カミノフデ夏に全国公開だと思っていましたがどうやら公開時期はバラバラみたいですね。
自分の所で上映されるか不安でしたが上映されて良かった。面白かったです。
第六章 体育館裏のホーリー編 1
「……アザゼル先生!貴方は素晴らしい人だ!生徒の為に人体模型になる事を志願するとは!!不肖ながらお手伝いさせて頂きます!!」
「お、落ち着いてください!!アザゼル先生!思いっきり涙流して首振ってますよ!」
アーちゃんが何故か僕の腰に掴みかかり止めようとする。
「うん、縦に振っているね。科学や教え子に貢献できることを喜んでいるんだろう」と応えつつ刃物を手にする。
「どう見ても横に振っているだろうが!!」「最近乱視気味なんだろう!疲れているからそう見えるんだよ!!」と僕の腕を掴む一誠の手を振りほどく!!
「全身縛り上げて口も塞いでおいて何が分かるんですか!」「僕とアザゼル先生の仲だ。言葉にしなくても伝わるんだよ」
伊藤歌織(いとうかおり)さんが何故か僕に向かって「極光虫の指輪」(モスラ・ギア)から放つ糸エクセル・ストリングスをしてくるが掌から放つ冷気で凍らせ無力化する。
「いい加減にしろ!!少し落ち着け!!」「落ち着いていられるか!!もう二学期に入ってからどのくらい時間が経ったと思っているんだ!!」
遂に隠し切れない本音をっ漏らし昔の兄貴分である磯野敏博(いそのとしひろ)磯兄に食って掛かる!!
あの後催眠も含め認識によって事故で性別が変わった事を両親に受け入れられた。最初の2、3日は大人しくしていたが元に戻る素振りはなく遂に二学期が始まり生徒や教師始め学校関係者にも催眠し性転換事故を受け入れさせて今の状態になっている。
僕は無理やり縛られ解放されたアザゼル先生は荒い息をしていた。
「お前、俺を殺す気か……」「いやだな~、冗談ですよ。この目を見てください」と教室にいた全員に見せる。
「あの目は本気で殺すつもりね」「やっぱり相当ストレスたまっているだな」とクラスメイトが口々に言うのが聞こえる。失礼な。僕は平和主義者だというのに。
「ま、まあ落ち着いてよ剣刀(はやと)ちゃん」「できれば中島君と呼んでもらっていてもいいですか、イリナさん」机の上で突っ伏しながら落ち込む僕を慰めるイリナさんにそう返した。
全く彼女が転校して来てからそこそこ日が経つのに未だにこれとは……。
そんな事考えながら2学期が始まりイリナさんが転校してきた日の事を思い出す。
――――
夏が終わり新学期が始まる。
「イッセー聞いたか隣の組の吉田が決めやがった!」「うちのクラスからも大場が決めやがった!」「まじか!くそったれ!」と松田君、元浜君、一誠が騒いでいる。
この時期は毎年やれ誰が彼女できただの大人の階段を上っただの正直うるさいのだが今僕はそれどころでない。
「うるさいわね、あんたら童貞くさい。それより気になることがあるんだけどアーシアどうしたの?何か遠い目しているんだけど」
桐生さんの言葉に一誠は不機嫌になったので僕が代わりに応えた。「昔向こうで助けた男と再会して告白された。それで随分悩んでいるみたいだね」
「はっきり言うな!!」「こう言うのは黙っても仕方ないでしょ」一誠の抗議を軽くあしらうがクラスメイトは今の言葉で男女問わず大騒ぎになった。
だが、「この件でアーシアさんも随分悩んでいるのでしばらく放って置いてもらってもよろしいですか?」伊藤さんの鶴の一声で一斉に静まった。
皆気になる所が伊藤さんの目が光っている状況では聞くわけにはいかず以後見守る事になった。
その後一番近くて聞きやすいポジションである僕がしばしば対応することになったのは別の話。
アーちゃんの件がこれで収まったのにはもう一つ理由がある。もっと興味があるものがあるからだ。
先程から話しつつも僕をチラチラ見ている。……そりゃそうだよな。明らかに背が小さく華奢になっている。髪も夏休みの期間で伸びる訳が無い長さになっているんだ。
誰だって気になるわな。一々やるのは面倒なのでもうすぐ始める全校集会でアザゼル先生が催眠をかけつつ説明するのでそれまで余計な事を言わずに黙っていろと言われている。
こちらとしても一人一人に説明するのは面倒だからいいのだが、だからって「詳細はアザゼル先生が全校集会で話すのでそっとしておいてください」のプラカードを掲げないといけない己に涙が出そうになる。っていうか普通に一回泣いた。
皆も空気を読んで気になるけど触れないでくれるのは正直有難いが同時に辛い。
そして待ちに待った全校集会で校長先生の話が終わった後アザゼル先生が催眠により僕が実験で一時的に女体化しており戻す方法を模索中と伝えられた……。
教室に戻ると皆が矢継ぎ早に質問してくると思ったがその前に担任と何故かアザゼル先生も一緒に登場したのでそれが無かったので正直あり難かった。
「剣吾についてクラスメイトであるお前達にも説明したいがその前!大事な事があるぜ!」「何ですか?それ」
「聞いて驚け!このクラスに転校生が来ぜ!それもかなりの美少女だ!!」アザゼル先生の言葉に男子女子問わず興奮した!
「じゃあ、入ってこい!」そうアザゼル先生に促されてると「失礼します!」と元気いっぱいの声と共に入ってきたのは栗毛ツインテールが似合う美少女でだった。
快活そうな顔つきに均整のとれたスタイルで男子から『おおおおおお!』を歓喜の声が沸き上がる。
だが、こういう事に人一倍反応するはずの一誠は喜ぶよりも驚いていた。それはアーちゃんとゼノヴィアさんも同様で、目が飛び出しそうになっているほどだ。伊藤さんすら驚いている。
僕も同じ顔をしているんだろうなと「紫藤イリナです!皆さんどうぞよろしくお願いします!」
エクスカリバー事件で協力したイリナさんがあの時と同じ首から下げた十字架を輝かせながら頭を下げながら挨拶した。
「久しぶりね!剣吾君!何か随分かわったわね?」「……気になるのは分かりますが最初に声かけるの僕でいいんですか?」
ここは普通幼馴染である一誠か少し前まで一緒にいたゼノヴィアさんの方がいいと思うのだが……
その反応にクラスメイトは一斉に僕に食いついた!!「知り合いなの?」「いつ?」
「ほら伊藤さんやゼノヴィアさんが転校する前に会ったっていたじゃん。(第三章 月光校庭のエクスカリバー編 7)その時そもそも会う事になったのはこちらのイリナさんが一誠と昔幼馴染だから会いに来たのが理由だね。因みに僕とイリナさんは入れ違いという形だから前回までお互い会ったことがないね」と説明する。
「ああ、そうか!あの時写真に写っていた!!」松田君が叫ぶと「髪型違ったから分からなかったけど道理で見覚えがあった訳だ!」元浜君も立ち上がり言う。
それをきっかけに教室で話し始めるが「お~し!色々聞きたいことがあるだろが一旦落ち着け!イリナも席についてろ!」
「はい!ゼノヴィア!イッセー君!それにアーシアさんに伊藤さん!また会えて嬉しいわ!放課後オカルト部に行くからそこで詳しい話をしましょう」と手を振りながら指定された席に着く。
「よ~し、本来なら転校生の紹介に時間をかけたいがその前にどうしても改めて説明しないといけない事がある、剣吾前に出ろ」アザゼル先生に呼ばれイリナさんと入れ替わる様に前へ出る。
「全校集会でも言ったが剣吾は現在俺の実験に巻き込まれ性別が変わってしまった。つまり今は女だな。現在戻す方法を模索中だ!!」
「やっぱ本当に女になったのか!?それにしちゃ胸ねーぞ!」「僕も普通女体化したら胸があるもんだと思ったから最初変わったことに気づかなかったよ……」元浜君の問いに応える。
「折角だからスカートとか女子の制服にすりゃいいだろうが!何で男のまま!?」「別に女性になりたい思った訳じゃないし今はジェンダーレスの時代だよ。それに男装の女性は一定の需要があるもんだよ」と返す。
誰が着るものか!「可愛いですのに勿体ない!!」「伊藤さん、あんた僕が邪魔だから髪を切ろうとしたら必死に止めたよね?すごい邪魔なんだけど!!」
「そんな綺麗な髪切るなんて勿体ないですよ!男性の時より明らかに質が上がっています」
「……そんなに良いなら売ろうかな?」「そんな勿体ない!!」「君も含め皆で僕を等身大の人形にして遊んでいるよね!?」女になったあの日から今日までオカルト部女子から様々なヘアスタイルでいじられさらに服を着せられかなりうんざりしている。
早くこの煩わしい状況から日常に戻りたいもんだ。「ま、最悪女としての人生も案外悪くないかもだぜ!!」
はははと笑うアザゼル先生に「とりあえず元に戻す方法は今の所見当もつかないという事でいいですね?」
「ま、そうなるな!」ガシ!!その瞬間右の腕に肉食恐竜の頭部を模した大砲が装備される。
アザゼル先生が反応する前に恐竜の口で彼の頭部を挟む!!その状態のまま青い光が発効する!
「……ならば生かしておく理由も無くなるな」「ま、待て待て!は、早まるな!」「暴れるな!せっかく巻き込まないよう窓の外から上に向けて撃つんだから……暴れて変な所に曲がって誰かを巻き込んだらどうする?」
「お、お前はそんな奴じゃないだろ!?」「何か勘違いしているけど僕はあの兵藤一誠と磯野敏博の弟分だと忘れてもらっちゃ困るな?元々真面な神経しているわけないだろ!!」「どういう意味だてめー!!」
何故か抗議する一誠を無視し砲口が火を噴く所だったが「辞めてください!剣吾さん!!元に戻る方法は見つかりますからどうかここは抑えてください!」
「それで僕に何のメリットがあるの!?」「お願いします!剣吾さん!!」アーちゃんも涙目で僕の手を掴み止めようとする。そんな子犬みたいな目で見られたらな……。
「ま、新学期兼転校したてで死人が出るのは不味いわな。今日は大人しく引き下がろう」と言い大砲を消し席に戻った。
今日はってまたやるつもりかよ?と皆の心の声が聞こえてきそうだが無視をする。
「……はあはあ、じゃあ折角転校生も来たんだ……この問題をクラス皆で考えよう!」と息を荒げながらアザゼル先生が言う。
「それはいったい?」「これだ!!」伊藤さんが代表して聞くと黒板に何を書き終え叩きながら言う!
……えっと何々(第一回女になった中島剣吾ちゃんの名前を考えよう!)
「何すかこれ?」「しばらく女として生きていくだからそのままでは呼びづらいからこの機会に新たな名前考えようと思ってな」
「……え~いいっすよ、めんどい」と全く乗り気じゃない返事をしたが「いいですね!やりましょう!」と伊藤さん始めクラスの皆が盛り上がっている。何がそんなに楽しいのか?転校したばかりのイリナさんも楽しそうにしている。
っていうか「別に名字で呼べばいいじゃないですか?」元々名字で呼ばれる方が多いし。
「それじゃあつまらん!」ああ、そうですか。「剣子(けんこ)でいいじゃないですか?」
「何だその適当感満載な名前は!もう少し考えろ!」「……響きも元の名前に近くていいと思うのだがじゃあ剣夜(けんよ)は?」
「響きが悪い!」「じゃあ剣美?」「もっと真剣に考えろ!!」「……もうケンケンでいいよ」
「見ての通りネーミングセンスが無い事が分かったろ。だからコイツに任せちゃだめだ!もっといい名前を考えてやろう!」
「失礼な!少なくてもケンケンは鈴姐さんがつけたあだ名だぞ!」文句言う僕を完全に無視して名前を考えると事で盛り上がっている……ペットの名前考えるのこんなのだったなあ。
そう思いつつ文句言おうとしたらタイミングがいいだか悪いだか体育祭の打ち合わせでクラスから代表が行くのだが本来の係はこっちに参加したいという事で代役として行かされる事なった。
……単にうるさいから行かされただけだろうがこっちとしてもうんざりだからまあ、いいや。
戻ると「決まったわよ!中島ちゃん!!」とイリナさんが元気いっぱいで出迎えてくれた。
ま、何でもいいが決まったらいいや。「何ですか?」「まず剣の名前がつく女性の名前を探すのは苦労しました」
そう伊藤さんが話すが「じゃ決めなくていいですよ」「それでは聞いてください!私達が決めた名前は……」
見事に話を聞いていない……。「私達が考えた名前は中島剣刀(なかじまはやと)さんです」
「君達無理に剣がつく名前にしないでも鞘子(さやこ)とかでもいいんだよ?」「ちょっともっと嬉しそうに言ってください!」
「別に嬉しくないがね!」と叫ぶ僕の意思は完全に無視され剣刀と呼ばれるようになってしまった。後で知ったが両親や磯兄達も参加していたらしい。暇だなあ。
「紫藤イリナさん、あなたの転入を歓迎するわ。」
そんな事していたら放課後になりオカルト研究部部室に部員に加え顧問のアザゼル先生さらにソーナ会長まで集まりイリナさんを迎え入れていた。
「はい、皆さん初めまして――の方もよりも再び会えた方のほうが多いですね。紫藤イリナと申します!教会――いえ、天使さまの使者としてここ、駒王学園にやって参りました!!」
拍手で迎える僕達を余所に別れるまで仲が良かったであろうゼノヴィアさんと抱き合っている。展開と魔界が和平したことで対立する理由がない為か微笑ましい光景だ。
地味にイリナさんが下げている十字架がダメージを受けているようだがそれでもゼノヴィアさんも嬉しそうだ。
この学園に三大勢力で天界陣営の人がいなかったから彼女が派遣されたそうだ。「主への感謝~」、「ミカエル様は偉大で~」とか布教し始めたぞ。
まあ、アニメやアイドルとかの推し活よりは健全かもしれないね。
そう思っていると「イリナ、おまえさん『聖書の神の死』は知ってるんだろ?」「先生!!?」いきなりの爆弾発言に僕は飲んでいたジュースを一誠の顔に吹き出しながら突っ込んだ!
「アホ!ここに来たってことはそういうの込みで任務が下っているはずだ。ここはな、三大勢力の協力圏内の中でも最も重要視されているところだ。そんなとこに来るってことは、ある程度の知識があることだ」
「はい、総督。イッセー君に剣刀ちゃん!安心して。私はすでに主の消滅を認識しているわ」「……できれば名字でよんでくれます?」だが大丈夫なんだろか?本当に。
「意外にタフだな。信仰心が人一倍だったイリナが何のショックも受けずにここにきているとは」ゼノヴィアさんの言葉に笑顔のまま一瞬停止する。次の瞬間!
「ショックに決まってるじゃなぁぁぁぁい!!心の支え!宇宙の中心!父なる神が死んでいたのよ!?すべてを信じて生きてきた私だったからミカエル様に真実を告げられた時、ショックのあまり七日七晩寝込んじゃったわよ!!ああああああ主よ!!」
そう泣き叫びながらテーブルに突っ伏したイリナさん。よほどショックだったのだろう、いまだに引きずっているのだ。
「分かる」「分かります」ゼノヴィアさんとアーちゃんが頷く。
「あぁぁぁぁぁぁアーシアさん!!この前は魔女だなんて私酷い事言ったわ!何も知らないのは私の方だったのに。ゼノヴィアにも酷い事言って別れたわ。あなたの事情を知らずに協会から離れていったのが本当にショックだったの。――謝っても許されないけど本当にごめんなさい!」
二人にイリナさんが、謝罪を込めて頭を下げるが二人とも微笑みがら言った。
「イリナさん、私は気になんてしていませんよ。これからは同じ主を失いながらも敬愛する同志ってことでいいじゃないですか」
「私もそうさ。あれは破れかぶれで悪魔に転生した私も悪かった。いきなりだったものな。だが、こうして再会できたのはうれしいよ」『ああ、主よ』と祈ると三人で抱き合った。
後に「教会三人娘」と呼ばれる三人組はこうして誕生した。うち二人が悪魔なのは気にしてはいけない。
「お前さんはミカエルからの使者ってことでいいんだな?」アザゼル先生の確認にイリナさんもうなずく。
「はい、ミカエル様はここに天使側のスタッフがいないことを懸念されておりました。三大勢力の和平のシンボル的場に天使側から誰も来ていないというのは問題だと」
「今いる人員でも十分なんだがな。もともとお人よしを超えたレベルでもバックアップはしてるだろうに」
「随分にぎやかになったものね」とリアス部長も笑いつつも任された責任感に燃えていた。いやリアス部長だけでなくソーナ生徒会長も静かに燃えているみたいだ。
すごいなあ。僕だったらめんどくさいからごめんけどね。
「私が今回選ばれたのはゼノヴィア始めこの学園に知り合いがいた事が一つ。もう一つが」そう言うと李衣菜さんが立ち上がり、祈りのポーズをする。すると、その背中からまばゆい光とともに一対の白い翼が生えてきたのだ。
「こいつは驚いた。お前天使になったのか。つまり転生天使の技術を完成させたか。理論的にはできるとは思っていたがお前がその一人だったとは思わなかった」
「はい、『悪魔の駒』(イーヴィル・ピース)の技術をベースに、トランプをイメージにした『御使い』(ブレイブ・セイント)と称す配下をA(エース)からQ(クイーン)のカードで十二名、十四柱のセラフの方々がK(キング)となって編成されることになりました」
「なるほどねぇ。おそらく人工神器の技術も応用で入ってるんだろ。さっそく面白いもん開発しやがる。悪魔がチェスで天使がトランプとはな。まあもともとトランプは切り札って意味もある。神が死んで純粋な天使は二度と増えなくなったからな。そういう意味じゃ戦力拡充の切り札ってわけだ」
これで天使も人間から転生した物で増やせるという訳か……。まあ、悪魔だけ増やせるのは不公平だしいいじゃないだろうか。
「だがその分だとジョーカーもやっぱりいるんだろうな。十二って数字もってのも十二使徒をもとにしてるんだろう。全く楽しませてくれるぜ天使長様もよ。で、イリナ。お前さんのスートはなんだ?」
尋ねられたイリナは胸を張って答える。その手の甲にはAの文字が輝いていた。
「もちろん、ミカエル様のA(エース)です!もうこの栄誉だけで死んでもいい!!これからはミカエル様への信奉を糧に生きていくのよぉぉぉぉぉぉ!!」目を爛々と輝かせて言う。
そして数十年後にはレーティングゲームは悪魔だけなく天使を含めた他種族参加の国際大会が行わるとこを最終目標にしていると語った。
これで代理戦争の場を設けて互いのうっぷんを晴らせる場所を作る目的もあるとの事だ。
しかしジョーカーか……チェスとトランプ元になっているゲームが違うだけあって色々違うみたいだな。名前から凄そうだと思っているとそれまで黙っていたコスモスさんが口を開く。
「「チェスとトランプ……偶然ですがX星人の上位幹部もトランプとチェスモチーフの称号を与えられます」」
その言葉に全員が驚く。「「まず貴方達も知っているK(キング)、Q(クイーン)にJ(ジャック)。そしてもう一人まだ見ぬ敵A(エース)彼らは『フェイスカーズ』(絵札)と呼ばれるX星人最高幹部になります。」」と説明し始める。
「「キング、クイーンはそれぞれX星人の頂点に立つ存在です。それぞれが婚姻関係になり次世代のキング、クイーンを産み育てます。本来どちらかが統制官として一族を統べるのですが今回はまだ未熟とその称号を名乗る事を拒絶していたみたいですね。副統制官を務めている事から今の統制官は先代キング、クイーンがまだ健在の可能性が高いと思われます」」
『駒王協定』を結んだ時にいた二人の映像が映し出された。確かに強かったな。
イタイイタイ!部長ごめんなさい!と胸に見とれて耳を引っ張られている馬鹿は無視しよう。
「「キング、クイーンを守るのがジャックとエースです。事実上一般X星人が成り上がれる最高の地位ですね。基本的にどちらがキング、クイーンを守る最後の砦として護衛し片方が敵対勢力を殲滅に動く関係ですね。ジャックとエースは性別関わらず選ばれます」」
そう言うと僧兵姿のJ(ジェイ)いやジャックの姿が映し出された。僕達はまだ会って事がないが磯兄達が負けたA(エー)がおそらくエースなんだろう。
「「彼らを支えるのが『スーツ』と『チェスメン』になります」」「『スーツ』、『チェスメン』とは?」
「「『チェスメン』はキング、クイーンを除いた残る4つのチェスの駒の称号、『スーツ』はトランプで使われるスペード、ダイヤ、ハート、クローバー4つのスートの称号を与えられます。こちらも詳細は不明ですが特に性別は関係ないようです」」
なるほど、確かに似ているな。どこもモチーフは通じるものがあるのかもしれないね
「「X星人はまず初めに統制官から『聖文字』(シュリフト)と呼ばれるアルファベットのXを魂に刻まれます。これが彼らをX星人と呼ぶ理由でもあります。Xは未知数を意味し上で紹介したアルファベットに加えG、Z以外のアルファベットに変化するようです。覚醒したものを『星光者』(スターズ)、未覚醒のものはXとナンバーで呼ばれるので『ナンバーズ』と呼ばれるようです」」コスモスさんの説明でX星人の事も大部分かって来たな。
「そんな話俺達聞いてないぞ?何故黙っていたんだ?」
「「情けない話ですが私達もX星人と直接相対したわけでは無いのですよ。元の世界で戦った時は基本UFOでの攻撃でしたし、当時数少ない対人戦で戦った者はほとんど生きておらず断片的にしか情報が伝わってなおらずエクシフとビルサルドが聞いたことある情報を合わせたもので今のX星人にどこまで当てはまるか分からなかったので話すかどうか迷っていたんです」」
最初疑問に思っていたアザゼル先生だったが今の説明を聞き納得したのか頷きながら言う。
「……なるほど。ただでさえ断片的で不確かな情報に加えもう古いものだから向こうも変わっている可能性があるから余り話せなかったという訳か」「「はい、私達の言葉を鵜呑みして大変な事になったら不味いので」」
……なるほどね~。そうだったのかと思いながら気になる事があったので僕も口を挟む。
「ひとつ気になったんですけどGとZは何故例外なのですか?」「「Gは彼らの神を表す文字でZは0(ゼロ)。ゼロは彼らにとって特別な数字です。地球で言うトランプのジョーカーに当たります。おそらく現統制官がゼロだと思われます」」「ゼロはキング、クイーンよりも上なのですか?」
僕の言葉にコスモスさんは頷きつつ「「トランプのジョーカー同様ゼロは全てを凌駕します。キング、クイーンの中でさらに覚醒したものがゼロの称号を得るのです!彼らはカイザーと呼ばれ、彼らの神と直接対峙しその言葉を伝えます」」
「……つまりまだ見ぬ統制官はあの三人以上の怪物という訳ですか」……思いっきり手抜いたアレでお互い本気ではなかったとはいえ魔王様や堕天使総督とやりあえているのに想像するだけで恐ろしいなあ。
「まあ連中もそうそうすぐ動くことはないだろう。それより他の生徒会メンバーも来たみたいだしイリナの歓迎会と行こうぜ」アザゼル先生がそう言うのと同時に扉が開き匙君始め生徒会メンバーだけでなく磯兄達も合流した。
「悪魔の皆さん、私は今まで悪魔を敵視し続けてきたし、斬りもしました。けれど、ミカエル様が「これからは仲良くですよ」と仰っていらっしゃったので本音では私も仲良くしたいと思っていたので助かりました。これから教会代表として頑張っていくのでよろしくお願いします!」
その挨拶を終えると花沢鈴(はなざわりん)姐さんが歓迎の料理を作ってくれて歓迎会を楽しんだ。あの時は良かったなあ……。
――――
「イリナさんが転校してからどれくらいの時間がたったと思うの!!?僕未だに男か女はっきりしないという理由で実行委員会に強制参加することになったんだから……」と今、僕は荒れながらも落ち込んでいた。
「剣刀さんも随分変わりましたね……」「……せめて名字で呼んでくれませんか?」しみじみ言う伊藤さんに対し僕は顔を机に突っ伏しながら突っ込んだ。
という事で中島剣吾改め中島剣刀に変わりました。果たして元の姿に戻れるのだろうか?
性別や姿だけでなく色々変わったので次話の後書きでもう少し詳しく書きます。
X星人の階級は本編に書かれている様にゼロ>キング、クイーン>ジャック、エース>スーツ、チェスメン>スターズ>ナンバーズという順番です。それプラス役職という風になります。統制官、副統制官に選ばれるのはゼロ、キング、クイーンのみになります。
X星人同士では彼らの本名で呼び合う事もありますが同族以外には話す事も聞くこともできない言語になるので他種族には伝わりません。
この辺も6章中にもう少し詳しく説明する予定です。