!!お前だけなら良いがこっちも連帯責任にされているだから!こんなの知られたら……!」
「……一誠さん!!」と第三者の声が聞こえた瞬間剣吾の顔色が青白くなった。
おそれく俺も同じだろう。「キャー!伊藤さん!!」「伊藤さん!!ありがとう!!邪悪な兵藤を浄化して!!」とテニス部から盛大な歓声が沸いた!
プレッシャーが感じる方向に顔を向けるとそこには伊藤歌織(いとうかおり)こと歌織ちゃんがこちらに向かってくる姿を見た。
思わず逃げようとする俺を剣吾が捕まえる。「離せ!お前も説教される駄ぞ!!」「逃げたら余計に怒られるだろう!!」としばらく喧嘩していると
「一誠さん!!あなたと言う人は毎度毎度!いいですか、あなたの行いは……」
とここから説教が始まった。ここからしばし続いた後剣吾にも
「剣吾さん、貴方がしっかりしないから……」
「無茶言わないでください!飼い主の責任と言っても限度があります!できるならとっくにしています!」と抗議も空しく一緒に説教される。
歌織ちゃんが転校して家も俺の家に居候してからそれまでの生活が一変した。
まず、部長やアーシアと一緒のベッドに寝ることを許さない!過剰なスキンシップも禁止!
流石にエロ本とかは自分の部屋にあるものには手を出さなかったが学校に持ってきたら容赦なく没収された!半ば公認だった松田君のエロ本コレクションを職員室に持っていかれるのは流石に彼も堪えた様だ。
そのほかにも覗きや盗撮など察すればどこからともなく現れ制裁していく。そのことで多くの女子を始めとした生徒、教師共に支持されている。
まあ、勝手に作成されていた俺と木場のBL本も取り締まったり、不純異性交遊を妨害しているのでそのあたりから不満があるものの本人の人柄と美貌から反抗するものはいなかった。
生徒会長なんかは彼女が来て本当に良かったと涙を流して感謝しているらしい。すでに新たなアイドルとしての地位を築いており、俺に厳しいところを含めると今この学園で一番人気なのかもしれない。
俺の両親も愚息を更生できる最後のチャンスと感謝している。……時折孫を見るのが遅くなったな。なんて少し残念そうにいうのはなぜだろう?
そして剣吾も監督責任ということで叱られている。それが嫌で俺の締め付けを強化し始めた。
歌織ちゃんは剣吾のゴジラが暴走しないか監視の為に来たんだが今では俺の素行を正す為にきたんじゃないかと思うほどだ。
ちなみに剣吾と歌織ちゃんの関係は完全に歌織ちゃんが上で剣吾は完全に屈服している状態。
漸く説教を終え部室に向かうが俺も剣吾も疲労困憊という感じで弱り切っていた。
今までなら部長のおっぱいで癒されたのに今では怒られるからできない……。ああ、何て辛いんだろう。
そんな俺を余所に部長が「すっかり忘れてたわ。悪魔としての活動報告書の提出期限もうすぐだったわ。最近色々トラブル続きで完全に頭から抜け落ちていたわ。」と困り顔でいう。
何のことかさっぱり分からないという俺を含めたオカルト部新米にむけて木場がフォローする。
「本来純血の貴族である部長は冥界の名門校に通わないといけないんだ。部長を始め人間界に特別入学する者は本来取得しないといけない悪魔学校の単位を取る。」
「それができなければ強制帰国する羽目になるんだ。」
「部長の場合、主に日本に住む妖怪を研究することで単位を得ていました。私たち眷属の自由がある程度保証しているのもこのためなんですよ。」と朱乃さんがお茶を入れながら補足してくれる。
なるほどね。だからその活動をするためにオカルト部が作られたわけか。
「でも、困ったわね。去年までこの近くに住んでいた河童を調べていたんだけどもう実家に帰ったのよね。」か、河童!?河童なんているのか?
「……皿が乾くような都会の光、伝えきれない俺の怒り、おまえの尻子玉ぬいてみたり」おおう!いつも無口な子猫ちゃんが突然ラップってるよ。
……彼はサラマンダー・富田。実家は昔ながらの妖怪式農法を続けるキュウリ農家だが、家業を継ぐことを嫌って家出しラッパーを目指していました。
……ですが、彼のお父様が皿縮小病という病気に罹って倒れてしまい家業を継ぐため田舎に戻りました。私の憧れにして大切なお友達です……。
……離れてもずっと友達ですから……。」と子猫ちゃんが半分涙目になりながら語ってくれた。
よ、よくわからないが大切な人だったらしいな。うん?人なのか?
聞きなれない言葉がいくらでもあるが一々突っ込んだら話が進まないからスルーしよう。
「となると四丁目の古ぼけたお屋敷に住み着いた噂好きのデュラハンかしら?」
「残念ですがそのデュラハンは重度の頸椎ヘルニアで入院しているそうです。」
「そう、大変ね。」……デュラハンって何?
「デュラハンなら退治したことがある。ヨーロッパを拠点にする死を予言する魔物だ。」とゼノヴィアが口を挟む。「最大の特徴はその姿で……」
と言いながら魔物図鑑(名前を呼ぶと勝手にそのページを開いてくれる)のイラストを見せながら説明してくれた。
そこには……「このように首が無い騎士をしたのが基本で頭は大体手に持っているな。後馬に乗っているのが多いな。」そう、首が無い騎士が描かれていた……。
「首ないのに何でヘルニアになるだ!?」「さあな、デュラハンに聞いてくれ。」と俺の突っ込みを軽くスルーされた。
「じゃあ、テニス部に行きましょう。」え、テニス部?その言葉に俺と剣吾は先ほどの説教を思い出し気が重くなった。
それに構わず部長が続ける。「テニス部部長は魔獣使いの家系なのよ。」
さて、テニス部に来たが女子からのブーイングがすごい。くそ、こんなことなら別の日に覗くべきだった!
そんな時馬の蹄の音が聞こえる。すると剣吾が「……まさか、堀井さん?」っとうんざりするという表情をした。
堀井さんとは西洋の甲冑を着こむのが趣味の大学生。彼女に同じ学年の留学生で戦国甲冑を着こむのが趣味のスーザンさんがいる。
・・・今町で夜中に彷徨う悪霊情報は大体この二人のものでその後始末をしばしば俺と剣吾が任されるからちょっと苦手意識があるのかもしれない。
……初めて会った時ストーカーと間違われ襲われたのを引きずっているのかも知れないのもあるかもしれないが。
まず見えたのは巨大な黒い馬。やはり堀井か?と思ったが騎乗しているのは栗毛を正にテニス部という感じのロールが似合う美少女!
彼女の名前は安倍清芽!テニス部部長の三年生だ!だが、いつもは視姦するように見つめているのだが俺の視線はその後ろに注目していた。
だ、だって首のない甲冑死体が騎乗している……!?いや、もしかしてこれがデュラハンと言うやつなのか?どうでもいいがこの馬堀井のに似ているっと思ったがこっちの方がやばい雰囲気がする。
「うふふ、いい馬でしょう?この町に住むデュラハンのスミス氏の愛馬ですわ。入院中に彼の胴体共々預かることになったのですわ。」
魔物の馬かよ!?道理でやばい気配がしたと思ったら。
「ごきげんよう、リアスさん!珍しいわね、私のところに来るなんて。」
「そんなこと魔物を連れてきていいんですか?」「心配ないわ。本田君はわがテニス部の名マスコットよ。生徒会長からも許可を得ているわ。」
と剣吾のツッコミに返す安倍先輩。マスコット?首が無い奴がマスコット?ってか名前本田なの!?
実際確かに今もテニス部から本田への黄色い歓声と俺へのブーイングが同じぐらい聞こえてくる……。
何故だ!?首が無いこいつより俺の方がプリティーだろ!?
咄嗟に剣吾を見ると
「まあ、一言でいえば日ごろの行いという奴だね。人の嫌がることをしない。これだけでも印象がだいぶ変わるよ。」
「うるせー!!正論言うじゃねー!!」
そんな俺たちのやり取りを無視して部長と安倍先輩の交渉が始まっている。
「悪いけど安倍清芽さん。魔物使いとしてインタビューをお願いしたいの。使役している妖怪や魔物についていくつか紹介してくれると嬉しいわ。」
「嫌ですわ!特殊な環境で育った私をこの学園に入れてくれたのは感謝しているけどそれとこれとは話は別ですわ。貴方や会長とは一定距離をもって接したいわ。
だってそうでしょう?悪魔と取引なんて下手したら魂を代価になんてことになりかねないし!」
このやり取りに伊藤さんが僕たちに説明する。
「イッセーさん達は悪魔に転生したからいいかもしれませんが基本的に悪魔と契約するなんて怖いと感じる人間の方が圧倒的に多数ですよ。
もちろんあなた方の依頼主のように正しい知識を持った者もいますが超常の世界を知っている彼女でさえ、いや、知っているからこそ悪魔を過剰に恐れる者も多いです
まあ、この辺りは基本文献のみで実際に触れ合う機会がない弊害と言えますね。……それにこのイメージが全く根拠のない出鱈目という訳でもありませんし。」
すると安倍先輩が俺たちの方に目を向けた。
「……もしかして、あなた、今業界で噂の『赤い龍(ウェルシュ・ドラゴン』こと赤龍帝?)」次に剣吾を見て
「それに義弟の彼と伊藤さんは謎の神器(セイクリッド・ギア)を宿しているとか?」と俺たちに質問しまくる。……何か、危ないコレクターを目をしている……?身の危険を感じる。
「そうですわ。こうしましょう。私と使役している魔物とオカルト部でテニス対決をして勝った方が言うことを聞く。」
「リアスさんが勝ちましたらそちらの望み通り活動報告書のために何でも協力しますわ。」
「へえ、面白そうね。私もテニス得意だし文句はないわ。そっちが勝ったら」
「そちらの赤龍帝及び義弟君をしばらく貸してくださいませ。」「ダメよ」
「剣吾さんはダメですがイッセーさんなら構いませんよ。」と伊藤さんが口を挟む。
「ちょっと歌織!」「もう他を探す時間がありません。嫌なら勝つだけですよ。流石にこのままだと悪いので私も協力しますよ。テニスはそこそこできますので。」
「では今度の休日に決戦と言うことでいいですね?」「オホホホホ!商談成立ですわ!赤龍帝だけでも十分ですわ!しかし、貴方が相手になると流石にこっちも本気で挑まないとまずそうね。」
「では勝負ですわ!お互いいい試合をしましょう。勝っても負けても恨みっこなしですわよ!では、早速特訓しに行きますわ!!」と言うと馬に乗ってどこかに去っていく。
「歌織!何であんなことを」「もし、貴方が冥界に戻ったら眷属も冥界に行きます。そうなると剣吾さんをどうするか色々面倒になるので何とか合格してもらわないと。」
「最悪そちらの学校に要請しますがこれはあくまで最後の手段。あまり特別扱いはよろしくないですからね。」「だからって」
「まあまあ、リアス。伊藤さんを味方につけたのだからいいじゃないですか。彼女は貴方や会長より上手いんだから。」
「それは誤解を招きますわね。どっちが勝ってもおかしくない試合でまだ一度しか戦っていないので逆転されている可能性は十分にありえます。」と朱乃さんに応える歌織ちゃん。
え、勝ったの?部長に!?「じゃあ、こっちも帰って特訓よ!行くわよ!皆!」
と部長の号令と共にその日からテニスの特訓が始まった。
それから数日後いよいよ決戦の日!安倍先輩が使い魔を連れて不適な笑みを浮かべつつ俺達を迎え入れてくれた。「ウフフ。逃げずに来たことは褒めて差し上げてよ。」
ああ、辛かった。部長と伊藤さんの猛特訓で俺も剣吾もボロボロになっていた。特に女子のテニスウェア姿で回復した俺と違い剣吾は不器用なこともあり相当苦労していた。
「今日は勝たせてもらうわ!」と部長が宣言し安倍先輩と火花を散らす!
「アーちゃんぐらいか、心配してくれるのは!?もう少しこっちに興味向けたらどう!?」と安倍先輩の魔物に襲われている剣吾の事を無視してテニス対決が始まる!
良かったな、剣吾!テニスやんなくて済むからしばらく遊んでいろ!
……断じて最近俺に厳しいからいい気味だなんて思っていないよ。絶対。間違いなく。
で試合はシングル2試合、ダブルス一試合。部長と安倍先輩は出るのが確定している。
で組み合わせだが部長とゼノヴィアがシングルに選ばれた。さらに伊藤さんが選ばれた。頼む!彼女俺の事をよく思ってなさそうだし、何とか別の人が当たってくれ!
「歌織のパートナーはイッセーみたいね。頑張って!」「よろしくお願いします、イッセーさん!」
「うわあああ!マジか!」笑顔が素敵な歌織ちゃんだけどただでさえ足を引っ張るの確定なのに歌織ちゃんとは今のメンバーで一番相性が悪い。
まあ、これは9割俺が悪いのだが、これは覚悟を決めないと背中に冷たいものが走りつつ顔面蒼白させながら気合を入れる。……断じてめったに見れない歌織ちゃんの露出の少ないテニスウェア姿に興奮しているからじゃないよ。信じてほしい。
最初の試合、部長の相手はハーピーだった。
ハーピーというのは女性だけしかいない種族らしく見た目は7割人間だが、両腕が翼で足には鳥の爪が生えている。
ウンディーネと違って見た目も可愛いしこの子は胸も大きいから是非とも仲良くしてほしい。こんなかわいい子もいるから魔物界も広いなあ。
……やっぱり使い魔はああいう子がいいな……。ほぼ人間だから普通に付き合える!
すると部長から驚くべきことを聞いた。「彼女たちハーピーは女性しかいない種族だから他種族主に人間と交際することが多いみたいよ?」な、何だって?何て素敵な情報なんだ!!
「ちなみに空を飛べない代わりにダチョウの様に走る陸上種や夜目が利くフクロウ種などの亜種もいるみたいよ。今回相手するのは多分スタンダードタイプね。」と部長が説明する。
へえ、そうなんだ。何か楽しみだなあ。「よろしくお願いしま~す。」と部長と挨拶して試合開始。
羽根を手みたいにラケットを持っているハーピーちゃん。俺は部長を応援しつつも心の中で「ハーピーちゃんも頑張って」と浮気性な本音で叫んでいた。
そう思っていると部長が試合が勝つ。流石です、部長!
よし、これで俺たちの一勝!次勝てば俺が出なくて済む!
「さて、次は私の出番だな。」とゼノヴィアがラケットをくるくる回しながらコートに足を向ける。テニスはやったことあまりないといっても運動神経は抜群だからいけるはず。
「お相手お願いします。」と出てきたのはラミアのお姉さん。ラミアは上半身が人間の女性、腰から下は蛇という種族。で、彼女たちもハーピー同様女性しかいない種族らしい。
下半身蛇だけど人魚みたいでいいな。奇麗な子が多いらしくこの相当の美少女!
ふ、太ももが無いのは残念だがおっぱいが大きい。俺はそれだけで戦える!
夢が膨らみ妄想する俺に本田がスイカを振舞ってくれる。
身軽なゼノヴィアの方に対し動きづらそうなラミアちゃんなら勝てるだろうと思っていたが。
蛇の体を利用して体を伸ばすだけでコート内を占有できるんだ!しかも蛇の為か粘り強く長期戦に強いタイプだった。長期戦の末ゼノヴィアは負けてしまった。
まずい!これ責任重大じゃないか!ただでさえ歌織ちゃんとは相性そんなに良くないのにと俺は内心焦った。そしてこんな時にあのバカはまだじゃれてやがる!肝心な時に役に立たない奴だ!
「それではいよいよ私の出番ですわね。伊藤さん、リベンジさせてもらいますわよ。パートナーは・・・雪女ですわ!おいでなさい、私の可愛い雪女、クリスティ!」と安倍先輩が叫ぶ!
マジか!雪女!雪山で遭難して運命的な出会いをし後に人間に化けて嫁として暮らす妖艶な美女妖怪の雪女ですよね!?名前からすると日本ではなく海外かな?
ハーピー、ラミアが可愛いこともあって期待していると歌織ちゃんがちょっと視線を外しつつも「・・・多分想像しているのとはだいぶ異なると思いますよ・・・。覚悟した方がいいですよ。」と警告ともとれる発言をする。
な、何ですか?その不安しか感じさせない発言は!?すると何やら奇声が聞こえてきた。
「ホキョオオオオオ!」巨躯の白いゴリラがぶっと両腕で分厚い胸板を叩く、俗にいうドラミングをして現れる!ま、まさか!?
「紹介しますわ!この子が私のパートナー雪女ことイエティ(メス)のクリスティよ」
「クリスティイィイィィイイイイ!?」そのあんまりな外見と似合わない透き通った名前に歌織ちゃんから警告されていたのに目玉が飛び出る程驚いた!
えええええええええ!雪女!おい、妖艶な美女はどこに行った!!?こんなの雪山であってどうやってラブロマンスが産まれるんだ!!?頭のリボンぐらいで許されないレベルだぞ!
……
ただの白いゴリラじゃないか!「……分かりますよ。私も最初に雪女を見た時幻想が崩れてショックが大きかったです…………。」と歌織ちゃんもいつになく優しく俺の背中をさすってくれる。
「まあ、イエティの女性と考えると可笑しくないのかもしれませんよ?」
「そんなこと言ったって歌織ちゃん!これが雪女!?嫌だ、嫌だ!!嘘だって言ってくれー!!」と泣き叫ぶ!!ウェンディーヌの悲劇を思い出しつつ歌織ちゃんの胸で泣きじゃくる!!
「ふざけないで!さっきから黙って聞いていたら失礼なことばかり言って!クリスティは立派な雪女ですわ!この子のお母さんは登山家を始め多くの人間を自分の山から追い出し守り通したそれはそれは立派な雪女ですのよ!」
「そりゃあ、逃げますよ!こんなの来たら逃げるわ!あんた、雪山で白いゴリラにあったらどうする?有効に使えそうなバナナが釘打てるぐらいカチンコチンで約に立たないんだぞ!逃げるしかないぞ!」
ナックルウォーキング、ゴリラ特有の拳を地面につけて動く歩行をしてきてウホウホ言っているし。
「一誠さん!!ゆきおん……イエティの冷凍ブレスは直撃すると氷の像になる程強力なので注意してください!」
「歌織ちゃん!?本当にアレ、雪女ですか?あの美女姿はどこにいったんですか?」
「事実は小説より奇なりってことですよ。夢と現実は違うってことですよ。」
「嫌だー!!俺はエッチな雪女が好きなんだ!!こんな白いゴリラただの怪獣じゃないか!冷凍怪獣ゴリスティじゃないか!」
そんな俺をあざ笑うクリスティ否ゴリスティ!それを見た瞬間俺の中で何かが切れたのが確かに聞こえた。
怒りでやる気がメラメラと燃え上がる!「歌織ちゃん!絶対あんなゴリラに負けたら人間の恥だ!絶対勝つぞ!」と叫ぶ!俺の勢いに押されつつも「は、はい」とやや俺に押されながらも応える歌織ちゃん。
「頑張ってください、一誠さん!」「恰好いいところを見せてください!」「それでこそ私の眷属よ。イッセー。」とアーシア、朱乃さん、部長始めオカルト部女子の声援を聞きゴリラへの怒りも合わさり体に熱いものが体の中に流れていく。
テニスには全く自信がないがやるしかねえ。あのゴリラに負けたら人として終わりだ。
するとゴリスティが巨大な武器を素振りする。「なんだその鈍器は!?」
「よく見てくださいな、ラケットですわよ。」「あ、本当だ……じゃねえよ!何あのサイズ!?漫画の巨大武器のサイズじゃん!」
「気持ちは分かりますがつっこんでいると先に進まないので試合を始めましょう。」と俺と安倍先輩の言い合いに歌織ちゃんは口を挟み試合が開始される。
で内容だが安倍先輩と歌織ちゃんのレベルが高すぎてここまで事実上シングルの試合で互角の試合展開だった。だが、ゴリスティの方にボールが行くと安倍先輩が叫ぶ!
「クリスティ!先程から失礼なことばかり言うオカルト部に見せて差し上げなさい!あなたの力を!」
「ウホ!」その言葉を理解したのか不明だが眼光鋭く身構えるとドカン!とボールを打ち返すラケットとは思えない爆音がコート中に鳴り響いた!
炸裂音が後方から聞こえ……恐る恐る後ろへ振り向くと巨大なクレーターがあった!?
な、なにこれ!?こ、コートが破壊されている?今の一撃でこうなったのは分かる!こんなの打ち返すどころか命の危機を感じるレベルだが?
「イッセー君気を付けて!今のでボールがはじけ飛んだよ!」と木場が優れた動体視力で教えてくれた。
マジか!こんなので死んでたまるか!正直おっかなかったが幻想を壊された怒りを闘志に変えてラリーに参加する!「ジャングルに帰れ!このゴリラめ!」「違うわ!クリスティの故郷は日本アルプスですわよ!」
「日本産でクリスティ!?いつから日本アルプスは外国になったんだ!?」とツッコミをいれれるまでラリーできるようになっていた。
このままいけると感じていた時だった。ゴリスティが口を大きく開けた。
「一誠さん!!気を付けてください!冷凍ブレスが来ます!」と歌織ちゃんが警告する。そしてその通りゴリスティの口から吹雪を放つ!
寒いと凍えていると俺のラケットが氷漬けに!?幸い俺自身は凍結も凍傷もないが恐ろしい化け物め!
寒さで動きが鈍りどんどん点が取られていく。「冷凍ブレスなんて反則ですよ!」
「オホホホ!ルールで反則とは書かれていませんわよ?これで私たちの勝ちですわね!」と口元に手を当てて高笑いし勝利を確信する安倍先輩!
このまま安倍先輩の玩具になるのか?……それはそれでいいかもしれないがこのゴリラに負けたら男として否、人としての尊厳を失う気がする。それだけは認めるわけにはいかない!
そんな苦戦している俺に本田が近寄り自身の鎧を分解し俺に着るように合図する!
「本田?いいのか?お前敵チームなのに?」『雪女がイエティのメスというのは拙者も憤慨している!着ろ!奴を葬るぞ!』
本田~!!分かるぞ!ハーピー、ラミアときて雪女がイエティなんて絶対許しちゃいけないんだ!あんな怪物は!
「待ってください!今私が禁手(バランスブレイク)します。デュラハンの鎧は呪いがかかっています!」
「ここは私に任せてください!」「気持ちはありがたいがここは俺たちにやらせてくれ!」
「何故です!幻想壊されてショックなのは分かりますがそれで体を壊しては元も子もありませんよ?」
「それもあるが何より歌織ちゃんと折角ダブルス組んだんだ。これから一緒に行動していくからそのスタートとして始めたいんだ。普段情けない姿ばっかり見せているから偶には良いところを見せたいんだ。」
その言葉に歌織ちゃんは驚いた表情をすると本田に言う。
「行くぞ!本田!俺たちはただのテニス下手の悪魔と首のない中途半端なマスコット騎士だが!」
『ああ、拙者たちが組めば勝機は生まれる!』と書く本田!「そうだ!いくぞ!」俺は本田を着込み戦場にたった。鎧の中は夏場の為かくそ熱いがそんなのどうでもいい!
「首の生えたドラゴン騎士!燃えるものがある!」「……カッコいいような悪いような」ゼノヴィアが俺の姿に燃え、子猫ちゃんは首を傾げていた。
「首があるデュラハンの力、冷凍ゴリラにたっぷり教えてやる!!」といい戦場に歩を進める。
俺と本田のゴリラへの怒りは想像以上の力を発揮しさらに歌織ちゃんとの息が合った連携で辛うじて安倍先輩に勝てた!
「私たちの負けですわ!約束通りインタビューにお答えします。」と安倍先輩が呟いた。
勝てたのは良いんだが「本田!脱げないってどうゆうことだ!」
「だから言ったじゃないですか?呪いがかかっているって。……しょうがないですね。」と歌織ちゃんが何やら聖なるオーラを放つと鎧が脱げた?
「モスラの力で呪いを解除しました。よく頑張りましたね。」とまるで天使の様な笑顔でほほ笑んでくれる。思わず見とれていると「イッセーいつまで見とれているの!?」と部長に耳を引っ張られた!
「……剣吾さんはどうしたんでしたっけ?」とアーシアが聞いてきて魔物に襲われた、遊んでいる場所に戻ってみると現在進行形で未だに襲われていた。
否、あの様子だともう完全に玩具にされているな。因みに剣吾がここまでされて抵抗しないのは傷つけたら治療費請求しますわよ。と脅されたからである。
この状態でも服以外は多少ボロボロで済むんだから本当に頑丈になったな。
「……君たち、僕だったら何しても許すと思っているなら大間違いだよ?」と感情が感じない声で言う。
変に静かなのがやばさを感じる。だがクリスティに気づくとこう言った。
「白いゴリラ?アルビノですか?いやもしかして雪男!?イエティですか!?へえ、初めて見た!」とちょっと興奮気味に尋ねる。
それに対し「確かにイエティですが雪男では無くて雪女ですわ。」と安倍先輩が訂正する。
「まあ、イエティにも雄雌ありますよね。」「剣吾さん、あれが一般的な雪女ですのよ。」
「……ウェンディーヌの悲劇の再来ですか……。昔の人はこうゆうのがタイプだったのか?僕には高度過ぎて理解できないな。」と剣吾もショックを受けているようで歌織ちゃんに返す。
すると怒ったゴリスティにぶっ飛ばされる!
後日無事報告書を完遂しそのお祝いで皆でカラオケに来た。
歌織ちゃんの歌は別格で正に天使の歌声だった。皆絶賛している中一向に歌おうとしない剣吾にマイクを向けた。
「……ぼくのは笑えないレベルの音痴なので遠慮したいのですが。」「いいじゃないですか。歌は心ですよ。」
そのやり取りに俺も悪乗りして「そうだ、歌え。思いっきり笑ってやるから!」というと他のメンバーも拍手し始めもう引っ込みが聞かなかった。
剣吾はしぶしぶマイクを受け取ると曲を選び歌い始める。
……それが最後の記憶だった。何故か全員記憶が飛んでいる……。
目を覚ますと時間だからと剣吾が目を合わせずに半ば強引にカラオケから連れ出した。
後日俺たちが行った日そのカラオケ店で天使と悪魔の歌声が聞こえるカラオケ店という都市伝説が囁かれるようになった。
ラミアとハーピーは個人的に好きなモンスター娘のいる日常の設定を一部取り入れています。
最期のは剣吾君のレベルが上がったということです。何のレベルかは察してください。