艦隊これくしょん ~愛を込めて、花束を~   作:哀餓え男

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ワダツミのスペックですが、ぶっちゃけ護衛艦かがのパクりです( ・ω・)


第百三話 あはは♪あはは♪あははははは♪

 

 

 

 

 「すごく、大きいです……」

 

 と言う感想しか出てこないくらい大きい、ワダツミのカタログスペックは以下の通りです。

 

 

 ワダツミ型艦娘運用母艦 一番艦 ワダツミ

 

 建造所 呉海軍工廠

 運用者 日本国防海軍

 艦種  艦娘搭載護衛艦

 級名  ワダツミ型護衛艦

 建造費 1,200億円 (初度費込)

 母港  呉

 

 艦歴

 

 所属  第1攻略隊群第1攻略隊

 計画  正化24年度計画

 発注  正化24年

 起工  正化25年7月7日

 進水  正化27年5月27日

 竣工  正化28年5月5日

 就役  正化29年12月14日

 

 要目

 

 基準排水量 19,500トン

 満載排水量 26,000トン

 全長    248.0m

 最大幅   38.0m

 深さ    23.5m

 吃水    7.1m

 機関   COGAG方式

 主機   IHILM2500IEC型ガスタービン × 4基

 出力   112,000 馬力

 推進機  スクリュープロペラ × 2軸

 最大速力 30ノット

 

 乗員   520名(うち司令部要員50名)+ 艦娘最大300名

 

 呉造船所で3年かけて建造された海軍の新型艦で、艦娘の輸送と現地での補給、修復をする事を目的に建造された艦です。

 大きすぎて、桟橋からでは甲板が見えません。

 

 「両舷にカタパルトがあると聞いていましたが、見当たりませんね。外しちゃったんでしょうか」

 「真横についてると思ってたの?ここからの角度じゃ見えないけど、もうちょっと艦首寄りの方にハッチがあるわよ」

 

 私の疑問に、横須賀鎮守府までワダツミを護衛して来た霞が答えてくれました。

 なるほど、艦首の方にあるなら、ここから見えないのも納得です。

 あ、だからですか?

 だから、ワダツミの外観図を見た満潮さんが、「ラー・カイラムの出来損ないみたいね。設計した奴は絶対にガノタよ」と、言ってたんでしょうか。

 

 「見た目だけじゃなくて、艦内も居住性を重視してるみたいよ。下手したら、鎮守府より快適に生活できるかもしれないわ」

 

 ふむふむ。

 霞の言うことが確かなら、艦娘のコンディションを保つのも設計コンセプトに含まれているのかもしれません。

 いや、その可能性が高いですね。

 艦娘のコンディションを保つと言うより、テンションを上げるのは戦術的に大切です。

 ちなみに、艦娘のテンションが上がった状態、通称『キラ付け』状態の艦娘は、性能が上昇してるわけでもないのに通常以上の戦果を叩き出すことが多いです。

 なぜ『キラ付け』と呼ばれるようになったかと言うと、テンションが上がった状態の子の目がキラキラと輝いて見えるかららしいですが、真偽は定かではありません。

 ここまでだとメリットしかないように聴こえるのですが、たまに……いえ結構な頻度で、テンションが上がり過ぎて暴走しちゃう子が出るそうです。

 その結果、キラ付け状態なのに速攻で被弾して撤退しちゃう事もよくあるとか。

 

 「ところで、横須賀提督は執務室?」

 「そうですが、もうすぐ左門提督や辰見さんなどの提督補佐の方々と一緒に、ワダツミ艦内の視察に出るはずですから入れ違いになるかもしれませんよ?」

 「そう、ならいいわ。ちょっと文句言ってやろうと思ってただけだから」

 

 ほう?文句ですか。

 何についての文句でしょう。

 中枢棲姫攻略戦の編成に、呉の駆逐艦が入っていない事についてでしょうか。

 もし、理不尽な文句だったら許しませんよ?

 

 「そ、そんな怖い顔しないでったら!それに、文句と言うより苦情に近いわ!」

 「苦情?何かあったんですか?」

 「あの艦長の事よ。横須賀でワダツミの到着を待つんじゃなかったの?」

 

 あ~、元タウイタウイ泊地の司令ですか。

 懐かしいですね。あれからもう2か月くらいですか。

 

 「それに関しては、左門提督が説得して()()()()()()()()()のは阻止したみたいなんですが、呉に留まるのは阻止できなかったみたいです」

 「阻止できてないわよ!?あのオッサン、完成前からワダツミの艦橋に居座ってたんだから!」

 

 そんな事を言われても、それは私の不手際じゃなく左門提督の説得不足です。

 

 「それにあのオッサン。毎日毎日執務室に、出港はまだかー!って怒鳴り込んでくるわ、毎晩のように空母共と酒盛して大騒ぎするわで大変だったんだから!」

 

 そう言えば、霞のお誕生日会の最中に大騒ぎしてる声がどこからか聞こえて来てましたね。

 あの声の元凶は艦長さんだったんですか。

 

 「空気を読んだのか、引き渡し式の時は大人しくしてたけどね」

 「ならいいじゃないですか。済んだ事は水に流しましょ?」

 「いやいや、せめて苦情の一つも言わなきゃ、こっちの気が収まらないわ!」

 

 気持ちはわからなくもないですが、作戦が正式に発令された今、司令官は多忙を極めています。

 そんな些事に気を取られている暇はありません。

 なので……。

 

 「私が聞いたという事で、我慢してくれませんか?大事な時期ですから、司令官の心労を増やしたくないんです」

 「う……わかったわよ。わかったから真顔はやめて」

 

 素直でよろしいです。

 私も怒るのはあまり好きではありませんから矛を収めてくれるならこれ以上は言いませんし、何もしません。

 それはそれとして、いよいよですね。

 ワダツミを目の前にすると、これに乗って十日後に私たちはハワイ島へ向けて出発するんだと、嫌でも実感してしまいます。

 

 「感慨深げね。作戦前で、緊張してる?」

 「緊張はしていません。今の自分が、少し不思議なんです」

 「不思議?頭の弱さが?」

 

 なんでそうなるんですか?

 別に私の頭は弱くありません。

 司令官の事以外を、たいして考えてないだけです。

 

 「私が、養成所で落ちこぼれだったって話、しましたっけ?」

 「アンタから直接は聞いてないけど……。噂で聞いたわ。正直、信じられなかったけど」

 「そんな私が後方の守りの要ですよ?不思議に思うのは当然じゃないですか」

 「アンタくらい強いなら当然じゃない?本気の大潮姉さんにも勝っちゃったんでしょ?」

 

 それも不思議でしょうがないのです。

 朝潮の艤装と適合するまで海面に浮いた事すらなかった私が、今は横須賀の駆逐艦 NO.2 ですよ?

 みんなの指導が良かったんだと思っていましたが、それだけでは説明がつきません。

 

 「私って、もしかして天才だったんでしょうか?」

 

 艦娘になる事で秘めていた才能が一気に開花した。

 うん、きっとそうです!

 ふふふ……自分の才能が恐ろしいです。

 もしかしたら神風さんより強くなってるかもしれません。

 だったら今こそ、あの時のリベンジを……。

 

 「アンタがそう思うんならそうなんじゃない?アンタの中ではね」

 

 その含みのある言い方はなんですか?

 呆れてます?

 どうして、また馬鹿が馬鹿な事言ってる。みたいな顔してるんですか。

 それじゃあ、私が普段から馬鹿な事ばっかり言ってるみたいじゃないですか。

 

 「馬鹿と天才は紙一重。とも言いますよ?」

 「じゃあ、馬鹿の方でしょ?」

 

 なるほど、あくまで私を馬鹿と断じますか。

 どうやら、霞はお姉ちゃんへの敬意が足りないようですね。あとでお尻ペンペンしてあげましょう。

 

 「でもまあ、アンタはその方がいいんじゃない?目的に向かって馬鹿みたいに邁進する。そっちの方が、アンタらしいわ」

 

 一度落として持ち上げてきましたか。

 あら?自分が言った事で照れちゃったのか、そっぽ向いちゃいましたね。

 もう、霞ったらツンデレなんですから。

 

 「だったら、最初から素直にそう言えばいいじゃないですか。ラインではあんなに素直なのに」

 

 例えば「今日ね。司令官が一人で書類を全部片づけたのよ♪」とか「今日は司令官が褒めてくれたの♪すごく嬉しかったわ♪」とか、「今日司令官とデートしたの!どう?羨ましいでしょ♪」って感じなんです……って、あれ?よく考えたら、惚気話ばかりですね。

 

 「いやほら、ラインだと顔が見えないから……」

 

 人差し指の先同士をツンツンしながら照れる姿は可愛くて大変よろしいのですが、なんだか腹が立ってきました。

 で、でもまあ、私は霞と違って、司令官の唯一の秘書艦ですから、司令官と毎日デートしてるようなものです!

 神風さんという邪魔者が居るのさえ気にしなければ、ですが。

 

 「呉提督に、ラインの内容を公開してやりましょうか……」

 「な!?絶対やめて!あんなの見られたら、司令官の顔まともに見れなくなっちゃうじゃない!」

 「距離が縮まっていいかもしれませんよ?うん、そうしましょう!妹の恋を応援するのも、姉の大切な務めです!」

 「バカでっかいお世話よ!そんな事したら、アンタが横須賀提督の事をどう思ってるかバラしてやるんだから!」

 

 ふ……甘いですね霞。

 私にとっては望む所です。

 なぜなら、私と司令官は相思相愛。

 今さら気持ちをバラしたところで、恥ずべき事などありません!

 いえ、むしろ……。

 

 「バラしてください。私と司令官にとっては、気持ちを確かめ合う事にしかなりません」

 「え!?アンタ達、もう付き合ってるの!?完全に犯罪じゃない!」

 

 何を言ってるのでしょうかこの子は。

 私と司令官は、まだ付き合ってはいませんよ?

 でも、お互いに想い合っているのは確実!それに犯罪でもありません。なぜならば……。

 

 「愛に歳の差なんて関係ありません!それに犯罪だと言われるなら、誰にもバレなきゃいいんです!バレなきゃ犯罪じゃないんですよ!」

 「いやダメでしょ!アンタやっぱり馬鹿じゃない!」

 「馬鹿とはなんですか!妹なら、お姉ちゃんの恋を応援してください!」

 「さっき、私の恋を応援するとか言ってたよね!?」

 

 そんな事も言ったかもしれません。

 ですが今は、霞の恋より私の恋の方が優先です!

 霞は呉に戻って、あのマザコンのオムツ交換を好きなだけしていてください!

 

 「はぁ、こんなのが後方の要だなんて、大丈夫なのかしら」

 「問題ありません。()()()()()()()()、ワダツミには指一本触れさせません」

 「私たちが合流する事、横須賀提督から聞いたの?」

 「いいえ、何も聞いてません。ですが、司令官が呉の艦娘を遊ばせておくとは思えません。誰かと共に、遅れて参戦する手筈なんじゃないですか?」

 

 司令官と元帥さんの会話で、それっぽい話題も出ていましたしね。

 それプラス、編成に呉の軽巡と駆逐艦が一人も組み込まれてない事を考えれば、私にだって予想できます。

 まあ、誰を連れて来るのかまでは予想が付きませんが。

 

 「そう、なら詳しくは教えないでおくけど、私たちは明後日には呉を出発して、単冠湾泊地に移動するわ。そしてアンタ達の出発から、半日遅れで泊地を出る予定よ」

 「北側から侵攻するのですか?」

 「進攻ルートまでは知らされてないけど、後方からの襲撃を予想してるならそうなるんじゃないかしら」

 「後方から、窮奇を挟撃してくれてもいいのですよ?」

 「それは期待しない方がいいわ。私たち……と言うよりは、()()()()()()()が足手纏いになりかねないから」

 「誰を護衛してくるのですか?戦力にならない人を護衛しても、意味が無いのでは?」

 

 そう言えば、司令官と元帥さんも()()()()()()()と言ってましたっけ。

 

 「中枢棲姫を倒すだけが、作戦の目的じゃないって事でしょ。もしかしたら中枢棲姫の攻略は、()()()なのかもしれないわ」

 

 なるほど、中枢棲姫討伐は本来の目的のための手段ですか。

 それにしては博打が過ぎると思います。

 司令官と元帥さんはそこまでして何をしようとしているのでしょう。

 

 「これは私の予想……と言うか、呉で()()()()()()()()()()()()を見てほぼ確信してるんだけど、中枢棲姫討伐はただの演出だと思う」

 「演出?」

 「そう、演出。やる気が失せた?」

 「いいえ。霞が言う通り、作戦が演出だとしても、私がやる事に変わりはありません。司令官の敵を、切り裂くだけです」

 「お~怖っ。横須賀提督は、とんでもない狂犬を飼ってるみたいね」

 「せめて忠犬と言ってくれません?もし、司令官が待てと仰るならいつまでも待つ覚悟ですよ?」

 「忠犬なら首輪くらいしてなさいな。野放しじゃない」

 

 そう言われてみればそうですね。

 でも、首輪をするのはちょっと……。

 司令官がそういう特殊なプレイをご所望なら吝かではありませんが、そうでないならただのお馬鹿さんです。

 ん?だったら逆に、司令官に首輪をつけるのはどうでしょう。

 司令官を狙ってる艦娘は私だけではないはずですから、他の艦娘に盗られないようにするために首輪をつけておくのはアリなのでは?

 うん、いいですね。そうしましょう!

 司令官に首輪をつけて、何処かの部屋に隠してしまいましょう!

 そうと決まれば首輪を買いに行かないと。

 でも、普通の首輪では簡単に千切ってしまいそうですね。

 だったら鎖……も、千切ってしまいそうですから、私が四六時中監視しましょう。そうすれば大丈夫です!

 

 「横須賀提督も大変ね……」

 「そうですよ?司令官は大変なんですから、苦情は言わないでくださいね?」

 「あ、そこに戻るんだ」

 

 え?そういう話じゃありませんでしたっけ?

 まったく、しょうがない子ですね。

 忘れっぽいなら、ちゃんとメモくらいとっておかないと駄目じゃないですか。

 それとも、どこかで怪我をして忘れっぽくなっちゃったのでしょうか。

 

 「霞、大丈夫?どこかで頭を打ったんじゃないですか?」

 「え?何で私が頭の心配されてるの?嘘でしょ!?」

 

 嘘じゃありません。

 おかしな事を言う妹の頭を心配するのは姉として当然。幸いな事に工廠はすぐ近くですから、すぐに連れて行ってあげましょう。

  

 「ちょっ!離して!どこに連れて行く気よ!」 

 「工廠です!霞はきっと、どこかで頭を打ったせいで忘れっぽくなっちゃったんですよ。あ、そんなに怯えなくても大丈夫ですよ?お姉ちゃんがついててあげますから」

 「アンタが怖くて怯えてるのよ!前は恐怖を感じる程馬鹿じゃなかったじゃない!」

 

 あ、また馬鹿って言いましたね?

 よろしい。

 お仕置きを兼ねて、少々手荒く治療してもらうとしましょう。 

 

 「え?マジで工廠に連れてく気?私、明日までに帰らなきゃいけないのよ!?冗談じゃないったら!」

 「小さな損傷でも命取りになる事があります!だから、ちゃんと診察してもらいましょう!」

 「むしろアンタが診てもらいなさいな!アンタこそ、どっかで頭でも打ったんじゃないの!?」

 

 はて?そのような覚えはありませんが……。 

 あ、わかりました。

 注射とかされると考えたら怖いから、話を逸らそうとしてるんですね。

 

 「大丈夫。怖くないですから行きましょう」

 「話を聞いて!?お願いだから、話を聞いてちょうだい!」

 

 なんだか楽しくなってきました。

 今、私はお姉ちゃんしてるって感じがしてとても楽しいです♪

 

 「あは……」

 

 なぜか笑いがこみ上げてくる。

 艦娘になって、初めてお姉ちゃんっぽい事ができたからか楽しくて仕方がありません。

 さあ霞、もうすぐ工廠に着きます。

 お医者様がどうしても怖いと言うなら、お姉ちゃんが全裸に剥いて隅から隅まで徹底的に診察してあげますからね!

 

 「あはは♪あはは♪あははははは♪」

 「なんで笑ってるの!?怖い怖い怖いぃぃぃぃぃ!」

 

 私は、なぜか半ベソをかきだした霞を引っ張って工廠へと赴きました。

 霞が何かを涙ながらに訴えて、それを聞き入れた治療施設の職員さんたちが霞ではなく、私をベッドに縛り付けて、高速修復材(バケツ)を溶かした液体を無理矢理口に流し込んだのですが……。

 

 それはまた、別の話ですね。

 

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