ゴジラアカデミー賞おめでとうございます!!ガンダムSEEDの劇場版も盛り上がっていますし個人的に見たい映画が複数春に公開されるので楽しみです。
「失態ですね。悪魔だけでなく我々全員まんまと出し抜かれましたね……。」魔王領にある会議室で、堕天使副総督であるシェムハザは開口一番にこう言った。
隣にいる俺アザゼルもその言葉に同調した。これがもし冥界指名手配中のSS級はぐれ悪魔である子猫の姉黒歌がパーティーに潜入した。
それだけだったら悪魔の警戒体制が悪いとシェムザの小言とセラムの不満だけで済んだかもしれない……。
いやそれだって不味いが俺がカジノに夢中だったのもありそこまで追求する資格がないのもあるのだが。
今回一誠が禁手(バランス・ブレイク)に至り全員無事だった。それでお釣りがくる出来事でそれだけなら喜ばしいことだった。問題はその後だ。
デスギドラの襲来及び各勢力の上訴部がまとめて隔離された!!
伊藤歌織の活躍でデスギドラを封じることができたから無事解決したものの俺達は結界を解除することも破る事もできず自然に消滅するのを待つことしかできなかった。
「総督、無事ですか?」「博士、ああ全員無事だ」と俺の元に駆け寄ってきた滝川義人と言葉を交わす。
「総督たちを封じた結界、あれは果たしてX星人のものなのか、それとも」
「俺達の世界具体的には悪魔などの超常かあるいは神器(セイクリッド・ギア)とかではないか。それについてはっきりしていないがもし神器だとしたらおそらく神滅具(ロンギヌス)だ。確証はないがもし今俺の頭にあるものが禍の団に組しているなら最悪だな」と深刻な声で俺が応える。
頼むから杞憂であってくれと思案していると頭には古ぼけた帽子を被った床につきそうなぐらい長い白ひげが印象に残る一人の老人が室内に入ってくる。
「若造どもが、老人の出迎えもせずに何を落ち込んでいるじゃ?」と床に届きそうなほど長い白ひげと魔法使いを思わせる古ぼけた帽子と質素なローブに長い杖を身につけている。
何よりも隻眼の目が目立つ。おいおい、こいつは……。
「ま、まさか貴方様は北欧神話の主神オーディンさまですか!?初めまして、自分は滝川義人と申します。現在は世界防衛軍の技術顧問におります。本日はわざわざお越しいただき誠にありがとうございます」
博士は緊張混じりながらも真っ先に対応した。
「ほう、お主か。怪獣どもがいた世界の記憶持ち転生した者とは。そこにいる父なる神や魔王を失った負け犬の小童どもと違い礼儀もある。実にいい。もし不満があったら儂が面倒みるぞ?」
「おい、博士に目をつけてるじゃねえよ、田舎じじい!」
「久しいな、悪ガキ堕天使。長いこと敵対していた相手と仲良くやっておるようじゃが……また小賢しいことでも考えているのか?いや単に例の宇宙人どもにバラバラじゃ勝てんから手を組まざる得ないだけか」
「やかましいわ、田舎じじい!!しきたりやらで雁字搦めの古臭い田舎の神様とは違って俺たちは独り立ちした若人はわずらわしい敵対関係よりも自分たちの発展向上を選択できる柔軟性があるんだよ!!」
「悪ガキどものお遊戯会にしか見えんでな。笑うつもりだったが思った以上に惨めで笑う気にもなれん」
互いに悪態つくと「まあ、その辺りにしてください。オーディン様、今ルシファー様が来られましたので是非ご挨拶をお願いします」
「すまないね、滝川君。代わりに対応してくれてありがとう。お久しゅうございます、北欧神話の主神オーディン殿」
「サーゼクスか。ゲーム観戦の招待、来てやったぞい。しかし、おぬしも難儀よな。監獄に封印された奴を除き本来のルシファー最後の血族がテロリストでしかも白竜皇とは。悪魔の未来は前途多難じゃの」
オーディンは皮肉を言うがサーゼクスは苦笑するにとどめた。
「時にセラフォルー、その恰好はなんじゃ?」といやらしい視線でセラフォルーを見る。
「あら、オーディン様はご存じないの?これは魔法少女の格好ですわよ☆」とお気に入りのコスプレすなわち魔法少女の格好でオーディン相手にいつものポーズをとる。
「ほう、最近の魔女はこんな格好なのか?ふむ露出がありこちらの方がいいな。こればかりは認めざるを得ないかの」
そういいつつ先ほどからセラフォルーを食い入るように見つめる。完全にただのスケベ爺だな。
するとおそらく連れと思われる銀髪のヴァルキリーがこちらに駆けつけてきた。
「オーディン様!勝手に行かないでください!人が目を離した隙に行くんだから!ヴァルハラの恥ですから卑猥なことやめてください!!」
「まったく、お前は堅いのう。そんなんだから勇者(エインヘリヤル)を一人もものにできんのじゃ。」
「ど、どうせ私は彼氏いない歴=年齢のヴァルキリーですよ!私だって彼氏欲しいのにぃ!うぅ!!」
その一言に銀髪のヴァルキリーは泣きだした。
「すまんなあ。こやつ、器量はいいが堅くての。そのおかげで男ができん」
「そうですか?素敵な女性なのに見る目がないですね、その男性たちは」俺がヴァルハラの人選に疑問していると意外にもフォローしたのは博士だった。
「何だ、博士惚れたのか?」「……残念ながら彼女のパートナーは私ではないよ。だが間違いなく今年中に出会い来年にはお互いに認める関係になるだろう。私を信じてごらん」
落ち着いた声で確信したことをいう博士に全員が注目した。博士の勘はよく当たる。まるで未来が見えるみたいに。恋愛にはあまり口を出さない彼がこんなことを言うのに正直驚いている。
……いや、学校に通っていたころは生徒や教師を始め様々な悩みを聞いていたと聞く。その中には恋愛相談もあるだろうから案外向いているのかもしれない。
そう思いながらヴァルキリーを慰めるのは博士に任せオーディンがゲームの話をすることで話題はシトリーVSグレモリーのゲームに変わった。
そして思い出したようにオーディンが言った。「そうそう、例の怪獣王を宿した小僧、モスラの巫女は参加せんらしいがどうしたんじゃ?」
「ああ、あいつらなら……」俺が下の窓に指を指すと
「ぎゃああ!!もっと優しく!!」そこには情けない悲鳴を上げつつ重度の筋肉痛で体を動かす事ができず成す術無くマッサージを受けているのは中島剣吾。
マッサージは磯野敏博含めた巨獣器三人組、いや奴の婚約者である花沢鈴さんも含め巨獣器4人組からのほぼ拷問と言っていい秘伝らしいマッサージを受けていた。
「うわ、これ凄いね。体ガッチガチ!一般人ならハンマーでもコリ取れないじゃない?」と鈴が言いつつ針を突き刺す!
再び悲鳴を上げる剣吾。あそこ結構危ない位置だが大丈夫なのか?「うっさい!!」
磯野が大槌モードの「暴竜の戦槌」 (アンギラス・ハンマー)で頭部を殴り気絶させようとするが
「何すんの!?磯兄!!」「……頑丈だな、気を失わせようとしたのだが」そう言いつつ何度も殴りつけ気絶させようとするが完全に拷問なだけで最後まで気絶することが無かった。
「よし、終わりだ」と磯兄は言うが剣吾は完全に魂が抜けているらしく反応が欠片も無かった。
「……大丈夫ですか?剣吾さん」伊藤歌織の呼び声に剣吾はゆっくり体を起こしながら聞いた。
「伊藤さん……体は大丈夫?っていうかいつからそこに?」「たった今ですよ。体はもう大丈夫ですよ。念の為に検査してもらっただけなので」
「そう、よかった。僕の方は無茶をした結果全身筋肉痛で苦しんでいます。特に非対称性透過シールド?でしたっけ?一誠が黄循呼んだ光の障壁あれすんごい疲れる上全身の筋肉が硬くなってしまうみたい。もうやりたくないですね……」
「しかし、よく頑張ったな!すまんな、気づくのが遅れて手助けできなかった」「仕方ありませんよ。フェニックスの方に行ってたそうじゃないですか?」謝る磯野に歌織が応える。
「……そういえば一誠達の試合いつやるんだろうね?磯兄達は主にシトリー眷属を鍛えていたみたいじゃない?」「そうだぞ」
「剣吾さんはどっちが勝つと思いますか?」「う~ん、お互いに大した怪我しなければ僕にはあんまり関係ないかな?」
「お前相変わらずだな……」「生死とかに関係しない試合はただ見守るだけだよ。そもそも」
剣吾は何かを言いかけたが「何でもない」と言う。
何か察するものがあったのかその場にいた全員がそこに触れず話を進めた。「歌織はどうだ?」
「私はグレモリー眷属と行動することが多いので中立ですがどちらかと言えばグレモリー眷属ですね。一誠さんが禁手できるようになりましたし」
「それはどうかな?磯兄が鍛えたんでしょ?じゃあ勝てたとしても相当ボロボロになっていると思うよ」
「意外ですね……貴方は一誠さん達がいるグレモリー眷属を応援していると思っていましたが?」
「応援はするけどそれは実際に勝てるかどうかは別問題。こっちが強くなったのに向こうがそれ以上に成長している可能性があるってだけだよ。それに」
「それに?」「グレモリー眷属とシトリー眷属どっちが勝つか分からないけど僕の勘が当たっていたら一誠に関しては禁手に成功したらおそらく負けるだろうね」
「あれがゴジラを宿した小僧か。一見気弱そうで戦いに不向きだと思っとたがそうでもないみたいじゃな」様子を見ていたオーディンが口を開いた。
「ああ、あいつの恐ろしい所は普段人がいい反面時折シビアな面を見せるんだよ。こっちが引くレベル程冷静にな」と俺が応えると
「それに加えお前に見せてもらったコカビエル、ダガーラそして今回のデスギドラ戦での爆発力。最弱の適合者だと言われていたが実は歴代で最も恐ろしいのは奴かもしれんな」
「ゴジラに精神を乗っ取られなかったのはあいつの闘争心が足りていない、サーゼクスが言うのは優しさだと言っていたがそれだけじゃないかもな」とオーディンの言葉に俺は応えた
「アザゼル、剣吾君の言葉どう思う?」「あいつも薄々感じているのかもしれないな。一誠こそがチームのテンションを維持しているってな」サーゼクスの問いに応えつつ
「一番の問題は一誠が倒れた時あいつらの気力が落ちるか上がるかだな。こうなると剣吾や歌織がいないのが辛いな。それにシトリーにはあれがあるしな。それについては前日話すさ」
「それよりお前はいいのか?付いていなくて?今回のは事が事だ。他の魔王に任せてもいいじゃないか?」
「そうしたいが既に妻が職務を休みミリキャスといる。私が行ったら追い返されるだろうさ。それでも行くだけいくがね」「そうか、もし休んだら俺がやってもいいから安心しな」そう言いつつ他の参加者も交えゲームについて話し合った。
決勝前夜俺兵藤一誠がいるグレモリー眷属はアザゼル先生の部屋に集まり最後のミーティングをしている。剣吾と伊藤さんはいない。
あの後部長と子猫ちゃんを含めた全員の体調が全員回復したの確認すると作戦とか喋るかもしれないから余計な情報は知らない方が良いという事で試合直前に声かけるまで別行動している。
「シトリー眷属は『王』(キング)、『女王』(クイーン)、『戦車』(ルーク)、『騎士』(ナイト)がそれぞれ一名。『僧侶』(ビショップ)、『兵士』(ポーン)それぞれ二名で私たちと同じ人数はこちらと同じ八名ですね」
朱乃さんがそう言うと「お前たちに教えて置くことがある。シトリー眷属の一部に人工神器(じんこうセイクリッド・ギア)を投入している。」「人工神器?」
聞き覚えが無い単語を聞き俺の勉強不足かと思ったが他の皆も疑問になる。
「俺達『神の子を見張る者(グリゴリ)』が長年神器を研究し開発された神器の模倣品だ。博士の協力もあり試作品が完成しその適合者として選ばれたのがシトリー眷属だ」アザゼル先生が俺達の疑問に応えた。
「何で俺達には無いんですか?」
「もうお前たちは神器がある、無い者も自分のスタイルを確立していたからな。ゲームが決定以前からソーナの眷属が適任と話していて採用した直後にこの流れになってな。直前まで黙っていた。どんなものかは実際に戦ってからのお楽しみだ!」
『神の子を見張る者(グリゴリ)』の技術で作られた人工神器……どんなものかと俺達が考えていると
「実戦では何の情報もない状態で戦うことの方が多い。これも修行だ」
簡単にプレイヤーのタイプを説明してくれた。単純な力で押す名は体を表すパワー、スピードや技で秀でたテクニック、魔力に秀でたウィザード、味方を支援するサポートに分けられる。
さらにこれら複数の要素を合わせ持つケースも多い。例えば俺はサポートもできるパワータイプの様にな。
「現段階での前評判ではお前達の勝ちに80%と俺も含め予想している。だが、それは『絶対』じゃない!駒の価値も実際のチェスと同様いくらでも変わる。ルールで力発揮できず負ける例なんて腐るだけある」とアザゼル先生が言い
「俺は長く生きてきた分いろんな戦いを見てきた。だから分かるんだよ。勝つ可能性が1%以下のヤツが勝利した奴らを覚えている。どんなに小さな可能性も甘く見るな。約束された勝利はない。だが、勝ちたいと思え。分かっていると思うがシトリー眷属の覚悟絶対に侮るなよ!俺から言える最後のアドバイスだ」
そう言うと先生はやる事があるので出ていったが俺達は明日の戦術を話し合った。
※
レーティング・ゲーム決戦当日。
僕中島剣吾は伊藤さんや磯兄始め他の巨獣器と共に一足早く会場入りしている。
皆はグレモリー家本城の地下にあるゲーム会場に転送されるための専用魔方陣でそのまま決戦場に直接転移されるからグレモリー家で応援するのは辞めた。
メッセージはアザゼル先生に伝言お願いしたからいいだろう。
「でも本当に最後に会わなくて良かったのですか?」伊藤さんの問いに
「まあ余計な事言うかもだし実際の試合を見たいからね」
因みにグレモリー眷属はそれぞれの戦闘服として制服を選んだがアーちゃんはシスター服にゼノヴィアさんは教会戦士時代のボンテージぽい戦闘服を選ぶとの事だ。
個人的にはどうせならヒーローやゲームとかにでてきそうな格好にして欲しかったけどなあ。
「それより僕が気になるのはミー君だよ。サーゼクスさん、グレイフィアさんの話ではあの時の事で随分苦しんでいるそうだし」
幸い怪我無いとはいえあんなことあったのならそりゃあおっかない目にあったら相当のトラウマだろう。
「そっちも心配なの分かるけど今はこのゲームに集中しようぜ!どうせここで言ってもどうにもならないだろうしな」と磯兄が言う。
「客観的に見れば一誠さんが禁手できた今グレモリー陣営の方が有利でしょうね」
「それはどうかな?磯兄達が生徒会鍛えたんでしょ?なら多分禁手していると思って訓練しいると思うよ?試合展開にもよるけどおそらく匙君が一誠に対抗するつもりじゃないかなあ?」
「ほう、よく分かったな?」「っていうか磯兄がほぼ匙君に専念したんじゃない?」「何でそう思う?」
「そりゃあの二人は似ているからねえ。龍の力を持つ神器も持っている……おそらく両方ともそう遠くない未来それぞれの陣営で最強戦力になるだろうね」
僕がその評価に皆がちょっと驚いた表情をしている。
「鈴姐さん、マイロンさん、佐々木さんは昨日聞いた人工神器を持っている人を中心に鍛えたのかな?」
「何でそう思うの?」「単純な話。人工神器なんてどんなものかよくわからないけど磯兄が絶対面倒くさそうなもの教えるイメージが無かったからだよ。」
「おお、ほぼ正解ね。正確には人工神器はマイロン兄と理恵が担当して残りを私が担当したね」と鈴姐さんが教えた。
「俺たちは教えたからシトリー眷属の方を今回は応援させてもらうぜ。夢を否定された同情もあるしな」
「まあ、僕も身内だからオカルト部を応援するけどただ」「ただ?」と理恵さんが聞き返すと
「ルールや場所、展開次第いくらでも変わるからどっちか勝つかなんて全然想像つかないけど僕が言える事はこれぐらいかな?」「何デスカ?」マイロンさんの問いに
「一誠がもし禁手に成功したら多分一誠はどこかで負けるだろうね」と応えた。
理由を聞く前に会場の雰囲気が変わり映像が映し出されたので会話を中止した。
「皆様、初めまして。私は滝川義人。現在世界防衛軍の開発部門に所属しています。
ルシファー様より本来務めるはずだった『女王』グレイフィア様が諸事情により欠席されたので代役として今回のグレモリー家、シトリー家のレーティングゲーム審判を務めることになりました。
これは両者と同じ学校に通い親交があったのもあったというのも大きな理由かつ悪魔陣営に関わりが薄い方が公平な判断できると頼まれこれを機に他勢力との交流になればと思いお受けしました。何卒よろしくお願いいたします」
まさかの滝川さん登場に会場は騒然とし生徒会、オカルト部双方とも驚いていたが理由を聞き納得しているようですぐに収まった。グレイフィアさんというよりミー君の問題だろう。
今回ばかりはサーゼクスさんもミー君の傍にいるとしてこの場におらず代わりにベルゼブブが対応していると説明してくれた。
「今回のバトルフィールドは私も在籍していた駒王学園近辺のデパートを舞台にしました。これは両チームが見慣れた場所で互いに熟知したこのフィールドをどう生かすかが鍵です」とバトルフィールドであるデパートを映しながら説明を続ける。
「今回のゲームは屋内における短期戦(ブリッツ)になります。制限時間は三時間!時間過ぎても決着がつかない場合残っているメンバーの数が多い方を勝者とします。今回屋内ということで過度な破壊は危険と運営が判断したので禁止にしました。
陣地に関してはグレモリーチームは東側一階、シトリーチームは西側二階が本陣となります。昇格プロモーションは相手陣地に到達したときに認められます。細かい禁止事項は両チーム及び会場の皆様に資料で説明させて頂きます。では30分後にゲーム開始します!」
その言葉が終わると会場のスクリーンに細かいルールが映し出された。大雑把にまとめたものもご丁寧に書かれておりギャスパー君の神器は不安定だから禁止。ドーピングアイテムも禁止。
「これは負けたかな?」と僕が言うと「諦めるの早くないデスカ?」とマイロンさんに突っ込まれる。
「だって長所を封じられたんでしょ?それに人工神器の件もあるし、何よりリアス部長も生徒会長も頭いいけどこっちは火力特化の傾向が見られるけど向こうは応用が利きそうな気がするだよね」
「……貴方って見て内容でこうゆう勘は当たるのようね?どういう事かしら?」
「そいつは自分に無関係な事に対しては結構観察力が鋭いんだよ?自分が関わる事に関しては色々な願望とか混じって当たらないという役に立つんだか立たないんだか分からない特技でもある」理恵さんの問いに磯兄が応えた。
「力=強さでなく強さ=勝利じゃないと昔散々磯兄やおじさんから教わったからね。それらはあくまで有利になるだけだ。このゲームもチェス同様格下が格上に勝つなんて幾らでもあるらしいしね。僕としては正直今回このルールでよかったと思うよ」「何でなの?」鈴姐さんの問いに
「所詮これはゲーム。負けたら悔しいだけだからね。実戦でも今回みたいな屋内戦を始め周囲を巻き込むような大規模攻撃ができないことなんておそらく今後幾らでもでてくるでしょう。そのいい練習に丁度いいからですよ。」
「前から思っていましたけど貴方はX星人、禍の団(カオス・ブリゲード)との戦いに集中しゲームを軽視する傾向がありますね」
「そりゃ実際に死ぬわけじゃない、幾らでもやり直しがきくなら寧ろそう簡単に勝てない方がいい。プロになる前だったら苦戦していた方は今後の為になると思う」
そんな話をしていると一時的に両チームの様子が映し出された。それぞれ試合の為に相手の陣地に移動していたり逆に守りを固めるために動いていた。
一誠は何をしているのかと思って探してみると見つけた瞬間僕たち全員の目が点になった。
このゲームは彼らにとって大事なゲームのはずだ。だというのあの馬鹿はエロ本読んでやがる!おい、色んな人が見ているんだぞ!あのアホ!!
「あいつ、本当に何してるんだよ……よくあれで説教できたもんだ」と以前二人だけで話したことを思い出し呆れつつもま、一誠らしいか。あの平常心なら大丈夫だろうと思っていると。
ガタ!!うん?隣で勢いよく伊藤さんが立ち上がる音を聞きそっちに目を向けると
うわ~おっかない……めっちゃキレてる。「い、伊藤さん、お、落ち着いて。あの馬鹿血祭りにあげるのは終わってからでも遅くないですから!」
びびりながら止めると「「そうですよ、歌織!!冷静になりなさい。折角のゲームを台無しにするつもりですか!」」とコスモスさんもフェアリーに乗ってきて伊藤さんを止める!た、助かった!
保護者がいればどうにかなる。流石の伊藤さんもコスモスさんには頭が上がらず「わかりました……」と渋々ながらも矛を収めた。
ああ、良かった。これで伊藤さん止めるために戦うなんて冗談じゃないと胸をなでおろす僕だったが……この時の懸念が現実になるとはこの時の僕は想像もしていませんでした……。
一誠の方に視線を移すといつの間にか朱乃さんと子猫ちゃんが近くにいた。
何をしているのかこの角度からではよく見えず音も開始前は聞こえない設定だから一切分からないが何かを話していたようだと思っていたら映像が消えた。
後はゲーム本番まで映し出されることはない。一体何してんだろう。仮に映像や音声がはっきりしても僕達はそれどころじゃなかったから知ることはなかっただろうけどと思っていたらゲームが開始された。
そして各チームそれぞれの映像が映し出される。すると映像に何かが飛んでいるのが見えた。
グレモリーチームからは蝙蝠、使い魔が使用できないからあれはギャスパー君が変化したものだろう。
色々探しているみたいだが妙なものがあった。な、なにあれ?宙に浮かんでいる不気味な複数の仮面!?
え、お化け!?やめてよ、怖い!!「剣吾さん散々悪魔とか魔物に出会ったのに今更ビビりますか?」
「強い弱いじゃなくて怖いもんは怖い!悪かったね情けなくて!」
「いやお前の場合最初はビビるけど明確に危害が加えてきたり他の誰かが襲われたら何の躊躇なく叩きのめすだろよ。そもそもあれはお化けじゃないぞ」と磯兄が僕と伊藤さんの会話に加わる……って?
「知ってるの?あの仮面!!」
「ああ、あれは『僧侶』草下 憐耶が持つ人工神器『怪人達の仮面舞踏会』(スカウティング・ペルソナ)だな。索敵と防御に特化していて今みたいな偵察に重宝しているぞ」
「へえ、これが人工神器か」初めて見たので興味深そうに見ていたが気づく?
「うん?でもなんか変に場所が偏ってないか?もっと拡散できるでしょ?できないわけじゃないよね?」
明らかに一部の部分に集結し他は最低限の配置になっている。それも壊されているし?
ギャスパー君も怪しいと思って蝙蝠を集中させる?そこには生徒会長と『僧侶』二人がいた。どうやらここが生徒会の本陣か?食べ物がたくさんあるから食品売り場かな?
……うん?食品売り場、ギャスパー君。何か引っかかるな?
ギャスパー君、悪魔に転生したヴァンパイアと人間のハーフ……ヴァンパイアは吸血鬼。
吸血鬼といえば血を吸う。まあ、ギャスパー君は血を吸うの嫌だけど。お日様が嫌いでニンニクと聖剣で無理やりマラソンさせられて可哀そうだったなあ……。
うん、ニンニク?まさか!!大量に集まった蝙蝠に生徒会長がニンニクをぶつけた!!大量の蝙蝠が集まると本体に変わる。つまり!!
「う、う~んに、ニンニク……」「ギャ、ギャスパー君!!」聞こえていないはずだろうが周囲の迷惑になるであろう大声を上げてしまった!
運もあるだろうが弱点のニンニクをやられたらどうしようもない。今回は運が無かった。僕はそう思ったがギャスパー君はそれでも立ち上がり
「ま、まだ負けません。グ、グレモリー眷属として何もなさないまま退場しません!!」と言い震えながらも魔力を放つ!!
だが、「会長には指一本触れさせません!!」と青い結果が三人を包み攻撃を防いだ!何あれ!?
「今のは黒髪で腕輪をしている奴いるだろ?あいつは花戒 桃。『僧侶』でつけている腕輪は人工神器『刹那の絶園』(アブローズ・ウォール)っていう。効果は今見ているように広範囲に堅牢な防御結界を一瞬で展開できる代物だ」
なるほど、便利だな。感心していると『怪人達の仮面舞踏会』の大量の仮面がニンニクをつけてギャスパー君にぶつかり倒れた。
「……皆さん、ごめんなさい」そう言い残しギャスパー君は光に包まれリタイアした。
ギャスパー君、よく頑張った!!しかしあれが人工神器か。どっちも恐るべき性能だな。あのおさげの子が草下 憐耶さんなんだろうな。
ギャスパー君を倒した生徒会長を含めた三人は場所を移動する。最初からギャスパー君を追い詰める為にあそこに罠を張っただけで本来の拠点はやはり別なんだろう。
他にも目を移すと立体駐車場でゼノヴィアさんと木場君の前にまた三人対峙していた。どうやら完全読まれていたみたいだね。
生徒会サイドは副会長の他に二人いる。副会長は長刀を持っており他にも日本刀を持っている女性がいる。一人は素手だが長身でボーイッシュな雰囲気をしている。
しかし木場君はともかくゼノヴィアさんはデュランダルを事実上使用不可の状態でどうするのかと思っていたが手にした剣を見て僕達を含む観客も生徒会も驚く!
「アスカロン!?」と刀を持った女性の驚きは僕達の心を表しているようだ。あれ、外せるのか!?
「アザゼルのおっさんが言うにはゼノヴィアに聖剣の特性があるから試してみたとの事だ。今のアスカロンは本来の龍殺し(ドラゴンスレイヤー)に加え赤龍帝の力も併せ持ち使い勝手がいい剣だな」
「ああ、なるほど。だから磯兄に声を掛けたんだ。もしかして生徒会が持っている長刀と日本刀も磯兄が用意したの?」
「いや、あれはあいつらが元々持っていたもんだ。まあ研ぐぐらいはしたけどな」
磯兄と僕が話していると伊藤さんが口を挟んだ。「あの、何で磯野さんに教えたんですか?」
「そりゃ磯兄はプロだからねえ」「プロとは?」「……ああ、そういえば話してなかったけ?磯兄は刃物職人にして刀匠なんだよ。他にも宮大工や国境なき大工にも所属しているだよ?」
「そう何ですか!?初耳です!」「一々教えてないからな。頼まれたら研いだり作ったりする程度の気まぐれにやっているからな。本名じゃないし」
「何て名前でやっているんですか?」「星坊(せいぼう)って呼ばれているな」「せ、星坊ってあの刀匠星坊ですか!?」「あのかどうか分らんが多分そうだな?」
「今話題な刀匠じゃないですか!?包丁としても凄いブランドになっていますが正体不明な人物だったのにまさかの磯野さんだったんですか」
「ま、所詮副業だからな。超常の世界の武器も作ったり研いだり修理したりしている」
「だから磯野さんの武器はハンマー何ですか!!」「多分そうだろうな、武器も色々扱っていたが何かを作るために金槌使っているときの方が多かったからからな」と伊藤さんと磯兄が話している。
盛り上がっているなあと思いつつ一誠はどこだって探しているとターザンみたいにラインをロープ代わりに天井からそのまま匙君が膝蹴りを一誠に当てる場面だった!
辛うじて一誠は『赤龍帝の籠手』で防いだがダメージは大きいだろう。さらに援護しようとした子猫ちゃんに向かって高速移動しながら蹴りを放つツインテールの女性。
「あいつは仁村 留流子。匙と同じ『兵士』(ポーン)だ。足にある脚甲は人工神器だ。見ての通り高速移動とその脚力が武器だ。玉兎と嫦娥(プロセラルム・ファントム)と呼ばれるものだ」
凄いスピード!それに子猫ちゃんに躱された蹴りが壁に当たったがあの破壊力!少なくても匙君、一誠より威力がありそうだ。下手したら子猫ちゃんでも危ないんじゃないか!?
おいおいこれは思った以上に厄介だな。これじゃあ仮に全力で戦えても勝てたかちょっと怪しいもんだな。
そう思いながら子猫ちゃんと仁村さんの戦いを見ていると遂に仁村さんの蹴りが子猫ちゃんの腹に命中し吹き飛ばされる!!
「子猫ちゃん!!?」つい、悲鳴を上げてしまった。このまま追撃されるかと思ったが仁村さんの様子が可笑しい?今、何をした?体が少しふらついている?
その隙に子猫ちゃんが白いオーラを纏った拳を胸に叩きつけた!!
すると仁村さんは膝を落とし「匙先輩、……すいません」そう言い残しリタイアの光に包まれ消滅した。今勝てたけど何があった?
「見た感じ脳震盪とかに似ているけどちょっと違うな?もしかしてあれは……」
「お察しの通り仙術を混ぜた打撃です!気脈の操作を私と一緒に訓練し習得しました。内部にもダメージを与えることができるので単純な打撃戦では剣吾さん、貴方より上回るかもしれませんよ?」
磯兄の疑問に伊藤さんが誇らしげに言う。へえ、気の使い方を教えていたんだ。でもいいなあ。
そうゆう風に協力できて僕はなんもできないからなあと思いつつ一誠と匙君に目を向ける。
すると匙君が魔力弾を打ち出したのを一誠は右手に出現させた白い籠手を出現させ威力を半減させる!
あれは!思わず立ち上がる!「あれを使ったのか!?やめろって言ったのにあんな危険な力!!」知らないうちに声を荒げていた。
「剣吾さん、あの色それに『Divide(ディバイド)』という掛け声まさか!?」伊藤さんの問いに僕は頷きながら
「ええ、あれはヴァ―リから奪った半減の力を持つ『白龍皇の籠手』(ディバイディング・ギア)です。ただし成否にかかわらず寿命を削ってしまう上成功率も一割以下という欠陥にも程がある危険極まりない力だからあれほど使うなって言ったのにあの馬鹿!!」
「匙の奴も無茶しやがって!心臓にラインを繋いでいる。命を魔力に変換してあの魔力弾を撃っているだろう。じゃないとあいつの魔力であそこまでの魔力をバカスカ撃つことは今のレベルじゃ無理だ!あいつら、終わったら纏めて拳骨だな!!」と磯兄も地味にキレている。
「匙はずっと一誠にコンプレックスを持っていた。それに加え夢を馬鹿にされた悔しさからあんな事したんだろうがたかがゲームであんな事やっていたらこれから先持たないぞ」と呆れと苛立ちを交えた表情で頭を掻きつつ言う。
「意外ですね、貴方はもっと評価すると思っていましたが?」伊藤さんがそう言うと
「……下らないプライドとかで限界を超え戦えなくなった奴らを幾らでも見てきた。あいつらがその選択するにはまだ早い。それにそう思っているのは俺達だけじゃなさそうだぜ?」
磯兄が顎でしゃくる先を見ると滝川さんがどこかに通信し険しい顔で言い合いをしているのが見えたが渋々という感じで頷き通信を切った。
「おそらく滝川博士も今の行動を問題視して試合中止の判断しようとしたがアザゼルのおっさんや悪魔のお偉いさんに説得され仕方なく見逃したという事だろう。次あんな事したらこの試合中止になっても可笑しくないぞ」と磯兄が言う。
互いに敵陣に踏み込み『女王』(クイーン)に昇格(プロモーション)する。
そのタイミングで一誠の『赤龍帝の籠手』の禁手になるまで2分間カウントが終わる。
「俺も命賭けて相手するぜ!!俺達もこんな所で負けられないんだ!!匙!行くぜ!!」
そう言うと『赤龍帝の鎧』に包まれた。
「ああ、成功してしまったか。一誠は一番の長所をこれで失わければいいけど……」
不安に思いつつも他の戦局にも目をやりながら僕は呟いた。
人工神器は滝川さんの存在もあり巡 巴柄以外のシトリー眷属の人工神器はここで登場します。
磯野敏博は作中であるように鍛冶もやっており実はエクスカリバーの復元にも関わっています。試合では贔屓にする訳にいかないので武器の手入れだけでしたが今後彼が打った武器を使うキャラがでてくるかもしれません。
剣吾が知っているの会ってすぐに現状聞いて教えてもらったからです。
黄盾(こうじゅん)黄色に輝く光のシールド。元ネタはアニメゴジラ三部作の非対称性透過シールド。防御力は高いがモスラの鱗粉に妨害される、消費が激しいなどで自分で使うより他者を守るのに使用することが多い。複数張って疑似的な結界にもできるが当然負担も大きいので本人は余り使いたがらない。