俺の幼馴染は俺の存在をなかったことにする。 作:胡椒こしょこしょ
世紀の大天災、篠ノ之束によって開発された女しか扱えない兵器、インフィニットストラトス。
通称IS。
その兵器の出現によって世界の情勢は大きく変わり、世の中には女尊男卑の風潮が広がった。
しかしある日ISを唯一扱うことが出来る男性、織斑一夏の出現により全国一斉検査が行われた。
しかし織斑一夏自体がIS操縦者の中でも最強と呼び声の高い織斑千冬の弟ということもあり、一般の男どもの中でISを扱うことが出来る人間なんているわけないと女性権利主義者たちはその検査自体を鼻で笑うのだった。
・・・しかし、織斑一夏以外にもISを操縦する適正のある男性が一人出現した。
その名前は加坂部湊。
成人済みの男性である。
彼はIS学園に連れていかれることになり、他の学生とレベルを合わせ、なんの後ろ盾もない男性操縦者という複雑な立場の為、安全も考慮した上で監視のついたホテルの中でタウンページのような厚さの参考書で勉強をやらされていた。
仰々しい黒服の存在など自身の立場の複雑さ故にこれからの自分の行く末に不安を募らせるのが普通であるがその男はそんなことはなく、なんなら余裕そうな表情をしていた。
彼にはこの事態を引き起こした人間が誰か心当たりがあったのだ。
「・・・もう結構遅いなぁ・・・・寝るか。」
湊は参考書から視線を外して、寝ようとした。
その瞬間・・・・・・
窓が音を立てて割れた。
「きゃあああああ!!!なにっ!なんなのっ!!」
湊はまるでオカマのような驚き方で驚く。
そこにはヘルメットを被った人物が立っていた。
そしてその人物はゆっくりとヘルメットを外すと。そこから桃色の長い髪とどこに仕舞ってあるんだと聞きたくなるような機械的なうさ耳が出てくる。
「へぇ~、君がいっくんと同じ男性操縦者か・・・・ふ~ん、まぁいっくんの邪魔にならなければどうでもいいよ。あんまり私の視界に入ってこないでよね。目障りだから。」
湊と目が合うといきなりそのような罵倒を吐きかけてくる女性。
もはやだれが見ても誰か分かるだろう。
そのくらいの有名人である。
ISを開発した張本人、天災と呼び名の高い篠ノ之束。
いきなり窓を突き破ってそんな有名人が入ってくればどんな人でも驚くことは請け合いだ。
しかし湊は束を視認すると同時に笑顔を浮かべて立ち上がる。
「お、束!!久しぶりだな!やっぱりお前だったのか!!」
湊が束の手を取ると、一瞬束の動きがフリーズした後、その手をはたく。
「誰だい君は。私には君みたいな間抜け面は知り合いにはいない。」
そう断言するもどこか顔の青い束。
こんな表情の彼女は誰も見たことはないだろう。
そう束に突き放されるも、湊は挫けない。
まるでもう慣れっこと言ったかの様子だ。
「何言ってんだお前、幼稚園の頃からの幼馴染だろ。なんなら前メールくれたじゃん。」
そう言うと束は目を細める。
「知らないって言っているだろ!!私が言っているのはいっくんが第一でお前なんておまけみたいなもんなんだから出しゃばるなよって言ってるの!!」
そう言うと湊も食いつく。
「やっぱりお前の仕業か!!前の日にお前の名前のメールで9日の一斉検査には必ず行けとか書いてたから行ったらISの適正あるって言われたし束なんかしたんだろ!?」
そう言うと束が鼻で笑う。
「はぁ?なんで私がわざわざそんなことしなくちゃいけないんだよ。そもそも君なんか知らないって何度も言ってるんだけど。」
そう言うと湊は束にべたべたとくっついていく。
「知らないとか悲しいこと言うなよぉ・・・。ずっと青春時代に仲良くしてきたじゃないかよぉ・・・・。」
「誰がお前なんかと仲良くしたか!!一方的にいつもお前が話しかけてきただけだろ!勝手に記憶を捏造するな!!・・・・あっ。」
束がまるでしまったと言わんばかりな表情に変わる。
そんな表情を見て、湊はニヤリと笑う。
「記憶を捏造するなっ・・・て、ようするに覚えているってことじゃないか。なんだよぉもぉ~照れ屋なんだからぁ~~。」
束の言葉尻を掴んだ湊はまるで飼い主を見つけた子犬のように嬉しそうに束に纏わりつく。
「ううぅ・・・がぁあああああ!!!本当にムカつく!だからお前なんかと話したくなかったんだよ!!纏わりついてくるな!!気持ち悪い!!昔から気に食わないんだよお前!!」
束はそれを癇癪を起したかのように湊を引き剥がそうとする。
もはや昔からと言っているところから分かるように、湊は束と幼馴染である。
いつも湊から束に話しかけていき、束が鬱陶しがるというある意味ルーティーン的やりとりを束がISを発表して行方を眩ませるまで続けてきた仲である。
「俺は束の事すきだぞ?おっぱい大きいし。」
「死ねよ!なんだその理由!!言うならもっとマシな理由を言えよ!!!」
湊の言うことに発狂したかのように喚き散らす束。
その剣幕をニコニコと受け止める湊。
「・・・・なに笑ってんだよ。気持ち悪い。」
怪訝な顔で湊を見つめる束。
「いや、ただ束は本当に久しぶりだからさ。うれしくて。」
そう言うと束は目を逸らす。
「そんなことで喜べるなんてさぞかし生きていて楽しいことばかりだろうね。・・・なに私は君とまともに会話してやってるんだろ。あほらし。とりあえずこれ受け取れ。」
束に渡されたのはなにかの証明書と指輪だ。
すると湊は顔を紅くする。
「そ、そんな・・・結婚だなんて。やっぱり束も俺のこと好きだったのか。不束者ですがよろしくおねが・・・・・」
「なに勘違いしてんだ。それは社員証とお前のISだ。今日からその身分名乗れよ。あとそのISは余り物だから!余ったパーツで作っただけだから断じてお前の為だけに作ったわけじゃないからな!お前にはそんなもんで十分だ!だから調子に乗って箒ちゃんに手を出したり、いっくんより目立ったりすんなよ!!」
束はジト目で湊の言うことを否定しつつ、畳み掛けるように話を進める。
「お、おう。ありがとな。なんであれ束のプレゼントなんて嬉しいよ。」
湊は困惑しつつも礼を述べる。
すると束は呆れた顔をして
「・・・本当に気持ち悪い。帰るから。」
束はそう言って窓から飛び降りた。
そしてなにかのシャトルのようなものが打ち上がる。
多分束が乗っているのだろう。
幼馴染である湊にはそれが予測ではあるが分かっていた。
「そういえばなんで、どうやって俺を適合者に仕立て上げたのか聞いてなかったな。」
湊自身、自分が一夏のような凄い才能溢れる人間ではないと分かっているので少なくとも今回の適正も誰かの仕込みがあったからで、断じて自分の才能や実力などではないと分かる。
通常自分のような凡人男がISに乗ることを可能にすることなど出来ない。
ただ一人開発者である束を除けば。
知り合いであるからこそ考えが及んだ。
実際はどうかは知らないが開発者であればISの設定も弄ることが可能だと思う。
だからこそなぜ自分を適正者にしたのか、どうやって仕立て上げたのか知りたかったが、まぁ聞き損ねたことは仕方ない。
今もっと重要なことは手のなかにある束からのプレゼントだろう。
手元にある社員証を見る。
そこには株式会社アリス・イン・ワンダーランド所属になっている。
IS関連の会社だろうか?
「なんの後ろ盾もない俺の為に所属の斡旋でもしてくれたのかな?やっぱり優しいな束。」
そして指輪も着けてみる。
綺麗な装飾で透き通るかのような宝石。
・・・・これマジで結婚指輪みたいだな。
束に対する感謝を抱きつつ、別のことに思いを巡らせる。
これからIS学園に向かうことになる。
そうなればそこで教師をしているもう一人の幼馴染に会うことが出来るのだ。
となればあの形の良く、プリンッとしていて服越しからでも劣情を煽る彼女のお尻をまた拝むことが出来る。
しかも生徒として入ると言うことは要するに千冬との女教師プレイを3年間も行えるということに他ならないのでは?
いやーまだ素人のぺーぺーだからとかいう理由で一年からで良かったー、マジでよかったー!
これからの学校生活が楽しみだぜ!
そう思いつつ、壊れた窓と吹き込む風を無視しつつ、眠りについた。
「束様、なにやってるんですか?」
銀髪の少女に正座させられている束。
「い、いやクーちゃんに言ったことはちゃんとやったつもりだよ?」
束は悪戯がバレた子供のように目を泳がす。
しかしそんな束をジト目で見つめるクーちゃんなる少女
「いやそもそも気づかれたくないとか言った本人がなんで脱いだんですか?おかしいじゃないですか。もともとの束様の作戦がのっけからダメになってます。」
それを指摘されると束は汗を流しだす。
「そ、それはほら、ヘルメットしたままだと話しづらいし・・・アイツの顔よく見たいし・・・それに顔がバレても計画には支障はないはずだよっ!」
そんな束の弁明に溜息を吐くクーちゃん。
「作戦は顔のよく分からない相手から後ろ盾とISをもらって誰なんだ感謝を伝えたいとなったところでIS学園にて束様登場、からの一緒に高校生として学園生活を過ごし最終的には伝説の樹の下で告白してゴールインが目的でしょう?もう第一段階で頓挫してますよ。もう初めから束様のお陰と分かっていたら意外性もなにもあったものではないじゃないですか。それに顔を晒した後もあんなに罵倒してきたりなんかして・・・・あんなのじゃ到底好感を抱いてはもらえませんよ。」
クーちゃんの的確な指摘に段々と項垂れていく束。
そんな束を見て溜息をまた吐いた。
「いい加減にしてください。もう既に手に入れてあった束様の制服も使い道がなくなったじゃないですか!あの人のこと好きなんでしょ!?もっと素直にならないと!」
「ち、ちがうよ?す、好きじゃないもんあんな奴。話しているとムカムカするし、その癖たまに私をフワフワさせてくるし、よく話しかけてくるし、簡単に好きとか言ってきて気持ち悪いし、とにかくあんな奴だいっきらい!!」
吐き捨てるかのように叫ぶ束。
「だったらどこの監視カメラにアクセスしたのか分からないあの人の映像を眺めるのを止めてください!見るに堪えません!好きじゃないならなんであんなことするんですか!?」
「そ、それは・・・・気に食わないからいつでも殺せるように見ているだけだよっ!!」
「そんなわけないでしょ!!??」
そして続いてく言い合いの応酬。
もはや段々と売り言葉に買い言葉のような言動へとお互いシフトしていき、そして最終的には・・・・
「もういいっ!クーちゃんなんか知らない!!」
まるで癇癪を起こした思春期の子供のように自室の鍵を閉めて、部屋に籠もる。
「束様!?ちょっと部屋から出てきてくださいよ!束様ぁ!!」
クーちゃんことクロエ・クロニクルは大人気なくも自室に籠もった束の名前を呼び、ずっと扉を叩き続ける。
ベッドで横になり、枕を抱くと顔を埋めて呟く。
「お前なんか・・・お前なんか大嫌いだ。ばーか・・・・・」
呟きは空気に消えて無くなり、いつの間にかクロエの束を呼ぶ声とドアを叩く音は止んだ。
中々素直になれない束にほとほと呆れ果てたのだろう。
篠ノ之束は加坂部湊が好きである。
しかし血は争えないのか妹のように素直になれないのだ。
よって彼女は今日も思いを抱いて眠りにつく。
加坂部湊:ウザポジティブ男、暑苦しい。
幼馴染が好き。
好みのタイプは束の乳と千冬の尻超融合した優しい女性。
そんな完璧超人は存在しないので是非とも理想に溺れて溺死してほしい。
篠ノ之束:腹黒ウサギ、エボルラビット、かわいい、おっぱいおおきい、逆バニーしてほしい。
なんていうか幼馴染に恋してる設定にしたら結構ヤバい要素が薄れて見える不思議。
でもこれ正直他人に対するスタンスは変わってない可能性が、濃いすか?
湊は昔から話しかけてくれるし、好きって言ってくるし、自分を化け物的な感じで恐れないし、自分のISに託した宇宙への思いも分からないなりにも理解を示してくれるから的な感じ。
まぁ正直、対魔忍書かないといけないんで続きは多分きっとおそらく書きません。