大体7章終わってからの短編が多くて悩んでいたのもあったので丁度良かったです
第七章 放課後のラグナロク編 1
「おお!!凄い!結構格好いいねこの番組」「……だからっていいですか!!?あれ!!」
「もう何話も放送しているらしいしここまで話に喰い込んだらもうどうしようもないよ」
「全く何て事でしょう」僕中島剣吾(なかじまけんご)とモスラの巫女である伊藤歌織(いとうかおり)さんがある番組の映像を他のオカルト部と一緒に見ながら感想を言い合った。
映像を見ると丁度僕の義兄一誠そっくりの鎧姿をした主人公が、これまたリアス部長そっくりのスイッチ姫が胸を曝け出して触るシーンだった。その時
「説明しよう!おっぱいドラゴンはスイッチ姫の胸をスイッチのようにタッチすることでパワーアップできるのだ!」
原案に関わったアザゼル先生の声でナレーションが流れると共にパワーアップし敵を怪人を粉砕する。
ふむ、途中の演出はともかく中々の高レベルだなあと呆れるより感心してしまった。
今見ている映像は『乳龍帝おっぱいドラゴン』という一誠を基に作られた特撮ヒーロー番組だ。
あらすじは伝説のドラゴンと契約したおっぱい大好きな若手悪魔のイッセー・グレモリーが悪魔に敵対する悪の組織と戦うというものだ。著作権はグレモリー家が仕切っており、大分稼いでいるらしい。グッズも売られているらしく相当設けているらしい。
しかしリアス部長はともかく一誠は大体こんなもんだからおっぱいドラゴンって呼ばれると言われてもいつもの事だろうが。
本物より大部美化されているしいいじゃないか。変態と嫌われるより格段にマシだ。
「皆ももう少し意見言ったら?」「それどころじゃないだろ!先生しっかりしろ!」
一誠がそうツッコみながらアーシアこと僕の義妹アーちゃんに傷を治されて横になっているアザゼル先生を心配そうに見ていた。
「大丈夫だろ、その程度で死ぬならとっくの昔に死んでいるさ」僕がそう言いながらポップコーン食べながらおっぱいドラゴンを見ていると
「お前……それだけか。俺がこんな目にあってその程度か」と意識を取り戻したアザゼル先生が何故か恨めし気に僕を見つめる。
「そりゃああんたら冥界の子供達に悪影響与えそうなものを悪ノリして作るから伊藤さんが怒るのは当然じゃないか」
「お前欠片も助ける素振り見せなかったよな!!」「むちゃ言わないでよ。そんなどうでもいい事に命を懸ける気は無いよ!それにあの程度だったらアーちゃんもいるから大丈夫だろうが」
「全身拘束され毒針で穴だらけにされたあげく黒焦げにされたのによくそんなリアクションで済むな!!」
「よかったじゃない、その程度で許してもらって」「これのどこがその程度だ!」
「むしろ心配なのはサーゼクスさん達だね。次会ったらどうなるか?」「……でも本当に面白いですね。始まってすぐに冥界で大人気なのも納得です」と一誠の膝の上に乗り尻尾を振りながら子猫ちゃんが言う。
初回放送から視聴率50%を超える超オバケ番組になったから世の中分からないもんだね。
それより心配なのは「大丈夫ですかドライグさん?」一誠に宿る赤龍帝ドライグさんに声を掛けるが
『フフ、心配してくれてありがとう。だがもうどうでもいいじゃないか。どうせ俺とお前はおっぱいドラゴンで乳龍帝だ……』
リアス部長以上に嘆いているのがこのドライグさんだ。まさか自分がこんな扱われ方をされるとは思ってもみなかっただろうね。
声だけしかわからないが涙ぐんでいる様に感じたのはおそらく気のせいじゃないだろう。
「ああ、ドライグもゴメンな。巻き込んじゃって。でも偶にはこんなのも楽しいだろう?」
『ああ、本当に飽きないよ。お前といると……。何せこれから先もお前との付き合いはまだまだ続くんだもんなぁ……くくく……はは、あはははははは……』
乾いた笑いが止まらない。本格的にダメージが大きいだろう。そりゃそうだ。誇り高き天龍がこんな扱いされるなんて本気で死にたくなるだろうな。思わず同情してしまう。
これから僕以上にこいつと一緒になるから可哀そうで仕方がない。
そんな話しているといつまにかイリナさんと一誠が幼馴染トークをしていて一誠の言葉で翼が白黒に点滅している。そんなので堕天の危機とはずいぶん緩いだな。
見かねた伊藤さんがイリナさんのロザリオに聖なる力を加護し堕天のラインを引き上げた。今後転生天使及び天使が堕天使化しにくくする為のアイテムとかを天界と協力して開発しようとしているらしい。
すると朱乃さんがディオドラの眷属との戦いでデートすると約束していたので今度の休日デートをするらしい。まあ何でもいいがリアス部長とアーちゃん始め女性陣の反応からすると果たして無事に終わるかどうか。
――――
「修学旅行はこの4人だろうな」松田が修学旅行班決めで元浜、剣吾、そして俺一誠を指さして言う。まあそうだろうな。それぐらいしか組むやつがいない。
そう思っていると眼鏡女子である桐生が「私と教会三人娘、伊藤さんの5人と組まない。美少女5人でウッハウッハよ?」その申し出を断る理由が無かった。
俺とアーシア達が喜んでいると剣吾が「ご迷惑おかけします」と歌織ちゃんと桐生に頭を下げていた。こうして俺達9人は一緒に行動する事が決定した。
ディオドラの一件から前以上に距離が近くなり毎朝アーシアがほっぺにお目覚めのキスをしてくれるなどしてくれてその事を自慢すると周りから嫉妬の視線が凄いぜ!!修学旅行楽しみすぎるぜ!
――――
その日の放課後俺中島剣吾は一誠達と一緒に怪しい奴がいると報告があった廃工場に向かった。その内部には複数の黒い人型モンスターがそこにはいて交戦になった。
こいつらは戦闘員と呼ぶべきポジションで英雄派と呼ばれる者と一緒に行動している事が多い。
英雄派 彼らこそが現在『禍の団』(カオス・ブリゲード)で失墜した旧魔王派に変わり新たに台頭し現在のまとめ役らしい。その名の通り伝説の英雄や勇者の子孫、神器を有する人間から構成されているらしい。
だからこいつらを指揮する『英雄』様がどこかにいるはずだと思っているといつの間にか全く別の場所にいた。
……どこだここは?俺以外誰もいない。どう考えて敵の仕業だろうね。場所を変えられたのかそれとも幻影を見せられているのかどっちだろうね。
そう考えながらも改めて周りを見る。見た所これはヨーロッパの建物かな?多分。無数の石像があるのも合わさり遺跡や美術館みたいな雰囲気を感じる。具体的にどこの国、時代までは僕の知識ではよく分からないが。
何よりも……「凄いな」思わず称賛の声が出たのは遠くにあってよく分からないがこの距離からも見える巨大な塔がそこにはあった。
それも美的センスがない俺でも分かる美しさを感じた……がそれはそれとして「とりあえずあれを目指せばいいのか?」そう言って塔を目指そうとすると
「いたいたいたー!!」何やら騒々しい声が聞こえてくる。どこからだと思っていると「とりあえずくらっておけ!怪獣王!!」そう言いながらこちらにドロップキックをしてくる女性の姿があった。
それはいいのだがスカートなのだろうか?赤いパンツが丸見えになり思わず動きが止まりドロップキックを顔面に受けてしまった。
蹴りを食らわせた女性が宙返りして距離を取りながら「がはははどうだ!怪獣王!この英雄派武松様の蹴りは!!真面に喰らうとは鈍い奴だな!」
俺は改めて蹴りを喰らわせた女性を見る。どうやら学生らしく白いセーラ服を着ている……。
「何だ小学生か、もう少し年齢に合った下着にした方がいいぞ」俺は目の前にいる小柄な少女に言う。
「余計なお世話だ!折角サービスにパンツ見せたのに何だそのリアクションは!?大体俺は中学生だ!!」
「小学校から卒業したばっかりかな?悪いけど君からは色気を感じない。さらに俺は子供に性欲を抱かないんでね。後俺は高校生で年上だぞ」
「うるせー!!何て失礼な奴なんだ!!敵に年上も下も関係あるか!!ぶった切ってやる!!」快刀を構える!
「まあその通りだな。俺も年上の敵に敬意を払っていないしな。戦う前に聞く事がいくつかある。武松って確か水滸伝に出る武将だっけ?この妙な空間は君がやったのかい?」
「よく知っているじゃないか!その通り!武松は水滸伝で活躍した英雄!俺はその魂を受け継ぐ女だ!だがこの空間を作ったのは俺じゃない!ミケの野郎がやったんだ!」
「ミケ?三毛猫かい?猫の妖怪か何か仲間にいるのかい?」
「妖怪じゃありませんよ」武松と呼ばれた少女と話していると後ろから声が聞こえてきたので振り向くとそこには武松と同じ白いセーラー服を着た少女がいた。
見た感じどうやら武松より年上みたいだな。インテリ風の美少女がそこにいた。
「初めまして怪獣王。私はミケランジェロ。世界最高の芸術家です」
「ミケランジェロ……確か最後の審判を描いた人だったけ?っていうか何?武人や魔術師だけじゃなくて芸術方面の英雄もでてくるの?」
「英雄とは何も力だけが全てでは無いんですよ」「いや芸術家なら大人しく作品作りに専念しろよ。しかしそうなるともしかしてあの人類最高の天才レオナルド・ダ・ヴィンチの子孫もそっちにいるのか?」
ミケランジェロと名乗る少女に何気なく聞くと一気に雰囲気が変わった。
「ダ、ダ、ダヴィンチ!!!あの憎っき小僧の先祖をそこまで過大評価されるとは腹立たしい!!」とヒステリー気味にキレた!
「……なんかあったの?」武松に聞くと「ま、色々あってな」と肩を竦めながら応えた。
「いけない!怒りで動悸が……」そういうとどこからか彫刻刀と石の塊を取り出すと創作を始めた。
あっという間に石像をできたのを見て「おお、素晴らしい。ってことはこの石像というか空間作ったのは君か」
そう言いながら近くにあった戦士の石像を触りながら聞くと「ええ、その通り!どうですか私の作品は」
「お見事!素晴らしいもんだ。正に芸術家に相応しい芸当と言えるだろう。……でこれ何?何かの魔術?それとも神器(セイクリッド・ギア)ですか?」
「その通りこれは私の神器『迷夢の巨塔』(タワーオブバベル)によって作られた結界です」
「へえ、じゃあこの結界はあのでかい塔が本体って訳か……ってバベル!?まさか、あのバベルの塔なのかあれが!!」バベルの塔
聖書に書かれた人類が天を目指した巨塔でその罰として人類の言葉がバラバラになったという原因になった代物だ
「こんなデカいものも神器にできるのか?っていうかこんなものが神滅具(ロンギヌス)に選ばれていないのはおかしいだろうが、神話的に!!」
「ふふふお褒めに頂きありがとうございます。確かにモチーフ的を考えると神滅具でない事が不思議に思うかもしれませんね。ただそれには理由があります」
そう言うと巨塔を見上げながら「この『迷夢の巨塔』は残念ながら未完成。再建にはまだまだ時間がかかります。もし完成したなら”神の子を見張る者”(グリゴリ)からはこの神器を含む神滅具になり得る可能性がある神器をこう呼ぶそうですよ。『番外の神滅具』(エキストラ・ロンギヌス)と!!」
『番外の神滅具』何か格好いいな。「『番外の神滅具』は『迷夢の巨塔』の様に何かが未完成あるいは何かを失い本来の力を発揮できないものばかり。だがもし本来の力を取り戻したら正に神滅具に相応しい力を発揮する。そういうものばかりですよ」
「凄いな……じゃあ君が英雄派のリーダーって訳かい?」「んな訳ねーだろ!誰がそいつに従うかよ!俺達は大帝の……」「武松!!」
「大帝……そいつが君達、引いては英雄派のボスという訳か」「……これ以上は情報を漏らせませんが残念ながら私達が英雄派の中心という訳ではないですね。ではそろそろ始めましょうか!」
そう言うと先程まで触っていた戦士の石像が動き出し斬りかかってくる!同時に武松も「ハハハ!切り刻んでやるぜ!!」と踏み込んできて避ける事もできず両方からの斬撃を真面に喰らった。
ガン!「……痛っいなあ~、もう」頭に戒刀、石像の剣がまとめに当たり結構痛かった。
「痛いで済まねえーだろ!どんな頭しているんだお前は!!?」「こんな頭だよ」そう言いながら頭突きで石像を粉砕しながら目を桃色に輝かせるとハリセンをを作り武松の頭を叩き吹き飛ばした!!
「じゃあ悪ガキ共に拳骨するか」「眠れる像よ、敵を討ちなさい」
大量の石像が動き出し襲いかかってくる。木場君みたいに動きが速いが防御が弱いタイプには有効だろうが「その石像の防御力と攻撃力だったらもっと多くないと効果ないぞ」
そう言いながら石像を次々壊していく。折角だからと磯兄に教わった体術の型の練習として体術だけで対応した。
4、5体まとめて破壊した時に飛んできた矢を叩き落した。
「やっぱり遠距離攻撃する石像もあるか」そう言いながら矢が射られた方向を見るとあの巨塔があった。
「俺を無視するんじゃねえー!!」そう叫びながら武松が戻って来た斬りかかって来た。俺は竹刀を作り戒刀とぶつかる。
当然竹刀は斬られ武松は勝ったと思っただろう。だが斬られてた端から竹刀を復元し元にもどしそのまま武松に叩きつける!
吹き飛ばされた武松が石像を何体か巻き込み壊しながら地面に叩きつけられる!
「要はこっちが当たる前に当ててしまえばいいって話だからね」そう言いながらもやり過ぎたかとちょっと不安に思っていると「ぎゃははは!スゲーパワーだがこの程度じゃ俺は倒せねーぜ!!」
笑い声を上げる武松の足元に中央が数字に書かれている魔法陣があった。数字がカウントダウンされているが途中で立ち上がると数字が消えた。
するとダメージが回復した!?「俺様の神器は『武十回』(テンカウント)!10秒以内に起き上がれば完全復活できるんだよ!!」
それを聞き「なるほど!」そう言うと目を桃色に発光させ武松とミケランジェロを植物の蔓で拘束した。
「何!?」「これは!?」「どうやらあんまり俺の情報を知らなかったらしいな。お前達じゃ俺とは相性が悪いようだったな」
そう言うと『迷夢の巨塔』に狙いを定め荷電粒子咆を放つ!巨塔に命中すると爆発し崩壊していく!
おお、これは何というか滅びの美学というか中々絵になるな!芸術は爆発だと岡本太郎さんも言っていたし。
そう思っていると巨塔にダメージが出た事でミケランジェロが泣き叫んでいるが無視する。
気づくと空間が歪み元の廃工場がある景色に戻った。
「どうやら元に戻ってこれたみたいだな。さてと」俺はゴジラギアを解除し武松とミケランジェロの二人を見下ろすとバチーン!
「痛えー!!」「何するんですか!!」「悪ガキにはお尻ぺんぺんというのは古今東西お仕置きの定番だろが」
そう言いながら尻を叩くと「ちょっとセクハラですよ!」「てめえー!!レディに向かって!」
「もう中学生にもなってこんな事をする馬鹿なんて小学生以下だ!こんなので丁度いいだろう」
「女の尻叩いて喜ぶなんてこの変態!」「生憎人をいたぶる事もいたぶられる事も好きじゃないんだよ。まあそんなに文句言うなら……」
そう言うと二人の頭を近づけるとくっつけそれぞれの両端から握り拳で圧迫する俗に言うぐりぐり攻撃をした。
「ギャア!いてー!!てめー俺の天才的頭脳をアホにする気か!」「その馬鹿猿はともかく私の天才的な芸術アイデアが失わるのは人類の喪失ですよ」
「……わがままだな、仮にも敵で相手になんでそこまで気にする必要があるんだ。じゃあどっちがいいんだ、選ばせてやる」「「どっちもいやー!」」
「わがまま言わない!」そう言いながらお尻ぺんぺんを再開しようとする後ろから光線が放たれのを躱す。
再びゴジラギアを纏い臨戦態勢に入る。
放たれる緑色の光線を黄循で防ぎながら相手を探る……。どこにいるんだと思っていると上から無数の針が降ってくる!!本能で分かる!これは毒だ!!
俺はゴジラギアを青く発光すると爆炎を放ち撃ち落とす。
「波紋砲(はもんほう)!!」そう言うと緑色にゴジラギアが輝くと周囲の水を集め砲弾や銃弾の様に飛ばす!
相手はどうやら高速で飛行できるらしく全然攻撃が当たらない。どうすればいいのかと思っていると咄嗟に閃くものがあった。
髪を白く発光させると体の周囲に冷気が漂うと動きが軽くなった。まるで無重力或いは低重力になったのかもしれない。何で冷えれば重力が軽くなったかは不明だが今は良い!
これで追える!!俺は低重力状態にしたうえで足元に水を高圧噴射して追いかけた。
皆は確かこれを水進(すいしん)って言ったけ?まあどうでもいいけど
よし追いつきそうだ。姿を見せろ!!その時緑色の雷をしてきて漸く正体が分かった。
俺は雷をゴジラギアで斬りきりつつも「何しているだ!伊藤さん!」とツッコんだ。
折角敵を捕まえたのに何故攻撃すんの!!
「剣吾さん!貴方何しているんですか!!」「何って敵を倒したからお仕置きしているんだよ。まだ子供みたいだから尋問するのはちょっと可哀そうだったし」
「だからって女性のお尻を叩くなんて何ていやらしい!!」「いや別に性欲は無いからね。もしそれ目的だったらもっとエロく触っている!」
「女性への配慮……」「敵なんだから虐待云々言われても……」としばらく言い合いになっていたが
「って、こんな場合じゃない!もし仲間がいたら逃げられるぞ!」とアホなやり取りとしている時正気に返り慌てて戻ったがそこには誰もいなかった。
ですよねー!
その後一誠達と合流し部室に転移し情報交換に移った。流石に敵を逃がしてしまったから伊藤さんはコスモスさん達からお説教されていた。
まあそこはスルーしてあげるのが優しさだろう。英雄派の目的が分からなかったがイリナさんの発言を突破口に話し合っていくうえで恐ろしい仮説にたどり着いた。
それは禁手に至らさせるために僕達と戦わせているのではないかと……。
一誠達と戦った影使いがまるで禁手に至った時と酷似していたらしくその瞬間に魔方陣によって転移された。
どれだけ仲間がやられても一人できれば儲けもの、犠牲になった事でできるかもしれないという最悪な考え流石に外れて欲しいが……。
「そういえば僕が戦った相手が言っていたんだけど、どうやら大帝と呼ばれる奴が英雄派のトップらしいね」
「詳しく聞かせて……」木場君が話そうとしたとき朱乃さんが明日デート楽しみにしていると語った瞬間、空気が一変しグレモリー女子メンバーから殺気が一斉に一誠に向けられた。
もう話し合える状況でなく話はアザゼル先生がいた時に続けることにした。
僕達が家に戻ってから白装束の子猫ちゃんが一斉に仙術をかける事で少しずつ寿命100年もない削られた生命エネルギーを回復させてくれている。
いつもは伊藤さんも一緒に回復させていたけどまだお説教中だから置いてきた。
この事を告げてから『白竜皇の籠手』と『覇龍』を絶対に禁止すると心に誓った。
本当は房中術……要は交尾をすればいいらしいのだが伊藤さんに大反対されて中止になった。
ただいつもの反対と異なり子猫ちゃんの事を心配しているみたいだった。その顔が印象的で元々リアス部長達が反対していたのもあり僕は反対した。
話しにくそうだったから聞かないけどその内理由を聞いた方がいいだろうな……と思っていると漸く説教を終えた伊藤さんが珍しく疲れたような様子で戻って来た。
「おつかれ~」僕がそう言うと何故か伊藤さんがちょっと躊躇しているみたいだ。どうしたんだろう?
「け、剣吾さん。すいませんでした」「まあ、しゃあないさ。次気を付けよう」
「そ、それでですね」「?」「明日一誠さんがデートするらしいじゃないですか?」「らしいね」
「今回のお詫びとして……私達もデートしませんか?」その言葉に思わず思考停止してしまった。
――――
次の日、デートと言われ待ち合わせ場所でベンチに座って待っている。落ち着いている様に見えるが内心服装これでいいのかとか自問自答と繰り返している。
どこ行けばいいだろうか?水族館は使えないし……映画?いや好きなジャンル分からないし、博物館とか?
何かイベントがあればそこに行くんだが……でもこのパターンはもしかしてまたコスモスさんが一緒というオチかとか思っていると「お待たせしました」
伊藤さんの声が聞こえ振り向くとそこにウサギに月、秋の植物が描かれたピンク色の浴衣を着た伊藤さんの姿がそこにあった。
しまった!和装にすべきだったか!!でも僕もっていたっけ!?「凄い、綺麗だ」
頭の中で焦っていたが自然に称賛の声が出ていた。実際綺麗だった。まあ彼女の場合元がいいからどんな格好でも許されるだろな。
……周囲の視線で僕への嫉妬を感じるのは気のせいじゃないだろう。
「そうですか……よかった。何を着て行けばいいか迷ってしまって」「正直伊藤さんは元がいいからどんな服着ても許されると思うよ。問題はこっちだね」
そう言いながら「じゃあどこ行こうか?何か行きたい場所ある?」「そうですね……では」
「綺麗でしたね」「うん、凄かった」プラネタリウムを見終えた僕達はそう話し終えると「次どこ行こうか?何か食べたい所だね」
「それなら」という訳でパンケーキ屋にやって来た。ホットケーキは大好物だからよかった。
「そうやって食べると子供みたいですね」伊藤さんが面白そうに僕を見つめ「精神年齢はお子様なのは確かだね」と応えた。
「剣吾さん普段落ち着いるからもっと大人ぽっいと最初思ってましたよ」「落ち着いていないよ、周りにブレーキ役兼ツッコミ役がいないから仕方なく担当せざるを得ないだけだよ。……よく勘違いされるけど」
ため息つきながらそう応えると「ほっぺについてますよ」そう言ってシロップを拭いてくれた。
……子供みたいで恥ずかしいなあとは勿論思う。だがそれ以上に嫉妬及び殺意の視線を感じているのは残念ながら気のせいではないだろう。
さてどうしたもんかと内心ビビっていると何かに反応したように急に立ち上がった。それだけで大体察し急いで食べきると支払い店を出る。
「すいませんがこの格好では走れないので抱えて貰っていいですか?……こう人が多いと変身できませんし」
「わかった」そう言うとお姫様抱っこすると彼女の言われた方に向かって行った。
色々視線は痛いが仕方がないので無視した。だから気づかなかった。僕の事を怨嗟の視線で見つていた事に……。
人通りが少ない場所に移動したら一瞬で着替えそのまま走りだした伊藤さんの後を何とか付いていく!よく分かるなあと思っていたら「イッセーさん!!」と加速し角を曲がると一誠の悲鳴が聞こえた。
あんまり見たくないがその場を追いつくとそこには飛び蹴りを食らったであろう一誠が吹き飛ばされる瞬間を目撃した。
ここはラブホテルの前という訳か。よりによってとちょっと呆れていたが朱乃さんがガタイの良い男と口論している。今まで見た事ないような顔をしておりちょっと驚いた。
「あれはコカビエルさん!?グリゴリの幹部にして朱乃さんのお父様ですわ。どうしてこんな所に……」
「儂の護衛として同行しておるんじゃ」その声に振り向くとラフな格好をしたお爺さんとスーツ姿の銀髪の女性がいた。
今の声に聞き覚えがあったな……それにこの二人も何か見た気がするな。……誰だっけな?
僕が思い出す前に伊藤さんが驚きながら答えを言う。
「オーディン様!どうしてこの様な場所に!!?」
「な~に、日本に用事ができての~。そのついでに観光を楽しんでいるじゃよ」茶目っ気たっぷりに笑うオーディンさんに慌ててリアス部長達に連絡する伊藤さんの姿を見ながら、また面倒な事に巻き込まれるようで思わずため息をついた。
ジュニアハイスクールD×Dに登場した武松とミケランジェロをここで出してみました。
ここでは完全なスピンオフでおそらく今後は出ないと思います。出るとしたらジュニアハイスクール編に登場させます。