転生した羊の姫は,あの日の勇者に憧れる 作:ふふ歩
この度は手慰みに初めてTSものを描いてみました。
暫くの間、お付き合いして頂ければ幸いです。
ーー僕はかつて、勇者に憧れた。
物心付いた頃に見た絵本、それが僕の原風景だった。
今思うとバタ臭い絵柄の表紙には、剣と盾を持った美しい青年が美しい姫をその腕に抱きながら、恐ろしい魔王に立ち向かう姿。
内容も至極ありきたりで、選ばれし勇者が世界征服を企む悪い魔王に拐われた姫を救い出し、これまた悪い魔物をバッタバッタと薙ぎ倒しながら旅を続け、遂には魔王を倒して世界を救い、姫を結ばれて幸せに暮らしました…というもの。
ーーありきたりな物語、ありきたりな冒険譚、ありきたりなハッピーエンド。
人に話せば一笑に付されるような、手垢が付き過ぎて最早新しく感じてしまう程の陳腐な勇者の物語。
…けれど、幼い頃の自分は凄く夢中になった。理由は分からないけれど、酷く憧れ、心を震わせたのだ。
本を読む程に膨れ上がっていく冒険心と情熱を、ある日両親に全身に力を込めて、大きな身振り手振りとともに語った。
最も身近な存在に、その心の震えを共有して欲しかったのかもしれない。
ーーそんな下らない事を言っていないで、勉強しなさい。
しかしそんな初めての試みは、呆れ返った表情と言葉によって打ち砕かれてしまった。
これもまたありきたりな話だ。
ーー厳格な家庭、厳格な両親、厳格な躾。
彼らが自分に求めていたのは、幼稚な夢想の世界などでは無く、上手に世を渡っていくための手段だった。
買い与えられるのは、絵本や漫画、ゲーム等の子どもらしいものは一切なく、曰く「知育」とやらに役立つと言う実用的なものばかり。
本来ならば大切な友人達との遊びや交流も、学習机での小難しい参考書と睨み合い、学習塾に通う時間に取って変えられて行った。
ーー誤解の無いように言っておくが、僕は彼らを憎んではいない。
確かに少々暖かみには欠けていたかもしれないが、両親は両親なりに、愛情を以て僕に接してくれているのは理解していたからだ。
満足な食事にきちんとした衣服、回数こそ一般的な家庭と比べれば少なかったかもしれないが、団欒と言える時間もあった。
誕生日やクリスマスといった節目の祝いの日には、僕の大好きなご馳走を振る舞ってくれたり、プレゼントも与えてくれたりもしていた。
今思えば、不器用な両親であったのだろう。
多少の不満や寂しさはあったけれども、そんな両親に応えようと、僕も必死になって食らいついて努力を重ねた。
その甲斐もあってか、彼らの求める最高の、とまではいかないものの、最良とも言うべき成績を収め、それなりに学力の高い学校に行き、それなりに格式の高い企業に就職する事も出来た。
誰から見ても順風満帆な人生。
ーーけれどいつも心には、幼い頃の憧憬があった。
決して叶う事のない夢想が、いつも僕の奥底を、埋め火のように焼いていたのだ。
けれど臆病だった僕は、周囲の期待と愛情を裏切る事も出来ず、そのまま引き摺られるように人生を『こなして』いった。
社会に出ても、僕の生き方は特に変わらない。
言われた通りに仕事をこなし、取引先に頭を下げ、足を棒にして駆け回る。
大人になるに連れて両親に似てしまったのか、不器用だった自分は同期に入社した者達と比べたら成績もそこまで振るわず、どちらかと言うと少し出来の悪い、うだつの上がらない立ち位置の人間になってしまった。
上司や挙げ句の果てには部下からも侮られることも多かった。
けれども、不器用ながらも真面目に取り組んでいた自分をしっかりと評価してくれる人間もいたので、どうにか折れる事は無かった。
それに仕事の厳しさに応じて給料は良く、それなりに満足に足りる生活は出来ていた。
ーー幼い頃の憧憬は、ありきたりな『満足』と言う名の水を掛けられ、消えようとしていた。
あの日見た勇者の姿も、滲んで色褪せ消えていく。
それなりに日々を重ね、それなりの地位に就いたある日の事、親しくしていた取引先から、見合い話を持ち出された。
恥ずかしい話だが、それまで色恋といったものを経験した事の無かった自分は顔を赤面させて断ろうとしたが、せめて一度だけでもという熱意に根負けして結局受けることにした。
未だにうだつの上がらない自分と公私問わずに付き合ってくれていた人であったため、無碍にするのも申し訳ないと思ったからだ。
やはり何処か流されるまま、指定された日に両親と共にホテルのレストランに向かう。
指定された席に座り、指定された時間になって、件の見合い相手とその両親が姿を表す。
ーーその時の衝撃を、僕は永遠に忘れる事は無いだろう。
濡れるような黒髪をきっちりと切りそろえ、浅葱色の着物を身に纏った、緊張と恥ずかしさに頬を桜色に染めた可憐な女性。
少しカク付きながらも丁寧に腰を曲げて会釈をし、初めましてと微笑み掛けてきた。
衣服こそ着物だが、その姿は僕が思い描く物語の姫そのもの。
ーーその瞬間、僕の中で色褪せ黴ていたあの日の物語が、再び目を覚ました。
胸の中の埋め火が、溢れ出るばかりに燃え上がる。
ーー有り体に言えば、一目惚れだった。
挨拶もそこそこに、僕は恥も外聞も無く半ば叫ぶように言い放った。
『ーー結婚して下さい!!』
『……えっ?』
緊張と昂揚で裏返った初対面である僕の開口一番のプロポーズに、鳩が豆鉄砲を喰らうとばかりに茫然とする女性。
ーー今思い返しても、顔から火が出る思いだ。
当たり前だが、その後両親からは烈火の如く叱られ、女性とその両親は見合いの席の間終始顔を痙攣らせていた。
だがそんな僕の奇行が功を奏したのかは分からないが、彼女はそんな僕を『面白い人』と好意的に捉えてくれて、何度かの顔合わせの後交際が始まった。
女性を喜ばせる方法など一切知らなかった僕は、手当たり次第同僚に、上司に、部下に、果てには両親にすら話を聞いて回った。
あの日見た憧憬の姫そのものである彼女を、繋ぎ止めたい一心で。
『君がそんなに必死になっているのを初めて見たよ』
ある時、誰かに言われてはっと気付いた。
…僕が自らの意思で、何かをした事が何回あって、勉強や仕事でも無い事でこれほどまでに我武者羅になった事があっただろうか。
『ーー君にとっての人生が、ようやく始まったみたいだね』
半ば呆然とした表情が面白かったのか、彼は僕の肩をポンポンと叩きながらそう言って笑った。
『そうだな…まずは趣味について聞いてみたらどうだい? どうせ見合いの席の時の話なんて、頭から吹き飛んでいるだろう?』
ーー事実そうだったので、そういうことになった。
そして迎えた初めてのデートの日、その国の首都の中で最も大きく、有名な動物園を見て回り、帰り道でレストランで食事をした。
緊張と恥ずかしさでぎこちなくはあったけれど、出された料理に舌鼓を打ち、動物園の動物たちの事や近況など、当たり障りの無い会話を交わしながら食事は進んだ。
『ーーそう言えば、■■さんのお趣味、聞いてませんでしたね』
ふと、そんな話が持ち上がった。
その言葉に、少しドキリとしたのを覚えている。
それこそ、いつ僕が切り出そうと機会を伺っていた話題だったからだ。
僕の趣味ーー強いて言えば、本を読む事だった。
ただし、小説やエッセイといったサブカル的なものでは無く、学術書や実用書といった、幼い頃から親に買い与えられてきたものだ。
無論それらの本も好きなのは間違いない。様々な先人たちが積み重ねてきた叡智や研鑽の結晶を、自らの知識とする行為は仕事や話題作りに役立つことは少なくなかったし…何より、本を読み、ページを捲るという行為そのものが好きだった。
歴史を積み重ね、色褪せたセピア色のページの手触りと、黒いインクの文字列。
それがあったからこそ、苦しかった子供時代を乗り切れたのだと思う。
ーーけれど、本当に読みたいものは違っていた。
本当に読みたかったのは、あの日の憧憬にあるような、幼稚で陳腐な物語。
それでも、何故か心震わせてしまうような、何処までも勇しくて優しい、ハッピーエンドに満ちた冒険譚。
『そんな下らないーー』
けれど幼い頃のあの日、両親に切り捨てられた時のトラウマは大人になっても脳裏に焼き付いてしまっていた。
ーー何故ならそれは僕の原風景。生まれて初めて抱いた、誰かと共有したいと思った憧憬を拒絶されたという恐怖の記憶だ。
だから僕はそれまで、誰かと楽しみを共有するのを避けていた。
幼い頃の憧憬を、『本が好き』という代替行為で覆い隠して、誤魔化していたのだ。
『ーー学術書や、実用書を、読むのが…』
彼女から問われ、その日もまた、本当に自分が好きな事を覆い隠して、表向きの模範解答を返すーー返そうと、した。
その時、彼女と目が合った。
吸い込まれそうな綺麗な瞳だったーーその中には、僕が映っている。
一体僕がどんな趣味を持っているのか、少しワクワクとした期待に満ちている。
それを見てしまったら、もう誤魔化すことは出来なかった。
『ーーこれまでは、そうでした』
『でも最近は、絵本を…書いているんですーー小さい頃からの、夢だった、勇者の物語を』
それから、途切れ途切れに、今までの人生の中で押し殺していた、幼い頃の憧憬をポツポツと彼女に話した。
『ーーあの日、両親から勇者への憧れを切り捨てられたあの日から、僕は物語を読んだ事がありません』
『両親の庇護下から解き放たれてから手にした事はあったけれど、どれも心を震わせることは無かったんです』
それは当然だった。
僕はもう大人だーー情緒も、感性も、子供のままではあり得ない。
でも、どうしても、焦がれて、追い求めてしまうのだーーあの日抱いた心の震えを。
『ーーだから、無いなら作ればいいと、思ったんです。あの日心を震わせたような、そんな物語を』
そんな辿々しい僕の告白を、彼女は嘲笑う事も、頷く事も無く、ただ真剣に聞いてくれていた。
『なら今になって、どうして書こうと思ったんですか?』
『それはーー』
そして、そう問いかけてくる彼女の瞳を、もう一度見つめる。
ーー言うな。
ーー言ってしまえば、もう後戻りは出来ないぞ。
ーーまた切り捨てられるぞ、あの日のように。
ーーまだ会って間も無い相手に、お前は何を言おうとしているんだ。
自分の理性が、必死になって続く僕の言葉を押し留めようとする。
でも、もう僕は僕自身に嘘を吐きたく無かった。
全てを諦めようとしていた僕の前に現れた、あの日の憧憬そのものの『姫』ーーならば、その目の前にいる僕は何だ?
ーー僕は、なるんだ。
姫にとっての、勇者になるんだ。
『ーー貴女に、会えたからです』
『貴女に会えたから、僕は諦めていたあの日の憧憬を思い出せたんです』
『この憧憬を、貴女と共有したいと思ったんです』
『だから…今度、僕の作品を見てくれませんか?』
言った。
言ってしまった。
その時の僕はきっと、必死に縋り付く子犬のような表情をしていたと思う。
笑われたら、切り捨てられたら、馬鹿にされたらどうしよう…そんな不安が全身から溢れ出た。
『ーー素敵だと思います!!』
でも、僕のそんな不安は杞憂に終わった。
彼女は僕に対して、目をあらん限りにキラキラさせて身を乗り出していた。
その様子が今までに無い勢いだったから、喜びの前に戸惑う僕の手を取って、彼女は続ける。
『親には内緒にしていたんですけど…実は私、物語ーーううん、漫画やゲームが大好きなんです!!』
そう力強く告げる彼女の姿は、今までの清楚さからは想像も出来ないようなエネルギーに満ちていた。
『1番好きなのは、貴方が言ったみたいな、勇者が魔王を倒す王道ストーリー』
ーー嗚呼。
『でも、周りからはそんな下らない、低俗なものは止めなさいって言われ続けてました』
ーー彼女は。
『それでも…止められないんです。だって好きなんですから』
ーーまるで。
『けど、こうしてお見合いをして、貴方と出会って、もうそういう事からは卒業しなくちゃって自分を納得させようとしてました』
ーー僕のようだった。
きっと彼女も僕のように、物語に憧れ、けれどそれを切り捨てられ、憧憬を胸に埋めたまま過ごしてきたのだろう。
そして、その埋め火は今日この日、僕の言葉を聞いた事で再び燃え上がったのだ。
『でもまさか信じられないです。諦めようとした矢先に、同じような趣味の人に出会えるなんて』
『ーーこれって、まるで運命みたいですね!!』
正に、彼女の言葉通りだった。
僕らは、出会うべくして出会ったのだ。
ーーそれから幾度かの時が流れ、僕と彼女の交際は続いた。
時には、僕が彼女に作品を見せて、彼女がその物語に目を輝かせ、その感想に僕が一喜一憂したり。
彼女が僕に勧めてきたゲームを、僕が拙い動きであたふたしながらプレイして、その様子に彼女がケラケラと笑ったり。
僕が読んでいた学術書を覗き込んだ彼女が、その難しさの余り珍妙な顔になって、それ見て僕が笑った事に不貞腐れたり。
彼女の勧めで自費出版した僕の絵本が、とある出版社の目に留まり、デビュー決まったのを2人で小躍りせんばかりに喜んだり。
そんな、まるで宝物のような日々が積み重なったある日ーー、
『ーー結婚して下さい』
『ーーはい…喜んで』
僕たちは、夫婦になった。
それからの人生は、まるで走り抜けるように、色鮮やかに過ぎていった。
僕は結婚して間も無く企業を辞め、絵本作家になった。
勿論、内容は勇者の冒険譚ーーあの日見た憧憬そのものの物語だ。
ーーただ、少し違うのはその側には常に美しい姫がいる事。
ただ魔王に拐われ、助けを待つだけでなく、この姫は逞しいことに勇者と共に旅をするのだ。
『ーーだって、待つだけじゃつまらないじゃない? きっとお姫様も一緒に行きたがるわ』
『とんだお転婆なお姫様だね』
『ええーー知っているでしょう?』
そう得意そうな顔を浮かべる妻に、同じ姫が言うのなら間違いないね、と答えると、彼女は出会った時のように頬を桜色に染めた。
ーーそして時は流れ、勇者と姫の物語は続いた。
いくつもの時を重ね、愛を育み、子を成し、数多の作品を世に生み出していった。
けれどそれも、いつしか終わりは来る。
齢を重ねた僕は、度々寝込むようになり、次第に起き上がれる回数も日に日に減っていった。
医者が言うには、特に何かの病気という訳では無く、純粋に老化のためであるらしかった。
『ーーそろそろかなぁ』
ある日、寝込んだ僕の体を拭く妻にそう一言呟いた。
その言葉に妻は一瞬だけ目を見開くと、そうですか、と言って、僕の顔を覗き込んできた。
お互い齢を重ね、皺くちゃの老人になってしまったが、何十年経っても綺麗な瞳だーーその中には、僕が映っている。
妻の瞳に映る自分の瞳も、そうなのだろうか? きっと、そうであって欲しいと思う。
だって、僕にとって彼女は、未だに憧憬のままの姫なのだから。
『ーー勇者と姫の物語は、これでお終い?』
『うんーーとてもとても残念だけれど』
そんな姫を置いて逝ってしまう事の罪悪感の余りそう呟くと、彼女は頭を振った。
『きっと、まだまだ物語は続くわーーきっと主役が変わるだけよ』
『え?』
予想外の言葉に呆けたような表情を浮かべた僕に、いつものように笑みを浮かべて言う。
『何処か遠い世界に連れて行かれてしまった貴方を、今度は私が追いかけるの』
『そうねーー生まれ変わったら、今度は貴方、女の子になりなさいな』
そして私は男の子になって、勇者になって、お姫様になった僕に会いに行くのだ、と。
それを聞いた僕は声の限り笑った。弱った腹筋が吊りそうになるほどにゲラゲラと。
『君らしいね』
『そうでしょ? 実は私、小さい頃は勇者になりたかったの』
『うん、知ってた』
そう笑い合っていると、急に眠くなってきた。
頭がぼんやりとしてくる。
『それじゃあ、逝ってらっしゃいーー後で、追いつくから』
『うん…でも、出来ればもう少し後の方がいいかなーーきっと、すぐ追いつかれてしまうから』
貴方、鈍臭いものね、と妻が続ける。
それに関しては全くの事実だから、何も言い返しようが無い。
『ーーきっと僕を見つけてね。僕も、君を見つけるから』
『ええ、きっと見つけるわーーだから、貴方も私を見つけて頂戴ね』
「「約束だよーー」」
子供のように指切りをして、僕は眠りについたーー何処までも深く、世界すら超えた眠りに。
ーーーーそして、意識が浮上する。
「まぁ、貴方…立った…この子、立ったわ!!」
「ああ!! ほら、頑張れ…頑張れ!!」
弾むような声の方向に目掛けて、僕はよちよちと歩みを進めていた。
しかし、両足は頼りなく、頭が異様に重くてグラグラして体勢を上手く保つ事が出来ない。
2、3歩歩いた所で、僕はベシャリ、と床に倒れ込んだ。
ーー何が起こったのだろう?
転んだまま辺りを見回すと、見慣れない光景だらけだった。
床は慣れ親しんだ畳では無く、隙間とささくれの目立つ木の床板。
壁は罅の入った粗末な漆喰、天井は日本家屋のものでは無く、洋風の、梁などが剥き出しになった構造をしている。
調度品も、まるで博物館に置いてあるようなものばかりだーーそれなのに、しっかりと手入れの行き届いた真新しい光を放っている。
ーーそして更に僕に衝撃を与えたのは、僕を呼んでいた声の主の姿だった。
「あっ転んだ!? でも、全然泣かないわね…?」
心配そうに覗き込んできたこの世のものとは思えないほどに美しい女性の背中には、黒く艶かしい、蝙蝠のような大きな翼が。
「僕らの力を受け継いでいるんだ、当然だろう!! 強い子だ!!」
そう言って誇らしげに僕を抱き上げた男性の腕は筋骨隆々とばかりに逞しく、それでいて光沢を帯びた毛に覆われていた。
そして僕の顔に頬擦りする顔もまた、同じように毛に覆われ、それでいて牡羊のような…いや、そのものの顔をしている。
ーーそれは正しく、僕の中の認識で言う所の、悪魔と言われる存在だった。
そして抱き上げられた自分の姿が、縦に切れた瞳孔を持つ黄色く、それでいて慈しみの光を放つ瞳に映し出される。
「……ぁー」
まだ言葉を発せない僕の喉が、驚きにか細く震えた。
ーーそこには、小さいながらも羊のような角と、同じく羊のようなモコモコとした豊かな髪を持つ、可憐な幼子の姿があった。
(ーーごめん、妻よ)
(ーー君を見つけるのも、君に見つけられるのも、凄く…物凄く大変かもしれない)
妻の言う通り、女の子に生まれ変わった僕は、この二度目の人生で初めてのため息を吐いた。
まずは生まれ変わった所でプロローグは終了。
次回、転生後の主人公の詳細な設定語っていければと思います。