ハイスクールDXD 巨獣の目覚め   作:プリンカステラ

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pixivのムーコラボ企画を優先しさらに途中で大幅に内容変更したので遅れました。申し訳ありません




第五章 冥界合宿のヘルキャット編 2

リアス部長達は今頃楽しく観光しているのかなあ?と僕中島剣吾は現実逃避している。

 

なぜかと言えば一誠と一緒に紳士、貴族のマナーや歴史やら悪魔文字の読み書きなどを学ばされていたから疲労困憊だ。

 

一誠はともかく僕はそこまでする必要があるわけでないので正直あまり気乗りしないが真面目にやるしかない理由はあった。

 

万が一リアス部長と一誠が結ばれることになったらこれらの教養は必須だし成長していく上で身につけた方が良いのは明白だからこの機会にいいだろうというのもあるのだが最大の理由は……

 

「剣吾兄様、一誠さん大丈夫ですか?」と聞いてきたのはサーゼクスさんの御子息であるミリキャス君ことミー君。

 

僕がこんな風に呼ぼうと思ったのは何となくこの子がどこか昔の僕みたいに寂しそうな空気を感じたんだ。

 

後になって少し考えてみると彼は魔王のサラブレッドという事で誰も彼も魔王の子供としか見れなかったんだろうね。

 

だからどの立場でもしがらみが無い僕が出るしかないと思ったんだ。それが功を奏したみたいだ。

 

「すいません、ミリキャス様。お見苦しいとこを。」「……苦手な事ばっかりで自分が嫌になるよ。」

 

と割と真面目に落ち込んでしまう。「そんな事ないですよ。お二人とも初めてですのに一生懸命やってすばらしいですよ。」とフォローしてくれるミー君。

 

気持ちはありがたいが今優しくされると割と真面目に泣きそうなのでちょっとやめてほしい。

 

それから上級悪魔の会合とやらがあるらしく一誠はグレモリーの敷地を刊行していた僕たち以外のオカルト部メンバーと共に観光に行った。

 

僕はすることが無いのでミー君と遊ぼうかなあと思ったがどうやら用事があるらしく祖父母であるジオティクスさん、ヴェネラナさんと一緒に出掛けている。 

 

僕はどうするかとりあえず宿題をしていると伊藤さんが声かけてくれた。

 

 

 

「伊藤さん、どうしましたか?」「……あ、あの何か今お忙しいですか?」

 

「いや、特にすることは無いよ。」「そ、それでしたら出かける所があるので一緒について来ませんか?観光がてらに」

 

「案内してくれるんですか?ありがとう。絶対迷子になるから散歩もできなかったんで嬉しいです。」

 

「そうですか!では、行きましょう。」と何故かちょっと上機嫌になった気がしたがお互いちょっと準備してから玄関で待ち合わせる。

 

 

僕の方が早く準備できたので待っていたがふと気づく。これってまさかデート?デートなのか!?

 

まあ、向こうにはそんなつもりは無いだろうがあんな美少女と二人っきりで観光できるなんて実質デートみたいなもんだしな。

 

とちょっとテンション上がっていたが「「お待たせいたしました。剣吾さん。」」とフェアリーに乗ったコスモスさんと共に伊藤さんがやってきた。

 

保護者同伴ですよね~。そんな気がしていたよ。

 

どこかに転移されるとそこには巨大な番犬がいた。ってあれはまさか!?

 

 

「ケ、ケルベロス!?」その三つの頭を持つ巨大な犬ケルベロス。僕あれに襲われた苦い記憶が蘇る。

 

「大丈夫ですよ。大人しい子ですから何もしなければ襲ってきませんよ。」

 

 

「なる程……今まさに噛みつかれているがこれは懐いているって事でいいのかなあ?」

 

 

うん、懐いているだけなんだろう。きっとそうだ。飼育員ぽい人が必死に離そうとしているみたいだがきっと僕の事を気に入ったんだろう。

 

 

そんなじゃれ合いが終えるとぱっと見何の変哲もない森を歩く。

 

 

それから数分歩くととある場所に辿り着いた。まるで何かの遺跡の様にも見える。

 

 

「ここは?」「ここは数代前のモスラの巫女がある巨獣器を封印した場所です。」

 

 

「巨獣器使いを?冥界で封印したんですか!?」

 

 

「記録によれば精神を完全に怪獣によって支配させられ当時悪魔勢力と協力し封印しようとしていたのですが冥界のゲードを破り人間界から侵入を許しの地で封印せざるを得ませんでしたが結果的には寧ろ良かったです。」

 

 

「何故ですか?」「人間界ですとここまで強固な封印を維持するのは難しかったと言えます。実際信仰が薄れつつある現代だったら何らかの土木工事或いは災害で崩壊する可能性もありました。」

 

 

なる程ねえ。「封印されている間はどんな感じなんですかね?」

 

「「一種の仮死状態、或いは冬眠状態と言えば良いでしょうか?完全に意識がありません。」」コスモスさんの言葉を聞き

 

 

僕は封印されている場所を見渡しながら「僕も封印されたらこんな感じで眠るのか……」と特に意識することなく呟いていたみたいだ。

 

 

「剣吾さん、それって!?」伊藤さんが何故か焦った様な表情をしているのに気づき先ほどの独り言を呟いてしまったことを後悔する。

 

 

「き、気にしないで。封印されたらどんな感じなのかなあとちょっと予習も含め興味があっただけだから」

 

 

だが、どうやら僕の迂闊な一言は想定を遥かに超えて動揺させてしまったようだ。こんな素晴らしい人を曇らせるなんてこれだからモテないのだろう。

 

「と、ところでここに封印されている奴は何て怪獣なんですか!?」何とか話を逸らそうと辺りを見渡しながら慌てて聞いてみた。

 

「「ここに封印されているのはデスギドラです!」」「……何ですか?名前からして物騒極まりないやばそうな奴は?」余りにも悪役感満載の名前に思わず突っ込んでしまった。

 

 

「「デスギドラとは元々宇宙怪獣で惑星の命、特に植物のエネルギーを好んで捕食し最終的には星そのものの命を奪い取ります。」」

 

 

そう言うとフェアリーの触覚が光り壁を照らすと黒い三つ首竜が映し出される。 

 

「「本来は動物からはエネルギー効率が悪いので吸収しないのですがこの世界では悪魔を始めとした超常の存在も長寿の為かエネルギー効率が良いらしく積極的に襲い掛かり激しい戦闘の末封印に成功したという事です。」」

 

 

見た目通り随分物騒な奴だったんだね。「「所有者は完全にデスギドラに乗っ取られた状態でした。余談ですがデスギドラはマグマを操る恐るべき相手でした。」」

 

 

マグマを操るってマジか!?それってほぼ炎熱系最強クラスなのでは!?

 

 

僕の表情を見たのだろう。伊藤さんが笑いながら応える。

 

 

「大丈夫ですよ。封印は完璧ですから復活はありえませんよ。今その封印を確認していましたが万全ですよ。……良かったです。」

 

 

「「そうですね、今は特に……」」と伊藤さんとコスモスさんが何やら話し込んでいる。

 

 

おそらく口を挟まない方がいいからここは黙っているか。

 

 

そう思っていたら「後日アザゼル先生も含めた皆さんと合流した時に話したいので今は内緒です。申し訳ないですが。」と伊藤さんが謝ってきたので逆に驚いた。

 

 

「僕達が知っていい内容何ですか?深刻そうだから聞くつもりなかったんですが。」

 

 

「「ええ、本来余り人に知らせないほうがいいのですが皆さんには知っておくべき事だと思うので。」」

 

 

まあ、いいかと出ようとしたら再びケルベロスの餌食になりながらそんなことを考えていた。

 

その後伊藤さんも用があるらしくどっかに行ったので一人で自宅に戻り宿題をしていた。

 

 

普段ここまで勉強するタイプでは無いが何となく今の内に進めないと後日後悔しそうな予感がプンプンするので進めていた。

 

 

その時突如通信用魔方陣が展開される。……これ地味に使いにくいから個人的に好きじゃないのだが仕方がない。

 

 

それはともかく嫌な予感しかしないが通信にでると予想通りと言うか一誠の焦った声が聞こえてきた。

 

 

「剣吾!!助けてくれー!!磯野さんが!!」「待った!何が起こったか何となく分かった!分かったから聞きたくない!関わりたくない!」

 

 

そう言って拒絶するがそれを無視し一誠が詳細を話し始めた。

 

 

 

―――

 

 

 

事は十数分前に遡る。俺兵藤一誠は他の眷属共々部長に連れられ若手悪魔の会合にやってきた。

 

 

 

最後の身だしなみチェックと共に部長から平常心と無様な姿をさらさないよう忠告される。

 

 

 

その言葉に緊張して入り通路を進んですぐに部長が「サイラオーグ!」と集団の一人を見て話しかける。

 

 

 

こちらに気づくと近づいてきた。短い黒髪、紫色の瞳を持つ体格の良い野性的で俺たちに近い外見の男。

 

 

 

どことなく部長というかサーゼクス様に似ているような気がする。

 

 

 

「久しぶりだな、リアス。」と応える男性に対し部長が紹介する。

 

 

 

「皆紹介するわね。彼はサイラオーグ。私の母方の従兄よ。」「俺はサイラオーグ・バアル。バアル家の次期当主だ。」

 

 

 

バアルって魔王に次ぐ地位の『大王』の一族!俺でも知っているぞ!うわ、そんなすごい人なんだ。っていうかサーゼクスさんと部長って相当ハイブリッドな血筋のお方では?

 

 

 

今更ながら驚く俺を余所に部長とサイラオーグさんが話をしている。

 

 

 

「若いのは大分集まっているがグラシャラボラスがいつ他と揉めるか分からん状況だ。余りに下らなくでてきたわけだ。」

 

 

 

そう言った直後巨大な破砕音が聞こえてきた。

 

 

 

それを聞き「大方ゼファードル・グラシャラボラスがアスタロト、アガレスらに喧嘩を吹っ掛けたんだろう。」とため息を付きつつサイラオーグさんが自分の眷属を連れていくので部長と共に俺たちもその後を追った。

 

 

 

そして扉を開けた見た光景は俺の想像を超えていた。

 

 

 

まず眼鏡をかけた淡いグリーンがかった長いブロンドの美少女と緑色の髪をしているやさしげな雰囲気の美青年を中心にそれぞれの眷属と思える集団で固まっていたが顔を見えない者も含め全員青ざめた表情及び雰囲気をしている。

 

 

 

その視線の先を見るとそこには

 

「てめー!!よくも俺の酒を!!」と激怒してピアスだらけの顔や上半身に魔術的なタトゥーを入れ緑色の髪を逆毛にし如何にもヤンキーな見た目をしている男が血まみれでぐっだりしているがその首を片手で絞めながら持ち上げている。

 

そんなとんでもない事をしている人物の顔は思いっきり見覚えがあった。

 

「磯野さん!あんた何してんだ!」と俺は突っ込んだ。そう、この人は磯野敏博(いそのとしひろ)。留守番している義弟の剣吾の兄貴分的存在だ。

 

そして俺達オカルト部、生徒会メンバーの簡単な訓練をしてくれる教官的存在にしてアンギラスの巨獣器使いだ!ってこんなどうでもいい説明より

 

「何であんたここにいるんだ!!?」「今回の会合に相応しい料理を作るのに鈴が選ばれてな、その手伝い頼まれてきた。そしたらスタッフの女子にこいつが絡んできて止めようとしたら俺の酒を台無しにしやがったんだ!こいつ!」

 

「ゼファードル!?」俺と磯野さんの会話に部長が割り込み悲鳴を上げる!

 

「彼はゼファードル・グラシャラボラス。現魔王ファルビウム・アスモデウス様を輩出したグラシャラボラス家、その次期当主よ!」

 

つまり魔王様の血縁をボコったのかあんた!想像以上の事態に慌てた俺は剣吾に連絡した。

 

―――

 

剣吾は今目の前で映像を見ながら通信で「……ああ、やっぱりそんな事か。」と頭を抱えて言う。

 

「やっぱりって?」「磯兄と再会したから時々理愛さんとマイロンさんに時折連れまわさせて僕がいない間の事話していたけど予想通りの成長をしていたよ。」と苦々しい口調で話す。

 

「磯兄は小学生の頃から親の酒をくすねて飲むような悪ガキで大の酒好きなんだよ。だから酒を粗末にされたら尋常じゃなくキレるんだよ。

 

勿論、悪意が無い子供がひっくり返したり事故だったら落ち込むぐらいで済ませるけど喧嘩吹っ掛ける目的で粗末にされたらもう容赦なくボコボコにする。

 

理愛さんとマイロンさんの前では今の所命を奪ったり再起不能のレベルまでしたことないらしいけどそれ以前はどうだったか、かなり怪しいもんだ。僕と再会してから少なくても3回はそんな場面に遭遇したよ。」

 

何!?あの人そんなおっかないの!!?「怖いよ。」と俺の表情見て何が言いたいのか察したのか応える。

 

「正直将来はヤクザかマフィアか殺し屋だと思っていたからこれでも大分マシになっているよ。ま、真面な人生を送りたいなら関わらない方がいいタイプだね。」

 

「その割には普通に接しているな、お前……」

 

「……類は友を呼ぶというからねえ、一誠の義弟に磯兄の弟分だよ。一見まともに見えるけど僕も相当ズレた存在何だろうなあともう諦めているよ……」とどこか諦めた表情で遠い目をしながら言う。

 

つっこみたかったが今はそれどころじゃないと思っていた時だった!

 

サイラオーグさんが前に進み出て「その辺にしてもらおうか!いくらゼファードルが問題を犯したとはいえそれ以上やるなら俺が相手になるぞ?突然で悪いがこれは最終通告だ。」

 

「あん、何だてめーは!すっこんでろ!」次の瞬間遠くにいたはずのサイラオーグさんが一瞬で磯野さんの傍にいて顔面を殴り飛ばした!

 

その衝撃で思わずゼファードルを離したが数歩後退ったが踏みとどまり睨みつける磯野さん!

 

「……ってな、誰だ、てめー?」「俺はサイラオーグ・バアル。」

 

「サイラオーグ?どっかで聞いた名前だな?確かヴァ―リの奴が魔力を生まれつき持たず才能もないが鍛錬で新世代の悪魔で最強の存在になった男がいるって聞いたがてめーの事か?」

 

生まれつき魔力を持たない。それで同世代のライバルを追い抜き最強になるとは何て漢なんだ!

 

俺は思わず感動してしまった。「結構本気で殴ったのにまさか巨獣器を使わない段階でその程度しか効果が無いとは噂の通りの実力だな、”暴獣”磯野敏博。」

 

「その呼び名好きじゃねんだが。」と言う磯野さん。

 

”暴獣”磯野敏博 最初に聞いたときどこかで聞いた名前だと思ったが少し不良の道に入った人間からすれば半ば都市伝説になっている尋常じゃなく恐れられている人物だ。

 

その伝説は数知れず一人の100を超える暴走族を壊滅させた、単身でヤクザを叩きのめし結果的に組そのものを潰すなど本当に現実なのかって疑問視されるレベルの噂だったがどうやらマジらしい。

 

当の本人は最近までそう呼ばれていたことに気づいておらず結構嫌がっているが。

 

「バアルどっかで聞いた気がするが?」「魔王に次ぐ地位の『大王』の一族でござるよ。」と相変わらず間違った日本観丸出しの派手な忍者装束の格好をしているマイロンさんがいつの間にか俺たちの近くにいた。

 

「それは知っている。そうじゃなくて個人的にどっかで最近聞いた気がするんだよな?ってゆーかどこに行ってたんだ?お前ら?」

 

「少々野暮用でござるよ。新しい酒も用意したからこっちで飲みましょうぞ。」「ま、どうでもいっか。俺も気が済んだからこの辺にするか。」と言いマイロンさんと共にどこかへ行こうとする。

 

「しかし珍しいもんだ、魔力に頼らず強くなる悪魔とは。」と呟く。「そんなに珍しいか?」

 

「そりゃそうだろ。お前の方がよく知っているだろう。悪魔特に上級は生まれつきの才能、そして知識と経験で済ませるものが多いからな。ま、だから割と簡単に潰せるだがな。」

 

大したことないように話すと周囲の空気が変わった。

 

「……それはどうゆう意味だ?」「ああゆう才能に恵まれてそれに胡坐をかいている奴ら程それが通用しない事態では超簡単にメンタルが折れる。そこからは唯のサンドバックよ。ま、勿論例外もいるがな。」

 

そう言うともう興味なくしたのかマイロンさんと共にどこかへ行こうとする。

 

「待て!よくもゼファードルを!」とおそらくあのヤンキー、ゼファードルの眷属と思える男性が魔力攻撃が磯野さんに直撃した。

 

次の瞬間、眷属の顔面を拳がめり込みそのままの状態で床に叩きつけられた。頭を始め尋常じゃない血が大量に流れ出る……。

 

磯野さんは拳を引き抜きながら「俺としたことがまだ甘かったか。」と呟くとその眷属の足を掴み何の躊躇もなくへし折った!!

 

血塗れの顔面で思わず叫ぶ眷属だったが「うるせー!」と顎を踏み砕き嫌な音が響き渡る。

 

さらに続けようとするが止めるべく背後から殴ろうとしたサイラオーグさんの拳を肘打ちで止めながら聞いてきた。

 

「何のつもりだ?」「こっちのセリフだ!もう勝負はついた、なぜそこまでする。」サイラオーグさんが批判するが「甘い、甘いな。」

 

そうちょっと小馬鹿にしつつ磯野さんはこう応えた。「この手のタイプは徹底的にへし折たないと面倒な逆恨みでしつこいんだよな。そのせいで結局、チームや組とかの組織ごと潰すことになった事が何度もあるからな。」

 

「ちょっとあんた、そんな事してたの?」俺が思わず突っ込むが遠い目をしつつ「……俺も若かった。カツアゲしてきたチンピラを返り討ちにしたら次々兄貴分がでてきて面倒になったから一つ不良グループ潰したらその噂を聞いたら次々と挑んでくるようになってそれらを潰して今に至る。」

 

磯野さんはそうしみじみ呟いた。「なに良い話風に言っているんだ!?どこも感動する要素ないからね!」

 

「おお、いいツッコミだな。そういう訳でボコる。」とさらに痛みつけようとするが

 

「させんと言ったはずだが。」とサイラオーグさんが立ち塞がる。

 

少し黙っていたが「ま、お前にはちょっと興味わいてきたからいいぜ、相手してやるよ。」

 

そう言うと構える。「どういうつもりだ、巨獣器を使わずに俺と戦うつもりか?」そう、磯野さんは禁手(バランスブレイク)どころか通常の「暴竜の双針盾」(アンギラス・ショルダーガード)すら出さずに構えた。

 

その問いに「お前だって手足に力を制限する術式しているだろう?ま、喧嘩だから外せとは言わねえよ、だがそんな相手ならこっちもアンギラスの力を使わずに戦うさ。……安心しな。」

 

 

そう言い終わると否なサイラオーグさんの背後に一瞬で回り込み「こう見えてもアンギラスの力を使わなくもそれなりにできると自負しているつもりだが?」と言う。

 

それに対しサイラオーグさんは振り向きざまに殴りかかるが磯野さんは腕を掴むと投げ飛ばす!

 

だが、サイラオーグさんは素早く体を翻し地面に着地した瞬間距離を詰め繰り出したパンチを磯野さんは肘打ちで迎え撃つ!

 

しばし激しい打撃戦を繰り広げたが一瞬の隙をつき、サイラオーグさんの鋭い蹴りが磯野さんの腹部に突き刺さり壁まで飛ばされる!

 

だが、特に堪えた様子もなくあっさり立ち上がると「へえ~、やるじゃん!ヴァ―リと現ルシファーの息子ミリキャスぐらいしか若い世代では見所がないと思っていたが早計だったな。まだまだ今の世代も捨てたもんじゃないな!」

 

サラッととんでもない事を言う。「ちょっと、あんた俺達グレモリー眷属やシトリー眷属を指導しておきながら何言っているんですか!!」と俺は思わず突っ込んだ。

 

「将来性や知能はともかく現時点の戦闘能力ではかなり厳しいと思うぞ。」と悪びれる様子もなく本人がいる前で言い放つ。

 

「……力じゃ分が悪そうだな。じゃあ、折角だしちょっと面白い物を見せるとするか!」と言うと構えた。

 

すると激突音と共に今度は逆にサイラオーグさんが壁に叩き連れられた!

 

磯野さんがさっきまでサイラオーグさんがいた場所に拳を突き出した体勢をしている。その光景から察するからに先ほど同様一瞬で間合いを詰め殴り飛ばしたのだろうが全く見えなかった!

 

「い、いったい何をしたんですか?」そう聞く俺に対して磯野さんは

 

「高速移動したのは響転(ソニード)という歩行術だ。今攻撃したのは獣厳(ジュゴン)と言う拳を固め電光石火の速度で殴りつける技だ。」とあっさり教えてくれた。

 

え、そんな事できるの。「師範の実家は忍術を含む様々な格闘術を取り込みながら組み合わせていく流派でその結果超人的な力を身に付くでござるよ。」

 

「マイロン、うちの親父の話あんまり本気にしない方がいいぞ、どこまで本気何だか……。」マイロンさんの言葉に磯野さんが突っ込む。

 

「……貴方の強さの秘密はそれか?」「まあ、アンギラスが俺の力の全てでは無いというのは確かだな。」

 

サイラオーグさんの問いに応えた。「他にはこんなのがあるぞ。」と言うと超高速の蹴りを誰もいない場所に放つ。

 

次の瞬間壁に切り傷ができた!?その光景にびっくりしてしまった!!

 

「こいつは嵐脚(ランキャク)と言う。一言で言えば斬撃、衝撃波を飛ばす技だ。基本的に遠中距離に使う技で接近戦では使えない技だな。」と言う。

 

「これらは元々親父から教わったものに加え4年前、師匠から教わったものを組み合わせて完成した技だ。」「師匠?」「勝手に呼んでいるけどな。まあ人ではないが。」と応える磯野さん。

 

「あんたそれライザーの時余裕で勝てたんじゃないのか?」

 

「あれはあくまで巨獣器の力を見たがっていたからな。他の見せても仕方ないだろう。」と肩をすくめながら磯野さんはこう続けた。

 

「お前、全力で戦うって言ってからって空手の試合でマシンガンぶっぱつ奴いるか?それに何で俺が一々手札を全て使わなきゃいけないんだ?そこまで親切な奴にみるか?」と応え

 

「そんな事はいいから続けるか?」と獰猛な笑みを浮かべる磯野さん!それに対しサイラオーグさんも不敵な笑みを浮かべ、再度ぶつかり合う。

 

サイラオーグさんと磯野さんどちらも素手で戦う近接打撃格闘戦を得意としている。だが、戦闘方法はこうしてみると結構違う。

 

サイラオーグさんの体術は典型的な剛で愚直なまでに真っ直ぐで力強いものだ。

 

一方磯野さんは違う!パッと見ただけでも複数の異なる格闘術をマスターしていて変幻自在。剛柔併せ持ち繊細な技も使うかと思ったら技も何もない喧嘩スタイルの攻撃など多種多様で本当に同じ人間と戦っているのか疑ってしまうほど多彩な攻撃をしてくる。

 

ここまでは互角。いや、サイラオーグさんの方が若干押しているか?

 

サイラオーグさんの右正拳突きをした瞬間磯野さんが左手のひらを前に突き出しと同時に右足を一歩後ろにひき踏みとどめた。同時に当たったが大きく吹っ飛んだのはサイラオーグさんの方だった。

 

ただ手を突き出した磯野さんよりどう見てもサイラオーグさんの方が威力あったはずなのに何で?

 

「すごいわ~ね。彼、あそこまでパンチの力強いんだ~。」と場違いな能天気な声が上から聞こえていた。

 

視線を上にすると翼竜の翼をしたパーピィと言うのが一番近いのだろう。両腕に翼型の飛行ユニットを装着し空を飛ぶチャイナドレスを着た女性が舞い降りた。「鈴さん!」この女性は花沢鈴(はなざわりん)。

 

ラドンの巨獣器使いで今戦っているアンギラスの巨獣器使い磯野さんの婚約者だ。「私もいるわよ。」と話しながら鈴さんの背中に乗っていた人物が下りてきた。

 

見た目は小学生くらいの子猫ちゃんより幼い容姿をしているが実は磯野さんと同い年である女性。バラゴンの巨獣器使いである佐々木理愛(ささきりえ)さん。

 

「鈴さんあんた等どこにいたんですか?」

 

「厨房で料理作っていてマイロンさんと理恵姉は色々手伝いしていたよ。ダーリンは荷物運びをしたら暇だから酒飲んでいたわ。そしたら家の従業員にあのヤンキーが絡んできたからそれを止めようとしたら今に至るという訳よ。」

 

「いや、止めてよ!!」「ダーリンは家の子たちを助けたのよ。褒めこそすれ責める理由は無いよ。」と言い「それよりも今の技何なのか説明しようか?」と言い教えてくれた。

 

「今のは退歩掌破(たいほしょうは)って言うの。一前に突き出した腕と反対の足を引き地面につっかい棒のようについて固定することで体を一直線にするの。

 

そしたら相手はまるで地面に固定された柱に自ら突っ込んだ事に等しく相手の勢いが強ければ強いほど威力が高くなり吹き飛ばす俗にいうカウンター技よ。タイミングが難しいけど正確にやれば今みたいに絶大な効果がある奥義の一つよ。」と説明する。

 

「……なるほどな。これが噂に名高い”暴獣”磯野の力、見せてもらったよ。」「……予想していたけど頑丈だね~。」「だが、俺もバアルの男として負けるわけにはいかない。」

 

「?何でバアルの名前が関係あるんだ?」「お前に4年前、バアル家の者が敗れた。勝手ながらそのリベンジさせてもらうぞ。」そう聞いた瞬間磯野さんが必死に考えながら

 

「そんなことあったけ?」「「「いや、そん時いなかったから知らないから!!!」」」と鈴さん、マイロンさん、理恵さんのツッコミはその場にいた全員の感想だった。

 

「記憶にないの?」「これっぽっちも」俺の疑問に即答する磯野さん。

 

「そもそも戦った相手なんていくらでもいるからなあ。俺が負けたり苦戦した奴以外は基本記憶から消している。悪いね、記憶容量が少ないからどうでもいいものはどんどん削除しているんだ。」

 

「ふふふ、……まさかここまで相手にされていないとは正直思ってもいなかったよ。次期当主として否、男としてその態度が気に食わん。」

 

「……今初めて会う奴に嫌われても特に何も思わんけどな。」といい双方構えなおし緊迫した空気がながれ緊張していく。

 

再びぶつかると思った瞬間「はい、そこまで!」というのんびりした言葉と共に磯野さんが炎を浴びせられる!「磯兄何しているの?」

 

そう言いながら剣吾が歩いてきた。「お前やっと来たか!どこにいたんだよ!」

 

「転移されたのはいいだけど場所がわからず迷子になっていた。」俺の言葉にそう返す剣吾。

 

「鈴姐さん、ダメだよ。あなたがしっかりこの人の手綱を引いておかないと。トラブルしか起こさないんだから。」と鈴さんに注意する剣吾。

 

「おい、俺は無視か。」「どうせ平気でしょ。はい、皆撤収するよ。大事な会談があるんだからこれ以上邪魔しないように」と手を叩きながら言う。

 

「待て!俺はそいつと……。」「貴方たちバアルと磯兄の間にどんな因縁があるか知りませんが今は会談を優先したほうがいいと思いますよ。」その言葉にサイラオーグさん始めその場にいた若手悪魔が沈黙した。

 

「ま、このトラブルメーカーは責任もって退場させるから今日はこの辺で。」「じゃあ、これからお前も俺たちと飲みに付き合え。」その言葉を聞いた瞬間固まる剣吾。

 

「……未成年何で遠慮します!」と言うなりダッシュするが「壊風!!」と鈴さんが叫び両腕の翼から飛ぶ斬撃俗に言うカマイタチを放ち剣吾の首に命中する!!

 

「鈴姐さん!!ツッコミに斬撃は酷くない!?しかも首!?基本即死の部分だからそこ!!」

 

「ダーリンがこの程度なら大丈夫だって言うから」「磯兄、殺す気か!?」「そんな事より朝までコースに連行だ。よし皆行くぞ!」

 

それに鈴さんの従業員も含め歓喜の声に混じり剣吾の悲鳴が聞こえながら去っていくのをしばし呆然とその背中を見送った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




サトシ君遂に卒業かあ。寂しくなります。

書くかどうか分かりませんが4年前に現バアル当主と磯野は一度ぶつかり合い磯野の圧勝で終えました。この時サイラオーグや彼の母に対しどういう仕打ちをしたのか嘲りながら話した事にキレ徹底的に痛めつけ現当主からは憎悪と恐怖を抱かせました。

因みに磯野にとって余りに小物だったので完全に記憶から消えています。

サイラオーグとは単純な殴り合いなら彼の方が上だが磯野は割と器用な方なのでアンギラスを込みでお互い全力でやると少なくても獅子王の剛皮を使わないとサイラオーグに勝ち目はありません。

壊風 作中では翼だったが「大翼竜の剣」(ラドン・ソード)でも使用可能。カマイタチを放つ。名前はone-pieceに登場するカイドウの壊風、実際の技はキングの刃裏双皇(バリゾウドン)に近いものだと思ってください

当初鈴をここで活躍させようと思ったのですが書いているうちに出番消えたので残念です。見通しの甘さを痛感しました。

最後に剣吾が嫌がるのは酔っ払いの後始末させられるのが面倒だからです。

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